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Soft Rock
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A WAY OF LIFE A WAY OF LIFE / THE FAMILY DOGG

 後に「カリフォルニアの青い空」で有名になるALBERT HAMMONDと、HERDやDAVE DEEグループのプロデューサーでもあるSTEVE ROWLANDを中心としたレコーディング・プロジェクトが1969年に発表したアルバムに、シングル・オンリーの曲をプラスしたCD。タイトル曲は英で6位まで上がったヒット曲とのこと。

 アルバム本編は、ナレーションが随所に入るのはトータル・コンセプト・アルバム風ですが、70年代ポップ風にたおやかに歌い上げる曲が多く、ソフト・ロック/ハーモニー・ポップ色も非常に濃厚。英サイケ・ポップ色が薄いのでこちらのコーナーにしました。そういえばジャケもLOVE GENERATIONの「MONTAGE」と構図が似てますね。

 また、COOK=GREENAWAYの曲もありますが、米有名アーティスト曲のカバーが多いのもソフト・ロック的な商売っ気というか、ショウ・ビズくささも感じます。プレスリーがヒットさせた「IN THE GHETTO」まで取り上げるとは。また、JIMMY WEBB作の「PATTERN PEOPLE」はBYSTANDERSもカバーしてますが、英で人気があった曲のようですね。

 シングル曲集の方が個人的に楽しめました。 BEE GEESのカバー・ソング集 にも収録された「STORM」がやはり一番の出来かと思います。1968年発表の「I'LL WEAR A SILLY GRIN」「COULDN'T HELP IT」もソフト・ロック的なスリリングさを持っている。後半の曲になると、アルバム本編のような路線になりますが、澄んだ高い声女性Voが歌う「LET IT RAIN」「THROW IT AWAY」「HOUSE IN THE HEATHER」は佳作。

 アルバム本編にはJIMMY PAGE、JOHN PAUL JONES、JOHN BONHAMが参加してますが、コアなツェッペリンのファンがこれを購入し聴いたら、さぞ絶句し後悔するではないのでしょうか。まあ、「SAVE THE LIFE OF MY CHILD」あたりはJOHN BONHAMぽいかなとは思いますが。

 このCDの内容とは余り関係ないですが、映画関係のトリビアを最後に。ライナーによるとメンバーのSTEVE ROWLANDは米映画業界の出身で、父親が映画監督、母親が作家、母親のおじがプロデューサーとのこと。確かに映画関係のデータベース・サイトにも彼の名前が登録されており、父親が監督した映画にも出演したことがあるとのこと。母親も脚本家や女優でもあったそうで、まさに芸能界一家です。母親のおじが「ベン・ハー」のプロデューサーとライナーに書いてありますが、これはアカデミーを総なめしたチャールトン・ヘストン主演の1959年作品の方ではなく、1925年製作のサイレント作品のことです。(2006/02/05)



THE MAGIC GARDEN THE MAGIC GARDEN / THE 5TH DIMENSION

 ソフト・ロックのブームで再評価された「真っ白けなソウルグループ」のセカンド。BEATLESのカバーを除く全曲の作曲とアレンジを担当したJIMMY WEBBの作品集ともいえる一枚。

 VANDA誌周辺の大プッシュによってソフト・ロックの歴史的名盤の地位を与えられてますが、JIMMY WEBBの迸る才気と、BONES HOWEのスキのないプロダクションと、メンバーの実力とが噛み合った、完成度の高い作品。何やら気高い雰囲気すら漂ってます。本盤の収録曲は1997年に出た必殺の2枚組ベスト「UP-UP AND AWAY THE DEFINITIVE COLLECTION」にも半分ぐらい収録されてますが、「PROLOGUE」から「EPILOGUE」通して聴かないと価値が判らないと思います。

 ただ、BEATLESの「TICKET TO RIDE」のファンキーなカバーがアルバム中では異色。販売戦略上の要請で入れたのかもしれませんが、邪魔な感じもします。

 本盤から大ヒット曲が出なかったのは、崇高すぎて、大衆を引き付ける下世話さが少なかったからかもしれません。この作品がTHE 5TH DIMENSIONのメインソングライターがJIMMY WEBBからLAURA NYROに移るきっかけになるのだから皮肉です。(2000/09/17)



FLIGHT RECORDER FLIGHT RECORDER/THE FLYING MACHINE

 「SMILE A LITTLE SMILE FOR ME」(邦題は確か「微笑んでよローズマリーちゃん」!)のヒットで有名な英のグループ。THE FOUNDATIONSと同じくトニー・マコウレイが作曲およびプロデュースを担当した事からソフトロック関係で注目されているようです。

 このCDには前身のPINKERTONS ASSORTED COLOURSからのシングル曲からTHE FLYING MACHINEの唯一のアルバムの収録曲まで収められているお徳盤。

