British Rock or Psyche Pop etc...
- Various Artists -
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ALPHABEAT / VARIOUS ARTISTS
TOP SOUNDSというレーベルから2005年に出たコンピ。ほとんど無名な収録アーティストもさることながら、音源もアセテート盤や放送用のものなど、レアものを集めた編集盤。ジャケもいい感じだし、ライナーも充実で、「上級者」からはいい仕事と評価されそうなコンピ。LPも出ているようですが、CDは750枚限定とのこと。私が持っているもののシリアルナンバーは343でした。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。「POP, PSYCH AND PROG ROCK 1967-1970」という副題で、一部サイケ・ポップ風もありますが、ジミ・ヘンの曲で始まりクリームの曲で終わることからもわかる様に、ブルース・ロックやハード・ロック色が濃厚。ただ、ドロドロしたところは少なく、聴きやすい曲が多い。
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Track01.THE BARRIER - FOXY LADY 〜 ベルギーでのフェスティバルでのライブ音源。結構白熱してます。
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Track02.GRADED GRAINS - GABRIEL SAYS YES 〜 本盤で4曲も紹介されている、オルガンが主役のグループ。CRAZY WORLD OF ARTHUR BROWNやDOORSの演奏部分が好きな人にはお勧めのグループ。
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Track03.THE PATHFINDERS - PUMPKIN LANTERN 〜 本コンピ盤で最もコマーシャルなグループ。華やかなアレンジのサイケ・ポップ風楽曲。
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Track04.BREAKTHRU - HERE COMES THE END 〜 このグループはフリーク・ビート風。
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Track05.GRADED GRAINS - ANIMAL MAGIC 〜
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Track06.MISSISSIPPI - MR. UNION RAILWAY MAN 〜 彼ら唯一のシングルから。シンプルでメロディアスなハード・ロックという印象。
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Track07.UNKNOWN - FIRST BACK FROM HEAVEN 〜 これは歪んだギターが目立つミディアム・テンポなハード・ロック。
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Track08.GRADED GRAINS - ON THE DOLE 〜
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Track09.THE PATHFINDERS - TO LOVE SOMEBODY 〜 BEE GEESのこの曲をカバーしたアーティストはいったい何組いるのでしょうか。これは間奏のアレンジに一工夫見られる。
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Track10.GRADED GRAINS - HARRY THE HERMIT 〜 彼らの4曲のなかで、最もサイケ・ポップな展開を見せる曲。オルガンも夢幻ないい雰囲気。
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Track11.BLACK CAT BONES - WARMTH OF THE DAY 〜 フリーやフォガットなどの有名グループと人脈的につながるグループ。唯一のアルバムのジャケも印象的。これは、クイーン・エリザベス2世号記念アルバムという、アンダーグラウンドな彼らに似つかわしくないアルバムに収録されていた曲。
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Track12.BREAKTHRU - SPOONFUL 〜 クリームも取り上げたWILLIE DIXONの曲。フリーク・ビートとして盛り上がってます。
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Track13.THE BARRIER - TOAD 〜 これもベルギーでのフェスティバルでのライブ音源。これも熱気が感じられる。
(2005/10/30)
SHAPES & SOUNDS - ORANGE & RED BEAMS FROM THE BBC ARCHIVES 1967-1969 / VARIOUS ARTISTS
2005年に上級者向けと言えるコンピ「ALPHABEAT」を出したTOP SOUNDSというレーベルから第2弾コンピ。サイケ・ポップ関連グループがBBC放送のためにレコーディングされた音源をアーカイブしたもの。
収録曲はどれもが放送用の音源とのことですが、バランスやミックスもしっかりしており、レコード用のバージョンかと一瞬思うほどです。また、予算の関係のためかホーンやストリングス類が入らない分、バンド本来の演奏を楽しむことが出来ます。曲間に入るDJの声も雰囲気を楽しむには程よい演出かもしれません。
以下、全収録曲とコメントをいくつか記載。
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Track01.KALEIDOSCOPE - JENNY ARTICHOKE
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Track02.GENTLE INFLUENCE - YOU'VE BEEN CHEATIN'
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Track03.THE MONTANAS - HEY GRANDMA 〜 彼らの演奏ではレコード化されていない曲。このコンピ盤でのMONTANASの演奏を聴くと、いかにTONY HATCHのプロデュースが彼らのダイナミズムを抑圧してポップグループ化させたのかが判ります。
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Track04.TIMEBOX - BEGGIN
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Track05.THE SPECTRUM - HEADIN' FOR A HEATWAVE
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Track06.TOMORROW FEATURING KEITH WEST - COLONEL BROWN 〜 TOMORROWはどれもレコードと殆んど同じアレンジと演奏のため、やや有難みに欠ける。
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Track07.TIMEBOX - STAY THERE
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Track08.THE MONTANAS - A STEP IN THE RIGHT DIRECTION
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Track09.TOMORROW FEATURING KEITH WEST - BLOW UP
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Track10.TIMEBOX - A GIRL LIKE YOU 〜 レコード化されていない、ラスカルズのカバー。OLLIE HALSALLのヴァイブが聴きもの。
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Track11.THE MONTANAS - YOU'RE NEVER GOING TO GET MY LOVIN
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Track12.TOMORROW FEATURING KEITH WEST - REAL LIFE PERMANENT DREAM
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Track13.KALEIDOSCOPE - MUSIC 〜 レコードの半分程度の長さですが、しっかり後半盛り上げてくれます。
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Track14.THE MONTANAS - OMAHA 〜 これお彼らの演奏ではレコード化されていない曲のようです。
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Track15.THE SPECTRUM - I TAKE WHAT I WANT
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Track16.TIMEBOX - YELLOW VAN 〜 レコードでは過剰な装飾でしたが、すっぴんなアレンジでも佳作です。
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Track17.GENTLE INFLUENCE - ALWAYS BE A PART OF MY LIVING
(2006/10/08)
SHAPES & SOUNDS VOLUME 2 - SHADE OF DEEPEST PURPLE FROM THE BBC ARCHIVES 1967-1971 / VARIOUS ARTISTS
TOP SOUNDSレーベルから第3弾コンピにして、サイケ・ポップ関連グループのBBC放送音源第2集。第1集とはアーティストのダブりがなく、今後の発掘にも期待したいところです。
以下、全収録曲(インタビューのトラックを除く)とコメントをいくつか記載。
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Track01.THE CASUALS - JESAMINE 〜 ポップでコマーシャルなグループというイメージがあったので、きちんと演奏しているのが少々意外でした。
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Track02.THE MIRAGE - THE WEDDING OF RAMONA BLAIR
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Track03.KATCH 22 - THE PRICE OF LOVE
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Track04.THE ALAN BOWN - PANDORA'S GOLDEN HEEBIE JEEBIES 〜 ASSOCIATIONのカバーながら、日本GSのような湿っぽい演奏。
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Track05.THE GUN - HOLD ON 〜 このコンピの中では彼らの演奏力は頭抜けている。LES FLEUR DE LYSの「REFLECTIONS」に収録されていた曲のカバー。
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Track06.THE CASUALS - MIDNIGHT CONFESSIONS
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Track07.THE ALAN BOWN - MAGIC HANDKERCHIEF
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Track08.THE BYSTANDERS - ROYAL BLUE SUMMER SUNSHINE DAY
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Track09.THE GUN - THE LIGHTS ON THE WALL 〜 彼らにしてはサイケ・ポップな曲
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Track10.THE BYSTANDERS - I AM THE WALRUS 〜 ライブ演奏しにくそうなBEATLES曲を果敢にカバー
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Track11.THE CASUALS - TAKE ME FOR A LITTLE WHILE
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Track12.THE GUN - A MOST PECULIAR MAN 〜 PAUL SIMONの曲。先のTrack09とともに彼らのサイケ・ポップ面をアピールする選曲。
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Track13.THE BYSTANDERS - RENAISSANCE FAIR 〜 BYRDSのカバーですが、英サイケ・ポップ界の人気曲だったようです。
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Track14.THE ALAN BOWN - MOVIE STAR BABY
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Track15.PORTRAIT - BORN TO BE WILD
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Track16.KILLING FLOOR - MILKMAN 〜 締めの曲はハードでブルージー。
(2008/04/13)
CIRCUS DAYS VOL1&2 POP-SIKE 1966-1970 / VARIOUS ARTISTS
VOICEPRINTがディストリビュートしている名オムニバス・シリーズの1巻と2巻をCD化したもの。サイケ・ポップ関係のオムニバスシリーズで最も玉石混淆が激しい(当たりとハズレの差が大きい)のが、このCIRCUS DAYS。その一方レア度も極めて高く、アセテート盤から起こした曲など、どうやって入手したのかほんと不思議です。もともと「STRANGE THINGS ARE HAPPENINNG」という英音楽雑誌が(付録で?)出していたのが最初だったようです。それをBAM CARUSOってところがCD化して、VOICEPRINTを通じて販売しているとのこと。
以下、気になった曲のみ羅列します。
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1曲目CLOVER「ICE CREAM MAN」− 子供コーラスがMARK WIRTZ作品を思わせる。CIRCUS DAYSシリーズの先頭にふさわしい逸品。
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4曲目PETER COOK & DUDLEY MOORE「BEDAZZLED」− コメディ俳優2人組。同じコンビによる「THE L.S. BUMBLE BEE」が他のコンピ盤に収録されてますが、この曲もスカした語りが入るクールでビザールな曲。
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6曲目STARS「AUNTIE ANNIE PLACE」− ハイトーンでクリアな男声が印象的な、さわやかさを持つ曲。
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10曲目TANDEM「SHAPES & SHADOWS」− 啜り泣くようなストリングスから始まるが、その後の展開はやや平凡。
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11曲目THE PENNY PEEPS「I SEE THE MORNING」− ホーンやホルンが彩る、なかなか快活な曲。
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12曲目JON PLUM「ALICE」− 前曲に続いてホーンが活躍する。バラードのようにささやくように始まるが、サビでは盛り上がる。このコンピ盤では、この曲とその前後が一番の聴きどころ。
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13曲目NICK GARRIE「WHEEL OF FORTUNE」− サビでは盛り下がるが、主旋はストリングスが華やか。
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15曲目ARZACHEL「GARDEN OF EARTHLY DELIGHT」− STEVE HILLAGEやDAVE STEWARTなどカンタベリー派のメンツが変名で発表したグループ。サイケなとこもあるが、やはり大袈裟でこのコンピ盤では浮いている。
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16曲目VASHTI「I'D LIKE TO WALK AROUND IN YOUR MIND」− アセテート盤から、よくぞ発掘してくれた曲。その後VASHTI BUNYANのCDにボーナス・トラックで入ったけども、このコンピ盤で初めて世に出て、これを聴いてLUSHがカバーしたと思われる。
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21曲目SMOKE「DREAMS OF DREAMS」− 「MY FRIEND JACK」で有名なグループ。ブギーなリズムながらもやや歌謡曲的なマイナーなメロ。
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23曲目THE FINGERS「CIRCUS WITH A FEMALE CLOWN」− 「PSYCHEDELIA AT ABBEY ROAD 1965 TO 1969」にも収録されていた曲。間奏のハープシコード(チェンバロ?)が快調。
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24曲目BLONDE ON BLONDE「CASTLES IN THE SKY」− サイケぽくはなく、歌い上げるタイプだが、いかにもシングル向きの上質なメロディー。
(2003/08/17)
CIRCUS DAYS VOL3 PSYCHEDELIA 1966-1970 / VARIOUS ARTISTS
VOICEPRINTがディストリビュートしているオムニバスのシリーズ3巻目。この3巻目だけ買い逃していたのですが、とある方のご厚意で入手する事が出来ました。個人的には1&2巻より好みの曲が多くて得した気分です。
以下、気になった曲のみ羅列します。
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3曲目CIRCUS「AMSTERDAM」− 後にKING CRIMSONとかCAMELとかで活躍するMEL COLLINSのいたグループ。メロトロンがなければ1969年とは思えない、クリアな音とひねた歌い方が70年代中後期のモダン・ポップ風な傑作。この曲は彼等のシングルやアルバムには収録されていない模様。
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5曲目RHUBARB RHUBARB「RAINMAKER」− くぐもった音とダルさを感じる歌がタイトルに合っている。
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8曲目HAT AND TIE「FINDING IT ROUGH」− 後に英NIRVANAを結成するPATRICK CAMBELL-LYONSがいたグループで、その彼が歌っている。躍動感あるファズ入りのビート・ナンバー。サビのメロディーなどはポップ。個人的にはハイライト。
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10曲目SHY LIMBS「REPUTATION」− 後にELPで有名になるGREG LAKEがいたそうな。PROCOL HARUMとBARCLAY JAMES HARVESTをあわせたような大袈裟な曲
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11曲目THE CHURCHILLS「TOO MUCH IN LOVE TO HEAR」− KEITH WESTの「ON A SATURDAY」をもっと軟弱にしたような曲。ジャジーな出だしだが、ストリングスやホーン、SEが絡む。
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12曲目THE LOVIN'「DO IT AGAIN」− 切れ味はあまり良くないが、ギターリフとハイトーンのコーラスも印象的なビート・ナンバー。
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14曲目THANE RUSSAL「DROP EVERYTHING & RUN」− もしMICK JAGGERが1966年にIMMEDIATEレーベルからソロ・シングルを出していたら、こんな曲になったかもしれません。それほどMICK似のボーカルがIMMEDIATEレーベル風のサウンドに乗っている。このTHANE RUSSALって人は2枚だけシングルを出してイタリアへ行ってしまったそうで、これも一種の伝説か。
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15曲目THE MIRAGE「TOMORROW NEVER KNOWS」− BEATLESのターニング・ポイント的な曲を、ちょっと同じBEATLESの「RAIN」風にアレンジ。かっこいい。
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17曲目SHY LIMBS「LOVE」− 10曲目と同じグループ。この曲ではGREG LAKEらしい声がはっきり確認できる。
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20曲目THE MIRAGE「AND LIFE GOES ON」− 目立ちすぎないキーボードのリフ、ふにゃとしたボーカル、効果的なコーラス、短いが夢幻なサイケ・ポップの小品。
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21曲目THE MARIANE「YOU HAD BETTER CHANGE YOUR EVIL WAYS」− 出だしはダウナー系かと思いきや、途中からポジティブな曲に。コーダのリフも良い。
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22曲目THE FENMEN「REJECTED」− ひんやりとしたメロディーだが、深いエコーにBEACH BOYS風コーラスが「PET SOUNDS」も想起させる。
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24曲目THE MIRAGE「MY DOOR」− ジェントリーな雰囲気も漂う。このコンピ盤ではTHE MIRAGEは3曲入っているが、その中では最もコマーシャルなポップ。
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25曲目THE MEDIUM「EDWARD NEVER LIES」− 演劇仕立てぽいフレーズがやたら印象的。KINKSを思わせるコミカルかつ哀感あるメロディーもいい。
(2003/08/17)
CIRCUS DAYS VOL4&5 UK PSYCHEDELIA 1967-1971/VARIOUS ARTISTS
VOICEPRINTがディストリビュートしているオムニバスのシリーズもの。VOL.6までは見たことがあります。収録されているのはほぼすべて無名のグループ。それだけに掘り出し物も見つかるのが嬉しいとこです。
1曲めがいきなりZEPPELINもどきなのが笑ってしまいます。2曲めもブギー調。3曲め以降はポップな曲が続きます。
サイケ臭いというよりは、フラワー・ポップ、ハッピー・ポップな曲が多く収められているように感じます。例えば2曲収録されているPETER&THE WOLVES。まるでIDLE RACEのファーストを思わせる、ふにゃけておとぼけてポップな楽曲が愉しい。その他にも、7曲めBROKEN TOYSの「BROKEN TOYS」、13曲めTHE CORTINASの「PHOEBES FLOWER SHOP」、まるでA TEENAGE OPERAな19曲めCLOVERの「ICE CREAM MAN」、しっとりとした23曲めDAVID COPPERFIELD STYLEの「I'VE BEEN WRONG,I'VE BEEN RIGHT」、ラスト25曲めBLUE YOGURTの「LYDIA」、これらはどれも乾いた曲調。
その一方で少しだけ湿った泣きのメロディーで、弦か管楽器がついている楽曲もいくつか見うけられます。例えば5曲めJUAN&JUNIORの「TO GIRLS」。12曲めPETER JANESの「GO HOME VILA」は室内楽とマーチバンドが合体したような演奏が当時のイギリスをしのばせます。14曲めTUESDAY CHILDRENの「SHE」、リフが頭にこびりついてしまう21曲めTHRESHOLD OF PLEASUREの「RAIN,RAIN,RAIN」も同系統。
そのほかに、個人的に気に入ったのをあげるとまず、9曲めTEMPLE ROWの「KINGS&QUEEN」。MOODY BLUESの曲ですが、多分発表はこちらが先のはず。10曲めJON ISHERWOODの「APPLE PIE」はミュージックホールソングっぽいイギリス臭い曲。アシッドな出だしからジャズぽくなりやがて印象的なサビになる16曲めTOMORROW'S THOUGHTSの「NIGHT IS LIKE DAY」、この曲はBEATLESの「BABY YOU'RE RICH MAN」を思わせます。
リンクにあるオレンジさんの「POP-SIKE」でも本盤を詳細にレビューしているので是非参照してください。(2000/04/02)
CIRCUS DAYS VOL6 UK PSYCHEDELIA 1966-1972/VARIOUS ARTISTS
VOICEPRINTがディストリビュートしているオムニバスのシリーズものの6巻目。VOL4&5ほど聴きどころは多くないのですが、佳曲がところどころに転がっているので捨てきれないとこです。
その佳曲を拾っていきましょう。まず1曲めCLOVERの「DREAM DREAM DREAM」、同じシリーズのVOL1&2やVOL4&5にも登場するグループですが、そちらに収録されている「ICE CREAM MAN」に比べるとこの曲は録音年代が大分後のような印象です。
2曲めTHE SWEETSHOPの「BAREFOOT & TIPTOE」、「A TEENAGE OPERA/ORIGINAL SOUNDTRACK RECORDING」にも収録されているMARK WIRTZ関連作品ですが、このコンピの中では他と抜きんでてあまりにも完成度が高すぎて、他の曲がかすんでしまうぐらいです。
4曲めCECIL McCARTNEYの「LIQUID BLUE」、チェンバロに語り風ボーカルのこの曲はハイドパークやらPINK FLOYDなどの固有名詞が出てきて、イギリスのサマー・オブ・ラヴを懐かしんでいるようです。5曲めPATTERN PEOPLEの「TAKE A WALK IN THE SUN」は間奏の音が割れたオルガンが良い。10曲めPRICE & SHERIDANの「TRACY SMITH」、わずか2分程度ながら室内楽なストリングスとフルートが盛り立てるせつない曲。13曲めQUEEN FLORA'S RECOLLECTIONSの「RED BRICK HOUSE」は子供コーラスが「A TEENAGE OPERA」風。
後半はバラード風の内省的な曲がよく出てきます。15曲めLEZE MAJESTYの「REGENCY GARDEN」はもったいぶったイントロと大泣きなメロディーがなんとも大袈裟。16曲めSPARROWの「DREAM SONG」女性ボーカルによる湿っぽい曲。18曲めTHE IDLE HANDSの「REMEMBER」もその傾向。21曲めTHE FACTORYの「RED CHALK HILL」は弾き語り風でこれも内省的だが、ジョン・レノンのような声質でボブ・ディラン風に歌うボーカルがなかなか魅力。これを歌っているのはPETER & THE WOLVESのJOHN PANTLEYだといわれているそうです。
23曲目そのPETER & THE WOLVESの「SMOKEY WOOD」、ピアノで導かれるイントロで同じシリーズのVOL4&5収録曲のようにおとぼけな曲かと思いきや意外にもちょっとおセンチなバラード。
未発表曲あり、デモもありと、どこから音源を調達したのか不思議なこのコンピシリーズ。貴重ではありますが、発表年度とかグループのバイオとかの情報が欲しいところです。(2000/04/16)
FADING YELLOW / VARIOUS ARTISTS
FLOWER MACHINE RECORDSというところから出ている、TIMELESS POP-SIKE & OTHER DELIGHTS 1965-1969と副題のついたオムニバス盤。1995年にこれのLP盤が出ていて、曲目は少ないのだろうけど、330枚しかない限定盤だったらしい。これはCDですが、やはり1000枚しかない限定盤と謳っている。またこれの第2集、第3集のCDもあるが、それはUSのグループばかりとのこと。
収録曲は、サイケ度はソフトめでドリーミーないい曲ばかりで、まだまだ世の中には埋もれてる傑作があるんだなとわかります。限定盤にするのはもったいない。もちろんマスターからでなく盤起しで収録したのでしょうが、痩せた音質で高音が強調されてます。でも何となく、まともな音質よりこの方がこれらの楽曲にはあっているような気もします。「CIRCUS DAYS」のシリーズにも言えるのですが、いかにも埋もれていたものを聞いているとだなと感じるし、楽曲に神秘的な印象も与えていると思います。思いすぎかもしれませんが。
以下、気になった曲を羅列します。
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Track01.KATE - STRANGE GIRL 〜 出だしのムーディなサックスには違和感があるが、テンポを変えてストリングスが切り込むサビの盛り上がりは素晴らしい。
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Track03.EDDY HOWELL - EASY STREET 〜 シャッフル調でさわやかなメロディー。
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Track04.MIKE BATT - FADING YELLOW 〜 このコンピ盤のタイトル曲は、その後WOMBLESで有名になる彼の内省的なバラード。
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Track05.STEFF SULKE - OH, WHAT A LOVELY DAY 〜 なんとなく高原の朝を思わせる、実に爽快なソフト・サイケ。個人的には最大の発見。
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Track07.THE ZEPHYRS - I JUST CAN'T TAKE IT 〜 こもった音が似合う、これも内省的な曲。
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Track08.JON - IS IT LOVE 〜 トラッド・フォークぽいイントロからボーカルは儚げだが、何故かファンキーな演奏になるのが変。
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Track09.KOOBAS - WOE, IS LOVE MY DEAR 〜 これこそ埋もれていた名曲。サイケとトラッドの美しい結合。BEATLESとも関連があるグループがデンマークのシングルB面のみで発表した曲で、英フォーク界のVIP、BERT JANSCH作。イントロだけで泣けてきます。
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Track11.THE GREMLINS - THE ONLY THING ON MY MIND 〜 BYRDSのようなギターリフに、胸を焦がすメロディーが乗っかる、これも傑作。
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Track13.SUNDRAGON - FAR AWAY MOUNTAIN 〜 ストリングス系とホルンによる美しく壮大なイントロを持つバラード。なよっとしたボーカルとの落差も味。
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Track14.JUAN & JUNIOR - ANDURINA 〜 これもBYRDSのようなギターリフで始まるが、その後はストリングスも印象的。
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Track15.HAMLET - SHE WON'T SEE THE LIGHT 〜 湿っぽい歌い方だが、室内楽なアレンジに端正なメロディーが良い。
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Track16.PAUL & BARRY RYAN - MADRIGAL 〜 PAUL & BARRY RYAN随一のサイケ・ポップなこの曲を選んだセンスには共感できる。ボーカルのエフェクト具合がいいし、チャイムみたいなキーボード、フルート、最後のシタールなど、正にマジカルな曲。
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Track20.ELLIOT SUNSHINE - 'COS I'M LONELY 〜 「THE GREAT BRITISH PSYCHEDELIC TRIP」シリーズにも収録されていた曲。流れるようなさわやかなストリングスと優雅なボーカルが印象的な曲。
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Track21.PETER JANES - DO YOU BELIEVE (LOVE IS BUILD ON A DREAM) 〜 CAT STEVENSプロデュースだというこの曲、主旋では背後にメロトロンが流れ、サビではファズギターが盛り上げる。
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Track23.THE JACKPOTS - KING OF THE WORLD 〜 NIRVANA - TINY GODDESS」もカバーした事があるという彼ら。このコンピ盤のなかでは派手めのアレンジ。ソフト・ロック好きにも受けそう。
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Track24.MEMBERS OF TIME - DREAMIN' 〜 全編にわたる北欧エレキ風ギターが印象的。
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Track25.AEROVONS - WORLD OF YOU 〜 ちょっと「I AM THE WALRUS」風のストリングス付、このコンピ盤のなかではシリアスな曲。
(2003/03/23)
FADING YELLOW VOLUME 4 / VARIOUS ARTISTS
FLOWER MACHINE RECORDSからのオムニバスシリーズ第4集。第2,3集はUSものでしたが、"LIGHT,SMACK,DAB"-UK 60'S POP SIKE AND OTHER DELIGHTS...という副題からも判るようにUKもの。今回もやはり1000枚の限定盤としている。第1集の収録曲に比べて、さすがに楽曲のグレードはやや落ちるがそれでも柑橘系メロディーの佳作は多いし、音質が良くなっているように感じます。
収録曲はシングルB面だった曲も多いですが、これは当時アップテンポの曲をA面に、センチなバラードをB面にするのが戦略的に流行っていたと、どこかで聞いた気がしますが、そのせいでしょうか。
以下、気になった曲を羅列します。
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Track01.THOUGHTS AND WORDS - MORNING SKY 〜 MIKE BATTプロデュースの曲でスタート
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Track02.THE PICCADILLY LINE - AT THE THIRD STROKE 〜 後のEDWARDS HAND。やや地味だが途中から入る管楽器類に味がある。
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Track03.THE MAJORITY - CHARLOTTE ROSE 〜 静謐さに溢れた曲。さわやかに白昼夢を見ているよう。
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Track05.THE PLAYGROUND - THE GIRL BEHIND THE SMILE 〜 最初と最後にコーラスが入るが、これも昼寝を誘うような穏やかな曲調。
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Track06.FRABJOY & RUNCIBLE SPOON - ANIMAL SONG 〜 今回の第4集で最大の収穫。1969年にMARMALADEレーベルから出たGODLEY&CREMEの変名によるシングルB面曲。10CCのボックスセットのライナーによると、GODLEY&CREMEにMARMALADEレーベルを紹介したのはGRAHAM GOULDMANで、このシングルの録音にはERIC STEWARTも参加しているというから、まさにプレ10CC。後の楽曲に比べるとシリアスな美しさが目立つ曲。
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Track07.PIPES OF PAN - MONDAY MORNING RAIN 〜 曲自体はフォーク調だが、かぶさってくる弦楽器類が美しい。
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Track08.THE TOYSHOP - SEND MY LOVE TO LUCY 〜 ややビブラートかかった渋めの声に好き嫌いが別れそうだが、上品な室内楽風アレンジの美しいバラード。
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Track09.THE CANDLELIGHT - THAT'S WHAT I WANT 〜 IVY LEAGUEのCARTER LEWIS作。歌が始まると確かに彼らしい曲だが、イントロはこれも室内楽風。
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Track11.FINDERS KEEPERS - LIGHT 〜 後にDEEP PURPLEに入るGLENN HUGHESがいたとは意外な、耳に残る華やかで明るいティニー・ポッパー調。
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Track14.ROBBIE CURTICE - THE SOUL OF MAN 〜 映画音楽のように分厚くダイナミックなアレンジがこのコンピでは異色。
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Track16.JASON PAUL - SHINE A LITTLE LIGHT INTO MY ROOM 〜 素人っぽいボーカルだが、女性ボーカルとの絡みがチャーミング。
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Track17.THE CALIFORNIANS - CAN'T GET YOU OUT OF MY MIND 〜 ちょっと湿っぽく歌謡曲ぽいがメロディーは悪くない。
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Track18.WAYNE FONTANA - THE IMPOSSIBLE YEARS 〜 GRAHAM GOULDMAN作。甲高いペットの音が印象的だがやや凡庸か。
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Track20.JOHN BROMLEY - IF YOU ARE THERE WITH ME 〜 全編室内楽アレンジにジェントルなボーカル。元HONEYBUSのPETE DELLOのソロを思わせる。
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Track21.THE GIBSONS - YOU KNOW I NEED YOUR LOVING 〜 BEATLES - GIRL」に部分的に似ているけど、せつないメロディーの傑作。
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Track23.THE MAJORITY - WAIT BY THE FIRE 〜 Track03と同じグループだが、やはりこれも聴き流してしまいそうな静かな曲
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Track25.ROBBIE CURTICE WITH TOM PAYNE - GOSPEL LANE 〜 Track14と同じ人のようだが、これは可愛らしい声による弾き語り風。
(2003/05/18)
FADING YELLOW VOLUME 5 / VARIOUS ARTISTS
第4集と同時発売だったFLOWER MACHINE RECORDSからのオムニバスシリーズ第5集、やはり1000枚の限定盤。この第5集は1970-1973年にかけての、70年代初頭もの。分離の良いきれいすぎる音だったり、たおやかに歌い上げていたり、安っぽいアナログ・シンセがたなびいてきたり、といった70年代ポップス調ばかりだったらどうしようかと思ったのですが、あからさまに70年代な曲は殆どなかったので個人的には安堵しUPしました。サイケ・ポップの残り香を充分に楽しめます。
以下、気になった曲を羅列します。
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Track01.HIGH SOCIETY - TELL ME NOW 〜 全然70年代風ではない曲でスタート。サビが快調。
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Track03.ANGEL PAVEMENT - WHEN WILL I SEE JUNE AGAIN 〜 MORGAN BLUE TOWN制作 - BABY YOU'VE GOTTA STAY」で評価されたグループ。ハープシコードに導かれテンポ良くはじまるが、5分近くの長さの中でプログレのように曲構成に凝った曲だ。
