1999.08.26(Thu.)
西船橋5:56−(普通・522E)−6:12新松戸
新松戸6:16−(普通・565S)−6:37取手
取手6:53−(普通・19)−7:25水海道
水海道7:50−(普通・23)−8:48下館
下館9:25−(普通・113)−9:39久下田
久下田9:59−(普通・114)−10:11下館
下館10:52−(普通・6001レ・SLもおか1号)−12:10茂木
茂木14:35−(普通・6002レ・SLもおか2号)−14:50市塙
市塙=(タクシー)=市塙温泉
市塙温泉15:37=(町営バス)=16:20烏山
烏山16:38−(普通・344D)−17:20宝積寺
宝積寺17:33−(普通・764M)−17:44宇都宮
宇都宮17:47−(普通・658M)−18:38栗橋
栗橋18:42−(準急)−19:21新越谷
南越谷19:30−(普通・1811E)−20:07南船橋
 有給休暇を取って真岡鉄道の”SLもおか号”に乗車してきました。この夏のSLシリーズ第3弾ですか。
 取手で下車すると、取手の常磐緩行線ホーム(地下鉄千代田線直通電車が発着するホーム)が快速線のホームよりずいぶん短いのにまず驚きましたが、よく考えてみれば常磐緩行線は10両なのに、快速は最長15両なんで当たり前でしたね。すでに快速線は上野方面への通勤客が行列を作っていました。
 さて、関東鉄道常総線に乗り換えるべく一旦JRの改札を出ると、すぐ横が関東鉄道の改札で、実は駅構内にも自動改札が並んだ連絡口が設けられています。この日は平日なので、常総線フリーきっぷも常総線・真岡鉄道線フリーきっぷも発売されておらず(どちらも土曜及び休日のみの発売)、普通にきっぷを買わねばなりません。とりあえず水海道まで行くことにし、630円のきっぷを購入して関東鉄道のホームへ向かいます。ホームは5両編成がギリギリ入るかな、という感じの長さでした。
 待つほどもなく折り返し水海道行きとなる列車がやってきましたが、この列車も既に通勤客で満員でした。ガラガラになった4両編成の車内に乗り込むとほどなくして発車しましたが、非電化区間(これは、筑波の地磁気研究所(だったと思う)の関係で、直流電化することができないという、常磐線が取手の先で交流になることと同じ理由らしいです)とはいえ複線で、水海道までは昼間でも20分おきの通勤通学路線です。各駅で、取手方面ホームには通勤客が見受けられました。対照的に水海道行きはガラガラのまま新興住宅地の中を進みます。
 それでも、だんだん畑が目立ってきて、駅前後に妙なカーブが入っている南守谷あたりからは駅間距離が伸びたような気がしました。どんどん畑が増え、水海道手前の信号場(右手が車庫、というか機関区です)に一旦停車して、水海道到着です。
 水海道から先は単線で、列車本数も激減し、ローカル線という感じになってきます。下館まで1,050円のきっぷを買って、さて乗車するのは取手からやってきた4両編成の列車のはずなのですが、念のためちょうどホームにいた駅員さんに訊くと、反対側のホームを指示されます。なるほど、向かいに下館から2両編成の列車がやってきて、こちらが下館行きとして折り返しとなりました。駅員さんの話では、この列車までがツーマンで、この後はワンマンになる、とのことでした。水海道より先は乗車人数がガクンと減りますので、このような車両交換がよく行われるみたいです。
 列車はしばらく水海道市街を通った後、両側の水田の中を走ります。少し家が立て込んでくると駅、駅を出てまたしばらく行くと水田の繰り返しで、交換設備があるくらいの駅だと集落もやや大きい、という感じでした。駅毎にパラパラと乗ってきて、座席はほぼ埋まりましたが、下妻で女子高生などがどっと降り、また車内は閑散としてしまいました。
 騰波ノ江(とばのえ)あたりまで来ると、梨や栗の果樹園が目立つようになり、その次の黒子を過ぎると森と水田と畑と果樹園が入り交じった風景になり、また水田が増えたと思うと右手から水戸線が近づいて下館に到着です。