 PINKERTONS ASSORTED COLOURS時代のヒット曲「MIRROR MIRROR」(デモ・バージョンなのが残念)は単純ながら覚えやすい曲調で好感がもてる。トニー・マコウレイが絡んでからは、覇気やビート感には欠けるが、しっとりと印象的で覚えやすいメロディーの曲が並んでます。ただ、黒人か女性ボーカルの方が曲が映えたのに、というのも少なくありません。まさに、メンバー本人の実力ではなく、優秀なスタッフがいたからこそ成功したグループの良い例といえるでしょう。(1998/08/16)



THE VERY BEST OF THE FOUNDATIONS THE VERY BEST OF/THE FOUNDATIONS

 60年代後期に数曲のヒットを飛ばした白黒混成の8人組。一言で言えばブリティッシュ・ポップR&Bでしょうか。私はパイレコードの編集盤「LONDON SWINGS」(ビクター 1998)ではじめて聴いたのですが、スティーヴ・ウインウッドみたいなボーカルだなと思いました。

 こってりと美味しいメロディーがソフルフルな声とゴージャスなアレンジに乗って,胸焼け寸前まで楽しめます。

 ソフトロック関係では有名らしいトニー・マコウレイがソングライター/プロデゥーサーで絡んでいます。

 ただ、トニー・マコウレイがスタッフから抜けると楽曲に魅力が無くなってしまいます。MCA移籍後の曲や再結成時の曲も収められていますが、夢よもう一度とばかりに、「BABY,NOW THAT I'VE FOUND YOU」の焼き直しみたいな曲です。そのデビュー曲の印象が強すぎて、そのイメージを変えられなかったのでしょう。(1998/06/10)



INTRODUCING... INTRODUCING... / FOUR KING COUSINS

 アメリカで有名な芸能一家KING家のいとこ4人組が1968年に発表した唯一のアルバム。ジャケットも当時らしくて印象的。ROGER NICHOLS作品「LOVE SO FINE」のカバーと、なんと書き下ろし曲「IF I FELL」があることソフト・ロック界で有名な一枚。その2曲はオムニバスCD「THE MELODY GOES ON SOFT ROCK VOL.1」にも収録されていたけど、そのCDを出したのと同じレコード会社(?)M&Mというところからこの「INTRODUCING...」が1993年に発売されてました。多分現在では出せないであろうと思われるアヤしい一枚です。

 内容はROGER NICHOLSの曲以外はすべて有名ヒット曲のカバー。ただ有名芸能一家の作品らしく、しっかりとしたプロダクションで保守王道的なまでに老若男女にうけそうな仕上がり。手堅い作りで汎ソフトロック的な作品。

 有名どこのカバーは、BACHARACHが2曲にBEATLESも2曲、BEACH BOYS1曲、MONKEES1曲、という構成ですが、その中ではオリジナルにないコーラスが入る「HERE THERE AND EVERYWHERE」がゆったりとして良い雰囲気。その他のカバーでは「LET'S GET AWAY FROM IT ALL」はあのシナトラも歌った曲だそうですが、INNER DIALOGUEにも似た歯切れの良さがあります。「CALIFORNIA NIGHT」はマイナーになるサビが良い。

 本盤の最大の売りであるROGER NICHOLS作品のうち、「LOVE SO FINE」はオリジナルと違ってサビでシャッフル調になる。これには賛否両論あるようですが、私は好きです。書き下ろし曲「IF I FELL」は「TRUST」を思わせる切ない曲調。この曲のSMALL CIRCLE OF FRIENDSバージョンがあれば是非聴いてみたかった。(2002/05/19)



FREE DESIGN

 ソフトロックの盛り上がりの中で「発掘」されたグループですが、本当に実在したグループなのでしょうか。誰かが最近でっち上げた架空のグループなのではと,彼らのCDを聴く度に考えてしまいます。

 というのは今までロック/ポップヒストリーの中には出てこなかったグループだからです。7枚もアルバムを出してたのに。それに当時にしては音質が良すぎるし,コーラスや編曲のテクニックがありすぎる。 それだけ彼らの残した音は時間や年代を超越しているという事でしょうか。

 よく言われることですが、複雑なコーラス,度重なる転調のわりには,すっと聞き流すことができます。バカラックのようないやみがない。注意深く聞いていると実は凄いことをやっている奴らです。

 トラットリアから出ている国内盤はもう生産中止だそうですが、LPもかつて国内発売されたなんて聞いた事無いし,輸入盤でも無さそうだし,中古盤は希少でしかも常識はずれの高値でしょう。このまま幻のグループになれば彼らの存在らしいと思いませんか?(1998/06/10)


 ...と思っていたら、何とテイチクから3RDと5THが発売されました。大英断と喜びたいですが、トラットリアから出た分は権利関係の問題で出せなかったのでしょうか。彼らの音楽を一人でも多くに知ってもらうため、ぜひ残りの作品、一度もCD化されていない7THや未発表に終わった中心人物CHRIS DEDRICKのソロも、諸問題をクリアして発売してほしいところです。(1998/08/02)