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Track04.MIKE BATT - WENDY 〜 イントロから品の良いアレンジで、品の良いボーカル。これだけ質の高い曲を作れるのだから、MIKE BATTはルックスさえ良ければそのままで売れたかも知れない。
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Track05.TUESDAY - SEWING MACHINE 〜 泣きのボーカル、歪んだギターが入る。BARCLEY JAMES HARVESTみたいだ。
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Track06.TOAST - SUMMER OF MIRANDA 〜 前曲から一転し、乾いて清潔そうなボーカル、コーラス。ソフト・ロック好きにも受けそう。
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Track08.VIGRASS&OSBORNE - FOREVER AUTUMN 〜 後にMOODY BLUESのJUSTIN HAYWARDが取り上げたという、適度に歌謡曲ぽいメロを持つヒット性のある曲。個人的に第5集では一番気に入ってます。
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Track10.GRACIOUS - ONCE ON A WINDY DAY 〜 プログレ分野ではポップなことで有名な彼等。だが、このコンピの中で聴くとプログレマナーが目立つ。全編にメロトロン。
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Track11.DESIGN - THE MINSTREL'S THEME 〜 フォーク出身だそうだが、この曲は特にサビはソフト・ロック的スリリングさがある佳作。
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Track12.MAJORITY ONE - I SEE HER EVERYWHERE 〜 第4集に収録されていたTHE MAJORITYが前身。グループ名が変わっても、THE MAJORITY時代のようにやはり昼寝を誘(いざな)うような楽曲。
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Track14.BILLY NICHOLLS - THIS SONG IN GREEN 〜 IMMEDIATEレーベル - WOULD YOU BELIEVE」で有名な彼の、1973年のシングルB面曲。彼の眠そうな声をフューチャーしたアコースティックな曲。間奏のホルン(?)がまたイイ具合。
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Track15.ABEL FLETCHER - YOU WON'T SEE ME GO 〜 これもアコースティック。初期BEATLES風コーラスとフルート、わりと起伏のあるメロディーが印象的な佳作。
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Track17.MARVIN, WELSH & FARRAR - TINY ROBIN 〜 このコンピの中盤過ぎごろはアコースティックな曲を集めたのでしょうか。ほんのわずかアシッド色も感じるが女性コーラスが入るサビではヨーロピアンなとこもある曲。
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Track18.THE PLAYGROUND - THE RAIN, THE WIND AND OTHER THINGS 〜 またこれもアコースティック。当時のSSWブームの影響があるのでしょうか。落ち着いた声と快活なメロディーがいい。
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Track19.MAXWELL & NICHOLSON - TREES AND THINGS 〜 エレピにフルートが絡む、70年代的アンニュイさ(?)を感じる曲。
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Track22.ABEL FLETCHER - ESMERALDA 〜 メロトロンも鳴ってるけど、ボリューム奏法が印象的なポップな曲。このコンピ最終巻の掉尾を飾るのに、とりあえずふさわしい曲といえるのでは。
(2003/05/25)
FADING YELLOW VOLUME 8 / VARIOUS ARTISTS
FLOWER MACHINE RECORDSからの名物オムニバスシリーズ第8集(第9集と同時発売)。「HYMN FOR TODAY」と副題がついた本盤は、70年代初頭中心の、優雅かつ室内楽的なストリングスが印象的な、夢見心地ながらシリアスでもあるフォーキーな楽曲集、といったところか。見事なほど統一感のある曲を集めて良い雰囲気を作ってます。派手なコマーシャルさやバブルガムのような浮ついたとこは皆無。
ジャケットには「TIMELESS UK 69-75 LP DELIGHT」とも銘打たれてますが、さすがに本盤では「POP-SIKE」という表記は似合わないのか、されていません。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.HARVEY ANDREWS - ENGLAND MY ENGLAND 〜 タイトルも直截ながら、チェロによるイントロからして既に濃厚な英国臭を感じさせる曲。
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Track02.JAN & LORRAINE - BIRD OF PASSAGE
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Track03.RAW - WHAT TO DO
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Track04.MICHAEL BLOUNT - ACORN STREET 〜 本盤の中では唯一コミカルさも感じさせるアーティスト。Track18でも再登場。
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Track05.DANNY KIRWAN - LOVELY DAYS 〜 FREETWOOD MAC脱退後に出たソロアルバムからの逸品。
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Track06.FUCHSIA - ME AND MY KITE
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Track07.P.C. KENT - AFTER DARK
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Track08.VIGRASS & OSBORNE - BALLERINA
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Track09.GOTHIC HORIZON - THOUGHTS
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Track10.MARC BRIERLEY - TODAY I FEEL LIKE LEAVING YOU
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Track11.STORYTELLER - ALICE BROWN
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Track12.ANDY ROBERTS - I'VE SEEN THE MOVIE
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Track13.NADIA CATTOUSE - ALL AROUND MY GRANDMOTHER'S FLOOR 〜 初期の英フォークシーンから活動した人とのこと。前曲のANDY ROBERTS作による曲。
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Track14.JAN & LORRAINE - SNOW ROSES
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Track15.EVENSONG - THE SMALLEST MAN IN THE WORLD
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Track16.TREVOR BILLMUSS - SUNDAY AFTERNOON IN BELGRAVE SQUARE
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Track17.JOHN PANTRY - LONG WHITE TRAIL 〜 フォーク/SSW系が多い中の登場。1972年のサウンドトラックLPから。
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Track18.MICHAEL BLOUNT - CEAICLES MICELLANEOUS
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Track19.ALAN JAMES EASTWOOD - HYMNS FOR TODAY 〜 タイトルトラックだが、本盤では異彩を放つラーガ風でストレンジな曲。
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Track20.WIZZ JONES - ONE GRAIN OF SAND 〜 英フォーク/SSWの御大登場。シタールが印象的。
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Track21.TONY HAZZARD - LOUDWATER HOUSE 〜 サイケ・ポップ界の名ソングライターによる、SSW風ながら壮大さも感じられる佳作。
(2007/08/12)
FADING YELLOW VOLUME 9 / VARIOUS ARTISTS
TIMELESS UK POP-SIKE & OTHER DELIGHTと銘打たれた、FLOWER MACHINE RECORDSからの名物オムニバスシリーズ第9集(第8集も同時発売)。6,7集がUS物だったので、UK物では4年ぶりになります。例によって1000枚限定とのことですが、私が購入したものにはシリアル番号はありませんでした。
副題は「THE OTHER SIDE OF LIFE」、更にはブックレット裏のカタログには本盤は「DIGS DEEP INTO THE UK 45 SOIL」となっており、地層に埋もれていたシングル曲からピックアップしたとのことです。
さすがにここまで巻を重ねると、当初の頃のような曲のクオリティは望むべくもありません。収録曲はシングル曲だけあってどれもコマーシャルさは持っているのですが、売れずに今まで埋もれていたのも「さもありなん」な、儚げな曲ばかりです。でもそれが霧がかったような、オブスキュアな雰囲気を濃厚に振りまいており、私のような好事家には何とも堪りません。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.POP WORKSHOP - FAIRYLAND 〜 チェンバロ(ハープシコード?)で始まり、ストリングスも厚いが、R&B風な躍動感ある曲。
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Track02.THE MARIANNE - AS FOR MARIONETTES 〜 MIKE VICKERSプロデュース。
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Track03.SUSIE KLEE - PUNCH AND JUDY GIRL
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Track04.BRENDAN PHILLIPS - IS IT WORTH A TRY?
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Track05.PUSSYFOOT - HASTY WORDS
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Track06.HOGARTH - SUZIE´S GETTING MARRIED 〜 MIKE BATTプロデュース。解説によるとB面もNICE POP-SIKE TRACKとのこと。聴きたかった!
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Track07.TONY RITCHIE - RAIN ON MY WINDOW
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Track08.JUMBO - PROMISES 〜 まるでPILOTみたいな出だしで始まる1972年作品。
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Track09.JOHN PANTRY - WASH MYSELF AWAY 〜 アセテート盤だけ残されていた未発表デモ。TENTH PLANETから出た彼の作品集もCD化して欲しいところです。
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Track10.PAUL VIGRASS - STOP!
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Track11.DAVE CHRISTIE - PENELOPE BREEDLOVE
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Track12.CHRISTIAN - OTHER SIDE OF LIFE 〜 声質には好き嫌いが分かれそうだが、この曲と次の曲は華麗なストリングスに包まれた、ドリーミーな曲。タイトル曲になるだけはあります。
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Track13.CHRISTIAN - SHE
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Track14.TAPESTRY - LIKE THE SUN
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Track15.ANDY FORRAY - SARAH JANE 〜 どこかNICK DRAKEを思わせる曲調。
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Track16.RODNEY BEWES - DEAR MOTHER LOVE ALBERT
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Track17.GARY HAMILTON - LET THE MUSIC PLAY
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Track18.MIKE LESLIE - OFFICE GIRL 〜 PETE DELLOとの共作による落ち着いた曲。
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Track19.MICKY JONES & TOMMY BROWN - IF I COULD BE SURE 〜 FADING YELLOW VOLUME 5にも収録されていたアーティスト。そこでの収録曲のB面だった曲。
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Track20.JON - POLLY SUNDAY
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Track21.TIMON - AND NOW SHE SAYS SHE IS YOUNG 〜 「THE BITTER THOUGHTS OF LITTLE JANE」で斯界に知られるアーティスト。これはMOODY BLUESのTHRESHOLDレーベルからJUSTINE HAYWARDプロデュースで出した、やはり女性的な声を聴かせる曲。
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Track22.WISHFUL THINKING - CLEAR WHITE LIGHT
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Track23.BRENDAN PHILLIPS - WHEN SHE'S KISSING ME
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Track24.BILL FAY - UNRELESED ACETATE 〜 60年代後半と推定されるアセテート盤からの曲。
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Track25.PAUL LAYTON - SING SADMAN SING
(2007/06/24)
THE FANTASTIC STORY OF MARK WIRTZ AND THE TEENAGE OPERA / VARIOUS ARTISTS
GEORGE MARTINのボックスに向こうを張ったのか、その職場仲間でもあるMARK "A TEENAGE OPERA" WIRTZのCD2枚組アンソロジー。あくまでも「A TEENAGE OPERA時期」を中心に据えている構成ですが、全体的には1964〜1972までのポピュラーミュージックの流れも感じます。TOMORROWやそのドラマーTWINK達の別プロジェクトAQUARIAN AGEはこの流れの中では異色。
DISC ONEでは、HERE COMES THE GIRLSシリーズに入っていそうな曲(ほんとに入ってるかも知れませんが)があったり、STEVE HOWEがアルバイト感覚で弾いている曲もあるガレージ/モッズなインストのコーナーもありますが、PET SOUNDSの曲のカバー「I'M WAITING FOR THE DAY」や「I DIDN'T LOVE HIM ANYWAY」あたりから"A TEENAGE OPERA"の世界。「EXCERPT FROM "A TEENAGE OPERA"」が成功した勢いを持ち込んだ、過剰ともいえる「SAM」や「WEATHER MAN」あたりが最大の盛り上がり。この軽くて高揚した、このCDのタイトル通りのファンタジックな音世界は古さを感じません。BEATLESが歴史に残る傑作を作っていたすぐ脇で、MARK WIRTZはこれら同じように素晴らしい作品を生みだしていたのですね。その両方を手がけていたエンジニアGEOFF EMERICKの功績も大きいと思います。
DISC TWOではポップながらも音が重くなったように感じます。その中ではTHE SWEETSHOP名義の「BAREFOOT & TIPTOE」がやはり一番の出来。KRIS LIFE名義の「IMAGINATION」も"A TEENAGE OPERA"みたいな構成だけど、このあまりにも重厚な音は"A TEENAGE OPERA"ファンには辛いと思います。それ以降は70年代ポップ風の曲も目立つ。作者にはNORMAN SMITHも名を重ねる、MARK WIRTZ名義の「MRS RAVEN」や、PHILWIT & PEGASUSの「MY WHAT A LONELY DAY IT'S BEEN」、MARK WIRTZ名義の「THE SONG I SING」「SWAN(BALLERINA)」あたりはなんとなくBEATLESぽい。というか、具体的にBEATLESのあの曲に似ているというよりも、音の質感がBEATLESぽいと言われている作風に似ている。
CD TWOの最終曲「CHUG-A-LUG STORY」はこれのみ1996年の録音。CD ONEの最終曲で3拍子の「THE SAD STORY OF SIMON THE BUGLE」にボーカルをつけたものですが、締めくくりにピッタリです。
CD ONEの最後に聞こえるラジオドラマ(?)は何なんでしょうか。作りかけだった"A TEENAGE OPERA"だったりして。(2001/10/21)
THE GIRLS' SCENE/VARIOUS ARTISTS
DECCA/DERAM音源による編集盤シリーズのガールポップ編。60年代中期のレイジーサンデーアフタヌーンに、ロンドンで歌謡番組を観ているような気分にさせる一枚。
ブリティッシュビートな曲もありますが、スペクターサウンドもどきやモータウン風やバカラック調など、当時の米ポピュラーミュージックのエッセンスをかっぱらった如き楽曲群をふんだんに聞くことが出来ます。出だしの1曲目からして、もろCRYSTALSの「DA DOO RON RON」。もう1つ同曲のパクリがあって、そちらはなんとJAGGAR/RICHARDの作品。
ブリティッシュビートな曲では、BEATLESとツアーした事もあるというLOUISE CORDETの「TWO LOVERS」やDONOVANのペンによるDANA GILLESPIEの「YOU JUST GOTTA KNOW MY MIND」が聴き物。GOFFIN/KING作品ながらもTRULY SMITHの「THE BOY FROM CHELSEA」はロンドンの雨にぬれたレンガ道を思わせる佳作。そのほか、幼さが残るOLIVIA NEWTON-JOHNの「TILL YOU SAY YOU'LL BE MINE」も珍しい。
個人的に最大の収穫は、幻のフォークシンガー、VASHTIのごく初期のシングル曲「SOME THINGS JUST STICK IN YOUR MIND」。元々はMARIANNE FAITHFULのためのJAGGAR/RICHARD作品ですが、彼女の震えるような美声は際立っています。彼女はTWICE AS MUCHの「COLDEST NIGHT OF THE YEAR」や映画「TONITE LET'S ALL MAKE LOVE IN LONDON」のサントラ盤でもその素晴らしい声を披露しています。こんな才能を持ったシンガーなのに、ANDREW OLDHAMに飼い殺し同然にされたのは残念でなりません。
個々のアーティストのプロフィールを詳細に述べたライナーノーツが嬉しい。ANDREW OLDHAM関連のアーティストが別枠になっているのも良い。(1999/10/31)
A GLASS MENAGERIE / VARIOUS ARTISTS
「POP, PSYCH, PYE COLLECTABLES 1967-1969」と副題のついたRPMからのコンピ盤。散々掘り尽くされたPYE音源ですが、地味ながら佳曲もちらほらあります。また、シングルAB面曲を続けて収録というのが、新機軸というところでしょうか。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.GLASS MENAGERIE - SHE'S A RAINBOW 〜 本盤タイトルのもとになったグループによる、ROLLING STONESのはティニー・ポッパー的カバー。明るく元気な仕上がり。
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Track02.GLASS MENAGERIE - BUT THAT'S WHEN I STARTED TO LOVE HER
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Track03.TIMON - BITTER THOUGHTS OF LITTLE JANE 〜 他のコンピ盤でさんざん既出の曲ですが、彼の写真は見かけません。
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Track04.TIMON - RAMBLING BOY 〜 このB面曲は初CD化では。A面には及ばないですがこれも瑞々しい佳作。
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Track05.TONY CRANE - ANONYMOUS MR BROWN 〜 ジェントリーで朗々としたボーカリストによるうっすらサイケ・ポップな作品。
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Track06.TONY CRANE - HIS WORLD
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Track07.MOVEMENT - HEAD FOR THE SUN 〜 BEATLESのBACK IN THE USSR風のSEが入る軽快なビート・ナンバー。
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Track08.MOVEMENT - MR MAN 〜 4ビート/シャッフル調でジェントリーなボーカルの佳作。
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Track09.GLASS MENAGERIE - YOU DIDN'T HAVE TO BE SO NICE 〜 イントロで期待を持たせるが、アート・ロック/ニュー・ロック調の大げさなLOVIN' SPOONFULのカバー。
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Track10.GLASS MENAGERIE - LET'S ALL RUN TO THE SUN 〜 彼らのオリジナルでは一番良いと思える、ミュージックホール調でもある作品。
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Track11.TURNSTYLE - RIDING A WAVE 〜 これも既出の曲ですが、煌くストリングスやメロディーがエバーグリーンな香りを持つ曲。
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Track12.TURNSTYLE - TROT
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Track13.ONYX - MY SON JOHN 〜 そこそこキャッチーなメロとハーモニー、軽快な演奏。
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Track14.ONYX - STEP BY STEP
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Track15.GENTLE INFLUENCE - NEVER TRUST IN TOMORROW 〜 ホーンセクションを入れた明るく華やか曲。
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Track16.GENTLE INFLUENCE - EASY TO LOVE 〜 こちらも管楽器が華やかながら泣きのボーカル。
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Track17.NEW FORMULA - MY BABY'S COMING HOME 〜 次のB面曲ともども、PYEの有力ソングライターMACAULAY/MACLEODコンビの作品
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Track18.NEW FORMULA - BURNING IN THE BACKGROUND OF MY MIND
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Track19.MOOCHE - HOT SMOKE AND SASAFRASS 〜 AB面曲ともに、よく出来たハードロックのプロトタイプ的な楽曲。
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Track20.MOOCHE - SEEN THROUGH A LIGHT
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Track21.GLASS MENAGERIE - FREDERICK JORDAN 〜 先のMOOCHEほどでないが、ハモンドとギターが活躍するハードロック風曲調。
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Track22.GLASS MENAGERIE - I SAID GOODBYE TO ME 〜 ニルソンのセカンド収録曲のカバー。(2008/01/14)
THE GREAT BRITISH PSYCHEDELIC TRIP VOL 1 1966-1969 / VARIOUS ARTISTS
SEE FOR MILESの名コンピシリーズの第1集。これと第2集は主にDECCA,DERAMレーベル音源で、完結となった第3週はEMI音源。この第1集は、LP時代はもともとTHE BRITISH PSYCHEDELIC TRIPというタイトルで第4集まであったうちの、その第1集と第3集から選曲されています。LP収録曲のうち何曲かオミットされているのは残念。
発売は1988年ですので、現在は中古レコード屋でしか見かけませんし、単体でCD化されたアーティストやその後のコンピ盤で聴ける曲もありますが、良い曲ばかりなので見かけたら是非購入をお勧めします。
全収録曲と簡単なコメントをいくつか書いておきます。17曲目まではLP第1集からで、もちろんサイケ・ポップ中心ですが、アシッドやブルージーだったりガレージ風の曲も結構多い。18曲目以降はLP第3集からで、ハーモニー・ポップ風の曲が多くなります。
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Track01.TURQUOISE - TALES OF FLOSSIE FILLET 〜 「VILLAGE GREEN」の頃のKIKNSがサイケ・ポップを力強く演奏しているような曲。
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Track02.TIMEBOX - BAKED JAM ROLL IN YOUR EYE 〜 TIMEBOXの中ではティニー・ポッパーながら快調な曲
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Track03.THE POETS - IN YOUR TOWER
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Track04.23RD TURNOFF - LEAVE ME HERE 〜 アシッド・フォーク風ながらこのコンピの中で聴くと清潔感も感じられる。
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Track05.THE WORLD OF OZ - THE MUFFIN MAN 〜 正式CD化が待たれる彼ら。この曲はサイケ・ポップのひとつの到着点ともいえるとは褒めすぎでしょうか。
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Track06.ICE - ANNIVERSARY (OF LOVE) 〜 このコンピの中では最もソフトな声質。
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Track07.THE END - SHADES OF ORANGE
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Track08.ICE - ICE MAN 〜 これも6曲目と同じようにソフトな曲調だが、サイケ風のアレンジ。
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Track09.PAUL & RITCHIE & THE CRYING SHAMES - COME ON BACK
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Track10.TINTERN ABBEY - VACUUM CLEANER 〜 うねるベースに鳴りっぱなしのシンバルだがリリシズムあるメロディ、この組み合わせがサイケ。
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Track11.VIRGIN SLEEP - LOVE 〜 シタールとダルなボーカルに優雅なストリングスが被るのが妙味。
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Track12.TURQUOISE - SAYNIA 〜 感傷的な声とメロディが良し。
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Track13.TOBY TWIRL - ROMEO AND JULIET 〜 前曲と同じように感傷的だが疾走感ある演奏。
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Track14.AMAZING FRIENDLY APPLE - MAGICIAN
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Track15.TINTERN ABBEY - BEESIDE 〜 ここから3曲ほどはプレ・ハードロック的なくぐもった演奏が続く。
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Track16.THE FLIES - (I'M NOT YOUR) STEPPING STONE
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Track17.THE ACCENT - RED SKY AT NIGHT
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Track18.HUMAN INSTINCT - RENAISSANCE FAIR 〜 この曲以降はLP第3集から。BYRDSのカバーですが、一気に爽やかに。
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Track19.THE CUPPA T - MISS PINKERTON 〜 コミカルかつマーチバンド風のいかにもイギリスらしい曲。
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Track20.TOBY TWIRL - TOFFEE APPLE SUNDAY 〜 脳天気の極みのような曲。
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Track21.CHERRY SMASH - GREEN PLANT 〜 コーラスを前面に出した、ソフト・ロック調の曲。
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Track22.THE CALIFORNIANS - FOLLOW ME 〜 弾むベース、コーラスやハープシコードも歯切れのよい曲。
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Track23.THE OUTER LIMITS - JUST ONE MORE CHANCE 〜 これも歯切れ良い演奏。ちょっとドラマチックなメロディが曲を盛り上げる。
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Track24.LES SAUTERELLES - HEAVENLY CLUB 〜 弾き語り風に始まり、なかなか爽やかなサビが訪れる。
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Track25.KEITH SHIELDS - DEEP INSIDE YOUR MIND
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Track26.AL STEWART - THE ELF 〜 サイケ・ポップなところは無いが、快活で爽やかなこの曲でおしまい。
(2004/07/25)
THE GREAT BRITISH PSYCHEDELIC TRIP VOL 2 1965-1970 / VARIOUS ARTISTS
SEE FOR MILESの名コンピシリーズの第2集。第1集と同様DECCA,DERAMレーベル音源。LP(THE BRITISH PSYCHEDELIC TRIPというタイトル)での第4集全曲に、LP第3集からCD第1集に収録されなかった曲から選曲されています。
この第2集はサイケ・ポップというよりはコーラスが充実したソフト・ロック/ハーモニー・ポップ的な楽曲が多く、その一方R&B/ソウルをベースにホーンなど派手なアレンジを施した一群もあったり、このシリーズの中ではアシッド色やドラッグのイメージが少なく、コマーシャルな印象です。
以下、全収録曲と簡単なコメントを。
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Track01.THE POETS - THAT'S THE WAY IT'S GOTTA BE 〜 なぜか本シリーズでは異質な、1965年らしいビート・バンド色の濃い作品からスタート。
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Track02.THE NEAT CHANGE - I LIED TO AUNTIE MAY 〜 前曲から一転、優雅で室内楽的な雰囲気の曲。
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Track03.TOBY TWIRL - MOVIN' IN 〜 ゆったりとしたホーン類、メロディに歪んだギターが絡むのが妙。
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Track04.THE KINSMEN - GLASS HOUSE GREEN, SPLINTER RED 〜 このあたりから、ハーモニー・ポップ色が濃くなる。この曲はサイケ・ポップ界の鬼才、JOHN PANTRY作による傑作。キラキラしたメロディーにアレンジ、ストリングスが切り込んで静かになる部分も良い。
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Track05.TINKERBELLS FAIRYDUST - LAZY DAY 〜 SPANKY & OUR GANGがヒットさせた曲のカバーだが、こちらの方がより甘酸っぱい出来で好きです。コーラスだけのイントロも良い。
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Track06.PACIFIC DRIFT - WATER WOMAN 〜 18曲目と同曲。こちらのほうがアレンジに起伏があり、プレイヤビリティも高そう。
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Track07.LOVE CHILDREN - PAPER CHASE 〜 印象的なギターのリフ、甲高く甘いボーカル、バンドの演奏をさほど邪魔しないホーンとストリングス。MONKEESをちょっと思わせる、キャッチーな曲。
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Track08.ICE - WHISPER HER NAME (MARIA LAINE) 〜 CD第1集でも2曲登場した彼ら、同じようにソフトな印象。
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Track09.LIFE 'N' SOUL - PEACEFULLY ASLEEP 〜 ハーモニー・ポップ・コーナーはこの曲で一度終わり。ややダミ声なリードVoだが、感傷的なメロディー。
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Track10.AL STEWART - TURN TO EARTH 〜 デビュー曲のB面、ひんやりとしたYARDBIRDSのカバー。
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Track11.DOUBLE FEATURE - BABY GET YOUR HEAD SCREWED ON 〜 ここからはソウル・ルーツでアレンジが派手な曲がしばらく続く。これはCAT STEVENSの曲で彼のファーストにも収録。切り込んでくる厚いストリングスが印象的。
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Track12.THE ELASTIC BAND - 8 AND A HALF HOURS OF PARADISE 〜 野太い声とオルガンが印象的。なかなかドラマチックな展開。
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Track13.CHERRY SMASH - FADE AWAY MAUREEN 〜 MANFRED MANNのMIKE HUGGプロデュース。メンバーにはMIKE HUGGの兄弟も。ジャカジャカしたギター、刻むベース、後半のフレーズを繰り返すアレンジも良い。
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Track14.THE GAME - GOTTA WAIT 〜 WHOの「SUBSTITUTE」をややダウナーにしたような曲
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Track15.PETER LEE STIRLING - 8.35 ON THE DOT 〜 本コンピ盤では目立たない曲だが、この人は後に「BEATIFUL SUNDAY」をヒットさせるダニエル・ブーンと同一人物だそうだ。
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Track16.THE MAJORITY - ALL OUR CHRISTMASES 〜 FADING YELLOWシリーズの第4集にも登場するグループ。コーラス主体の曲。
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Track17.THE CHOCOLATE WATCHBAND - REQUIEM 〜 なんとなくBEE GEESの影響も見れる、感傷的な曲。
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Track18.AMAZING FRIENDLY APPLE - WATER WOMAN 〜 6曲目と同曲。こちらはややガレージ風な演奏。
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Track19.DREAM POLICE - I'LL BE HOME IN A DAY OR SO 〜 70年代風なクリアなサウンドで、本盤では異色。
