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British Rock or Psyche Pop etc...
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LITTLE GAMES LITTLE GAMES / THE YARDBIRDS

 JIMMY PAGE在籍時唯一の、そして最後のスタジオアルバム。米のみの発売のせいか、80年代後半にリイシューされるまでは入手困難で高価でした。これは1991年に出たボーナストラック8曲入り日本盤CD。

 バンドがやる気を失った頃の録音で、ネガティブな評価も多い。確かに中途半端にポップで、ほどほどサイケで、まとまりが無く突き抜けたところがない。ほとんどプレイバックしなかったという逸話もさもありなん。だが部分部分を聴くと面白いところも多い。

 サイケ・ポップとして面白いのは、まずタイトル曲「LITTLE GAMES」。JOHN PAUL JONESアレンジで同じミッキー・モストがマネジメントしてたDONOVANも思い出させる。数少ない軽快なビート・ナンバーで間奏では弓弾きをしている「TINKER TAILOR SOLDIER SAILOR」もカッコ良い。サイケでエコー感はちょっと初期PINK FLOYDを思わせる「GLIMPSES」、KEITH RELFのソロともいえるフォーキーで夢幻な「ONLY THE BLACK ROSE」も悪くない。

 ボーナストラックではフォーク・ロック風でもあるポップな「PUZZLES」。「HA HA SAID THE CLOWN」は競作相手になったMANFRED MANNにかなり劣る、やっつけ仕事的な出来。2つある「GOODNIGHT SWEET JOSEPHINE」は、メンバーだけによるUKバージョンより、セッションミュージシャンを起用したUSバージョンの方がフランジャーも派手で良い出来。最後の「TOGETHER NOW」はKEITH RELFのソロ風な出だしがやがてシリアスで壮大なアレンジ。

 LED ZEPPELIN経由JIMMY PAGE目当てで購入した人には、ジャングルビートとブルージーなソロが交互に繰り返される「SMILE ON ME」、LED ZEPPELIN時代もステージで取り上げていたインスト「WHITE SUMMER」、ボーナストラックでは長めなギターソロがあり、エンディングがちょっと中期SOFT MACHINE風な「THINK ABOUT IT」あたりが、KEITH RELFの歌い方を我慢すれば聴きどころでしょうか。(2003/11/24)



TIME AND A WORD TIME AND A WORD / YES

 1970年に発表された彼らの2ND。一般的には次の3RDからがYESらしい作品とされてますが、このサイトでの興味あるのはこの2NDまでと、この時期の作品が多い編集盤「YESTERDAYS」ぐらい。

 このアルバムではCHRIS SQUIREのゴリゴリなベース、TONY KAYEのハモンド・オルガンが目立ちますが、未整理で混沌としていた1STよりも楽曲はメロディアスだし、(インストルメンタル部分が長くなってますが)曲はまださほど長くないし、(YESのファンには邪道でしょうが)オーケストラの導入、それにあの透明なJON ANDERSONの声にコーラス、アート・ロック/ニュー・ロックで括られるのが本来でしょうが、サイケ・ポップとしても充分許容範囲です。

 1曲目「NO OPPORTUNITY NECESSARY, NO EXPERIENCE NEEDED」のイントロはELO風。「SWEET DREAMS」「TIME AND A WORD」はかなりポップ。「DEAR FATHER」はシングル曲らしくオーケストラが派手。「CLEAR DAYS」はJON ANDERSONとオーケストラだけの珍品でこれも聴きもの。「ASTRAL TRAVELLER」はボーカルのエフェクトは余計ながら、鋭いカッティング、BILL BRUFORDらしいドラムなど張り詰めた演奏で、この曲だけはこの後のYESぽい。(2006/06/18)



WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS / THE YOUNG IDEA

 EMIにシングル5枚を残し、表題曲(BEATLESのカバー)が1967年に10位まで上がるヒットを記録したデュオ。EMI傘下の廉価盤レーベル残されたアルバムが、シングル曲や未発表曲も含め待望のCD化。

 アルバムが出た1968年にしては少々古い音作りだったそうですが、アレンジャーにはMIKE LEANDERやARTHUR GREENSLADEも名を重ねており、スウィンギング・ロンドンやサイケ・ポップをキーワードにして聴くには丁度良い一枚。

 収録曲は、PAUL & BARRY RYANをよりソフトかつ優雅にしたような楽曲が多いですが、いくつかはサイケな要素が強い曲もあります。またシングルになった曲よりも、彼らのオリジナルの方が意匠と繊細さを感じます。

 「IN BOND STREET」はサイケで優雅なストリングスアレンジが秀逸で、まさに当時のBOND STREETの情景が浮かんでくるようです。先にコンピ盤 「INSANE TIMES」 のダウンロード版で紹介されていましたが、震えるよなストリングスが印象的な「ROOM WITH A VIEW」、何故かPYEレーベルにてSCOTT HENDERSON名義で出た「SATURDAY NIGHT PEOPLE」( FAIRY CAKES FOR TEA : FAIRYTALES CAN COME TRUE VOLUME 2 にも収録)。東洋風なハーモニーを聴かせる「COLOURS OF DARKNESS」、このあたりは佳品です。

 メンバーの片割れTONY COXの名前に見覚えがあったのですが、CARAVANのファーストのプロデューサーと同一人物だったとはライナーを読んで知りました。

 表題曲を本家のアルバム発売とほぼ間を置かずカバーを発表したこともあり成功したそうですが、STONESの当時未発表曲カバーが唯一チャートインしたTWICE AS MUCHとほぼ対称をなすようなアーティストです。TWICE AS MUCHとは活動時期、デュオ編成、ソングライターチーム、でもヒットしたのはコネがある超大物のカバー、片割れがその後も業界で生き残った、という共通点があります。(2009/06/07)