KITE ARE FUN 1ST「KITE ARE FUN」ベッドで心地よく凧上げの夢を見ているような「KITES ARE FUN」は正に名刺代わりの名曲だと思います。後の作品に比べて内向的とゆうか,密室性が高い。箱庭的ともいえるでしょうか。初々しいとも言えると思いますが,まだ少し生硬なところがあって、フォークコーラスグループみたいです。(1998/06/10)



YOU COULD BE BORN AGAIN 2ND「YOU COULD BE BORN AGAIN」 は1STより開放感のある音です。コーラスワークも1STよりさらに複雑さを増しています。ジャケットで青空(裏ジャケットでは夕焼け)を背景にニカッと微笑む姿で、タイトルは「君は生まれ変われる」と来るあたりに,彼らの自信を感じます。「DANIEL DOLPHIN」 は地味だがBEACH BOYSの「DEIRDRE」や「DISNY GIRL」のようにやたら人をノスタルジックにさせる名曲だと思います。(1998/06/10)





HEAVEN/EARTH 3RD「HEAVEN/EARTH」はバックをジャズミュージシャンで固め、心地よい緊張感に満ちています。VAN MORISSONの「ASTRAL WEEKS」もほぼ同時期の録音だと思いますが、ジャズミュージシャンをバックに録音するのが当時は流行だったのでしょうか。
 ただこの作品、ジャジーで洗練されすぎなため、いわゆるソフトロックの範疇からはすっかり外れています。それでもラストの「DORIAN BENEDICTION」をはじめ、深い美しさを湛えた楽曲群を充分に味わえます。「IF I WERE CARPENTER」のみ初期の録音だそうですが、これはこれで素朴な演奏に好感が持てます。(1998/08/02)



STAR/TIME/BUBBLES/LOVE 4TH「STAR/TIME/BUBBLES/LOVE」は1曲目「BUBBLES」のファンキーなリフに一瞬驚きますが、この曲のコーダが終わって2曲以降はいつもの彼らの世界。いよいよ完成の域に達した楽曲群を堪能できます。(1998/06/10)




SING FOR VERY IMPOTANT PEOPLE 5TH「SING FOR VERY IMPORTANT PEOPLE」は子供向けの企画盤だけに家庭的な雰囲気。穏やかな曲ばかりで昼寝には最適。(1998/08/02)



ONE BY ONE 6TH「ONE BY ONE」あたりになると年代も下って来て,A&M系的なMORに近い印象があります。ストリングスが鬱陶しい瞬間もあります(1998/06/10)



THERE IS A SONG 7枚目「THERE IS A SONG」。カナダ移住後の作品。ジャケットも音もシンプルで低予算。後半になるとアカペラの部分が多い。それ以前のPROJECT3が彼らにしてはいかに商業的な作品だったかがよくわかります。(2001/04/01)



COSMIC PEEKABOO 驚きの新録。なんと28年ぶりの8THにあたる「COSMIC PEEKABOO」。出だしでタイトル曲の「PEEKABOO」であの折り重なったハーモニーが流れ出す。この瞬間は時間の流れを感じさせない。これとラストの「PERFECT LOVE」は往年のまま。CHRIS DEDRICKの声はさすがに年齢を感じさせるしわがれたものになっている。(2001/04/01)





ELEPHANT CANDY ELEPHANT CANDY / THE FUN AND GAMES

 GARY ZEKLEYがYELLOW BALLOONの後に作曲、プロデュースを手がけたグループ。ずっとCD化を待望されていましたが、2005年にREV-OLAからCD化されていました。

 コンピ盤「THE MELODY GOES ON SOFT ROCK VOL.3」に収録されていた「CLOSE TO CARMEL」がくすんで黄昏た感のあるハーモニー・ポップの名曲で、そんな曲ばかりかと思っていたのですが、タイトル曲や小ヒットとなった「THE GROOVIEST GIRL IN THE WORLD」の能天気なバブルガムぶりや、BEACH BOYS「DON'T WORRY BABY」の手堅いカバーが意外。

 だが、「SADIE」「TOPANGA CANYON ROAD」やシングルのみの「WE」は「CLOSE TO CARMEL」路線の、期待を裏切らない高水準の作品。GARY ZEKLEYのオリジナルでないが、「THE WAY SHE SMILES」「IT MUST HAVE BEEN THE WIND」はグルーヴ感あるハーモニー・ポップ作品に仕上げているのもさすが。

 CDのクレジットによると、ジャケットを手がけたのはKIYOJI KISHIという日本人(日系人?)とのこと。あらためて象のイラストを見直すと、なんとなくGSのジャケット風にも思えてきます。(2005/12/25)