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Track20.TIMEBOX - WALKING THROUGH THE STREETS OF MY MIND 〜 この曲まではLP第4集から。チャラチャラした風鈴みたいな音で始まり、やがて音圧の高いストリングスが控えるバラード。
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Track21.CROCHETED DOUGHNUT RING - HAPPY CASTLE 〜 ここからはLP第3集からの残り。チャイナシンパルで始まるが、なんとも能天気なメロディー。薄めにファズかけたギターがやたらと絡む。
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Track22.HUMAN INSTINCT - DEATH AT THE SEASIDE 〜 ラグタイムなピアノが印象的。ややスローなシャッフル調。
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Track23.VIRGIN SLEEP - SECRET 〜 ギターリフなどに勢いのある演奏。
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Track24.TINKERBELLS FAIRYDUST - IN MY MAGIC GARDEN 〜 5曲目のB面だった曲。昼寝用になりそうな、穏やかでピースフルな曲
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Track25.TURQUOISE - WOODSTOCK 〜 これはあの有名なフェスティバルとは関係ない曲みたいだけど、露骨にディラン風な歌い方があったり、息の合ったコーラス、突っ走る演奏も爽快。
(2004/08/01)
THE GREAT BRITISH PSYCHEDELIC TRIP VOL 3 1965-1970 / VARIOUS ARTISTS
SEE FOR MILESの名コンピシリーズの第3集。もともとTHE BRITISH PSYCHEDELIC TRIPというタイトルでLPで第4集まであり、それをCDではTHE GREAT BRITISH PSYCHEDELIC TRIPという題にして第3集でとりあえず完結しています。LPでは第1集、第3集、第4集が主にDECCA,DERAMレーベル音源で、それがCDでは第1集、第2集にコンパイルされてます。そしてLPでは第2集だったEMI音源をCDでは4曲プラスして、ここでとりあげている第3集にとして発表されています。
さすがにBEATLES(カバーはありますが)やPINK FLOYDはないもの、PRETTY THINGS,YARDBIRDSなどこのシリーズにしてはビックネームも収録されてます。またこの手の音が好きな人にとっては有名曲が並んでいますが、ポップな曲とアシッドな曲をほどよく混在した本作品は初心者には最適な入門盤かもしれません。
出だしはTOMORROWの「MY WHITE BICYCLE」、2曲目はIDLE RACEの「SKELTON AND ROUNDABOUT」と、いきなり代表曲が目白押し。3曲目はDAVE EDMUNDSがいたLOVE SCULPTUREの「IN THE LAND OF THE FEW」特にサイケじゃないけど、実にカッコいい曲。4曲目SIMON DUPREE & THE BIG SOUNDの「KITES」はメロトロン好きにはたまらない一曲。5曲目LOCOMOTIVEの「MR. ARMAGEDDAN」はソフトロック寄りの人には鬼門だろうけど、ねっちこいボーカル、うねるベースにハモンド、絡みつくホーンが癖になる曲。
6曲目、後のDAVID BOWIE、DAVY JONES & THE LOWER THIRDの「YOU'VE GOT A HABIT OF LEAVING」のみ1965年の作品で、1966年の作品がないためか、ブリティッシュビートなこの曲が浮いて聞こえます。
7曲目、KEITH WESTの「EXCERPT FROM "A TEENAGE OPERA"」はまさにプロデューサーMARK WIRTZの、いやサイケ・ポップの代表作のひとつ。続く8曲目、KIPPINGTON LODGEの「RUMOURS」も同じくMARK WIRTZプロデュース。BRINSLEY SCHWARZの前身としても知られますが、これは胸を突くポップチューン。また、15曲目と16曲目でやはりMARK WIRTZプロデュースによるKIPPINGTON LODGEとKEITH WESTの、ちょっとジャズ風な曲が続く。9曲目LEMON TREEの「IT'S SO NICE COME TO HOME」はANDY FAIRWEATHER-LOWのプロデュース。ブラスバンド風のバックが楽しい。
BEATLESのカバーが、18曲目TOMORROWの「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」と20曲目THE GODSの「HEY BULLDOG」の2曲ありますが、同じ時代、そしておそらくは同じスタジオ、共通するスタッフによって作られたカバーは雰囲気あります。
LP時代は20曲だったので、21曲めからはCDの”ボーナストラック”。躍動感あるLEMON TREEの「WILLIAM CHALKER'S TIME MACHINE」に続いてYARDBIRDが2曲収録されてますが、やはりボーカルが弱いですね。最後の24曲目はLOVE SCULPTUREの「SABRE DANCE」(剣の舞)。〆にふさわしい痛快なインスト。(2001/07/08)
GROOVY POP SELECTION(RED EDIT)/VARIOUS ARTISTS
GROOVY POP SELECTION(BLUE EDIT)/VARIOUS ARTISTS
IMMEDIATEレコード音源を中心としたコンピュレイション盤シリーズ。1995年に発売されたものですが、「シブヤ系リスナー御用達コンピレーション!!」という帯のコピーが恥ずかしい。曲のクレジットと英語詞のみで解説なしという大手レコード会社発売とは思えない不親切さ。作詞作曲者名が「Copyright Controlled」の曲が多く、ちゃんと調べたのかよ、と思ってしまいます。
とは言っても、当時はここに収められているTWICE AS MUCHやBILLY NICHOLSやTONY RIVERSは、まだ単発物として再発されてなかったので、貴重な音源でした。SMALL FACES,MOVE,TURTLES,ZOMBIESといった有名どころも多いですが、60年代後期イギリスの、頼りなげなアーティスト達が割と多く収録されてます。
その一方で、P.P.ARNOLDやCHRIS FARLOWE,VAL LENTONといったブリティッシュな佇まいのR&Bも魅力的です。特にP.P.ARNOLDはROD STEWARTとのデュエット曲「COME HOME BABY」、躍動的なRONNETSのカバー「BORN TO BE TOGETHER」、感動的な「KAFUTA ONE〜GOD ONLY KNOWS」等、彼女が残した音源からおいしい所が収められてます。
WHOの曲をかっこ良くきめているFLEUR DE LYS(ゴードン・ハスケルがいたそうです)、ZOMBIESの「SHE'S NOT THERE」と続きで聴くとかっこいいAPOSTOLIC INTERVENTIONの「MADAME GARCIA」、MARQUIS OF KENSINGTONのスカした「REVERSE TRUSH」も良い。(1999/04/11)
GULLIVER'S TRAVELS
1969年にIMMEDIATE傘下のINSTANTから発売されたアルバム。1968〜1969年にかけて上演されたMIKE D'ABO主演による同名ミュージカルにインスパイアされて(?)発表されたという珍盤。もちろん原作はスウィフト作のあの著名な作品。しかし発売直後にLOVIN' SPOONFULの曲を無断使用したことで回収されてしまったという曰く付きの一枚。ライナーによると、MIKE D'ABOも出ていたことを知らなかったとか。アナログ盤は高価。
今回ジャケットを変えてボーナストラックを加えてのCD化ですが、このジャケットのイラストは「TEENAGE OPERA」と同じ作者によるものと見られる。地味なオリジナルジャケットをイラストに変えたという意味では同じIMMEDIATEの「TONITE LET'S ALL MAKE LOVE IN LONDON」と同じ手法。
内容は全編コラージュ風で、件のLOVIN' SPOONFULの曲断片はいきなり冒頭に出てきます。まともな音楽作品でないが、好意的に受け止めればなんとなく当時の雰囲気を感じることは出来ます。このミュージカルが上演されていた当時のシアターの前で、雑踏のどこかから漏れてくる音を聴いてるような感じでしょうか。BOB KERR'S WHOOPEE BANDによるSMALL FACESのカバー「AFTERGLOW」もダサいがしみじみイギリス臭くて良い。アルバム本編は30分にも満たない短さで、飽きる前に終わるのもいい。
ボーナストラックは、アルバムとは別に発売されたMIKE D'ABOのソロシングル「(SEE THE LITTLE PEOPLE) GULLIVER TRAVELS」とそのB面曲、さらに彼の未発表曲「IN THE BEGINNING」。いかにも穴埋め的なB面曲以外は、どちらもMIKE D'ABOらしい佳曲。特に荘厳な「IN THE BEGINNING」はめっけものです。(2002/04/14)
HOT SMOKE & SASSAFRAS PSYCHEDELIC PSTONES VOL.1 / VARIOUS ARTISTS
PSYCHEDELIC PSTONESという新コンピュレイション盤。PYEとその傘下のPICCADILLY音源ですが、同じPYE音源で1994年に日本盤も出た名コンピ盤「PAISLEY POP PYE PSYCH & OTHER COLOURS 1966-1969」とは収録曲が5曲ほど重なる。(3曲目SCRUGGの「LAVENDER POPCORN」、9曲目THE BYSTANDERSの「CAVE OF CLEAR LIGHT」、13曲目ANANの「I WONDER WHERE MY SISTER'S GONE」、19曲目GENTLE INFLUENCEの「CAPTAIN REALE」、20曲目THE ONYXの「TAMARIS KHAN」)。
同じPYE音源を使用したもうひとつのコンピ盤、RIPPLESシリーズがハーモニー・ポップ/ソフトロック寄りとすると、こちらは1969年前後の作品が多いせいか、プレ・プログレ/プレ・ハードロック寄り。メロディアスではないが、気合いの入った疾走感ある演奏が多い。まず1曲目THE MOOCHEの「HOT SMOKE & SASSAFRAS」からして既にハード・ロック。間奏はテンポを変えてジャズ風。1969年にしては先進的だったかも。
6曲目STATUS QUOの「MR. MIND DETECTOR」はBEATLESの「I AM THE WALRUS」「A DAY IN THE LIFE」を思わせるストリングス付きのドラマチックな曲。ラストの24曲目「YOU'RE JUST WHAT I WAS LOOKING FOR TODAY」もGOFFIN=KING作品をストリングス付で華麗に仕上げている。また、8曲目、DEEP PURLEのメンバーがいたことで知られるEPISODE SIXの「I CAN SEE THROUGH YOU」もドラマチックな曲。16曲目NEO MAYAの「I WON'T HURT YOU」はそのEPISODE SIXのギタリストの変名による曲。間奏では40人編成のオーケストラが聞ける。これはRIPPLESシリーズでも収録されてましたね。
特に中盤以降はハードだったりワイルドだったり湿っぽくもドラマチックだったりする曲が多い中、2曲目THE TURNSTYLEの「RIDING A WAVE」は本盤の中ではキャッチー。続く3曲目SCRUGGの「LAVENDER POPCORN」もフォークロックがベースなので一息つけます。また、5曲目ORANGE MACHINEの「DR. CRIPPEN'S WAITING ROOM」はTOMMOROW風の曲。もともと彼らはTOMORROWの曲「THREE JOLLY LITTLE DWARFS」でデビューし、地元アイルランドではTOP20入りしたとか。ステージでは「MY WHITE BICYCLE」も取り上げていたというから、まさにTOMORROWのフォロワー。22曲目THE SORROWSの「PINK,PURPLE,YELLOW,RED」も本コンピ盤の中では、大げさにならずカチっとまとまった演奏。
4曲目で大御所KINKSの「LAZY OLD SUN」が収録されてますが、彼らなりにスケールの大きいこの曲を選んだのは妙に納得。23曲目でDAVE DAVIESのソロ「CREEPING JEAN」が入っているのは意図がよくわからないけど。
VOL.1と銘打ってあるので、第二巻以降も注目したいシリーズです。(2001/07/08)
HAUNTED PSYCHEDELIC PSTONES II / VARIOUS ARTISTS
PYEとその傘下のPICCADILLY音源によるPSYCHEDELIC PSTONESというコンピュレイション盤シリーズ第2集。第1集「HOT SMOKE & SASSAFRAS」ではプレ・プログレ/プレ・ハードロック寄りの選曲だったが、今回はサイケ・ポップな曲が多め。ハーモニーポップ/ソフト・ロック体質のグループがサイケなことにも手を出してみました風な曲も目立つ。この第2集が出ていたのに気づかず、某サイトでこれを知り慌てて入手した次第。
以下、気になった曲を羅列します。
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1曲目PETER THOROGOODの「HAUNTED」− タイトルにもなったこの曲は間奏のヴァイオリンとラテンなパーカッション(ティンバレス?)の絡みがさわやか。
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2曲目THE ROCKIN' BERRIESの「YELLOW RAINBOW」−ROY WOODの曲とは同名異曲。サイケな事をやっても営業バンド臭さが抜けないのが、また独特な世界を作っている。ASSOCIATION風な男臭さもある。
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3曲目THE ORANGE MACHINEの「REAL LIFE PERMANENT DREAM」−このグループはTOMMOROWがほんと好きなようですね。コーダ部分で一瞬「MY WHITE BICYCLE」のリフが出てくる。
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4曲目MARMALADEの「KALEIDOSCOPE」−発表された1970年当時はもう流行遅れだったと思うが、このアシッドな曲は素晴らしい。
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5曲目THE POETSの「LOCKED IN A ROOM」−この曲のみ、第1集「HOT SMOKE & SASSAFRAS」に入っていそうな疾走感溢れる曲。
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6曲目THE TREMELOESの「SUDDENLY WINTER」−テープ逆回転だらけ。
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8曲目THE KINKSの「WICKED ANNABELLA」−KINKS随一のストレンジ系なこの曲の選曲には納得。シンバル鳴りっぱなし。
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12曲目THE STATUS QUOの「AUNTIE NELLIE」−コンピ盤の中で聞くと、彼らのポップセンスとギターサウンドが引き立って聞こえる。
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14曲目FLYING MACHINEの「FLYING MACHINE」−彼らの代表曲「SMILE A LITTLE SMILE FOR ME」の印象とは異なるアシッドなギターリフが印象的な傑作。
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19曲目THE ONYXの「SO SAD INSIDE」−サビでフォービートになるのが妙。
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21曲目THE MONTANASの「THE ROUNDABOUT」−TONY HATCH絡みのグループというイメージにそぐわない、このドラマチックなニュー・ロック/アート・ロック風の曲には驚き。
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22曲目THE ORANGE MACHINEの「THREE JOLLY LITTLE DWARFS」−TOMMOROWフォロワーのTOMMOROWをカバーしたデビューシングル。最後にテープ逆回転ありのがオリジナルと異なる。
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23曲目CONSORTIUMの「THE DAY THE TRAIN NEVER COME」−素晴らしいトレイン・ソングでもあるし、BEACH BOYSの「HEROES AND VILLIANS」をおもわせる曲展開も良い。
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24曲目BLONDE ON BLONDEの「COUNTRY LIFE」−インド風音階から軽快なフォーク・ロック風になる展開が面白い。
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25曲目ANANの「MEDENA」−ストリングスを上手く使ったサイケ・ポップの佳作。
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28曲目TUESDAY'S CHILDRENの「MR KIPLING」−ちょっとだけTHUNDERCLAP NEWMAN風でもあるコミカルな曲で締め。
(2003/03/09)
HOUSE OF MANY WINDOWS PSYCHEDELIC PSTONES III / VARIOUS ARTISTS
コンピュレイション盤シリーズPSYCHEDELIC PSTONESの第3集はMORGAN BLUE TOWNレーベル集。ポップだけどアンダーグラウンドさも漂うという、まだら模様な楽曲が堪能できます。看板アーティスト(比較的マイナーでない、という意味ですが)のSMOKEやANGEL PAVEMENTの代表曲が収められていませんが、有名曲(?)はあえて外したのか、それともMORGAN BLUE TOWN編パート2のため温存したのか、少し気になります。また、このPSYCHEDELIC PSTONESシリーズ、CDタイトルはすべてHで始まってますが偶然でしょうか。どうでもいいことですがこれも気になります。
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1曲目JUDE「MORNING MORGANTOWN」− レーベル名を想起させるとはいえ、オープニングがJONI MITCHELLの曲、女声ボーカルとは意外。でも、さわやかで良い曲だ。
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2曲目ORANGE BICYCLE「RENAISSANCE FAIR」− 次もアメリカもののカバー。BYRDSのあのギターリフを安っぽいオルガンで代用したかと思えば突如ガレージ風になる意外なアレンジが愉しい。
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3曲目SMOKE「UTTERLY SIMPLE」− SMOKEの代名詞でもあるトレモロなファズは無いけども、DAVE MASONとJEFF BECKプロデュースという逸品。
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4曲目PUSSY「COME BACK JUNE」− このコンピ盤の中で聴くと、彼等の演奏はグルーヴも感じる。
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6曲目MOTHERLIGHT/BOBAK JONS MALONE「ON A MEADOW LEA」− 瞑想的なトリップ感はひときわ目立つ。
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7曲目FORTES MENTUM「MARRAKESH」− MORGAN BLUE TOWNものではよく名前が出てくるDANNY BECKERMANのグループ。しかも意外にもPUSSYの前身だという。それが信じられないポップな楽曲。
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8曲目ANGEL PAVEMENT「GREEN MELLO HILL」− そのDANNY BECKERMAN作の勢いのある曲。
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9曲目CLIFF WADE「SISTER」− リコーダー(フルート?)が印象的でもある、胸に迫るメロディーを持つ佳作。
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10曲目CINNAMON QUIL「TAKE IT OR LEAVE IT」− ソウルフルなボーカルだが、R&B風なAメロから浮遊感のあるBメロになだれ込む部分は良い。
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11曲目ORANGE BICYCLE「ANY PETE」− ダウナー調でやや単調だが、聞き込めば味わいの出そうな曲。
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12曲目FORTES MENTUM「MR PARTRIDGE PASSED AWAY TODAY」− 曲調はポップながら、これもダウナーで瞑想的でもあり、このレーベルらしい曲。
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13曲目SMOKE「SYDNEY GILL」− 別バージョンでの収録。一応ヒット曲があったためか、彼等はこのレーベルではアンダーグラウンド臭さが少ない。
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14曲目MOTHERLIGHT/BOBAK JONS MALONE「HOUSE OF MANY WINDOWS」− タイトル曲登場。ポップでもありながらトリップ感ふんだん。
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15曲目CHIMERA「MARY'S MYSTERY」− 単独CDでは女性2人のジャケットだけど、この曲は男声ボーカル。アシッド・フォーク風な声だが、演奏はフォークでなく随分ロック寄り。後半はギターを大フューチャー。
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16曲目BOB GRIMMS「IT NEVER STAYS THE SAME」− これはアシッド・フォーク風イントロでシタールも絡んで始まるけど、コーラスもふんだん、メロディも正攻法でアシッド・フォークとソフト・ロックの中間にあるような曲。
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17曲目CHIITRA NEOGY「LEILLA」−短いラーガなインストだが、次の18曲目のイントロのようにも聞こえる。
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18曲目BARNABY RUDGE「JOE ORGAN & CO」−WIL MARONE達の変名プロジェクトらしい。三拍子のイギリス臭みある曲。でもやはりトリップ感も感じられ、夢の中でパレードでも見てるような曲。
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19曲目AMERICA「WE SHOULD BE FREE」− あの「名前のない馬」のアメリカがMORGAN BLUE TOWNレーベルにいたとは意外。アシッドやトリップ感は皆無。
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22曲目FORTES MENTUM「SAGA OF A WRINKLED MAN」− 彼等のデビュー・シングルにあたる曲。やはりポップではあるが、こんなにダウナーでは売れないであろう。
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23曲目FICKLE PICKLE「SAM & SADIE」− WIL MARONEやCLIFF WADE等、MORGAN BLUE TOWNでの「スーパー・グループ」が1970年に発表Sた曲。トリップ感は無いが、勝負をかけてきたと思えるほど、気合いは感じられる。
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25曲目ORANGE BICYCLE「HYACINTH THREADS」− 彼等のデビューシングル。疾走感溢れる曲。
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27曲目CHIMERAの「PERU」− ベースのリフがリードしてゆく曲。彼等(彼女等)は、PINK FLOYDのNICK MASONがプロデュースしたり、DAVID GILMOURと録ったデモもあるとか、APPLEレーベルのオーディションを受けて、あのJOHNとPAULはOKしたがGEORGEがNGを出したため落ちたとか、不思議なエピソードのあるグループ。
(2003/08/10)
UNDER THE SILENT TREE PSYCHEDELIC PSTONES IV / VARIOUS ARTISTS
コンピュレイション盤シリーズPSYCHEDELIC PSTONESの第4集は1970〜1973年の作品集。PYEレーベル音源が多いですが、それ以外のレーベルの曲も混じっています。年代的に必然なのでしょうが、サイケというより、プログレ/ハード・ロックな感触の曲が多い。プログレやハード・ロック関係の書物で見かけるようなアーティストの名もちらほら見えます。このコンピ盤シリーズに先があるのか、気になるところです。
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1曲目HONEYBUS「UNDER THE SILENT TREE」− 本盤のタイトル曲。ほのかにサイケの香りを残す、BAD FINGER風の曲。
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2曲目SMOKE「PLAYING WITH MAGIC」−2002年に発掘されたSMOKEの未発表曲。ボコーダ処理したボーカルとピッチいじったキーボードのみになるところが聴きどころ。
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4曲目WISHFUL THINKING「1984」−同グループによる21曲目と比べ、こちらは仕掛けの多いサイケ・ポップとしても聴ける。
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5曲目TUESDAY「SEWING MACHINE」−メロディ、声質、切り込んでくる泣きのギターなど、まるでBARCLAY JAMES HARVESTを聴いているよう。これはFADING YELLOW VOL.5にも収録されている。
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6曲目FAT MATTRESS「SHE」−このグループの特色でもあるけど、軽めなアシッド感とトリップ感がありつつ、聴きやすくもある。
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7曲目KINKS「WHIP LADY」−このコンピ盤シリーズはKINKSの変な曲を使うのが好きのようです。これは「PERCY」に入っている短めのインスト。
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8曲目STRAY「AROUND THE WORLD IN THE DAY」−泣きのメロディにドラマチックな展開、さほど臭くはない出来には好感が持てる。
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9曲目PARCHMENT「SON OF GOD」−アシッド的でもあるが爽やかな、浮遊感のある女性ボーカルもの。ヒッピー的な空気も漂う。個人的に本盤での最大の収穫はこれでした。
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10曲目NIMBO「FORGET HER」−本盤では珍しく、ハーモニーも生かした60年代的なビート・バンドな演奏。
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11曲目QUIET WORLD「THE VISITOR」−大風呂敷なキーボード、強烈なダミ声。好き嫌いがはっきり別れそうな曲だ。
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12曲目PENNY ARCADE「TWO OF US」−オリジナルのBEATLESにあった気怠さが微塵もない、元気で明るいカバー。
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13曲目THE TREMELOES「HARD TIME」−このコンピには異色のビック・ネーム。これは骨太な未発表インスト曲。
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15曲目STATUS QUO「SHY FLY」−彼等の初期にあったサイケな雰囲気はないが、見事にまとまった演奏。
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17曲目STRAY「TIME MACHINE」−ハード・ロック寄りだが、これもあまり臭みがなく、スッキリした演奏、意外にキャッチーな曲だ。
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19曲目PARCHMENT「LOVE IS COME AGAIN」−PARCHMENT再登場。こちらはよりフォーキーな曲。これも悪くない。
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21曲目WISHFUL THINKING「HIROSHIMA」−メロトロンを使用した泣き節のメロディー。ドラマチックな構成。プログレとして聴くべき曲。
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22曲目EARL JORDAN「10000 YEARS BEHIND MY MIND」− FOCUS THREEが1967年に出した曲を、1970年代のスタンダード歌手が暑苦しくカバーしたような出来あい。
(2004/04/25)
INSTANT KARMA /VARIOUS ARTISTS
SANCTUARYレコードから出たIMMEDIATE傘下のINSTANTおよびREVOLUTIONレーベルの編集盤。短命に終わったIMMEDIATEの更にその傘下レーベルだけにレアな音源が多く、ここでまとまって聴けるのは嬉しい限りです。
構成は、INSTANTの5枚しかないシングルAB面曲に、REVOLUTIONレーベルから出た2枚(これだけなのか?)のシングルAB面曲、INSTANTから出たドキュメンタリーのサントラ「TONITE LET'S ALL MAKE LOVE IN LONDON」、同名ミュージカルにインスパイアされた(?)編集盤「GULLIVER'S TRAVELS」、INSTANT最後のリリースとなったSAMSONというグループの「ARE YOU SAMSON?」からの選曲、そして2曲の未発表バージョン。
なよなよとしたOUTER LIMITSの「GREAT TRAIN ROBBERY」から始まり、4曲目THE EXCELSIOR SPRINGの「IT」はB面曲ながら、なかなかイイ雰囲気のサイケ・ポップ。7曲目「ANY OLD TIME」はFOUNDATIONSのカバーだが、そのFOUNDATIONSより華やかな仕上がり。9曲目TWINKLEの「MICKEY」は出だしはP.P.ARNOLDを思わせるR&B路線だが、途中はTONY MACAULAY風になる。彼女はMODSのライバルROCKER族のアイドルだったとかで、「TERRY」というヒット曲を持っているそうです。当時のガールシンガーにしては珍しく曲を自作していて、しかも先の「TERRY」は16才のときに書いたという早熟ぶり。「MICKEY」あたりはいかにもシングル用に書いた印象だが、10曲目「DARBY & JOHN」や23曲目「SOLDIER'S DREAM」は彼女の個性を感じさせる独特な曲です。
REVOLUTIONレーベルの4曲はIMMEDIATEのカーボンコピー風なINSTANTレーベルの曲とは異なり、1968年のとある夜、ふと入ったロンドンのエスニックなクラブでそこの専属バンドを聴いているような気分にさせてくれます。その中で、ヨーデル風なボーカルにゆるいレゲエのリズム、そこにメロトロンが被さる11曲目「SITTING IN THE PARK」は変。BEATLESのあの有名曲のネタになったという13〜14曲目のJIMMY SCOTT「OB-LA-DI OB-LADA STORY」はなかなかかっこいいスカ。その直後になよっとしたTWICE AS MUCHの曲が続き、この落差が(なんとなく)当時の混沌とした状況を思わせてくれます。
個人的にこの編集盤のハイライトは16曲目VASHTIの「WINTER IS BLUE」。「TONITE LET'S ALL MAKE LOVE IN LONDON」ではANDREW LOOG OLDHAMのMCで分断されていたが、ここではその完奏版が収録されている。20曲目SAMSONの「TRAFFIC」はいかにも1969年らしいプレ・ハードロックな音。(2002/08/25)
KINKY KOVERS / VARIOUS ARTISTS
レイ・ディヴィス・ソングブック・フロム・パイと題された、パイ音源のINKSカバー集(書き下ろし含む)。
10年前に出たものなので、その後別のコンピ盤に収録された曲もあり当時ほどの価値はないですが、まとめて聴けるのは便利。ライナーを読むと、ここに収録できなかったという曲を無性に聴きたくなりますが。
サイケ・ポップとして聴けるのは多くないのですが、PYE時代のKINKS周辺にあった有象無象の風景が垣間見れるようなCDです。ライナーノーツにあるようにCDラックのKINKSコーナーの端にひっそりと置いておきたい一枚。
以下、全収録曲とコメントをいくつか記載。
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Track01.RAY MCVAY SOUND - KINDA KINKY 〜 これと最後の曲はレイが書いていない、KINKS賛歌のインスト。
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Track02.RAY MCVAY SOUND - REVENGE
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Track03.THE TRUTH - I GO TO SLEEP 〜 PRETENDERSのカバーで知られる、KINKSではデモ録音しかない佳作。
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Track04.PETULA CLARK - A WELL RESPECTED MAN (UN JEUNE HOMME BIEN)
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Track05.THE LANCASTRIANS - THE WORLD KEEPS GOING ROUND
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Track06.MO & STEVE - OH! WHAT A DAY IT'S GONNA BE 〜 KINKSの公式録音が無い書き下ろし曲。レイ・ディヴィスらしいへなへなした哀愁メロディーがクルーナー風に歌われる変な曲だが、本盤で一番のお気に入りです。
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Track07.DAVID GARRICK - DEDICATED FOLLOWER OF FASHON
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Track08.DAVID GARRICK - DANDY
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Track09.DAVID GARRICK - DANDY 〜 これはライブ音源
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Track10.CLINTON FORD - DANDY
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Track11.GATES OF EDEN - TOO MUCH ON MY MIND 〜 ここから3曲ほどはサイケ・ポップとして聴ける。この曲はPAISLEY POPにも収録。ゴリっとしたベース、ダウナーなボーカルと快活なハープシコードの対比が見事。
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Track12.FIVE'S COMPANY - SESSION MAN 〜 コーダ部分のコーラスがサイケ。
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Track13.MICK & MALCOLM - BIG BLACK SMOKE 〜 三味線みたいなバンジョーが変。うっすらメロトロンが鳴っているのもサイケ・ポップなポイント。
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Track14.DAVID GARRICK - MR.PLEASANT 〜 GARRICK君の歌声にはもうお腹一杯。
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Track15.UGLYS - END OF SEASON
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Track16.PETULA CLARK - DAYS 〜 いきなりトニー・ハッチな雰囲気。コマーシャルなアレンジにも映える曲です。
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Track17.JOHN SCHROEDER ORCHESTRA - VIRGIN SOLDIER MARCH 〜 映画音楽として書き下ろされたインストだが、レイらしいメロディーが楽しめる
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Track18.COLD TURKEY - NOBODY'S FOOL 〜 これのみ70年代の発表だが、これもレイらしい、なよなよとしたメロディー。
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Track19.RAY MCVAY SOUND - KINGDOM COME
LOVE, PEACE & POETRY BRITISH PSYCHEDELIC MUSIC / VARIOUS ARTISTS
モデルぽい女性がジャケを飾る、ドイツQDKレーベルのサイケデリック世界の旅シリーズの英国編。タイトルに反して、フラワーなサイケ・ポップ曲は殆ど無い。収録曲の2/3は70年代以降の曲のためか、割と聴きやすいながらもアンダーグラウンドな香りもするギター・オリエンティッドな曲が多い。気に入った曲だけ紹介します。
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1曲目RED DIRT「MEMORIES」− バシャバシャしたドラム、うっすらとしたメロトロン、2分ちょっとという短さ、これは本盤のなかで最もサイケ・ポップに近い曲。
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2曲目GARY WALKER & THE RAIN「MAGAZINE WOMAN」−元WALKER BROTHERSのGARY WALKERのグループでBAD FINGERに加入前のJOEY MOLLANDがいた事でも知られる。ファズにうねるベースラインが耳につくが、最後はBEATLES風。アルバムは日本のみでリリースされていたらしく、ライナーにのったジャケも他と雰囲気が違う。
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3曲目ANDWELLA DREAM「FELIX」−キーボードがやや大袈裟だが、フランジャーがかったドラマチックな曲。彼等のアルバムはもうすぐ正規CD化されるとのことで楽しみ。
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7曲目PUSSY「COMET」−牛の声とテルミン(?)と炸裂するギターが大活躍するインスト。このコンピできくと色物的だ。
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13曲目FOREVER AMBER「THE DREAMER FLIES BACK」−過剰にフランジャーかけすぎたボーカルとファズ・ギターが実に60年代後半らしい曲。(2004/05/22)
MAYBE SOMEONE IS DIGGING UNDERGROUND THE SONGS OF THE BEE GEES / VARIOUS ARTISTS
CATSLE(SANCTUARY)から出ているカバー・ソング集シリーズのBEE GEES版。BEE GEESの初期作品(「HORIZONTAL」ぐらいまで)かつイギリスで1967-1970年までに発表されたものがほとんどのため、サイケ・ポップのコンピ盤としても充分聴ける内容になってます。
以下、全収録曲と簡単なコメントを。
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Track01.STATUS QUO - SPICKS & SPECKS 〜 オルガンの音色がガレージ風味なこのカバーからスタート。
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Track02.THE MONTANAS - TOP HAT 〜 この曲もBEE GEES作の曲だったのですね。トニー・マコーレーの作品で有名な彼らも、この曲では結構骨太な演奏。モジュレーターかかったようなコーラスが良い。
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Track03.THE MARMALADE - BUTTERFLY 〜 瑞々しい佳作。
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Track04.FAMILY DOGG - STORM 〜 弾き語り風で始まるが、男女コーラスの掛け合いがソフト・ロックな大盛り上がりを見せる曲。