 ”SLもおか1号”下館駅前の発車まではずいぶん時間もあるし、さてどうしようと思い、のどかな下館駅前をしばらくぶらつきましたが(元禄年間創業という”蛸屋”とかいうお菓子やさんが、どうも”大ダコ倶楽部”とかいうたこ焼きやさんを経営しているのには笑いました、こちらを参照)、やることもないので水戸線に1駅乗車して戻って来ようかと思い、改札口をくぐってから、ついでのことに真岡鉄道のホームをみると、臨時のきっぷ売場があり、ないと思っていた1日乗車券がありました。早速買い込んで、予定も変更し、真岡鉄道の久下田(くげた)を往復することにし、ちょうど停車していたレールバスに乗り込みました。
 別に真岡鉄道に入ったからと言っても、それほど関東鉄道の風景と変わった訳ではなく、レールバスはのんびりと走って久下田に到着。ところが計算外だったことに、向かいのホームにはディーゼル機関車に引かれた”SLもおか1号”の編成が退避しているではありませんか。あわてて写真を撮りましたが(これ)、そうと知っていればもう少し手前の駅で降りて撮影したのになあというところでしょうか。
 下館へ戻ると、”SLもおか1号”の編成は側線に入っており、すでにディーゼル機関車は切り離されていました。乗車が始まっていなかったのにはホッとしましたが、実は、真岡鉄道のSL列車は号車のみ指定の座席は車内先着順という、整理券方式での発売(JR東日本みどりの窓口)だったので、座席の確保に一抹の不安があったのです。これが平日に出かけた理由でもあったのですが、結果的にはこれが正解だったようです(後でわかったことですが、号車指定すらない整理券も発売されていました)。
 さて、下館発10:21の115列車が出た後、すぐに”SLもおか1号”がホームに入ってきました。今日はC12 66ではなく、C11 325の牽引です。編成は50系客車3両で、入線時点では空いているボックスもありましたが、小学生の団体の乗車などもあり、発車時点では座席全体の8割くらいが埋まっていました。これだと、土日は10:00頃までには下館駅にいた方が座席確保のためには安全でしょう。
 発車するとすぐ、列車の案内や沿線の観光案内とともに、「C12は真岡駅で展示されています」という車内放送が流れます。乗車証明書(”乗車記念証”という名前でした)が配られ、久下田を過ぎて真岡到着駅舎がSL列車運行にあわせて立て直されたこの駅で8分停車です。C12 66はまだ新しい、側面がガラス張りの機関庫(?)の中に入っていました。
 真岡を出ると、すぐに、「夏休みSL体験教室」の参加者申込書と、記念のシャープペンシルが配られました。風景も、だんだんと山中に分け入ってくる感じになります。特に、市塙を過ぎると峠越えというか、谷が詰まってきます。やがて、少々谷が開けて、右手に”もてぎプラザ”(道の駅)の、何だかよくわからないガラス製の建物を見てまもなく、終点の茂木に到着です。
 茂木駅はホーム一面に側線一本の駅で、”SLもおか1号”の後から普通列車がやってきますから、”SLもおか1号”はホームに長居することはできません。到着後ほんのしばらくの記念撮影時間の後、先頭のC11 325は切り離され、機回しの後客車は側線へと引き上げられました。入換作業の様子に興味のある方は、こちらをどうぞ(画像が多いので重たいです)。なお、茂木駅には、2階にテラスのようなスペースが設けられており、入換作業の見学には絶好です。
 さて、入換作業の様子を喜んでみているうちに、”SLもおか1号”運転日のみ運航の”もてぎプラザ”行きの町営バスは発車してしまいました。そのまま駅前にいてもやることがないので、私も”もてぎプラザ”まで歩いていくことにしました。途中、歩道がないところがあったり、また、かなりトラックなどの交通量が多いので(後でわかったことですが、この道路は国道123号でした)、少々おっかないことはおっかないのですが、それでも大体15分ほどで”もてぎプラザ”に到着しました。着いたところで何がある、というわけでもなく、とりあえず2軒あるうちのカフェテリア風の食堂で腹ごしらえをして(ちなみにもう1軒は焼肉レストラン)、しばらく”もてぎプラザ”をぶらついた後、また駅まで徒歩で戻ったのですが、まあいい運動になった、というところでしょうか。茂木駅では、まだ「夏休みSL体験教室」の続きが行われていました。
