重慶

ラサから成都まで飛行機で2時間、再び降り立った成都の空気は、何となく肺には重たい感じがしました。
成都からバスに乗り換え約4時間、97年に中国4番目の直轄市(他は北京、天津、上海)になった重慶に到着しました。ここは、長江沿いの重工業都市ですが、街は長江の半島上の狭い土地に高層建築が密集して建っており、しかも冬は霧が多く、到着した日もビルの上が見えないくらいの霧でした。
ちなみに、ここは直轄市となった為、周辺を合併した為、都市としての人口は3,000万人とも言われる世界一人口の多い街です。
ここは、有名な三峡下りの起点の港です。ここから3泊4日で湖北省の省都、武漢まで下ってみる事にしました。




出港前の船のデッキからの重慶の街です。
ちなみに出港は夜の7時で、6時くらいに乗り込みました。

船は中国人用の豪華船ですが、これがなかなかの代物で、1等から5等までありますが、5等はベッドも無い船底のような所に泊る船です。

一等を買いましたが、1,875元(約3万円)で、武漢まで3泊4日、毎日上陸しての観光付きでした。










三峡下り

途中ですれ違った船ですが、これとほぼ同じような船でした。
一等を買ったのですが、2人部屋で、実は売れてしまった、とのことで、4人部屋の二等を一人で使っても良い、との事でしたので、シャワー、トイレ共同の二等にしました。デッキは一番上でしたので、眺めは良くなりました。

が、この船、一歩、二等の地区から外に出ると、部屋に入りきれない人が昼間はもちろん、夜も寝ていて、歩くのが大変、しかも、例のごとく食べかすを、そこらじゅうに散らかすので日が経つに連れ、どんどん汚くなっていきました。
まさに下のデッキは難民船状態で、写真を撮るのもためらってしまいました。

外国人向けの本当の豪華船もたくさんありますので、ご心配なく。









 

左が有名な三峡の入り口です。まさに大パノラマでしたが、冬は霧が多く、緑も少ないので、やはり訪れるなら夏をお勧めします。そういうこともあったのでしょうが、アイルランドとチベットを回ってきた身としては、正直、あまり大した事はない、というのが感想です。
右は、途中の巫山というところにある、小三峡です。ここは船から下り、小船に乗って観光します。冬なので水が少なく、所によっては船底をこすりながら、進みました。絶対に一年に何隻かは下から浸水し、観光客が水浴びをする事になっていると思います。





世紀の土木工事、三峡ダムの建設現場です。船が遅れ、夜の11時ぐらいの通過になってしまいました。が、夜も徹夜で工事が行われているようでした。

このダムによる水没地域の住民は一説によると100万人程に上るとの事。何をするにも規模が桁違いの国です。アメリカの人権団体や自然保護団体が反対しているようです。

ともかく、これが完成すると、三峡も水没してしまうようです。
全部で約200kmの三峡を過ぎると、だんだん川幅が広がっていく以外、いつまで経っても景色が変わらなくなってしまいました。
今回ほど、一人旅を後悔した事はありません。パソコンでのホームページ作成がいい退屈しのぎになりました。




武漢へ