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Track05.CLIFF AUNGIER - MORNING OF MY LIFE 〜 バンジョーも入るが、室内楽的なアレンジ。
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Track06.VELVETT FOGG - NEW YORK MINING DISASTER 1941 〜 ニュー・ロック/アート・ロック風の大げさなアレンジがトゥー・マッチ。
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Track07.TANGERINE PEEL - EVERY CHRISTIAN LION HEARATED MAN WILL SHOW YOU 〜 メロトロンを強調気味だが、オリジナルに近いアレンジ。
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Track08.P.P.ARNOLD - TO LOVE SOMEBODY
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Track09.OSCAR - HOLIDAY
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Track10.GERRY MARSDEN - GILBERT GREEN 〜 個人的にはここから3曲が最大の聴きもの。いずれもイギリス帰国を控えたBEE GEESが、BEATLESを抱えるNEMS事務所へ送ったデモテープの曲をとりあげたものとのこと。マージー・ビートGERRY & PACEMAKERSで有名になったGERRY MARSDENのソロ。「TURN OF THE CENTURY」のように始まるが、哀感あるメロディー、華麗なエンディングを持つサイケ・ポップ。
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Track11.BILLY J KRAMER - TOWN OF TUXLEY TOYMAKER 〜 霧がかかったようなコーラス、スティール・ギター風の音が幻想的な印象もあたえる作品。こちらもマージー・ビートではGERRY & PACEMAKERSと並んでBILLY J KRAMER & DAKOTASとして有名な彼のソロ作品。
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Track12.SANDS - MRS GILLESPIE'S REFRIGERATOR 〜 メロディックな曲をカチっとした演奏でまとめている。「WE CAN FLY」にも収録。
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Track13.DAVID GARRICK & THE DANDY - WORLD 〜 コミカルな歌い方や下世話なサックスのためか、本盤のなかで聴くと、色物ぽさにあふれている。カナダと西独のみ発売という珍ライブ盤から。HE DANDYというバックバンドにはIVEYS(BAD FINGER)のメンバーも含まれていたとの事。
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Track14.SCHADEL - WITH THE SUN IN MY EYES 〜 前曲から一転、スマートなポップソング。
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Track15.PAUL JONES - AND THE SUN WILL SHINE 〜 元MANFRED MANNのPAUL JONESが、オリジナルに負けず泣き節を披露。
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Track16.CLIFF AUNGIER - WORDS 〜 5曲目と同じシンガー。こちらも室内楽なアレンジ。
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Track17.ADAM FAITH - COWMAN MILK YOUR COW 〜 この曲が発表された1967年の時点でベテラン・シンガーらしいが、これはサイケ・ポップ風な好作品。
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Track18.THE NOMADS - SINGER SANG HIS SONG
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Track19.DAVID GARRICK - MAYPOLE MEWS 〜 GARRICK君再登場。これは彼のための書き下ろし作品とのこと。
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Track20.THE BLOOMFIELDS - THE LONER 〜 これと次の曲はカバーというよりは、BEE GEESのモーリス・ギブが絡んだプロジェクトの曲とのこと。これは1972年と、年代が若干下った作品。70年代ポップらしいクリーンすぎる音。
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Track21.THE FUT - HAVE YOU HEARD THE WORD 〜 これもBEE GEESのモーリス・ギブが絡んだプロジェクトの曲だが、BEATLESがラリってセッションしているような曲調。JOHN LENNONそっくりの声にびっくり。ライナーによると間違ってBEATLESのブートレッグに収録されたり、YOKO ONOがこの曲をJOHNの作品として登録したことがあるそうな。それも納得な大珍品。
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Track22.CITY OF WESTMINSTER STRING BAND - HOW CAN YOU MEND A BROKEN HEART 〜 イージー・リスニング風なインストルメンタル。このあと隠しトラックとして、なぜか「STAYIN' ALIVE」が収録。
(2004/08/22)
MIKE HURST PRODUCERS ARCHIVES VOLUME 1 / VARIOUS ARTISTS
CAT STEVENS,MANFRED MANN,P.P.ARNOLD,MOVEなどを手がけたプロデューサーの作品集。WARM SOUNDやNEIL MACARTHUR(COLIN BLUNSTONEの変名)も彼がプロデュースだったのですね。彼もスゥインギング・ロンドンの立役者の一人と言えるのでしょうか。楽曲は1966年から1984年までに亘っており、SAMANTHA FOXまで手がけてますが、ここでは60年代ものに限って聴くことにします。
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1曲目PAUL & BARRY RYAN「KEEP IT OUT OF SIGHT」− やはり彼が手がけていたCAT STEVENS作。フィル・スペクターを意識したような音圧高い音に、コマーシャルでもあるR&B風なメロが乗っかる楽曲。1曲目にふさわしい選曲。
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2曲目EPISODE SIX「MY LITTLE ONE」− これも1曲目と同じポップR&B(?)風な音。
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10曲目THE FAVOURITE SONS「THAT DRIVING BEAT」− 「SATISFACTION」のリフを借用したフリーク・ビート風の曲だが、聴きやすくポップさもある。
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11曲目THE ALAN BOWN「STRANGE LITTLE FRIENDS」− 歯切れの良くシングル向きな曲。ストリングスの使い方は当時ぽいが、ボーカルのメロだけ聞くと1969年の曲とは思えないほど垢抜けている。
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13曲目COLIN BLUNSTONE「NEVER MY LOVE」− ASSOCIATIONで有名な曲。NEIL MACARTHURを名乗っていた頃の録音らしい。壮麗なストリングスと厚い女性コーラスのためか派手な印象で、ASSOCIATIONにはあった幻想的な雰囲気はない。
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14曲目COLIN BLUNSTONE「DON'T TRY TO EXPLAIN」− こちらの方が後のソロアルバムに近い音で、彼の独特の声にあった曲。
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16曲目HARDIN & YORK「TOMORROW TODAY」− 「HANDBAGS AND GLADRAGS」(ハンドバックと外出着)かと思うようなピアノリフで始まる。ハモンドと女性コーラスが泥臭く盛り上げるバラード。
(2003/10/12)
MIKE HURST PRODUCERS ARCHIVES VOLUME 2 / VARIOUS ARTISTS
CAT STEVENS,MANFRED MANN,P.P.ARNOLD,MOVEなどを手がけたプロデューサー作品集のボリューム2。2004年に出たものですが、60年代ものが少ないので見送ってました。が、5年もたって(忘れたころに)2009年に60年代音源中心の第3集が出たので、ついでに購入。MIKE HURSTソロ名義とBARRY ST. JOHNの音源は貴重。
ここでは触れませんが、期待せずに聴いた70-80年代の曲も意外と面白い。コマーシャルに映える、快活で華やかなロック・ナンバーを、時流に沿いつつ職人的に作るのが得意な人なのですね。
以下、収録曲のうち60年代のものについて記載。
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Track02.MIKE HURST - SHOW ME AROUND 〜 1965年に出たソロ名義最後のシングルとのこと。
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Track04.HUMAN INSTINCT - RENAISSANCE FAIR
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Track05.MIKE HURST - ANYTIME THAT YOU WANT ME 〜 これも1965年のソロ名義シングル曲だが、 (JIMMY PAGE 1ST SOLO)とクレジットされたようにJIMMY PAGEの初セッション曲とのこと。当時17歳だった彼による、例のモタったようなギターリフとソロが堪能できます。
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Track08.BARRY ST. JOHN - COME AWAY MELINDA 〜 個人的には衝撃的だった驚異的な曲。舌足らずな子供の歌と重苦しい大人の歌が、BARRY ST. JOHN一人によって交互に歌われる反核ソング。BARRY ST. JOHNの他の曲も聴きたくなるが、客演が多く、唯一の自身のアルバム「ACCORDING TO ST.JOHN」は入手困難とのこと。
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Track12.HUMAN INSTINCT - A DAY IN MY MINDS MIND 〜 この曲はここで始めて聴きましたが、疾走感ある佳作。
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Track13.TRULY SMITH - TAKIN TIME OFF 〜 この曲と次の曲は快活な60年代末期仕様ガールズ・ポップ。本人もライナーで「EXAMPLES OF LATE 60S POP」と記述。
「SUNDAY SUNSHINE - THE WORLD OF SNB RECORDS」
に、もし入っていてもおかしくない。
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Track14.TRULY SMITH - THIS IS THE FIRST TIME
(2009/07/12)
MIKE HURST PRODUCERS ARCHIVES VOLUME 3 / VARIOUS ARTISTS
CAT STEVENS,MANFRED MANN,P.P.ARNOLD,MOVEなどを手がけたプロデューサー作品集のボリューム3。2004年に出た第2集から5年もたってから発表。今回は60年代音源中心でハーモニー・ポップ系の楽曲が多く、貴重な発掘音源もあるのが嬉しい。IMMEDIATE関連で新たな事実や疑問も出てきたのも意外な収穫でした。ただしジャケットは最低のセンス。
以下、収録曲のうち60年代のものについて記載。
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Track01.THE ALAN BOWN - ALL ALONG THE WATCHTOWER 〜 ハモンドが目立つ点はアートロック/ニューロック風だが、もちろんブラスも活躍、1968年にしては割りと野心的なアレンジか。
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Track02.THE CYMBALINE - CAN YOU HEAR ME? 〜 ここから3曲は、手堅くまとめたハーモニー・ポップ作品として楽しめます。
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Track03.THE APPALACHIANS - LOOK AWAY 〜 女声もの。
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Track04.FORCE WEST - LIKE THE TIDE, LIKE THE OCEAN 〜 出だしは笛の音もあるが、タイトルからも伺えるように、最もBEACH BOYSからの影響が伺える作品。
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Track06.WARM SOUNDS - STICKS AND STONES 〜 サイケ・ポップ界では知られた曲ですが、MIKE HURSTの功績の一つとして拝聴。
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Track07.MURRAY HEAD - SHE WAS PERFECTION 〜 IMMEDIATEのアーカイブなどに収録済ですが、これも功績の一つとして。
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Track08.MURRAY HEAD - SECOND-HAND MONDAY
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Track09.THE MAJORITY - SIMPLIFIED 〜 個人的には、本盤で最も関心を惹きつけられた曲。TWICE AS MUCHのシングル曲(セカンドにも収録)として知られ、作者はTWICE AS MUCHの2人とされてきました。が、ここでの作曲者はジャケ裏ではUNKNOWNとクレジット、ライナーでMIKE HURSTはTHE MAJORITY自身の作曲と書いており、真相究明が待たれる。
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Track10.THE ALAN BOWN - MY GIRL THE MONTH OF MAY NEVER BEFORE RELEASED
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Track11.DOUBLE FEATURE - HANDBAGS & GLADRAGS 〜 これもMIKE D'ABO作でCHRIS FARLOWEがIMMEDIATEから発表、後にROD STEWARTがカバーして知られてます。が、MIKE HURSTによるとこのDOUBLE FEATUREバージョンが先に作られたが大人の事情でCHRIS FARLOWEの後に発売となり注目されず終わったとのこと。
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Track12.CAT STEVENS - TWINKIE NEVER BEFORE RELEASED 〜 未発表曲。ややラフながらCAT STEVENSらしいメロが楽しめる小品。
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Track13.MIKE HURST & MIKE D'ABO - GOING GOING ONE 〜 この珍品はCAT STEVENSのデビュー用に作成したが結果没となった曲とのこと。
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Track14.MIKE HURST - THE BANJO SONG 〜 MIKE HURSTの1STシングル。後に「VENUS」にも転用されるリフが印象的。
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Track17.NIRVANA - CHRISTOPHER LUCIFER
(2009/07/20)
MY FIRST DAY WITHOUT YOU - NEW RUBBLE VOLUME 1 / VARIOUS ARTISTS
PAST&PRESENTレーベルから出たNEW RUBBLEシリーズの第一巻。RUBBLEシリーズでは良い仕事をしてくれたので期待ひとしおです。ジャケットがコンセプト不明ながらおざなりではないのはいいのですが、ライナーがテキストだけなのは残念。
この1巻では1963〜1966年の曲を集めてますが、65年と66年が中心。これまでのコンピでも名が出てこなかったオブスキュア(無名)なグループが多いようです。時期的にサイケ・ポップ色はまだなのは仕方ないところですが、全般的にR&Bやモッズ色もかなり希薄。けして熱くならない、適度なビートとコーラスがある中庸さがあり、一番近いのはマージービートかと思います。64〜65年あたりのBEATLESぽくもあるし、時として、日本のGSとの類似性も感じます。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.THE LLAN - ANYTIME
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Track02.MARC GREY - MY FIRST DAY WITHOUT YOU 〜 本盤のタイトルにもなったこの曲は、ホーンや女声コーラスも入った、比較的華やかな、ややR&Bよりな曲。
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Track03.NOTHING - AT TIMES LIKE THIS
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Track04.THE PYRAMIDS - BABY'S GONE AWAY
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Track05.PETE TIERNEY & THE NIGHTHAWKS - THATS TOO BAD 〜 勢いも感じる佳作。
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Track06.NEIL LANDON - I'VE GOT NOTHING TO LOSE 〜 CARTER/LEWIS作。
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Track07.THE ROGER JAMES FOUR - LEAVE ME ALONE
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Track08.THE NITESHADES - I'M NOT GOING TO WORRY
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Track09.THE NORTH STARS - EENIE MEENIE MINEE MO
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Track10.THE J.B.'S - WOW WOW WOW
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Track11.YEMM & THE YEMEN - BLACK IS THE NIGHT 〜 この曲は特に日本GSにも通じる叙情がある。
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Track12.JOHNNY SANDON & THE REMO - LIES
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Track13.BRYAN & THE BRUNELLES - JACQUELINE 〜 短いながらオルガンにギターが絡む間奏がききもの。
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Track14.THE BLUE RONDOS - I DON'T WANT YOUR LOVIN' NO MORE
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Track15.HI-FI - I KEEP FORGETTING
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Track16.WEST FIVE - IF IT DON'T WORK OUT AGAIN 〜 ZOMBIESの曲のカバー。こちらの方が発表が先ですが。
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Track17.THE MOCKINGBIRDS - I CAN FEEL WE'RE PARTING 〜 10CCのGRAHAM GOULDMANとKEVIN GODLEYがいたグループ。
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Track18.THE ROCAMARS - ALL IN BLACK WOMAN
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Track19.TOMMY BISHOP'S RICOCHETS - I SHOULD HAVE KNOWN
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Track20.THE CREATURES - IT MUST BE LOVE
(2005/09/25)
SPEAKING MY MIND - NEW RUBBLE VOLUME 2 / VARIOUS ARTISTS
PAST&PRESENTレーベルから出たNEW RUBBLEシリーズの第二巻。ジャケットが相変わらずコンセプト不明でシュール。
この2巻では1969〜1974年の曲を集めてますが、69年と70年の曲が多い。内容は、サイケ・ポップからかなり遠い(時代が経った?)アンダーグラウンドなハード・ロック作品集。ギターは歪み、ハモンドは唸り、ボーカルはイアン・ギランばりに熱唱する、という大味な曲が目立つ。プログレ関係の書物で見かける、稀覯盤として紹介されているグループ(RAW MATERIALやWALRUSなど)なども散見されます。
個人的には、3巻以降も予定されているのでそちらに期待、ですね。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.THE RATS - DRAGON CHILD 〜 1974年発表と年代が下った曲。性急なよくあるHRだが、ホーンがジャズ・ロック調。
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Track02.RESCUE COMPANY NO.1 - IT'S ONLY WORDS
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Track03.TICONDEROGA - SPEAKING MY MIND 〜 出だしのボンゴなどはサイケ風、ギターソロで盛り上がりを見せる。本盤のタイトルに使われたのもさもありなんな、本盤を代表するような曲。
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Track04.EIRE APPARENT - YES,I NEED SOMEONE
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Track05.RUMPLESTILTSKIN - SQUADRON LEADER JOHNSON
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Track06.THE IMPOSTERS - Q111
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Track07.GLASS MENAGERIE - DO YOU EVER THINK
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Track08.THE OPEN MIND - MAGIC POTION
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Track09.NANCY - HESETATIN'
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Track10.THE MONTANAS - DR NERO 〜 かつてのハーモニー・ポップグループもすっかり仕様変更。
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Track11.RAW MATERIAL - TRAVELLER MAN (PART 1)
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Track12.OPUS - BABY COME ON
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Track13.PUTNEY BRIDGE - MEANING OF LOVE
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Track14.THE FRUIT MACHINE - I'M ALONE TODAY 〜 9曲目のTHE OPEN MINDと共に、比較的ビート・グループの影を残している。
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Track15.ANDROMEDA - KEEP OUT, I'M DYING
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Track16.RUMBLE - LET ME DOWN
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Track17.RARE BIRD - HAMMERHEAD 〜 本盤収録アーティストの中では最もメジャーか。売りのキーボード類が意外と目立たない曲。
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Track18.WALRUS - WHO CAN I TRUST 〜 ブラスとねちっこいボーカルが絡みつく。
(2005/10/09)
WATCH YOUR STEP - NEW RUBBLE VOLUME 3 / VARIOUS ARTISTS
PAST&PRESENTレーベルから出たNEW RUBBLEシリーズの第3巻。「20 SUPERB SLABS OF PRIMAL」という副題。またもシュールなジャケットですが、中身はジャケに似合わない、すべて1964〜1966年に発表されたブリティッシュ・ビート集。これの第1巻がマージー・ビート特集だとすると、本盤はそれよりぐっとブルース/R&B寄りな、黒っぽい曲を集めた印象。ただし、MODSものとも少し違うかとは思います。有名曲のカバーも幾つかある。
以下、どの曲も熱い演奏ですが、サイケ・ポップとは遠い内容なので全収録曲のみ表記します。
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Track01.THE LITTLE DARLINGS - EASY TO CRY
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Track02.TOMMY BRUCE & THE BRUISERS - BOOM BOOM
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Track03.THE BLUE CHIPS - SOME KIND OF LOVIN'
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Track04.FREDDIE RYDER - SLOW DOWN
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Track06.THE LAURIE JAY COMBO - TEENAGE IDOL
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Track07.THE TOGGERY FIVE - IT'S SO EASY
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Track08.BOBBY JAMESON - PLEASE MR MAILMAN
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Track09.DAVE DAVANI & THE D-MEN - MIDNIGHT SPECIAL
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Track10.THE BOSTON CRABS - AS LONG AS I HAVE YOU
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Track11.THE BLACKWELLS - WHY DON'T YOU LOVE ME
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Track12.HAMILTON KING - AIN'T IT TIME
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Track13.MICHAEL LESLIE - MAKE UP OR BREAK UP
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Track14.THE HUSKIES - MATCHBOX
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Track15.DANNY KING - TOSSIN'AND TURNIN'
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Track16.PETER LONDON - BABY, I LIKE THE LOOK OF YOU
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Track17.TONY COLTON - LOSE MY MIND
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Track18.STEVE FRANCIS - WATCH YOUR STEP
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Track19.THE FALLING LEAVES - SHE LOVES TO BE LOVE
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Track20.RAY SINGER - WHAT'S DONE HAS BEEN DONE
(2005/11/20)
UTOPIA DAYDREAM - NEW RUBBLE VOLUME 4 / VARIOUS ARTISTS
PAST&PRESENTレーベルから出たNEW RUBBLEシリーズの第4巻。「A COLLECTION OF LOST POP GEMS FROM THE '60'S」という副題。4作目にして(個人的には)待望のサイケ・ポップのコンピといえるもの。ビート・ナンバー風の曲も幾つかあり、終盤はハーモニー・ポップ寄りの作品が多いですが、無名グループばかりか、この種のコンピ盤では「初出」の曲ばかり。かつ、出来の良い曲も多い。さらに収録曲を発表年度が1967〜1969年の作品ですべて固めたのも見事。ジャケも本盤に限っては、内容とイメージが合っている。GOOD JOBと言ってあげたい。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.THE ENDEVERS - SHE'S MY GIRL 〜 ファズ・ギターで始まるオープニング曲はややR&B調。
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Track02.ROBB AND DEAN DOUGLAS - GENTLE PEOPLE 〜 ジェントリーかつピースフルな佳作。鐘や柔らかなホーンも心地よい。
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Track03.TOGETHER - GOOD MORNING WORLD 〜 やや泣きのボーカルながら、しとやかな曲調。
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Track04.THE DODOS - I MADE UP MY MIND 〜 地味でマイナー調だが、バンドを感じさせる演奏が良い。
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Track05.JON - POLLY SUNDAY 〜 これもマイナー調で湿り気味。
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Track06.DAVEY SANDS & THE ESSEX - ADVERTISING GIRL
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Track07.THE GENTLE POWER OF SONG - CONSTANT PENELOPE 〜 組み合わせの妙を味わえる曲。アイビー・リーグ風というか、それよりもクラシカルなスタイルの太い男声コーラスに、BEATLESのPENNY LANE風ホーンやファズ・ギターも絡み、奥行きを感じさせる音像で、不思議な曲。
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Track08.THE PERISHERS - HOW DOES IT FEEL
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Track09.THE DEFINITIVE ROCK CHORALE - PICTURE POSTCARD WORLD 〜 滑らかなハーモニー・ポップ風の佳作だが、後ろでやや前時代的なピヨピヨしたオルガンが鳴っているのが妙。
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Track10.THE GUARDS - LET ME GO HOME
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Track11.TOBY TWIRL - UTOPIA DAYDREAM 〜 「THE GREAT BRITISH PSYCHEDELIC TRIP」シリーズで常連?だった彼ら。これは最後のシングルB面曲。エフェクトかけたボーカルやサイケ・ポップなアレンジ満載。やや地味ながらピースフルな小品。
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Track12.THE CORSAIRS - PAY YOU BACK WITH INTEREST 〜 HOLLIESナンバーの割と素直なカバー。
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Track13.ROGER BLOOM'S HAMMER - 15, TEMPERATURE RISE 〜 HERP ALPERTみたいなペットが印象的な曲。
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Track14.DEUCE COUP - ANGELA
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Track15.THE BUNCH - YOU CAN'T DO THIS
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Track16.THE FRESH WINDOWS - SUMMER SUN SHINES 〜 曲名に合った雰囲気をもつシャッフル調の曲。
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Track17.THE REBELS - CALL ME 〜 ファズ・ギターとオルガンで始まるが、歌が始まると平凡なポップ・ソング。
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Track18.THE PLAYGROUND - I COULD BE SO GOOD 〜 典型的ハーモニー・ポップ作品。
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Track19.THE QUIET FIVE - GOODNIGHT SLEEP TIGHT 〜 これもハーモニー主体だが、拍を強調したリズムや鐘の音が印象的。
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Track20.THE PEBBLES - PLAYING CHESS 〜 最終曲もハーモニー・ポップ調、だが躍動感や緊張感も感じられるハイテンションな佳作。
(2005/11/20)
SCRATCH MY BACK - NEW RUBBLE VOLUME 5 / VARIOUS ARTISTS
PAST&PRESENTレーベルプレゼンツのNEW RUBBLEシリーズ第5巻は、言ってみれば「ガール・イン・ザ・ガレージ」。1964〜1966年の作品が大半ですが、ガレージ/フリークビートな曲調にパンキッシュでもある女性ボーカルが乗っかる曲ばかり。どれもハイ・テンションかつ迫力ある音圧で圧倒されます。バラードものを挟むこともなく一気に17曲を突っ走りますが、43分というこの手のコンピにしては短い収録時間は程良いのかもしれません。閑話休題、本コンピのタイトルの意味は「魚心あれば水心」だそうで。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.JAN PANTER - SCRATCH MY BACK 〜 豪快なファズとカウベルの出だしが本盤のカラーを象徴しているようです。
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Track02.THE MARTELLS - TIME TO SAY GOODBYE
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Track03.GLENDA COLLINS - THOU SHALT NOT STEAL
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Track04.TAMMY ST.JOHN - BOYS 〜 BEATLESもカバーしたこの曲での転調後の盛り上がりや後半の絶唱は凄い。
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Track05.THE GIRLS - WAY WAY OUT
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Track06.MARY MCCARTHY - YOU KNOW HE DID 〜 HOLLIESのカバー。「LOUIE LOUIE」風。
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Track07.TRACY ROGERS - BABY
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Track08.ALMA COGAN - SNAKES, SNAILS, PUPPY DOG TAILS
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Track09.KAROL KEYES - NO ONE CAN TAKE YOUR PLACE
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Track10.VAL MCKENNA - BABY DO IT 〜 本盤中でも特に異常に力のこもった歌唱が絶品
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Track11.TIFFANY AND THE THOUGHTS - FIND OUT WHAT’S HAPPENING
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Track12.BILLIE DAVIS AND THE LEROYS - WHATCHA GONNA DO
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Track13.SAMANTHA JONES - GO AHEAD
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Track14.JUDY CARNES - SOCK IT TO ME
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Track15.CAROL FREEMAN - LEAVING YOU NOW 〜 女声ものには珍しくハーモニカなどゴリゴリにR&B的な曲。
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Track16.DAWN AND THE DEEJAYS - THESE ARE THE THINGS ABOUT YOU 〜 これは比較的マージー・ビート的。
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Track17.BILLIE DAVIS - THERE MUST BE A REASON 〜 〆は口直し?でコマーシャルかつややファンキーな曲調。これのみ1970年発表の曲。