 さて、実は、事前にU竹さんにバスで烏山駅へ出られるかどうか尋ねたところ、「何年か前にそのルートで帰省したが、一度乗り継いだら出られた」とのお答えでしたので、久下田駅や”もてぎプラザ”で確認してみました。すると、烏山に行くには”芳賀黒田”というバス停で乗り継げばよいが、”SLもおか1号”に接続するバスはなく、茂木駅14:30発まで待たねばならないことがわかりました。茂木駅に、その”芳賀黒田”を通るバス路線の時刻表があったので、メモしてきました。

    町営バス須藤線(生井薬師前行)茂木駅発時刻    
☆7:00,8:57,12:05,☆14:30,16:10,17:20(☆印は日祭運休)

 なお、このバスは茂木駅が始発ではないようで、茂木駅を通る前に”保険福祉センター”というバス停を通ります。この”保険福祉センター”は、”もてぎプラザ”のすぐ近くで、”もてぎプラザ”の案内所で発車時刻は茂木駅発車時刻の3分前であることは確認してきました(ただし、全便が経由するのかどうかは確認できていません)。
 茂木駅で写真を撮り終えて気がつくと、茂木駅前のバス停には生井薬師前行バスがすでに停車していました。まだ定時には少々時間があり、本当に”保険福祉センター”からやってきたのかどうか、ちょっと疑問です。前扉から乗り込んで、運転手さんに”芳賀黒田”で乗り継いで烏山へ行きたい旨話をすると、「烏山行きのバスは市塙から来るんだけど、”芳賀黒田”ではかなり待ち時間があるし、店1軒あるくらいで山の中の何にもないところだから、鉄道で市塙まで行ってバスに乗った方がいいんじゃないか?その方が安いよ。」と親切に教えていただいたので、その通りにすることにして、お礼を言って再度茂木駅へ戻りました。
 ちょうど茂木を出る列車は”SLもおか2号”で、今度は”SLもおか券(自由席)”という名前の整理券を窓口で買って、下りとは違って空きの目立つ車内に乗り込みました。発車するとすぐに検札があり、その際に”乗車記念証”が配られたのですが、これが何故かC12 66の乗車記念証でした。真岡鉄道は乗車記念証それ自体はC11でもC12でもどちらでもいいと思っているんでしょうか。
 市塙で列車を降り、バスを待ちますが1時間弱時間があります。市塙駅前も特に何がある、という感じの場所ではありませんでしたが、駅前のバス停を見ていると、バスが”市貝温泉”というところまで行っているのを見て、茂木駅前でバスの運転手さんが乗換の説明してくれたときに運用表を見せてくれて、そこに烏山行きの始発は”市貝温泉”と書かれていたことを思いだしました。ただ、バス利用では一風呂浴びる時間がなさそうなので、どうしようかな、と考えて、駅前にあったタクシーの営業所で声をかけて訊いてみると、「市貝温泉までは車で5分くらい」との答え。それなら、とタクシー利用を決め、市貝温泉に向かいました。
 タクシーの中で、烏山にバスで行く話をして、「”芳賀黒田”のバス停って何もないんですか?」と訊くと、「店1軒と自動販売機くらいだね、山の中だ」という話で、これは乗り継がなくて正解か、と思いました。車は体育館などがある運動公園のようなところを抜けて市貝温泉到着、1,050円でした。
 市貝温泉は、400円で”市貝温泉健康保険センター利用券”というのを買えば、温泉の入浴と、トレーニングルーム及び休憩室の利用ができるようになっていました。設備はまだ新しく、更衣室にも無料のロッカー(それも、鍵がかけられる大きいロッカー)があり、また、休憩室には食堂も併設されていました。利用券には”市貝町分任出納員”と表示されていますから、町営の温泉なんですね。おそらくは竹下内閣のときの”ふるさと1億円”あたりで作ったんじゃあないでしょうか。一汗流してSLの煤も払い、いいリフレッシュタイムとなりました。