(2006/01/15)
PAINTING THE TIME - NEW RUBBLE VOLUME 6 / VARIOUS ARTISTS
NEW RUBBLEシリーズ第6巻のサブタイトルは「A collection of unheard '60s and '70s psychedelic rarities」。その副題の割には既出の曲も多めで、内容的にもサイケ・ポップ、ソフト・ロック/ハーモニー・ポップ、アシッドなどのどのタームにも中途半端な曲が多く、VOLUME 4ほど傑出した曲が少ないのは残念。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.TWILIGHTS - CATHY COME HOME
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Track02.ANDY ELLISON - FOOL FROM UPPER EDEN 〜 元JOHN CHILDREN、オルガンがキュート
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Track03.ABEL FLETCHER - GIRL ON THE SHORE 〜 カモメの声のSE入り、OPEN MINDにも似た原初期のハード・ロックという印象
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Track04.APHRODITE'S CHILD - MAGIC MIRROR 〜 ヴァンゲリスがいたことで知られるグループ、この曲も前曲に引き続きHR風。
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Track05.CHRIS KERRY - SEVEN DEADLY SINS
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Track06.YOUNG LIONS - MAN WITH A MISSION
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Track07.FLORIBUNDA ROSE - ONE WAY STREET 〜 JOHN KONGOSやRIPPLESシリーズで既出
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Track08.CATS PYJAMAS - HOUSE FOR SALE 〜 さりげなくピースフルな雰囲気を出している佳曲
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Track09.BYSTANDERS - PAINTING THE TIME 〜 タイトルに冠すのに充分な曲ですが、BYSTANDERS単体でCD化済みだし、RIPPLESシリーズにも収録なので、個人的には耳タコ。
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Track10.SHAME - DON'T GO AWAY LITTLE GIRL 〜 この声は聴いたことがあると思ったら、GREG LAKEとのこと。若く張りのある声
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Track11.VELVET OPERA - DON'T YOU REALIZE
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Track12.NASHVILLE TEENS - LAST MINUTE
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Track13.HERBIES PEOPLE - RESIDENTIAL AREA 〜 純朴なコーラスとファズ・ギターが混在した不思議な曲。
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Track14.DON FARDON - SUNSHINE WOMAN 〜 SORROWSのボーカリストだった人
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Track15.ORANGE BICYCLE - HYACINTH THREADS
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Track16.JUST WILLIAM - CHERRYWOOD GREEN 〜 Track13に登場したHERBIES PEOPLEの後身とのこと。こちらはハーモニー・ポップ風。
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Track17.CHRIS ANDREWS - HOLD ON 〜 「YESTERDAY MAN」のヒットを持つ彼の、DECCAでのラスト・シングル。
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Track18.MELODY FAIR - SITTIN' WATCHIN' WAITIN' 〜 BEATLES「LADY MADONNA」の影響を受けたと思しきジャジーでアップテンポの曲。
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Track19.EXECUTIVES - GINZA STRIP 〜 エグいタイトル通り、オリエンタル風リフを持つ曲。
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Track20.ALAN TRAJAN - SPEAK TO ME CLARISSA
94 BAKER STREET THE POP-PSYCH SOUNDS OF THE APPLE ERA 1967-1969 / VARIOUS ARTISTS
BEATLESが設立したアップルの音楽出版事業部門と契約を交わしたアーティストの作品を、未発表曲をふくめて収録したコンピ盤。うちアップルからレコードを出したのはIVEYS(後のBADFINGER)のみ。現在の契約の関係か、GALLAGHER&LYLEやFIREは未収録。後にHIGH TIDEになるMISUNDERSTOODもジャケ裏の曲目表にはクレジットがあるが、問題あったのか実際には未収録。「THOSE WERE THE DAYS An Unofficial History of The Beatles Apple Organization 1967-2002」という書籍に連動したCDでもあるようだ。
最初のアーティストはFOCAL POINT。実際には一枚のシングルをDERAMから出したのみ。そのA面でもある「LOVE YOU FOREVER」はメロトロンとマリンバの間奏が妙味。「SYCAMORE SID」はWHOの「I CAN'T EXPLAIN」風のリフが印象的だが、その他の曲では日本のGSに一脈通じるようなやや湿り気のある、なよっとした叙情が感じられる。「'CEPT ME」はサイケなギターリフとボーカルの音階がJOHN LENONのお気に召したとか。
次はGRAPEFRUIT。これもなよっとしたソフト・サイケ。FOCAL POINTに比べるとメリハリの利いた音だ。TONY RIVERS&CASTAWAYS出身のメンバーが3名もいるし、TERRY MELCHERがプロデュースしているせいか。特筆すべきは「LULLABY」。PAUL McCARTNEYプロデュースだという別バージョンで、「AROUND GRAPEFRUIT」では整理されたアレンジだったが、こちらはまるでSYD BARRET在籍時のPINK FLOYDがバックを担当したような、よりLSD度が高いバージョンだ。
3番目はWAYS AND MEANS。GRAPEFRUITのGEORGE AREXANDERが書いた「BREAKING UP A DREAM」のみ収録。GRAPEFRUITもレパートリーとしていたという性急ながらもキャッチーなコーラスもなかなかの佳作。
4番目はIVEYS。デビュー曲となった「MAYBE TOMORROW」の別バージョン以外は未発表曲。TOM EVANS作の未発表曲「I'M TOO SHY」。「MAYBE TOMORROW」路線の「SHE CAME OUT OF THE COLD」。なかなかサイケでガレージな演奏の「TUBE TRAIN」「I'VE BEEN THERE ONCE BEFORE」。ライナーによるとこのコンピ盤を出したRPMからIVEYSの未発表曲集を出す計画もあるというが、一度はCD化された「MAYBE TOMORROW」も是非再発してほしい。
5番目はPAINTBOX。これもGRAPEFRUITのGEORGE AREXANDERが絡んだプロジェクトだそうで、FOUNDATION風のポップ・ソウルな「GETTING READY FOR LOVE」のみ収録。最後はJOHN FITCH & ASSOCIATES。ねちっこいボーカルにハードなギター、ソウル〜ファンキー路線。アップルといえども、いろんなアーティストと契約していたことがわかります。(2004/02/01)
AN APPLE A DAY MORE POP PSYCH SOUNDS FROM THE APPLE ERA 1967-1969 / VARIOUS ARTISTS
BEATLESが設立したアップルの音楽出版事業部門(アップル・レーベルとは別部門)と契約を交わしたアーティストの作品集。2003年に出た「94 BAKER STREET...」に続く、まさかの第2集です。半分以上は未発表曲でデモ・バージョンも多く、音質的にはかなり厳しいです。が、内容的にはAPPLEというサイケ・ポップの金看板への期待を裏切りません。なよっとしたメロディアスで内省的な曲が多く、ぼんやりとした音像が、オブスキュア感を高めて、また雰囲気(何の?)を盛り上げてもくれます。
以下、全収録曲とコメント。
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Track01.THE U (DON'T) NO WHO - AN APPLE A DAY 〜 アップルに売り込むには狙いすぎたタイトル。ホーンを加えたコマーシャルなサイケ・ポップ。これが未発表曲だったとは。この曲調からは想像できないが、後にBACHDENKELというプログレなグループに発展したグループとのこと。
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Track02.JIGSAW - GREAT IDEA 〜 後に「スカイ・ハイ」等で有名になるグループも、この1曲のみとはいえ、アップルと音楽出版契約していたとは驚きでした。デビュー曲のB面で、まあまあな出来。
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Track03.GALLAGHER & LYLE - IVY UNREHEARSED 〜 本盤の売りの一つはGALLAGHER & LYLEの未発表だったアップル時代の録音が聴けることでしょう。これはアコースティック主体の、彼らにしてはこじゃれた曲調。
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Track04.DENNIS COULDRY - I AM NEARLY THERE 〜 プロコル・ハルム調の「MEDITATIONS」でサイケ・ポップ界で知られるFELIUS ANDROMEDAのKey担当だった彼のソロシングル。本盤のなかでは珍しく煙がたなびいてきそうな、瞑想的な雰囲気もある、静寂のコントラストも見事な好ナンバー。
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Track05.IVEYS - BLACK & WHITE RAINBOWS 〜 本盤の売りのもうひとつ一つはIVEYSの未発表曲。これと次の曲はPETE HAM作。瑞々しさも感じるメロディアスな曲。
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Track06.IVEYS - GIRL NEXT DOOR IN A MINI SKIRT
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Track07.LACE - SOLDIER 〜 恐らく本盤のなかでも最も無名な、ポーツマスから来たグループの未発表曲。暗めの曲調ながらこれはまさに、倉庫の一番奥で眠っていた掘り出し物、という印象。
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Track08.GALLAGHER & LYLE - TECHNICOLOUR DREAM 〜 シンプルながらも、夢想的なメロディの佳作。タイトルにTECHNICOLOUR DREAMという言葉が入った曲にハズレなし、というセオリー通り。
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Track09.GALLAGHER & LYLE - IN YOUR WONDERFUL WAY 〜 彼ららしいセンシティブさを感じるスローなナンバー。
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Track10.MORTIMER - PEOPLE WHO ARE DIFFERENT
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Track11.IVEYS - TOMORROW TODAY 〜 これはTOM EVANS作。アルペジオが効果的。
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Track12.DENNIS COULDRY - JAMES IN THE BASEMENT 〜 Track04と同じアーティストだが、こちらはKINKSの「AUTUMN ALMANAC」みたいなダルな曲調に、BEATLESの「ONLY A NORTHERN SONG」みたいなペットが絡む、脳天気な好サイケ・ポップ作品。
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Track13.THE U (DON'T) NO WHO - STRANGE PEOPLE 〜 内省的な歌い方、ピアノとうっすらとしたホーンによるバラード。
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Track14.MAJORITY ONE - CHARLOTTE ROSE 〜 これも好ナンバーだが、本盤と同じRPMレコードからCD化済なので、ありがたみが薄い。
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Track15.GOLDRUSH - SOMEBODY'S TURNING ON THE PEOPLE 〜 あのTERRY MELCHERのプロジェクト。BEACH BOYS風、特に「GETTIN' HUNGRY」あたりを想起させる曲。
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Track16.SECOND HAND - FAIRYTALE 〜 メロトロンも入るタイトル通りのチャーミングなナンバー。彼らのアルバムではハードな面があるとのことだが、この曲からは想像できない。
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Track17.TURQUOISE - SISTER SAXOPHONE 〜 LOVIN' SPOONFUL、特に「DAYDREAM」あたりとKINKSを混ぜたような曲。もうすぐREVOLAから単独CDがでるのが楽しみ。
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Track18.THE U (DON'T) NO WHO - NOW AND AGAIN REBECCA 〜 彼ら3度目の登場。これはカチっとしたまとまった演奏。どの曲も出来が良く、他にも当時のマテリアルがあるなら是非聴いてみたいグループ。
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Track19.IVEYS - MR STRANGEWAYS 〜 珍しくRON GRIFFITHS作のやや中途半端な曲。
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Track20.CUPS - GOOD AS GOLD 〜 元JOHN'S CHILDRENのJOHN HEWLETTとGALLAGHER & LYLEによるプロジェクト。GALLAGHER & LYLEにしては珍しいストレートなビート・ナンバー。
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Track21.TURQUOISE - WOODSTOCK 〜 イントロが異なるALTバージョン。
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Track22.PETER COOPER - EVIL LOVIN WOMAN 〜 最もAPPLEのイメージから遠い曲で〆。PETER COOPERとはシンガー・ソングライターとのことだが、この曲はややブルース・ロック調か。
(2006/05/28)
TREACLE TOFFEE WORLD FURTHER ADVENTURES INTO THE POP PSYCH SOUNDS FROM THE APPLE ERA 1967-1969 / VARIOUS ARTISTS
アップル音楽出版事業部門と契約したアーティストの作品集の第3弾にして最終作の模様。第1弾は2004年に出た
「94 BAKER STREET...」
、第2弾は2006年に出た
「AN APPLE A DAY MORE POP...」
。さすがに出がらし感がありますが、がんばって出してくれたのは感謝。ところで、第1弾で未収録になったMISUNDERSTOODは?
以下、全収録曲とコメント。
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Track01.FIRE - FATHER'S NAME IS DAD 〜 確かに佳作ですが、本盤を買う人なら耳タコのこの曲がトップなのは、苦しい台所事情がうかがえます。
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Track02.SANDS - LISTEN TO THE SKY 〜 これも単独CD化済みの佳作
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Track03.GRAPEFRUIT - TRYING TO MAKE IT TO MONDAY 〜 これは彼らのデビュー曲予定だった未発表曲。一気にオブスキュア感が高まります。ここからが本盤の本編。
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Track04.PETER HUCKSTEP - FORGIVE AND FORGET 〜 アレンジを施せば、もっとソフト・ロック/ハーモニー・ポップとして完成度が高くなったであろう作品。
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Track05.GALLAGHER & LYLE - GOODBYE MOZART 〜 彼らとしては水準点並みの作品。今回この一曲だけなのが惜しい。
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Track06.FIRE - SPARE A COPPER
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Track07.PETER HUCKSTEP - EVEN THE SUN SHINES COLD
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Track08.IVEYS - BITTERSWEET ADEIU 〜 ロン・グリフィス作の重ためな曲。
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Track09.DENIS COULDRY - TEA AND TOAST MR WATSON 〜 本盤で初めて聴いた曲の中では、サイケ・ポップとして合格点。
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Track10.FIRE - TREACLE TOFFEE WORLD 〜 本盤のタイトル曲の割には地味め。
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Track11.GRAPEFRUIT - FALL OF THE CASTLE
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Track12.DENIS COULDRY - PENNY FOR THE WIND 〜 ダルめな曲調にリコーダー、オルゴールも絡む、魅力的な曲。
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Track13.23RD TURNOFF - VINCENT VAN GOUGH 〜 ベースがうなる、瞑想的な曲。ALT VERSIONとあるが、彼らの単独CD収録版との違いはよくわからず。
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Track14.PETER HUCKSTEP - THINKING PICTURES
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Track15.IVEYS - HOW DOES IT FEEL
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Track16.FIRE - WILL I FIND LOVE
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Track17.LEGAY - FANTASTIC STORY OF THE STEAM DRIVEN BANANA 〜 サイケ・ポップらしいタイトル、イントロと途中に3拍子になる曲調もGOOD。
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Track18.GRAPEFRUIT - THIS LITTLE MAN 〜 本シリーズクロージングは、彼らの1STアルバム収録曲の別バージョン。日本の歌謡曲ばりの泣きメロ。
(2009/01/04)
OH! YOU PRETTY THINGS - THE SONGS OF DAVID BOWIE / VARIOUS ARTISTS
2006年にSANCTUARYから出ていたBOWIEの提供/カバー曲集。ソングライターとしてのBOWIEという、意表をついた企画盤になっているのが面白い。
ほぼ録音順に収録されていますが、BOWIEの変遷とほぼシンクロした曲想になっているのがよく判ります。DERAMからのファーストを出してた時期〜大ブレイクしたグラム・ロック期〜ニューヨークに渡る頃のソウル・ファンク的なアプローチ、といった流れです。彼自身、職人的に曲を書き分けるタイプでは無いでしょうから当然かもしれません。
このサイト的に興味深いのはやはり、最初の方の、SWINGING LONDON期では契約ソングライターでもあった彼の作品集。ミュージックホール的というか、大衆的なシアトリカルさというか、意図的にサイケやブルース、ハードロックといった当時のロック的な要素を排除したような曲が多い。ファーストアルバムでも判るとおり当時の彼のアーティスティックな志向通り。それを他人が歌うと途端にショービズ臭さやB級臭さが出てくるあたり、売れなくて苦闘していたであろう当時の彼の立ち位置が垣間見えます。
以下、全収録曲とコメントをいくつか記載。
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Track01.OSCAR - OVER THE WALL WE GO
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Track02.RONNIE HILTON - THE LAUGHING GNOME
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Track03.THE BEATSTALKERS - SILVER TREE TOP SCHOOL FOR BOYS
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Track04.BILLY FURY - SILLY BOY BLUE
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Track05.THE BEATSTALKERS - EVERYTHING IS YOU
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Track06.THE BEATSTALKERS - WHEN I'M FIVE
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Track07.PETER NOONE - OH YOU PRETTY THING
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Track08.DANA GILLESPIE - ANDY WARHOL 〜 オルタネイト・バージョン
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Track09.MOTT THE HOOPLE - ALL THE YOUNG DUDES 〜 こんな有名曲まで入れなくてもとは思いますが
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Track10.LOU REED - WAGON WHEEL
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Track11.SIMON TURNER - THE PRETTIEST STAR
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Track12.AVA CHERRY - I AM A LASER 〜 聴いたことがあると思いきや、後にBOWIE自身がSCARY MONSTERSでSCREAM LIKE A BABYとして「再演」
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Track13.AVA CHERRY - PEOPLE FROM BAD HOMES
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Track14.THE ASTRONETTES - I AM DIVINE
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Track15.THE ASTRONETTES - THINGS TO DO
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Track16.LULU - THE MAN WHO SOLD THE WORLD 〜 オルタネイト・バージョン デュエット相手はBOWIEか
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Track17.LULU - WATCH THAT MAN 〜 前曲のB面とのことですが、見事な歌いっぷり。
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Track18.MICK RONSON - GROWING UP AND I'M FINE 〜 袂を判った盟友へのプレゼント?シングル向けな曲。
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Track19.MICK RONSON - MUSIC IS LETHAL
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Track20.MICK RONSON - HEY MA GET PAPA
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Track21.DANA GILLESPIE - BACKED A LOSER
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Track22.DONOVAN - ROCK 'N' ROLL WITH ME
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Track23.JOHN COUGAR MELLENCAMP - THE MAN WHO SOLD THE WORLD 〜 これだけ少し年数下って1977年録音のためか、ボートラ扱い。
(2008/10/19)
PAISLEY POP PYE PSYCH & OTHER COLOURS 1966-1969 / VARIOUS ARTISTS
1991年に英で発表され、1994年に日本盤が発売されていたコンピレーション。PYE音源であり、今となってはその後出た色んなコンピ、RIPPLESとかPSYCHEDELIC PSTONESシリーズなどで聴ける曲が多いのですが、出た頃は選曲の良さもあり夢中になって聴いていた覚えがあります。気取った原文ライナー(日本盤に訳文あり)も当時当地の情況が垣間見られ、一見の価値ありなので、見かけたら是非買ってあげてください。
以下、収録曲全曲とコメントをいくつか。
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1曲目THE UGLYS 「THE QUIET EXPLOSION」−怪しげなオルガンとパーカッシヴなベースが印象的。
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2曲目TIMON 「THE BITTER THOUGHTS OF LITTLE JANE」−サイケ・ポップのひとつの典型。
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3曲目GATES OF EDEN 「TOO MUCH ON MY MIND」
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4曲目SCRUGG 「I WISH I WAS FIVE」
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5曲目CONSORTIUM 「ALL THE LOVE IN THE WORLD」−本コンピのハイライトの一つ。
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6曲目NEIL CHRISTIAN 「YOU'RE ALL THINGS BRIGHT & BEAUTIFUL」−R&B声ながらピースフル(脳天気)なマーチ・ソング風。イギリス臭さがたまりません。
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7曲目THE KYTES 「BLESSED」
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8曲目SCHADEL 「GOODBYE THIMBLE MILL-LANE」−サイケな演奏と朗々としたボーカルの対比が妙。メロディーは感傷的かつドラマチック。
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9曲目THE FLYING MACHINE 「SMILE A LITTLE SMILE FOR ME」−本コンピで一番のヒット曲。
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10曲目THE RAINBOW PEOPLE 「DREAMTIME」−U2のボノみたいな声。女性コーラスが曲をしっとりと盛り上げる傑作。
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11曲目THE BYSTANDERS 「CAVE OF CLEAR LIGHT」
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12曲目SCRUGG 「LAVENDER POPCORN」−フォーク・ロックを少しサイケ・ポップにシフトしたような曲。タイトルもいい。
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13曲目ANAN 「I WONDER WHERE MY SISTER'S GONE」
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14曲目THE STATUS QUO 「BLACK VEILS OF MELANCHOLY」
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15曲目BLINKERS 「DREAMS SECONDHAND」−ギターが歪みすぎだが、疾走感溢れる曲。
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16曲目THE UGLYS 「A GOOD IDEA」−下品な木管の音で始まる、TROGGS風の曲。
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17曲目THE MONTANAS 「THAT'S WHEN HAPPINESS BEGINS」−この曲のみフリーク・ビート風。まだ彼等がTONY HATCHと出会う前。
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18曲目THE ONYX 「TAMARIS KHAN」
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19曲目THE SETTLERS 「MAJOR TO MINOR」−このコンピの中で聴くと、このTONY HATCHプロダクションは異様に洗練されてみえる。
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20曲目FRESH AIR 「STOP LOOK LISTEN」−初々しさも感じるTHE FLYING MACHINE風の楽曲
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21曲目GENTLE INFLUENCE 「CAPTAIN REALE」
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22曲目TRADER HORNE 「MORNING WAY」−このコンピ盤のタイトルにしては、意外な〆。
(2003/07/21)
PSYCHEDELIA AT ABBEY ROAD 1965 TO 1969
EMIレコード創立100周年記念に絡んだ、去年から続いているアビーロードスタジオのヒストリーシリーズのサイケデリック編。
こういうコンピュレイションものの宿命ですが、1993年にSEE FOR MILESから出た「THE GREAT BRITISH PSYCHEDELIC TRIP VOL.3 1965-1970」(EMI編)とダブる曲が結構多い。TOMORROWの「MY WHITE BICYCLE」(この手の編集盤では定番か?)やGENTLE GIANTの前身SIMON DUPREE...の「KITES」、その変名グループのTHE MOLES、ハードロックの先駆けともいえるLOCOMOTIVE、URIAH HEEPのKEN HENSLEYがいたTHE GODSの曲なんかが重複しています。
DONOVANから始まってHOLLIES,PRETTY THINGSなどの割とメジャーなグループの曲に混ざって、TOMORROWの未発表曲(BYRDSの曲だがBYRDSよりも決まっている)やTWINKが絡んだAQUARIAN AGEとかレアそうな曲も少々入ってるのがさすが本家が出した編集盤というべきか商売が上手いというべきか。当然、権利関係のためかBEATLESやPINK FLOYDといったアビーロードスタジオの予算獲得に貢献したであろうビックネームは収録されていません。
その他に、今回はじめて聞いた中では、TOMMY以前のWHOにも似たTHE N'BETWEENS(SLADEの前身)や間奏のハープシコードが心地よいTHE FINGERS、異色にもJIMMY WEBの曲を取り上げたTHE NOCTURNES、後半ブルージーに盛り上がるTHE KOOBASなんかが楽しめます。
本家が出しているから当然かも知れませんが、TOMORROWの「MY WHITE BICYCLE」とか、音質は以前の編集盤より良くなっていると思います。(1998/09/27)
INSANE TIMES / VARIOUS ARTISTS
2007年にEMIから出たサイケ・コンピ。10年ほど前に出した
「PSYCHEDELIA AT ABBEY ROAD」
とアーティストは結構被るが、曲は意図してか別のものを選曲している模様(それでも3曲ほどダブってますが)。
SYD BARRETの話し声(と言われている)で始まるKEVIN AYERSの「SONG FOR INSANE TIMES」で幕を開け、最後はそのSYD BARRETの「NO GOOD TRYING」で〆ている。そういえば、そのどちらにもSOFT MACHINEのメンバーが参加していますね。さらに言えば前述の「PSYCHEDELIA AT ABBEY ROAD」もトリはSYDでした。「PSYCHEDELIA AT ABBEY ROAD」のパート2と言っても良いかもしれません。
他のコンピ盤で聴ける曲や単体でCD化されたアーティストも多いですが、EMI本体が出したこと、オブスキュアなアーティストも少しは入れていること、小さいですがブックレットに貴重そうな写真も若干あること、が本盤の存在意義でしょうか。
CDでは全25曲で80分近いですが、NETからのダウンロードだと、さらに5曲プラスされています。NETでのボーナス・トラックというのは新機軸。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.KEVIN AYERS - SONG FOR INSANE TIMES 〜 名誉ある表題曲ですが、ジャズ・ロックな演奏が本盤では異色。
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Track02.JULY - DANDELION SEEDS 〜 シングル・バージョン
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Track03.TOMORROW - REAL LIFE PERMANENT DREAM
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Track04.IPSISSIMUS - HOLD ON
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Track05.MANDRAKE PADDLE STEAMER - STRANGE WALKING MAN
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Track06.GODS - TOWARDS THE SKIES
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Track07.PENNY PEEPS - MODEL VILLAGE 〜 WHO風の快調な演奏とコーラスが心地よい。
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Track08.PAUL JONES - DOG PRESIDES 〜 Gがジェフ・ベック、Drがポール・マッカトニーとのこと。
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Track09.IDLE RACE - HURRY UP JOHN
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Track10.ORANGE BICYCLE - LAST CLOUD HOME 〜 ここでしか聴けない曲らしい。
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Track11.JON - IS IT LOVE
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Track12.BRAIN - NIGHTMARE IN RED 〜 BONZO DOGかと思うほど、ジャズ関係者ぽいおちゃらけが入る曲。
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Track13.BONZO DOG DOO DAH BAND - EQUESTRIAN STATUE
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Track14.RAINBOW FFOLLY - SUN SING
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Track15.SIMON DUPREE & THE BIG SOUND - CASTLE IN THE SKY
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Track16.TALES OF JUSTINE - MONDAY MORNING 〜 「パート1」にも収録。単体CD化が望まれるアーティスト。
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Track17.MIKE PROCTOR - MR COMMUTER 〜 初めて聞くアーティスト。ファズ活躍のフリークビート風だが、ホーンも入る。
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Track18.HOLLIES - ALL THE WORLD IS LOVE
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Track19.AEROVONS - WORLD OF YOU
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Track20.LEMON TREE - WILLIAM CHALKER'S TIME MACHINE
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Track21.PARKING LOT - WORLD SPINNING SADLY 〜 PAUL SAMWELL-SMITH作およびプロデュースのやや湿っぽいバラード。
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Track22.HERBAL MIXTURE - PLEASE LEAVE MY MIND 〜 GROUNDHOGSのTONY McPHEEがいたグループ。骨太な声ながら結構コマーシャルな曲
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Track23.KOOBAS - BARRICADES
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Track24.YARDBIRDS - THINK ABOUT IT 〜 1968年3月にシングル予定だったがキャンセルされた曲。リフ中心の展開、もったいぶったギター・ソロ、鳴りっぱなしのシングル、とZEPP風だが、RELFのボーカルを始めなんだかセコい演奏。最後のテープ逆回転のみサイケっぽい。
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Track25.SYD BARRETT - NO GOOD TRYING
(以下はNETのダウンロードのみ)
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Track26.THE YOUNG IDEA - ROOM WITH A VIEW 〜 1968年発表唯一のアルバムのCD化が待たれるデュオ。これは唸るバイオリンが印象的な曲。
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Track27.KIPPINGTON LODGE - I CAN SEE HER FACE
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Track28.BAMBOO SHOOT - THE FOX HAS GONE TO GROUND 〜 やや力んだ泣きのボーカルと、ベースがうねる演奏。
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Track29.WILD SILK - (VISIONS IN A) PLASTER SKY 〜 男女混声によるハーモニー・ポップ風。
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Track30.EDWICK RUMBOLD - SHADES OF GREY 〜 ブルーズ・ロック風。
(2007/09/16)
THE PSYCHEDELIC SCENE/VARIOUS ARTISTS
DECCA/DERAM音源による編集盤シリーズのサイケデリック編。MODSなグループが多くいたレーベルの為か、全体的にはおサイケというよりはガレージな印象。R&Bのカバーから始めたフォーピースバンドがサイケな装いをしてるような曲が多く、ハーモニーを売り物としてるグループは殆どいないので、サイケでもソフトロックぽいのは好きだけどノイジーなのは嫌いという人は避けたほうが良いと思います。
収録曲は、アシッドな曲、ハードロックの原型のような曲、内省的でなよなよした曲、シングル向けな派手でポップな曲の大体4つのタイプに分かれます。
アシッドな曲としてはBILL WYMANがプロデュースしたTHE END、WORLD OF OZ、KEITH SHIELDSあたりがいい出来。
ハードロックの原型のような曲としては、JIMI HENDRIXやCREAMの影響を受けたと思しきTINTERN ABBEYやACCENTがあげられる。ボー・ディドリーなリズムに重いハモンドが響くCURIOSITY SHOPPEの「BABY I NEED YOU」もこのタイプか。
3つめの内省的な曲としては、PATTOの前身にあたるTIMEBOXの曲が不思議な魅力を持ってます。曲中盤から切り込んでくるギターがカッコイイ。MOODY BLUESの曲は「サテンの夜」以前のシングルですが、彼らがメロトロンを最初に使った曲だと思います。THE FAIRYTALEの「GUESS I WAS DREAMING」や23RD TURNOFFの「MICHAELANGELO」、THE SOCIETIEの「BIRD HAS FLOWN」もいい出来
4つめのシングル向けな曲としては、後の10CCのメンバーであるGRAHAM GOULDMANのペンによる「SAD AND LONELY」がまるでSTONESの「SYMPATHY FOR THE DEVIL」をファンキーにしたような趣きで面白い。ANDY FORREYの「DREAM WITH ME」は、TOMORROWの「MY WHITE BICYCLE」なみに音の位相が滅茶苦茶な曲。最後のWARM SOUNDのすっとぼけた曲も爽快。
ライナーノーツのデザインがサイケで素晴らしい。写真も恐らく貴重なものばかりでしょう。TIMEBOXやWORLD OF OZのこれほど鮮明なポートレートは見たことがありません。(1999/09/05)
PSYCHEDELIC JUMBLE VOLUME ONE : WHAT'S THE RUSH, TIME MACHINE MAN? / VARIOUS ARTISTS
「THE REV-OLA ROCK MACHINE TURN YOU ON」
で予告されていたオムニバス盤で、サイケ・ポップ界(のみ)で名を知られるアーティストの未発表曲集。発掘していただいたのは非常にありがたく、さすがREV-OLAレーベルですが、THE MAJORITYはシングル曲含め、まず単独CD化して欲しいところです。
どの曲も音質が非常に悪いのは、雰囲気を出すためにあえて修復しなかったのか。VOLUME ONEと銘打ってますが、まだネタがあるのか。ともかく上級者向けな一枚。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.THE MAJORITY - YOU CAN RUN 〜 その後のMAJORITY ONEを思わせるティニー・ポッパー的な曲。
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Track02.TINTERN ABBEY - DO WHAT YOU MUST 〜 先の
「THE REV-OLA ROCK MACHINE TURN YOU ON」
に収録そこねたが、ここでお披露目。ややGS風なメロ。
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Track03.PARADOX - WHAT'S THE RUSH DILLBURY 〜 イントロの逆回転が印象的。当時バーミンガムで活動していたグループとのこと。
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Track04.HONEYBUS - DELIGHTED TO SEE YOU 〜 本盤で唯一ヒット・チャートと縁があるグループの、これはデビュー曲のデモ版。
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Track05.PENNY PEEPS - MEET ME AT THE FAIR
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Track06.THE MAJORITY - OUR LOVE WILL BE SO STRONG 〜 哀愁のギターリフ、コーラスも栄えるキャッチーな曲。本盤のなかで一番のお気に入り。
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Track07.TINTERN ABBEY - HOW DO I FEEL TODAY 〜 これは彼らには珍しくジェントリーな曲調。
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Track08.FIVE'S COMPANY - FRIENDS AND MIRRORS 〜 これもジェントリー。
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Track09.PARADOX - MARY COLINTO 〜 サビはKINKSのDAVID WATTSそっくりで苦笑。
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Track10.PENNY PEEPS - INTO MY LIFE SHE CAME 〜 フルートが印象的なバラード。
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Track11.THE MAJORITY - TIME MACHINE MAN 〜 BEATLESの「RAIN」風なベースラインで始まる、これも佳作。
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Track12.OPAL BUTTERFLY - MARY ANN WITH THE SHAKY HAND
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Track13.TINTERN ABBEY - NAKED SONG 〜 ややアコースティックながら彼ららしいメロ。
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Track14.PARADOX - LIKE THE DAY GOES 〜 ハモンドがイイ感じながら、特に後半の音質が最悪。
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Track15.PENNY PEEPS - HELEN DOESN'T CARE 〜 こちらはオルガンとギターがイイ感じの、ガレージナンバー。
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Track16.OBSCURED RAYS - YOU AND ME BABY 〜
「THE REV-OLA ROCK MACHINE TURN YOU ON」
での予告どおり収録された、サイケ・ポップというより、ソフト・ロック/ハーモニー・ポップそのものな曲。
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Track17.THE MAJORITY - DON'T KNOW WHAT YOU'RE DOING 〜 彼らの曲にほとんどハズレなし。単独CD化を重ねて熱望する次第。
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Track18.TINTERN ABBEY - IT'S JUST THAT THE PEOPLE CAN'T SEE
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Track19.PARADOX - SOMEBODY SAVE ME
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Track20.RUPERT'S PEOPLE - FLYING HIGH 〜 最後は素晴らしく感傷的なインスト。(2007/11/25)
FAIRY TALES CAN COME TRUE / VARIOUS ARTISTS
PSYCHIC CIRCLEシリーズの第一弾はこちらのようです。UK POPSIKE FROM THE LATE 60'Sとも題されていますが、次の「WITH THE SUN IN MY EYES」に比べて、ハーモニー・ポップ/ソフト・ロック寄りのコマーシャルな曲が集められています。
これといったキラー・チューンは無く、最初聞いたときは非常に地味な印象でしたが、何回か聴くと、どの曲もサイケ・ポップとしてそれなりに光るものを感じてきます。最初地味に思えたのは、どれも(売れなかったものの)コマーシャル志向でエグい曲が無いからでしょうか。初CD化の曲も多いことから、この手のコンピをさんざん聴いてきた「上級者」向けの一枚と言えるかとも思います。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.THE PYRAMID - SUMMER OF LAST YEAR 〜 RIPPLESシリーズに入っていそうな、折り目正しい英国サンシャイン・ポップでスタート。IAIN MATTHEWSが在籍し、JOHN PAUL JONESがゲストでベースを弾いているとの事。
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Track02.LOS BRAVOS - BRING A LITTLE LOVIN'
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Track03.FRED LLOYD - YOU KISSED HIM 〜 これは
「THE POP-PSYCH SOUNDS OF THE APPLE ERA」
に入っていそうな、オブスキュアで内省的なポップ・ナンバー
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Track04.LOMAX ALLIANCE - SEE THE PEOPLE 〜 この直後にAPPLEと契約するJACKIE LOMAXのグループ。
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Track05.BARRY BENSON - COUSIN JANE 〜 ドリーミーなサイケ・ポップ小品。まさに隠れた逸品。
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Track06.DREAMS - A BOY NEEDS A GIRL
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Track07.GRISBYDYKE - MARY ANN SHE
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Track08.SAN FRANCISCO EARTHQUAKE - FAIRY TALES CAN COME TRUE 〜 タイトル曲はANDY ELLISONの「IT'S BEEN A LONG TIME」にも似た曲。
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Track09.GALLAGHER/LYLE - TREES 〜 彼らにしてはジャジーな作品。ストリングスはもろPET SOUNDS風。
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Track10.SEARCHERS - UMBRELLA MAN
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Track11.DAVE CHRISTIE - PENELOPE BREEDLOVE
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Track12.PROMISE - NINE TO FIVE
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Track13.PEPPERMINT CIRCUS - KEEPING MY HEAD ABOVE WATER 〜 ガレージ風のファズ・ギターとオルガンで始まるが、途中メロトロンも絡む、一方ボーカルは朗々とした変な曲。
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Track14.VIRGIL BROTHERS - LOOK AWAY 〜 重厚なストリングスにくるまれた、SCOTT WALKERS風の曲。
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Track15.SNAPPERS - UPSIDE DOWN INSIDE OUT 〜 オルガンとファズギターが強烈な、ガレージ・ポップ。
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Track16.KATCH 22 - PUMPKIN MINI 〜 彼らのFONTANA時代のシングル曲から。サーフィン/ホット・ロッド風ハーモニーが爽快な曲。
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Track17.BRIAN CONNELL & THE ROUNDSOUND - JUST ANOTHER WEDDING DAY 〜 ギミックは少ないけど、ハッピーなサイケ・ポップ。
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Track18.THE DARLINGS - SATURDAY TOWN 〜 疾走感あるベースラインを持つ、ビート・ハーモニー・ポップ。
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Track19.HEDGEHOPPERS ANONYMOUS - DAYTIME
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Track20.ROULETTES - HELP ME TO HELP MYSELF 〜 RUSS BALLARDらしい印象的なフックを持つ、彼ら末期の作品。
(2007/09/02)
FAIRY CAKES FOR TEA : FAIRYTALES CAN COME TRUE VOLUME 2 / VARIOUS ARTISTS
20 PREVIOUSLY UNCOMPED POPSIKE GEMS 1966-71と副題のついたFAIRYTALES CAN COME TRUE第2幕。2007年のサイケ・ポップ界で大活躍したPSYCHIC CIRCLEシリーズからの一枚。今回もがんばって未CD化の佳曲を集めてきており、こちらの頭の下がるような熱意と誇りはライナーノーツからも充分伺えます。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.CRACKERS - HONEY DO 〜 MERSEYSの変名グループによるティニー・ポッパーな曲。
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Track02.GRAND UNION - SLOWLY BUT SURELY 〜 フォーキーで穏健な曲調ながら、メリハリのある展開もあり、キャッチーな佳作。
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Track03.YOUTH - MEADOW OF MY LOVE (ACETATE)
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Track04.STARLITES - GOOD MORNING MR. MILKMAN 〜 「花のサンフランシスコ」にも似たハーモニー・ポップ調の佳作。
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Track05.LLOYD BANKS - LOOK OUT GIRL
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Track06.ROEK'S FAMILY - NEVER AN EVERYDAY THING 〜 唸るハモンドと、ママス&パパス風な女声コーラスとの絡みの組み合わせが妙味。
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Track07.SCOTT HENDERSON - SATURDAY NIGHT PEOPLE 〜 フルートとストリングス類がなんとも優雅でフォーキーな佳作。
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Track08.DAVE ANDREWS & THE SUGAR - I'M ON MY WAY
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Track09.SASPERELLA - SPOOKY
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Track10.FACTOTUMS - DRIFTWOOD 〜 IMMEDIATEからもシングルを出していたハーモニー・ポップグループの、ラストシングルB面曲
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Track11.BATS - LISTEN TO MY HEART 〜 TAPESTRY OF DELIGHTの初版ではアイルランド出身だが、本盤のライナーによると南アフリカ出身で、現地で今も活動中との事。
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Track12.14 - UMBRELLA
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Track13.GUARDS - FANTASTIC FAIR 〜 MARK WIRTZプロデュースによる独のみ発売されたシングル曲。傑作というほどではないがMARK WIRTZらしいプロダクションは楽しめる。
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Track14.FLUFF - HOLLY GOLIGHTLY 〜 WEST COAST CONSORTIUMの「COLOUR SERGEANT LILLYWHITE」と同じ作者による曲。
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Track15.PETER - VALUES
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Track16.MIKE QUINN & THE BREADCRUMBS - FAIRY CAKES FOR TEA 〜 本盤のタイトル曲は軽快なギターリフが印象的なビートナンバー。
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Track17.PETER & GORDON - I FEEL LIKE GOING OUT 〜 テープ逆回転とソウルフルな曲調の組み合わせがまた妙味。
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Track18.CHUCKLES - I THOUGHT YOU THOUGHT
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Track19.OLIVER NORMAN - PEOPLE PEOPLE 〜 CAT STEVENS作だが、複雑でこみいった曲展開がなかなか衝撃的な曲。
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Track20.RESCUE CO. NO. 1 - GOTTA FIND YOU
(2008/02/03)
LET'S RIDE : FAIRYTALES CAN COME TRUE VOLUME 3 / VARIOUS ARTISTS
20 POPSIKE EXCURSIONS FROM THE UK & EUROPEと副題がついた、FAIRYTALES CAN COME TRUEシリーズ第3弾。またしても20曲収録。今回はUNIT 4 + 2やTONY HAZZARDなどCD化済みの曲も含まれているため、PREVIOUSLY UNCOMPEDと銘打つことが出来ませんでしたが、それでもこれだけのクオリティの曲を集めてくるのはさすが。
またタイトルに「らしからぬ」ROGER NICHOLSのソフト・ロック有名曲カバーを持ってきましたが、その曲に合っていると思えないファンタジックなイラストのジャケット。うちの妻がそれを見てぽつりと「アーサー・ラッカム」。有名な挿絵画家のようです。前2巻のジャケイラストも同じ人によるものかは確認取れませんでした。
以下、全収録曲とコメントをいくつか記載。
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Track01.SIGHT & SOUND - LITTLE JACKIE MONDAY 〜 MIKE SHERIDANやRICK PRICEなどがいた、MOVEを中心としたバーミンガム人脈のグループ
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Track02.WINSTON G - RIDING WITH THE MILKMAN 〜 イントロのハープが脱力系ながらキャッチーなメロ。
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Track03.HUBERT THOMAS VALVERDE & THE HTS - WE DON'T CARE 〜 朗々としたボーカルと熱い女声コーラスながらバックは渦巻くチェロや甲高いホーン類をはじめとしたサイケ期BEATLES風演奏のギャップが面白い。
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Track04.ROYALTY - LET'S RIDE 〜 オリジナルに素直なカバー
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Track05.LES IRRESISTIBLES - MY YEAR IS A DAY
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Track06.STOICS - EARTH, FIRE, AIR & WATER
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Track07.GRAND UNION - SLOWLY BUT SURELY
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Track08.BARRY BENSON - I CAN WAIT 〜 ゆったりとしたテンポながらもギターリフとストリングスが絡む佳曲
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Track09.GRAHAM BONNEY - MIXED UP BABY GIRL 〜 RINGO STARRに似た声。RINGOがもし1966年にソロ・シングルを出してたらもしかしてこんな曲だったかも。
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Track10.KATCH 22 - DON'T BOTHER
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Track11.MY KIND OF PEOPLE - NOBODY KNOWS WHY THE BUTTERFLY DIED
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Track12.MIKE BATT - MARY GOES ROUND 〜 1968年LIBERTYからのシングル曲。愛らしいサイケポップ小品。彼の60年代の作品集(提供曲含む)をCD化してほしいものです。
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Track13.THE CHANTERS - MISSISSIPPI PADDLEBOAT 〜 これまたCD化が待たれるJOHN PANTRY作の曲。サビはそうでもないが、主旋律部分はキャッチーな作品。
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Track14.DES JAMES - CITY STREET 〜 小品ながら佳作。アーティストに関する情報は無いが、この曲の作者はYARDBIRDSのLITTLE GAMESと同一とのこと。
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Track15.UNIT 4 + 2 - BOOBY TRAP
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Track16.TONY HAZZARD - THE SOUND OF THE CANDYMAN'S TRUMPET
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Track17.THE NEWMENS - WHAT YA DOIN' DOWN THERE 〜 これのみやや時代が下って1972年の作品
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Track18.DAVE CHRISTIE - LOVE & THE BRASS BAND 〜 タイトルどおりブラス付きの、ちょっとKINKS風なトラジックコメディ調の佳作。
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Track19.WHITE LINING - BACK IN THE SUN 〜 メロディアスだが、キーボード類などで曇った音像が1970年らしい作品。
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Track20.EQUIPE 84 - 29TH SEPTEMBER
(2008/07/20)
WE ALL LOVE THE HUMAN RACE : FAIRYTALES CAN COME TRUE VOLUME 4 / VARIOUS ARTISTS
20 PREVIOUSLY UNCOMPED TRACKS OF A POPSIKE NATUREと副題がついた、FAIRYTALES CAN COME TRUEシリーズ第4弾。20曲収録というのはもう縛りなのでしょうか。今回はPREVIOUSLY UNCOMPEDと銘打ってますが、表題曲はWAYNE FONTANAの単独CD盤に収録済。その他DAVE BERRYやPLASTIC PENNYなどこの手のコンピ盤に入れるには少々有名すぎる「大物」も若干いますし、発表年度のクレジットが無いのは残念ですが、サイケ・ポップのコンピ盤シリーズとしてほぼ唯一現存するだけに、頑張りに感謝です。
以下、全収録曲とコメントをいくつか記載。
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Track01.ALAN DELL - THE BLUE SOUND OF LOVE 〜 モンドでビザールな曲でスタート。後半はサウンド・コラージュのよう。
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Track02.COLIN GIFFIN - CHANGES IN OUR TIME 〜 TONI VISCONTIプロデュースの分厚くドラマチックなアレンジと儚げなボーカル&メロディのコントラストがサイケ・ポップな逸品。ENDの元メンバーによる1969年のシングル。
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Track03.THE PROJECTION - THE MAZE OF YESTERDAY
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Track04.JUSTINS TIMEPIECE - LONELY MAN 〜 なかば強引な転調が印象的で結構メロディック。
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Track05.LOS IBEROS - HIDING BEHIND MY SMILE 〜 スペインのバンドのロンドン録音。軽快な演奏にスリリングなストリングス、ホーン。
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Track06.SASHA CARO - LITTLE MAIDS SONG 〜 物憂げな歌いだしから、テンポを変えてサイケなオルガン活躍。CAT STEVENSプロデュース。
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Track07.TIM ANDREWS & PAUL KORDA - MAKIN LOVE TO HIM
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Track08.THE HAYSTACK - LETTER TO JOSEPHINE 〜 FLOWERPOT MENの変名。いかにもJOHN CARTERらしいメロディとハーモニー。
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Track09.EYES OF BLUE - HEART TROUBLE 〜 彼らの単独CD化が望まれる。
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Track10.NEWBY - I FEEL NO PAIN 〜 PYEに2枚のシングルを残すのみの無名グループ。なよなよしたメロディ。
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Track11.CHERRY SMASH - MOVIE STAR 〜 MANFRED MANN関連グループ。コーラス主体ながら暗めな曲。
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Track12.OLA & THE JANGLERS - WEVE GOT A GROOVY THING GOING
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Track13.DAVE BERRY - LATISHA 〜 JIMMY PAGE風のギター(本人か?)と重たいドラムとうねるベースが印象的な、彼らしくない曲
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Track14.CHRIS ANDREWS - MAKER OF MISTAKES 〜 PENNY LANE風のトランペット入り。
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Track15.DARLINGS - WISH YOU WERE HERE
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Track16.MODUS VIVENDI - SIX ANGELS & THREE GIRLS 〜 ベルギーのグループ。1971年ながら甲高いホーン入りのサマー・オブ・ラブな気分の曲。
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Track17.WAYNE FONTANA - WE ALL LOVE THE HUMAN RACE
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Track18.PLASTIC PENNY - SHE DOES
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Track19.JOHN BURNESS - I DONT WANT YOU (ANY MORE)
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Track20.JACK CARTER - MORNING 〜 PENNY FARTHINGレーベルから1970年発表された、ジャジーでこじゃれた曲。
(2009/06/21)
WITH THE SUN IN MY EYES / VARIOUS ARTISTS
20 PSYCHEDELIC SPINS FROM THE UK & EUROPEとも題された、PSYCHIC CIRCLEというシリーズの最初のコンピとのこと。ポップながらビザールなストレインジな曲、サイケを引きずったプレ・ハードロックやプレ・プログレ風の曲、変なエフェクトが入る曲、ガレージ風のオルガンやファズ、シタールが活躍する曲などを集めた、という印象です。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.PLASTIC PENNY - GIVE ME MONEY 〜 出だしのこの曲が、一番ストレートでまとまった演奏のような気がします。
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Track02.PETER SARSTEDT - MARY JANE 〜 PETER COOK & DUDLEY MOOREの「THE L.S. BUMBLE BEE」風というか、更にアシッドな、混沌とした曲。
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Track03.THE MINDBENDERS - YELLOW BRICK ROAD 〜 モコっとしたベースが妙にファンキー。
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Track04.OLA & THE JANGLERS - NO ONE KNOWS WHAT HAPPENS ROUND THE CORNER 〜 GSぽい湿っぽさもあるギターサウンド。
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Track05.OMEGA GROUP - TEN THOUSAND PACES 〜 ハンガリーのグループ。淡々としたオルガンの上でギターが炸裂。
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Track06.ZION DE GALLIER - ME 〜 MARK WIRTZプロダクション、TOMORROWのCDにもボートラとして収録されているようです。これはややビザールな曲。
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Track07.THE GNOMES OF ZURICH - HANG ON BABY
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Track08.THE RATTLES - LADY LOVE
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Track09.FOGGY - SHE’S FAR AWAY 〜 フォーク関係でよく見る名ですが、シタールとシンセの組み合わせが妙味。
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Track10.MAJORITY ONE - GET BACK HOME 〜 1971年ヨーロッパで出た「」CD化の際、ボートラに収録されていた曲。
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Track11.SCHADEL - WITH THE SUN IN MY EYES 〜 本盤のタイトルとなったのこの曲は、BEE GEES 2ND収録曲のカバー。「MAYBE SOMEONE IS DIGGING UNDERGROUND THE SONGS OF THE BEE GEES」にも収録。
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Track12.SOUND NETWORK - WATCHING
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Track13.YOUNGBLOOD - DON’T LEAVE ME IN THE DARK 〜 メロディやボーカルは前時代的ながら、BEATLESの「ONLY A NORTHERN SONG」風のエフェクトが入る。COZY POWELLがいたグループ。
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Track14.RAMASES - BALLOON 〜 10CCのメンバーが参加したことで知られるグループ。実体は1人のプロジェクトだったそうですが。シリアスな曲調が、後半に変なエフェクトが縦横無尽に入る変な曲。
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Track15.GRAND UNION - SHE SAID 〜 BEATLESの「SHE SAID SHE SAID」をドラックなしでユルくカバーしたような曲。
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Track16.WINSTON G - BYE BYE BABY
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Track17.PETER & THE WOLVES - WOMAN ON MY MIND 〜 JOHN PANTRYのプロジェクト。JOHN PANTRY関連曲を集めたCDが未だに出てないのが、現在のサイケ・ポップ界の謎の一つ。
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Track18.DON CURTIS - IN THE CORNERS
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Track19.GIORGIO - STOP 〜 後にDISCO界で有名プロデューサーとなるGIORGIO MORODERが1970年に出した曲。躍動感あるポップスだが、STOPのフレーズがくどい。間奏での、はねたリズムとサイケな音処理の組み合わせが面白い。
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Track20.THE MOOCHE - SEEN THROUGH A LIGHT 〜 暑苦しいハードロック的な演奏と歌い方にブラスロック的なホーンが絡む。(2007/08/26)
THE REV-OLA ROCK MACHINE TURN YOU ON / VARIOUS ARTISTS
REV-OLAレーベルのサンプラー盤といえるオムニバス盤。非常に安価でしたが、CD購入者のために未収録曲やこの先リリースされるオムニバス盤収録予定曲も入っているのは良心的。トレイ裏にCDのカタログがありますが、個人的には殆んど持っているのだったので苦笑しました。ついでに言えば、REV-OLAレーベルの親元であるCHERRY REDも、かつて安価なサンプラー盤(「PILLOWS & PRAYERS」)を出してましたが、私の世代的には忘れられないアルバムでした。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.OCTOPUS - THE RIVER 〜 彼らにはほかに良い曲があるように思えます。
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Track02.TONY HAZZARD - GOODNIGHT SWEET JOSEPHINE
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Track03.MAJORITY ONE - GAME 〜 これは彼らのCDに未収録だった、1970年のシングル曲。MAJORITY ONEらしいイントロとメロディーを持つ佳曲。
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Track04.SANDS - RIVER DEEP, MOUNTAIN HIGH
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Track05.MORTIMER - SECOND FLOOR 〜 これも彼らのCDに未収録のデモ。アルバムでの印象とは異なるアコースティックな曲だが、これも佳曲。
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Track06.THE MIRAGE - IS ANYBODY HOME?