 注意事項ですが、月曜は定休だそうです。また、飲食物の持ち込みは禁止だそうで、自動販売機横には「トウモロコシを持ち込んで芯を捨てないように、ここは持ち込み禁止です」(正確な表現は忘れました)という貼り紙もありました。あと、更衣室の分析表には、泉質はナトリウム−塩化物炭酸塩泉とありました。
 この”市貝温泉”のバス停と、”市塙駅”のバス停で町営バスの時刻を写してきました。ここで判明したのですが、”町営バス”というのは、茂木・市貝・烏山の3町で運行しているバスで、元はJRバスが運行していたものを3町で引きついだもののようです。以下に、烏山駅行きのバス時刻を書いておきますが、市貝温泉−市塙駅間は月曜運休です。
市貝温泉発市塙駅発
---7:16
---9:23
13:3713:43
15:3715:43
17:1717:23
 また、市塙駅から市貝温泉へ行くバスは10:52,15:17,17:07の3本で、これも月曜運休です。他の公共交通機関としては、茂木と宇都宮を結ぶJRバスに、”市貝温泉入口”というバス停があり、ここのバス停から歩くとたぶん10分くらいじゃあないでしょうか。なお、このJRバス自体は、”市貝温泉入口”の時刻はありませんが、JTBの時刻表に掲載されています。路線は水郡西線という名前で、”市貝温泉入口”を通るバスは1日12往復(うち1往復は日祭運休)です。なお、水郡西線のバスは、便によっては経由するバス停が異なるようですので、注意が必要です。
 さて、烏山駅行きのバスは料金箱を積んだマイクロバスで、先客が2人乗車していました。ところが、このうち1人がまず最初のバス停である市塙駅で下車し、続いて2つめのバス停である市貝郵便局前で残る1人が下車してしまい、しかも全く途中で乗車する客はおらず、JRバスが撤退したのも無理ないなあ、ということが納得できました。”芳賀黒田”のバス停は、16:03くらいに通過しましたが、バス停の周りには店が1軒と無人精米機、少し離れて別の店があるだけの、本当に何もないところでした。バスは山道(と言っても”芳賀黒田”からはおそらく国道294号線)を淡々と走り、烏山町の市街地に入ってしばらくすると右折して、16:13くらいに終着の烏山駅に到着しましたが、これが何と定時の7分前の到着で、まことにいい加減な話ではありました。
 烏山線はこれもまた非電化の単線で、烏山駅構内には「JR烏山線を利用して電化を実現しよう!」という、”烏山線利用推進沿線3町連絡会”名の看板が立っていましたが、さすがに無理でしょうねえ。むしろ、スピードアップ、全列車の宇都宮直通、現在18往復の列車本数の増発、くらいが現実的な目標じゃないかと思うのですが。余談ながら沿線3町というのは高根沢町、南那須町、烏山町でしょうか。
 烏山駅を発車した列車は、その名も”滝”という名の駅の手前で、左手に竜門の滝を垣間みることができますが、宝積寺に近づくにつれ、車窓は平野部の風景となりました。天気もだんだん悪くなってきて、雨が落ち始めた中を宝積寺到着。この後はもう東北本線を乗り継いで帰るだけですが、ロングシートが増えているだけにつまらんなあ、と思っていたところ、たまたまでしょうが宇都宮まで乗車した列車にも、宇都宮から乗車した列車にもクロスシートの車両が連結されていたのはラッキーでした。それでも日が落ちてからでは乗っていて面白くないし、通勤帰りで混雑する上野まで行くのもいやだったので変化をつけようと思い、栗橋で東武線に乗り換えました。
 栗橋では、上野行きの電車のかなり前の方に乗車していたため、東武線のホームまでずいぶん歩かされました。たまたま適当な時間の上り電車がありましたが、伊勢崎線内では地下鉄日比谷線への直通から日光直通特急まで、列車のバラエティーに富み本数の多い東武線も、このあたりではJRより少ない本数の運転で、乗り遅れたらどうしようかと思いました。新越谷で下車し、駅名こそ違うが場所は近い、と聞いていたJR武蔵野線の南越谷へ歩きましたが、なるほど距離こそ近かったものの、階段をぐるぐると回らされたり、東武の駅ビル内を妙に歩かされてしまいました。
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