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Track07.TURQUOISE - WOODSTOCK 〜 個人的にこの曲は耳タコ。彼らもほかに良い曲はいくらでもあるのに。
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Track08.CHRYSALIS - APRIL GROVE
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Track09.SUN DRAGON - FIVE WHITE HORSES
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Track10.MORTIMER - WHERE DRAGONS GUARD THE DOORS
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Track11.THE OBSCURED RAY - YOU AND ME BABY 〜 裏ジャケではUNKNOWN ARTISTという表記になっているアーティストの、ハーモニー・ポップ調の曲。今後出るオムニバス盤に収録予定とのこと。なお、REV-OLAの公式サイトでは11曲目はTINTERN ABBEYの「DO WHAT YOU MUST」となっているが、これも前述のオムニバス盤に収録予定と思われる。
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Track12.EWAN STEPHENS - STAND UP AND BE JUDGED 〜 TURQUOISEのドラマーのソロ。ディラン調のボーカルが印象的なややスワンプな曲。
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Track13.GUN - LIGHT ON THE WALL
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Track14.MAJORITY ONE - I NEARLY DIED 〜 1971年のアルバム収録曲だが、REV-OLA盤には未収録だった曲。BEE GEES風な泣きの曲。
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Track15.NICK GARRIE - INKPOT EYES
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Track16.JAWBONE - JEREMIAH DREAMS
(2007/06/17)
SIXTIES YEARS VOLUME 5 / VARIOUS ARTISTS
フランスのMAMプロダクションから出ている、FRENCH 60'S SP COLLECTIONと銘打たれたシリーズ。美麗なジャケでコレクターを誘惑するフランス盤シングル収録曲をあつめた編集盤。このCDのジャケにも収録曲のジャケがのってますが、もっと大きく写して欲しいとこです。これは五巻目ですが他のやつは見たことがないので不明。MAMプロダクションの公式サイトでも詳細はよくわかりませんでした。
収録されたアーティストは8組。最初はTRIFLEというホーンセクションを含むグループ。STONESの「SYMPATHY FOR THE DEVIL」を思わせる「DEVIL COMIN'」となんとなくPATTOっぽい叙情のある「OLD FASHIONED PRAYER MEETING」の2曲。怪しげでアングラっぽい香りに溢れている。ホーンも結構格好いい。
次は「KITE」のヒット曲を持つ、GENTLE GIANTの前身SIMON DUPREE & THE BIG SOUNDが4曲。デビュー曲でもある「I SEE THE LIGHT」はSTEVE MARRIOTTも真っ青な猪突猛進型R&B。気合いの入り具合が凄い。後半音が悪いのが残念。その他の3曲はMANFRED MANN風でキャッチーなサイケポップ。2曲でメロトロンが聞こえる。
3番目はTHE TREMELOES。本盤のラインナップでは、古色蒼然なビートグループに聞こえる。4番目はTHE IDLE RACE。「DAYS OF THE BROKEN ARROWS」(もちろんシングルバージョン)と「WARM RED CARPET」の2曲を収録。5番目はPAUL REVERE AND THE RAIDERS。歯切れの良い「HIM OR ME - WHAT'S IT GONNA BE」と「LEGEND OF PAUL REVERE」の2曲を収録。
6番目はTHE LOVE AFFAIR。最大のヒット曲「EVERLASTING LOVE」とそのB面「GONE ARE THE SONG OF YESTERDAY」の2曲。そのB面曲は初めて聴きましたが、渋いバラードでめっけものです。7番目はKEITH RELF。YARDBIRD在籍時に出した2枚のシングルのうち、1枚目のAB面を収録。その「MR. ZERO」「KNOWING」ともにMOODY BLUESのJUSTIN HAYWARDを思わせるジェントルで朗々と歌い上げる曲。
最後の8番目は個人的には目玉、CONSORTIUM。唯一のヒット曲「ALL THE LOVE IN THE WORLD」とそのB面曲「SPENDING MY LIFE SAYING GOODBYE」、次のシングルであり、爽やかな「WHEN THE DAY BREAK」(コーダ部分のコーラスはまるで「CALIFORNIA GIRLS」)とそのB面で転調を繰り返しやはり魅力的な「THE DAY THE TRAIN NEVER CAME」(これは彼らなりの「HEROES AND VILLIANS」か?)を収録。この4曲はすべてメンバーのオリジナル。彼らの曲にハズレはありません。前身のWEST COAST CONSORTIUMを含む、彼ら名義の曲をあつめたアルバムが出ることを望んでいます。(2001/12/16)
SUNDAY SUNSHINE - THE WORLD OF SNB RECORDS / VARIOUS ARTISTS
YARDBIRDS等、英ロック界の有名マネージャーとして知られるSIMON NAPIER-BELLが作ったSNBレーベル曲集。CBS傘下で1968年4月から1969年9月までに25枚のシングルをカタログに残すという短命レーベル、且つチャートインした曲無し。あのMELLOW CANDLEもいたりしますが、本業は女優や俳優というシンガーも多く、芸能界臭さもあり、アンダーグラウンドやアシッドさはほぼ皆無。というものの、時期的にサイケ・ポップとしても聴ける曲も多いし、全体に漂う華やかさはソフト・ロック/ハーモニー・ポップとしても上等の部類と思います。また音質が良好なのも嬉しい。
以下、全収録曲とコメントをいくつか記載。
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Track01.JON PLUM - ALICE 〜 CIRCUS DAYS VOL1&2にも収録されていた弦も管楽器も華やかな曲。JON PLUMはJONATHAN KENNETTとDAVID PLUMMERのコンビ名とのこと。
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Track02.HUBERT THOMAS VALVERDE & THE HT'S - WE DON'T CARE 〜 NIRVANAのTINNY GODDESSのようなイントロ。渋い男声にゴスペル風な女声コーラスだが、派手なアレンジはサイケ・ポップ。
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Track03.MELLOW CANDLE - FEELING HIGH 〜 後の「三種の神器」。声はその後を思わせますが、なんともコマーシャルなアレンジ。
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Track04.ANDY ELLISON - CORNFLAKE ZOO
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Track05.CLIVE SANDS - MARIE 〜 優しげな声にメロディアスな曲調だが、後半のサイケな展開はSNBレーベルでは珍しい。
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Track06.ANDY ELLISON - YOU CAN'T DO THAT
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Track07.FLAMMA SHERMAN - MOVE ME 〜 4姉妹によるグループ。主張の強いゴスペル風のボーカル、ジャジーなベースおよびピアノ、派手なストリングス/ホーンがゴッタ煮。
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Track08.SHEILA SCOTT WILKINSON - QUIET MAN 〜 米出身の女優とのことだが、まるで男のような声。
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Track09.SUE WILSHAW - EMPTY SUNDAY 〜 SIMON NAPIER-BELL作曲によるシンプルながらも佳作。
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Track10.RORY FELLOWES - ENDLESSLY, FRIENDLESSLY BLUE 〜 ゴージャスなアレンジのジャジーな曲
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Track11.CLIVE SANDS - IN A DREAM 〜 たおやかなバラードだが、彼の甘酸っぱい声とメロディックなベースラインが救っている。
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Track12.JON PLUM - SUNSHINE 〜 疾走感と爽快感を持つこれも佳作。彼らの作品はぜひ発掘してほしいとこです。
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Track13.JON PLUM - AN APPLE FALLS
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Track14.HUBERT THOMAS VALVERDE & THE HT'S - GENEVIEVE
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Track15.DAVID BLAKE - NOW IS THE TIME 〜 「ウィンチェスターの鐘」を思わせる、イイ気分で歌っているような曲。
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Track16.NICOLA DAVIES - INFATUATION 〜 SIMON NAPIER-BELL作による、女優に歌わせた曲。ガール・ポップとしては良い出来ですが、怪しげな歌唱力は聴いててスリリング。
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Track17.FRANCOISE PASCALE - GOT IT BADLY 〜 これも歌がうまいとは言えない女優に歌わせた曲。
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Track18.MELLOW CANDLE - TEA WITH THE SUN 〜 前半のトロピカルな曲調が意外だが、後半の盛り上がりはさすが。
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Track19.FLAMMA SHERMAN - BASSA LOVE 〜 これは単純にトロピカルな曲。
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Track20.RORY FELLOWES - NINA 〜 Track10と同じようにキャバレーチックな曲。(2008/12/28)
SOMETIMES I WONDER THE PSYCHEDELIC POP SOUND OF PRESIDENT / VARIOUS ARTISTS
PRESIDENTおよびその傘下レーベルの作品から編集されたコンピ盤。1967〜1971年、特に67年と69年の作品が中心。編集者の意図か、それともレーベルのカラーか、派手なアレンジや仕掛けのある作品は少なくて、バンドを感じさせるストレートな演奏ながらもポップさを感じさせる曲が多い。
以下、気になった曲をピックアップ。
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Track01.HAT AND TIE - FINDING IT ROUGH 〜 NIRVANAのPATRIC CAMPBELL-LYONSと後にプロデューサーとして名を成すCHRIS THOMASがいたグループ。ポップなメロが躍動感ある演奏にのった曲。CIRCUS DAYS VOL3にも収録。
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Track02.RHUBARB RHUBARB - RAINMAKER 〜 この曲もCIRCUS DAYS VOL3に収録されていた。タイトルにあったダルな主旋が印象的。
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Track03.THE EXPLOSIVE - CITIES MAKE THE COUNTRY COLDER 〜 ややティニー・ポッパーなメロディを持つ佳曲。なぜかすぐフェィド・アウトするイントロや全体の曲想は、BEACH BOYSの「CALIFORNIA GIRLS」を意識したのかもしれません。
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Track04.CHORD FIVE - SOME PEOPLE 〜 後の10CC、GRAHAM GOULDMANのペンによる作品だが、いまいち平凡な作品。
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Track06.THE SYMBOLS - AGAIN 〜 ソフロ・ロック/ハーモニー・ポップなグループだが、この曲は彼らにしては比較的サイケな演奏。
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Track08.SHERIDAN & RICK PRICE - LIGHTNING NEVER STRIKES 〜 RICK PRICEがMOVE時代の作品をセルフ・カバー。これも疾走感ある演奏だが、MOVEより心持ち土臭くなったような印象もある。
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Track10.THE CAPE KENEDY CONSTRUCTION COMPANY - THE FIRST STEP ON THE MOON 〜 アポロ計画が盛り上がっていた1969年らしいグループ名と曲名。ハモンドとファズギターとテープ逆回転が成層圏外へ誘う。メロディそのものはソフト・ロック調のしっかりしたものなので、アレンジとのアンマッチが妙味をかもし出す珍品。
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Track11.RHUBARB RHUBARB - MONEYLENDER 〜 Track02と同じグループだが、これもCIRCUS DAYSのVOL1&2に収録されていた曲。
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Track12.THE SYMBOLS - (THE BEST PART OF) BREAKING UP 〜 RONETTESのカバーで英25位まで上がる小ヒット。出だしのファズが印象的。
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Track15.SHERIDAN & RICK PRICE - SOMETIMES I WONDER 〜 このコンピ盤のタイトルともなった曲は、1970年の作品ながらホーンのアレンジにサイケ・ポップの残り香が感じられる作品。
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Track17.PURE GOLD - FAIRGROUND 〜 イントロでWORLD OF OZの「PETER'S BIRTHDAY」と同じフレーズが流れるが、その後の展開はイマイチな作品。
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Track20.RICK PRICE - DAISY FARM PARK 〜 1971年の作品で、すっきりした音ながら、ピースフルな空気も残る曲。
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Track22.YELLOW TAXI - ANNA LAURA LEE 〜 グラム・ロックのようなクラッピングと、歪んだギターが絡む。
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Track25.RICK PRICE - TALKING TO THE FLOWERS 〜 Track20と同路線。なかなかメロディアスな佳曲。
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Track27.THE CAPE KENEDY CONSTRUCTION COMPANY - ARMAGEDDON 〜 派手なSEから始まって、教会風オルガンに乗ってバラード風でシンプルなメロが繰り返し歌われる。アルバム最後に相応しい曲。
(2004/09/12)
SWEET FLORAL ALBION / VARIOUS ARTISTS
23 POP & PSYCH GEMS と銘打たれた、「WE CAN FLY」コンピ盤シリーズと同じPAST&PRESENTレコードから出たコンピ盤。大まかに言って、R&B〜モッズを経たロック・グループがシングル向け発表したメロディアスな曲達を集めたという印象。そして英だけでなく、オーストリアやニュージーランドのアーティストも割と多い。いくつかKEVIN AYERSやTHE SWEETといった似つかわしくない「大物」もいますが、なかなか良い曲が揃ってます。
以下、気になった曲を羅列します。
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1曲目THE UNIVERSALSの「GREEN VEINED ORCHIDS」− ホーンが鮮やかなこの曲でスタート。
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2曲目MADE IN SHEFFIELDの「AMELIA JANE」−演奏はややブルージーだが、ROCKIN' BERRIESのように胸が痛くなるようなボーカルとコーラス、キャッチーなメロの佳作。
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4曲目ZOOTの「LITTLE ROLAND LOST」−若き日のRICK SPRINGFIELDがいたグループ。なんだかGSくさい。
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5曲目THE EASYBEATSの「PECULIER HOLE IN THE SKY」−彼ららしいクセのあるメロディーが堪能できる。
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9曲目SIMPLE IMAGEの「SPINNING, SPINNING, SPINNING」−ニュージー・ランドのグループによる、CURT BOETTCHERがいたBALLROOMの曲のカバー。当地で1位なったとか。原曲の良さを損なわず原曲にないコーラスも加え、爽やかな出来。
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12曲目EYES OF BLUEの「NEVER CARE」−ワルツになるサビが聴き物。
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13曲目BEE GEESの「DEEPLY, DEEPLY, DEEPLY ME」−とてもBEE GEESとは思えない、冗談だったのであろう、あまりにインドな曲。
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14曲目DENNIS COULDRY & SMILEの「TEA & TOAST & MR. WATSON」−タイトル通りのポップなメロと不釣り合いなブルージーなギターの組み合わせが妙味。
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17曲目PASHAの「PUSSY WILLOW DRAGON」−このコンピ盤では異色な、こじゃれたソフト・ロック。
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18曲目DAVE CLARK FIVEの「LOST IN HIS DREAM」−マージービートぽいのに深いエコーがかかるのが不思議に印象的な曲。
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19曲目FAT MATTRESSの「WALKING THROUGH THE GARDEN」−JIMI HENDRIX EXPERIENCEにいたNOEL REDDINGのグループ。軽めのドラッグでうたた寝して見た夢のよう。
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23曲目GUNの「TAKE OFF」−これだけ長尺でフリーク・ビートな演奏。
(2002/12/22)
SWINGING IN THE 60S VOLUME ONE/VARIOUS ARTISTS
SWINGING IN THE 60S VOLUME TWO/VARIOUS ARTISTS
再発レーベルREPERTOIREが出した「THE SOUNDS OF SWINGING LONDON」とコピーをつけたオムニバス。VOL.3があるかは不明。観光パンフような安げなジャケットがちょっと恥ずかしいが、気軽に聴けば結構楽しめるリーズナブルなコンピ盤。収録曲は有名ヒット曲ばかりですが、いくつか気になる曲もあります。
VOL.1ではまずMARQUIS OF KENSINGTONの「FLUSH」、インストだけど当時西ドイツのみでリリースされた曲。DAVID & JONATHANの「LOVERS OF THE WORLD UNITE」はソフトロック関係では有名なCOOK=GREENAWAYコンビ作の、清潔感あふれる爽やかな曲。CHRIS ANDREWSの「YESTERDAY MAN」は後にROBERT WYATTがカバーした曲のオリジナル。透明感あるROBERT WYATTのバージョンより、こちらの方がイギリスな臭みがあります。
VOL.2ではNEIL CHRISTIANの「THAT'S NICE」。この人はPYEから「YOU'RE ALL THINGS BRIGHT & BEAUTIFUL」というサイケ・ポップなシングルを出してますが、これはそれ以前のモッズな曲調。ソウルフルだけど、ちょっと甲高く少々コミカルなボーカルです。HONEYBUSの「I CAN'T LET MAGGIE GO」はRIPPLESのコンピ、特にVOLUME 3に入っていそうな秋っぽい曲調。PLASTIC PENNYの「EVERYTHING I AM」はしわがれ声と室内楽的なストリングスの組み合わせがおもしろい。(2001/02/04)
SWINGING LONDON / VARIOUS ARTISTS
廉価盤専門のレコードレーベルSAGAから1968〜1970年に発表した曲を集めたオムニバス。「A TRUNK FULL OF 60'S POP EXOTICA」および「THE ACCIDENTAL GENIUS OF SAGA RECORDS 1968-1970」と副題がついている。
収録曲はサイケ・ポップ、ブルージーなものから、ラウンジ、エキゾチックぽいインストまでかなり雑多ながら、それらがどれも当時の空気をパッキングして伝えるようで、まるでサウンドトラック盤のようでもあり、「SWINGING LONDON」というやや大それたタイトルも、けして誇張ではないように聴こえます。当時のシーンの中下層あたりを図らずも体現しているのではないでしょうか。
このCDのジャケットにもオマージュされたFIVE DAY WEEK STRAW PEOPLE、はじめてSOFT ROCKという言葉をタイトルに使ったKATCH 22、それとTHE MAGICAL MIXTUREあたりが斯界で比較的知られるアーティストですが、ここで初めて聴いた匿名的インストも(期待していなかった割には)非常に味わい深い。
またライナーによると、廉価盤レーベルだけあって、残されたレコードはどれもプアなジャケット状態にプアな音質だそうですが、ライナーにあるジャケのデザインは今から見ると興味深いし、音質もこのCDを聴く限りはさほど問題ないようです。
以下、全収録曲を記載。
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Track02.FIVE DAY WEEK STRAW PEOPLE - FIVE DAY WEEK STRAW PEOPLE
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Track03.THE MAGICAL MIXTURE - I'M SO SAD
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Track04.KATCH 22 - THERE AIN'T NO USE IN HANGING ON
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Track05.GOOD EARTH - THAT'S THE LIFE
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Track06.BLACKBIRDS - GIRL I'M WONDERING
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Track07.DAVE MOSES GROUP - QUITE FAST
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Track08.THE GRAHAM WALKER SOUND - YOUNG SCENE(FROM THE BIG MATCH)
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Track09.KATCH 22 - THOUGHTS ON A RAINY DAY
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Track10.THE MAGICAL MIXTURE - NEW MAN
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Track11.UNDERGROUND SOUND - ARCIPELAGO
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Track12.DAVE PEACE QUARTET - COULDN'T BEAR THE SIGHT
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Track13.BLACKBIRDS - SHE
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Track14.FIVE'S COMPANY - IF THIS IS LOVE
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Track15.FAMILY AFFAIR - SOMEONE IS CALLING YOUR NAME
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Track16.FIRST IMPRESSION - ALL LEAD BACK TO YOU
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Track17.HERBIE & THE ROYALISTS - LOST VOYAGE
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Track18.KATCH 22 - DON'T LISTEN
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Track19.LINDA & NOEL - MR. BANTAN'S FAIR
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Track20.THE GRAHAM WALKER SOUND - CROSSROADS
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Track21.NEW WORLD - SCHEHERAZADE
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Track22.HERBIE & THE ROYALISTS - MY LIFE HAS JUST BLOWN A FUSE
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Track23.UNDERGROUND SET - SHAKE 26
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Track24.FIVE DAY WEEK STRAW PEOPLE - SUNDAY MORNING
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Track25.THE MAGICAL MIXTURE - MOON BEAMS
(2007/08/05)
VOYAGE THROUGH THE SUGARCUBE / VARIOUS ARTISTS
BRITISH SIXTIES ACID OBSCURITIESと副題がついたコンピ盤。1998年にCDとLPで出たみたいです。ラリって倒れた?女性のイラストのジャケットですが、その裏は真っ白でライナーなし、トレー裏に曲目とアーティスト名と発表年度のみという無愛想さ。
収録アーティストはR&B/モッズ・バンド上がりが殆どのように思えます。うっとおしいストリングスなど皆無。SIXTIESとありますが、1966年が2曲、1967年が5曲、1968年が9曲。ストレートなビート・ナンバーはそろそろ卒業したけど、ハード・ロック風やアンダー・グラウンドな暗く重い曲にはまだ手を染めていないという、時期的には私の好みとぴったりです。
以下、全収録曲とコメントをいくつか。
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Track01.THE PLAGUE - HERE TODAY, GONE TOMORROW 〜 イントロでWORLD OF OZの「PETER'S BIRTHDAY」と同じフレーズが流れ、明るめなメロディーが展開される。終盤にテープ逆回転。「THE PSYCHEDELIC SCENE」にも収録。
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Track02.SWEET FEELING - ALL SO LONG AGO 〜 GS風のマイナーなメロが映える、これもテープ逆回転を駆使した作品。
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Track03.THE UNIT - WOULD YOU BELIEVE WHAT I SAY 〜 UNIT FOUR PLUS TWOとして「CONCRETE AND CLAY」の大ヒットで知られるグループ。この曲は本盤のなかでは比較的バブルガム的な作品。
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Track04.ICARUS - YOU'RE IN LIFE 〜 この曲からはしばらくR&B/ソウル・ルーツな曲が続く。
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Track05.CAIN - HER EMOTION 〜 TROGGS「CELLOPHANE」収録曲のカバー。
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Track06.KYTES - RUNNING THROUGH THE WATER 〜 この曲もテープ逆回転が。ハモンドオルガンも印象的。「WE CAN FLY」にも収録。
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Track07.HOP SCOTCH - LOOK AT THE LIGHTS GO UP 〜 本盤には珍しくストリングスやホーン類が絡むが、テンポが快調な曲。AVERAGE WHITE BANDのHAMISH STUARTがいたグループ。
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Track08.GAVIN HAMILTON - IT WOULD BE THE SAME
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Track09.KATCH 22 - MAJOR CATASTROPHE 〜 このグループはアルバムタイトルに初めて「SOFT ROCK」を使ったグループとして一部有名ですが、これは狂おしいファズが大活躍するビート・ナンバー。
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Track10.SIMON'S SECRETS - I KNOW WHAT HER NAME IS 〜 これもファズが活躍する手拍子も華やかなナンバー。
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Track11.PAPER BLITZ TISSUE - GREY MAN 〜 小気味良いなビート・ナンバーだが、最初と最後にギターのインストがあったり、途中でややスローで小粋なメロになったりと意外な展開を見せる。個人的には本盤中でフェイバリット。
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Track12.THE POETS - LOCKED IN A ROOM 〜 疾走感ある演奏にやや湿っぽいメロディーが乗っかる
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Track13.CUPID'S INSPIRATION - DREAM 〜 ヒットした「YESTERDAY HAS GONE」のB面だった曲。ソウルフルなボーカルが目立つ。
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Track14.DON CRAINE'S NEW DOWNLINERS SECT - I CAN'T GET AWAY FROM YOU 〜 R&Bグループとして評価の高いDOWNLINERS SECTの後身。エコーの深いオルガンなど、くぐもってのっぺりした演奏。
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Track15.THANE RUSSAL & THREE - YOUR LOVE IS BURNING ME 〜 これと最後の2曲は比較的オーソドックスなR&Bナンバー。
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Track16.TURNSTYLE - TROT
(2005/02/20)
WE ALL LIVE ON CANDY GREEN - ELECTRIC SOUND SHOW VOLUME ONE / VARIOUS ARTISTS
SOUND SHOWというレコード会社から出されたシリーズもの第1集。インナーには第5集まで予告されています。「RARE & OBSCURE SOUND FROM THE BRITISH SIXTIES PSYCHEDELIC ERA」とジャケットには記載されてますが、確かに無名なアーティストばかりで、しかもPREVIOUSLY UNRELEASEDの曲も多く、よく発掘してくれた、という感じです。第2集以降も楽しみです。
以下、気になった曲をピックアップ。オルガンが目立つ曲が多いのは、選曲者の好みなのでしょうか。
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Track01.HAPPY VEGETABLE - LIGHT ON THE WALL 〜 オルガンのフレーズがカラフルなライトを想像させる佳曲。これが未発表だったとは惜しい気もします。
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Track02.TAPESTRY - WHO WANTS HAPPINESS 〜 ポリリズムなオルガンにトレモロを使ったファズ・ギターと怪しげなイントロだが、歌が始まるとなかなか快活な曲。
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Track03.MOTIVATION - DELIGHTED TO SEE YOU 〜 HONEYBUSの曲の素直なカバー。
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Track04.SHAKANE - FIND THE LADY 〜 JETHRO TULLを思わせるフルートにうねるベースで始まるが、Bメロからコマーシャルなメロディになり、アルペジオとコーラスが絡むブリッジ、とやや分裂気味の曲調が楽しい。
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Track08.SCENERY - THREAD OF TIME 〜 フリーク・ビート風の曲だが、後のMOTT THE HOOPLE、IAN HUNTERが参加していたという。しかも日本とフランスだけで発売されたという珍品。ライナーにボヤけた日本盤シングルの写真がありますが、サングラスをかける前のIAN HUNTERらしき人物も写ってます。
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Track10.THE CLEVEDONAIRES - UP THE WOODEN HILLS TO BEDFORDSHIRE 〜 この前の曲まではフリーク・ビート風が続いたが、ここから数曲はオルガン主体のドリーミーな曲が続く。これはNZ出身グループがオーストラリアで発売したSMALL FACESのカバー。
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Track11.ELLI - MISTER MAN 〜 ややジャジーで、これもオルガンがいい雰囲気。
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Track12.SANDY IN MOTION - I'M A WALKING DREAM 〜 パイプ・オルガンがなかなか爽快。
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Track13.JOHN BRYANT - I BRING THE SUN 〜 ちょっとだけJOHN LENNON風のボーカル。前曲に続き爽やかな曲調。この曲ではメロトロンが活躍。
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Track14.RODNEY BEWES - METER MAID 〜 MANFRED MANNのMIKE HUGGとの共作。やはりFONTANA時代のMANFRED MANN作品に似た、ややくぐもったサイケ・ポップ作品。
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Track15.MAJORITY ONE - FRIDAY MAN 〜 前身のTHE MAJORITYを含めれば「THE GREAT BRITISH PSYCHEDELIC TRIP」や「FADING YELLOW」シリーズにも登場したグループ。彼ら得意のコーラス・ワークが目立つ、ソフトロック寄りな作品。他の作品にも言えるけれど、どこか昼寝を誘うような雰囲気。
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Track16.SUNDRAGON - PEACOCK DRESS 〜 ライナーにもそう書かれてますが、MOVEに似た疾走感ある曲。
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Track17.ELLI - NEVER MIND 〜 TRACK11に続いて登場。ジャジーさとアシッド・フォークが混ざったような曲だが、甘酸っぱい柑橘系な?声質が印象的。
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Track20.THE MAJORITY - A HARD DAY'S NIGHT 〜 換骨奪胎、BEATLESの有名曲を見事彼らのカラーに染め替えたカバー。これも未発表だったとはもったいない。
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Track21.FLOWER - HEART TEASER 〜 前曲から一転、勢いと気合が感じられる曲。シャーラララーというコーラスもキャッチー。これも未発表曲。
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Track22.SONS & LOVERS - FROM NOW THE SUN SHINES 〜 PAPER LACEの前身グループ。やや性急なハーモニー・ポップ作品。
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Track23.THE NEWS - IT'S A LONG TIME 〜 クルーナーぽいボーカルにハモンド・オルガンやベースがねっとり絡む、ミディアム・テンポな作品。
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Track24.IZZY POUND - NA NA NA NA 〜 やや歌謡曲ぽいメロにオルガンがピヨピヨ鳴る曲。
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Track25.THE SILENCE - TO SARAH B 〜 最終曲も湿っぽいメロディーにオルガンが印象的な曲。
(2004/09/26)
WE CAN FLY UK PSYCHEDELIC OBSCURITIES/VARIOUS ARTISTS
レーベルをまたいだコンピュレイション盤。ディストリビューション元は記載なく不明です。ソフトでおサイケな曲も幾つかありますが、ファズやオルガンをフューチャーした曲が多く収められてます。おそらく出自はモッズなグループが多いのではと思われます。
では、オムニバス盤なのでまた、佳曲を拾っていきます。1曲めTHE PENNY PEEPSの「MODEL VILLAGE」はFLEUR DE LYSを思わせる、出だしにふさわしい軽快な曲。3曲めTHE MOVING FINGERの「PAIN OF MY HEART」は、まるでREMのマイケル・スタンプのような声質とストリングスの絡みが心地よい。5曲めTHE PEEP SHOWの「MAZY」はダルなボーカルとベースのリフ、間奏のジャカジャカしたカッティングが盛り上げてくれるが後半の展開はいまいち。8曲めTHE NEAT CHANGEの「I LIES TO AUNTIE MAY」はその昔SEE FOR MILESのコンピにも収められてました。YESのPETE BANKSが在籍してたとは思えないほどの室内楽的なアレンジ。
11曲めはBRINSLEY SCHWARTSの前身、NICK ROWEがいたKIPPINGTON LODGEの「I CAN SEE HER FACE」。まるでLOVIN' SPOONFULのSUMMER IN THE CITYのようなハモンドのリフが出てくる湿っぽい曲。12曲めINFANTES JUBLIATEの「EXPLODING GALAXY」の安っぽくも大袈裟なとこには笑えます。トレモロなファズが大活躍する13曲めTHE SMOKEの「THAT'S WHAT I WANT」は意外にも本盤で唯一70年代の曲。15曲めAPPLEレーベルのTRASHによる「TRASH CAN」は主旋のメロディーは良いが、オルガンによる長く白熱した間奏はプログレを思わせます。
16曲めTHE ORANGE MACHINEの「REAL LIFE PERMANENT DREAM」はTOMORROWの「人生と見果てぬ夢」のカバー。シタールは入ってないが、コーダでのMY WHITE BICYCLEのリフにはニヤリとさせてくれます。17曲めSERENDIPITYの「CASTLES」は大仰なイントロの割にはハープシコード(チェンバロか?)に乗ってなかなかキャッチーなメロディーが歌われる。19曲めKYTESの「RUNNING ON THE WATER」はほぼ全篇でテープ逆回転を使用。
20曲めPORTBELLO EXPLOSIONの「WE CAN FLY」は本盤のタイトル曲ながら何ともなよなよした曲。途中(飛び立ったという歌詞の後で)ボサノバ調になるのが面白い。24曲めTHE FRUIT MACHINEの「THE WALL」はCIRCUS DAYSのコンピ盤シリーズに収録されていそうな曲。ラスト27曲めPETER COOK & DUDLEY MOOREの「THE L.S. BUMBLE BEE」は随所に挿入される語りも絶妙なスカした曲。ファルセットになるとこは後の10CCを思わせます。(2000/04/29)
WE CAN FLY 2 UK PSYCHEDELIC OBSCURITIES/VARIOUS ARTISTS
「WE CAN FLY」コンピュレイション盤シリーズ第2弾。第1弾にはクレジットがなかったのですが、PAST&PRESENTレコードというところがディストリビューション元のようです。第1弾同様、ファズやオルガンが前面に出たガレージ/R&B風の曲が多め。そして、まるでNUGGETSのBOXパート2を意識したかのように、イギリス以外の他ヨーロッパ諸国出身グループも割と多く収められています。
1曲めSHY LIMBSの「TRICK OR TWO」はSTONESの「SYMPATHY FOR THE DEVIL」を快活にしたような、コンピ盤トップバッターにふさわしい曲。2曲めBRAINBOXの「AMSTERDAM,THE FIRST DAYS」はCREMEやJIMI HENDRIXの影響が濃厚。このグループは後のプログレグループFOCUSの前身だそうで、意外。3曲めTHE CEDARSの「HIDE IF YOU WANT TO HIDE」は本盤では比較的フォーキーで、一息つけられます。
荒くれた音が続く中で、8曲めTHE THE MONTANASの「DIFFERENCE OF OPINION」はギターソロは割とフリーキーだし、最後にお茶目にGREENSLEEVESを弾いているけれど、行儀正しい音に聞こえます。9曲めTHE JULIAN KIRSCHの「CLEVER LITTLE MAN」はクラシカルなピアノが異色。
12曲めWEST COAST CONSORTIUMの「COLOUR SERGEANT LILLYWHITE」はフランジャーがかったイントロを持つ、タイトル通りのサイケ・ポップ。しかし、メロディーが彼らにしては若干凡庸なのが残念。それに比べれば13曲めTAGESの「FUZZY PATTERNS」の方がサイケ・ポップとして完成度が高い。
15曲めTHE PETARDSの「TARTAREX」はストリングスとバンド自身の演奏の絡みがなかなかスリリング。17曲めA.P.DANGERFIELDの「CONVERSATIONS」は曲調もメロトロンが入るとこもFLOWERPOT MENの「LET'S GO TO SAN FRANCISCO」もどき、と思ったら同じ作者JOHN CARTERが書き下ろした曲のようです。18曲めに同じA.P.DANGERFIELDの「FURTHER CONVERSATIONS」は17曲目のB面だったと思われる続編のような曲。このあたりも「LET'S GO TO SAN FRANCISCO」と同じ構造。21曲めJOY UNLIMITEDの「MR.PSEUDONYM」は収録曲中唯一の女性ボーカル。たおやかに朗々と歌い上げてます。いい曲ですが、本シリーズには似合わない気もします。(2002/01/27)
WE CAN FLY VOLUME 3 / VARIOUS ARTISTS
「WE CAN FLY」コンピュレイション盤シリーズ第3弾。どうでもいいことですが、今回のサブタイトルはPSYCHEDELIC OBSCURITIES VOL 3 25 TRACK COLLECTION OF PSYCH RARITIES 1966-1971となっています。若干ガレージ寄りだった第2弾よりはソフトな聴きやすい曲が目立ち、聴きどころは多いように思えます。
以下、気になった曲を羅列。(といってもほとんどになってしまいました。)
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1曲目THE MAGICIANSの「PAINTING ON WOOD」− ノベルティ風味かつ6分近い長い曲でスタートとは意外。
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2曲目O'HARA'S PLAYBOYSの「THE BALLAD OF THE SOON DEPARTED」− ドアーズのようなオルガンが大活躍。
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4曲目MURRAY HEADの「SHE WAS PERFECTION」− IMMEDIATEものも幾つか収録されているのが、今回第3弾の特徴の一つ。ラーガでサイケなストリングスが堪能できる1曲。
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5曲目TALES OF JUSTINEの「MONDAY MORNING」− キャッチーかつ快調なテンポの曲。間奏の出だしは初期PINK FLOYD風だが、間奏の最後にストリングスのみになるところも見事。と思ったらPINK FLOYDとは同じステージに立ったこともあるそうです。「PSYCHEDELIA AT ABBEY ROAD」「MOJO ACID DROPS,SPACEDUST & FLYING SAUCERS」にも収録。
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6曲目I CORVIの「SOSPESA AD UN FILO」− サイケ/ガレージのクラッシックス「今夜は眠れない」のイタリア語カバー。演奏自体は割と原曲に忠実。
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7曲目MADE IN SHEFFIELDの「AMELIA JANE」− ROCKIN' BERRIES風の佳作。「SWEET FLORAL ALBIOR」にも収録。
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9曲目THE AFEXの「SHE'S GOT THE TIME」− ややゆるめなモッズ風。
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10曲目JACKIE LOMAXの「GENUINE IMITATION LIFE」− 後のAPPLE所属アーティストによる逸品。ジェントルかつソウルフルな声が壮大なアレンジに乗っかる。個人的にはフェイバリット。FOUR SEASONSのためにかかれた曲らしい。
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11曲目BRINCOSの「PASSPORT」− スペイン出身のビートグループ。1967年としては流行遅れだったろうが、演奏曲ともカチっとまとまっていて、かっこいい。
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12曲目THE EXCELSIOR SPRINGの「IT」− ちょっとダルでいい雰囲気。「INSTANT KARMA」にも収録
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14曲目PESKY GEEの「WHERE IS MY MIND?」− 泣きのメロディー。大袈裟なアレンジ。後の黒魔術バンド、BLACK WIDOWの前身。
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15曲目THE CHERRY SMASHの「SING SONGS OF LOVE」− MANFRED MANNのMIKE HUGGと共作した彼等のデビュー曲。MIKE HUGGの兄弟がメンバーにいたそうです。後のMANFRED MANNによる「UP THE JUNCTION」サントラバージョンよりもサイケ度は低いが、アコギとコーラス主体の爽やかな曲。
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16曲目MICK SOFTLEY & THE SUMMER SUNSの「AM I THE RED ONE?」− 後にソロになるMICK SOFTLEYの、クセのある声が印象的な、アシッドフォークとサイケが混じった曲。イギリス臭さもあり。
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18曲目BRUTの「MY KIND OF FEELING」− サイモン・ネピア・ビル仕掛けによる実体のないグループの曲。リフ主体の曲。
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20曲目THE SUGARBEATSの「ALICE DESIGNS」− このコンピ盤ではめずらしい、ソフト・ロック/ハーモニー・ポップ曲。フルートも印象的。
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22曲目SHOCKING BLUEの「SEND ME A POSTCARD」− 後に「VENUS」で有名になる彼等のデビュー曲だそう。このコンピにあるあまたB級グループと比べると、あまりにメジャー指向でクリアでしっかりした曲、演奏、アレンジが異色。スコンと抜けのよいドラムの音はこの時代の物と思えない。
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23曲目THE NEW GENERATIONの「DIGGER」− 最初と最後についたテープ逆回転が聴きもの。曲自体は凡庸。
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24曲目FOXの「SECONDHAND LOVE」− 湿っぽくもうっとおしいアレンジながらも、泣きのメロディーが印象的な佳作。
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25曲目BULLDOG BREEDの「PAPER MAN」− 後のT2。ブギ調ながらも軽く、ポップさもある。
(2003/05/11)
WE CAN FLY VOLUME 4 / VARIOUS ARTISTS
「WE CAN FLY」コンピュレイション盤シリーズ第4弾。今回のサブタイトルは25 PSYCH RARITIES 1966-1971となっています(どうでもいいことですが半ばお約束(?)なので)。他のコンピレーション・シリーズで聴ける曲も結構ありますが、頑張ってレアでそれなりに聴けるものを集めました、というラインナップですね。
以下、気になった曲を羅列。
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1曲目BRASS TACKSの「MAXWELL FERGUSON」− 4巻目のスタートは、ベースのラインとオルガンの絡みが印象的なブルージーな曲。
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2曲目NEO MAYAの「I WON'T HURT YOU」−EPISODE SIXの変名による曲。RIPPLESやHOT SMOKE & SASSAFRASにも収録。
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3曲目RUSSELL MORRISの「THE REAL THING(PART 1 & 2)」− DONOVANの「HURDY GURDY MAN」に似た曲。長めに展開し、アジテーションぽい喋りやサイレンなどSEが入り、最後は爆発音で終わり。意欲作だけど、パロディぽさやバチもの臭さも。
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5曲目EIRE APPARENTの「HERE I GO AGAIN」− 後にJIMI HENDRIXがプロデュースした事で知られるグループのファーストシングルのB面曲。
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6曲目WIMPLE WITCHの「I REALLY LOVE YOU」− 「LOUIE LOUIE」みたいなリフの、若さと気合いの入ったガレージ・ナンバー。
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10曲目HOPSCOTCHの「LOOK AT THE LIGHT GO UP」− イントロのカッコいいリフがいい。歌に入ってもホーンや女性コーラスが盛り上げる、勢いのある曲。
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11曲目THE TRUTHの「SUENO」− YOUNG RASCALSのカバーらしいが、これも勢いを感じる演奏。
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13曲目GRIFFINの「I AM THE NOISE IN YOUR HEAD」− SKIP BIFFERTYの後身。メロディーはしっかりしてるが、なんとも湿っぽい、プログレやハードロックになりかけの曲。
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14曲目FIVE STEP BEYONDの「NOT SO YOUNG TODAY」− 本コンピでは珍しい、青臭くもペットの響きが瑞々しいスローなナンバー。
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15曲目THE TANGELINE PEELの「TRAPPED」−やや感傷的でポップなメロディーをオルガンが盛り上げる。前の曲と続けて聴くのがいいかも。
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16曲目LOS CANARIOSの「WHAT CAN I DO FOR YOU?」−ただのファズなガレージ曲かと思いきや、中盤でホーンが絡んでスローになるところは聴きどころ。
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18曲目MINTの「LUV」− ソフト・ロック色が強いハーモニーもさわやかな曲。楽曲としては本盤で一番かも。同名アイス・キャンディーのCM曲だったとかで、そのCMフィルムには有名になる前のDAVID BOWIEも出演していたそうです。
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19曲目THE ORANGE MACHINEの「DR. CRIPPEN'S WAITING ROOM」−TOMORROWのフォロワー。HOT SMOKE & SASSAFRASにも収録。
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20曲目THE FERRIS WHEELの「I CAN'T BREAK THE HABIT」− LINDA LEWISがいたR&B〜ソウルなグループのこれはファーストシングル。
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21曲目THE BEATSTALKERSの「SILVER CHOCOLATE MACHINE」− タイトルがいい。歌い方も演奏も程良く軟弱でラブリー。この曲は違うがこのグループは売れる前のDAVID BOWIEとマネージャーが同じで、そのためBOWIEの当時曲を取り上げていた。
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24曲目TERRY REIDの「FIRES ALIVE」− LED ZEPPELINのボーカル役を断った事で有名なアーティスト。これは1968年のシングルで、そんな事前情報があったので、中性的な彼の声には驚き。ちょっとだけシャウトしてるけど。
(2003/12/07)
WE CAN FLY VOLUME 5 / VARIOUS ARTISTS
ねばり強く続く「WE CAN FLY」コンピュレイション盤シリーズ第5弾。今回はサブタイトルがありません。それなり(あくまでもそれなり)に知られたアーティストが多いので、今までのようなPSYCHEDELIC OBSCURITIESとか、RARITIESとかのサブタイトルをつけなかったのかも知れません。また、収録アーティストを紹介するライナーも無いという無愛想さですが、このシリーズは奇数巻の方が比較的当たり曲が多いという、セオリーは今回もあてはまったように思えます。
以下、気になった曲を羅列。
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Track01.CIRCUS - DO YOU DREAM? 〜 MEL COLLINSやPHILIP GOODHAND-TAITがいたグループ。ペットとフルートがまさに夢見心地。
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Track03.IVEYS - AND HER DADDY'S MILLIONAIRE 〜 IVEYSからこの曲を選んだセンスは良いが、再プレス前ならもっと有り難みがあった。
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Track05.HUMAN INSTINCT - THE RICH MAN 〜 BRITISH PSYCHEDELIC TRIPシリーズでも紹介されたいたNZ出身のグループ。この曲はソウル風の曲。
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Track06.KEITH RELF - SHAPES IN MY MIND 〜 2枚目のソロシングルA面。どんよりとした曇り空を思わせる曲ながらもサビが盛り上がるのが良い。
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Track07.EPISODE SIX - I CAN SEE THROUGH YOU 〜 この手のコンピ盤の常連。静かになりフルートが入るところが聴きどころ。Aメロ部分でROGER GLOVERのベースがボーカルと同じメロを辿るのも面白い。
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Track08.GNOMES OF ZURICH - SECOND FIDDLE 〜 PURPLE HAZEの影響も伺えるが、疾走感ある演奏。
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Track09.SAKER - FOGGY TUESDAY 〜 ラーガ風の出だしから疾走感ある演奏が展開される。声が裏返るシャウトも好感がもてる。コーダ部分もかっこいい。
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Track10.KIM FOWLEY - LIGHT 〜 後にRUNAWAYSを発掘するプロデューサー(というよりは業界ゴロ?)の歌手時代の逸品。脳天気だがやや平凡。
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Track12.BUNCH - SPARE A SHILLING 〜 JOHN PANTRY作の曲。LP「THE UPSIDE DOWN WORLD OF JOHN PANTRY」にも収録。
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Track13.MONTANAS - ANYONE THERE 〜 このコンピ盤のなかではビッグ・ネームの登場。ファズギターとディレイ効果を使用したブリッジが印象的。
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Track15.CHRIS MCCLURE - MEDITATION 〜 バイオ不明のシンガーによる、ジェントリーな好ナンバー。フォーキーなアコギではじまり、重たいドラムが入るが、本盤のなかで一番の掘り出し物。
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Track18.EAST OF EDEN - BALLAD OF HARVEY KAYE 〜 1STアルバム以前に別レーベルから出していたシングルのB面。彼等にしてはフォーキーでメロディアスな佳作で、これも掘り出し物の一つ。
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Track19.I CURUI - BALLAD OF HARVEY KAYE 〜 まるで日本GSのような湿っぽさと狂おしいギターソロが堪能できる作品。
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Track20.ELMER GANTLY'S VELVET OPERA - SALISBURY PLAIN 〜 1STシングルのB面だった曲。このグループもこのコンピ盤にいれるにはビッグ・ネーム。
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Track21.GIBSONS - CITY LIFE 〜 SEで始まり、ティニーポッパー的ながらも快調な曲。コーラスもキャッチー。
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Track22.ORANGE PEEL - I GOT NO TIME 〜 やや乾いたハード・ロック。CIRCUS DAYSにも収録。
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Track23.MIRAGE - THE WORLD GOES ON AROUND YOU 〜 オルガンに導かれ、フニャとした声が印象的なサイケ・ポップ。
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Track25.CUBY & THE BUZZARDS - APPLEKNOCKERS FLAPHOUSE 〜 しゃがれ声のVoによるブギー/ハード・ロック調だが、ブリッジ部分のみメロディアス。
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Track26.THE SILVER EAGLE - THEODORE 〜 ラグタイム調ピアノも入る、優雅でやや上品なKINKSといった感じのトラジック・コメディ調。これも掘り出し物の一つ。
(2004/06/26)
WHITE BICYCLES ・ MAKING MUSIC IN THE 60'S THE JOE BOYD STORY / VARIOUS ARTISTS
プロデューサーJOE BOYDのイギリス時代(1966年〜1971年)に手がけた代表的作品を集めたコンピレーション。曲はほぼ制作順に収録され、本人による曲解説はどれも内情が伺えて、興味深い。同名の書籍も出ている。
彼は英サイケの発信地となったUFOクラブを運営し、初期のPINK FLOYDやSOFT MACHINEをプロデュースしたり、THE INCREDIBLE STRING BAND、FAIRPORT CONVENTION、NICK DRAKEを発掘したり、業界を去っていたVASHTI BUNYANのアルバム「JUST ANOTHER DIAMOND DAYS」のお膳立てをしたりと、米国出身ながらも英サイケやフォーク・ロックのまさに立役者。
このコンピ盤を一通り聴いてみると、ライナーノーツで彼がTHE INCREDIBLE STRING BANDに関して述べた表現である「伝統音楽の読み直し」「世界を見る新鮮なやり方」「ありふれた事物の表面下に潜んでいる気分への感覚」は彼のプロデューサーとしての姿勢とも読み取れます。
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Track01.ERIC CLAPTON & THE POWERHOUSE - CROSSROADS 〜 「WHAT'S SHAKIN'」に収められたこのセッションがイギリスでの初仕事とのこと。
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Track02.THE INCREDIBLE STRING BAND - WAY BACK IN THE 1960S
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Track03.JOHNNY HANDLE - BECAUSE IT WOULDN'T PAY
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Track04.DAVE SWARBRICK, MARTIN CARTHY & DIZ DISLEY - SPANISH LADIES MEDLEY
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Track05.PINK FLOYD - ARNOLD LAYNE 〜 ここから8曲目まではサイケ・ポップのコーナー。
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Track06.THE PURPLE GANG - GRANNY TAKES A TRIP 〜 チェンバロやウォッシュボードやカズーなどオールドタイミーかつコミカルな曲。
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Track07.SOFT MACHINE - SHE'S GONE 〜 彼ら2枚目のシングルになるはずだった逸品。
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Track08.FAIRPORT CONVENTION - IF I HAD A RIBBON BOW 〜 ソフト・ロック的でもある彼らの1STアルバム収録曲。
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Track09.SHIRLEY COLLINS - SEVEN YELLOW GYPSIES 〜 ここからはトラッド/フォーク系の初心者向けコンピ盤としても聴けます。
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Track10.THE INCREDIBLE STRING BAND - CHINESE WHITE
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Track11.FAIRPORT CONVENTION - AUTOPSY
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Track12.FAIRPORT CONVENTION - THE DESERTER
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Track13.NICK DRAKE - POOR BOY
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Track14.FOTHERINGAY - THE SEA
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Track15.MIKE HERON - FLOWERS OF THE FOREST
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Track16.VASHTI BUNYAN - COME WIND COME RAIN
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Track17.JOHN & BEVERLEY MARTYN - PRIMROSE HILL
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Track18.THE NEW NADIR - I DON'T MIND
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Track19.DUDU PUKWANA & SPEAR - CHURCH MOUSE 〜 この曲と次の曲は軽めでアフロ気味なジャズで異色。この頃の彼の関心事か。
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Track20.CHRIS MCGREGOR'S BROTHERHOOD OF BREATH - ANDROMEDA
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Track21.NICO - AFRAID
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Track22.NICK DRAKE - WAY TO BLUE
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Track23.GEOFF & MARIA MULDAUR - BRAZIL 〜 暗いNICOとNICK DRAKEで終わらず、最後にほっと一息。この曲のみ米アーティスト。
(2006/09/17)