1998.10.17(Sat.)〜25(Sun.)
Toronto(Union)10:05−(97レ〜64レ・"Maple Leaf")−11:59Niagara Falls(Ontario)

 10月中旬に、トロントに出張に行ってきました。
 トロント市内では地下鉄やRTやストリートカーに乗車しました。それはそれで面白かったのですが、滞在中、うまくスケジュールが空いたので、ナイアガラの滝へ出かけてきました。ナイアガラへは、ツアーではなく、列車で出かけることにして、Union Stationから出る"Maple Leaf"号に乗車しましたので、この話を書いてみたいと思います。本当は列車で往復したかったのですが、時間の関係で、往路のみ列車、復路はバス利用としました。
 発車の約40分ほど前に、Union Stationに出かけてきっぷを購入しました。このUnion Stationは、なかなか堂々たる建物で、地下鉄やトロントを中心とした近距離列車の乗り場とは別に、建物中央部が中・長距離列車のきっぷ売り場になっており、その奥(南側)が乗り場という感じでした。
 さて、このきっぷ売り場の中央にはオープンカウンターの案内所があり、そのカウンターの上には大きな発車時刻表と時計がありました。発車時刻表は電光掲示で、8本までの列車の表示が可能で、発車時刻順に列車番号・行先・経由地・出発時刻・乗車開始時刻・番線が表示されていました。また、カウンターの周囲には時刻表をはじめとした各種パンフレットが置かれていました。このカウンターを挟んで一方に出札窓口、もう一方にプラットホームへと続く通路がありました。
 さて、きっぷを購入後、ホームへと続く通路の方に進むと少々広い待機場所(?)があり、ホームへと上る階段があります。この階段は乗車開始時刻までは閉鎖されており、時間になると階段の入口が開けられ、階段を上って係員にきっぷを見せて、ホームに入線している列車に乗り込むようになっていました。ホームは高い屋根に覆われてかなり薄暗く、蒸気機関車時代以来の伝統を感じました。
 さて、乗車した"Maple Leaf"号は、NewYork行、DL牽引の5両編成でした。この日は、
  Amtrak 394(DL)-21678-21682-43002-21096-21617
という編成で、全車自由席、客車の3両目が半室CAFE SNACK CARになっていて、ここでサンドイッチやコーヒーを販売していました。私は4両目に乗車していましたが、4両目と5両目は、前3両とは車体側面のステンレス?に引かれた帯の色が異なっていました。前2両の側面には、"NORTHEAST DIRECT SERVICE"と表示されていまして、Niagara Falls(Ontario)の手前、つまり、アメリカとカナダの国境の手前で、国境を越える乗客は前の車両に誘導されていたようでした。
 Union駅を発車した"Maple Leaf"号は、途中駅までは近距離列車と同じ線路を走ります。走りはじめての印象は、”えらいこと揺れるな”というものでした。実際、Aldershot(おおむねここまでが近距離列車の範囲)までの56kmを1駅停車して37分で走破していますから、かなり飛ばしています。
 ところが、そのAldershotを過ぎると、スピードはガクンと落ちてしまい、時にはほとんど停まりそうになっていました。実は、AldershotからNiagara Falls(Ontario)までの76kmに1時間17分を要していて(この間2駅停車)、速度変化の極端な路線ではあります。路盤は全区間あまり変わらなかったと思いましたし、Aldershotを過ぎたところに小さな山越えがあったにしても、その後、ヤードみたいなところもとてもゆっくり通過しましたし、一旦はスピードアップしたのですが、Niagara Falls(Ontario)の手前ではとうとう一時停止してしまいましたので、これはちょっと謎です。結局、約5分遅れでこじんまりとしたNiagara Falls(Ontario)駅到着しました。
 車窓風景は、Aldershotまではトロント近郊の都市風景だったのですが、Aldershotを過ぎてしばらく行くと、ちょっとした山越えにかかり、左手には川が見えていました。この区間では、"CN Bay View"という札が進行左手に立っており、ここでの川の景色はなかなかでした。その山間部もすぐに抜けて、工場の専用線のような駅や("CN STEEL"なんて名前の駅もあったかな、ここを過ぎてからスピードアップして、またAldershotまでのように揺れはじめたのですが、同時に、やたらと警笛を鳴らしはじめていました)、小さな町を過ぎると、辺り一面の平原(たぶん畑?)で、季節のせいか、淡々とした、かつ寒々とした印象を受けました。
 ナイアガラは、観光シーズン末期で、滝の近くまで行く遊覧船"Maiden Mist"もすでに2隻は川岸に引き上げられて冬を越す準備に入っていて、そのためか、観光ポイントを往復するシャトルバスも無料になっていました。
 カナダ滝はさすがの迫力で、見に来てよかったと思いました。日本出発前、その道のプロでもあるK持氏から「"Maiden Mist"と歩いて国境を越えるのはおすすめ」と言われてきたのですが、後の話はパスポートの関係で実現しなかったものの、"Maiden Mist"には乗ってよかったと思いました。
 あと、いくつかのアトラクションに行きましたが、"Journey Behind the Falls"は、滝の近くで飛沫を浴びながら見物できる以外に、滝の後ろに回れるものの、水量がものすごいため、何か真っ白な壁が見えるだけでした。"Spanish Aero Car"では、川の上のゴンドラから上流を見ると国境にかかる鉄道橋が見えました。ちょうど貨物列車が走っていましたので、写真を撮りましたが、Web上ではたぶんよくわからないでしょう。200mm〜300mmの望遠レンズでも抱えてゴンドラに乗ればきれいに撮れるかも知れませんが、問題はうまく列車が来るかどうか、でしょうね(^^;。
 帰路はGREYHOUNDのバスを利用しました。Niagara FallsのバスターミナルはNiagara Falls(Ontario)駅のすぐ前で、トロント市街のいくつかある停留所の内、Union駅まで乗車したのですが、所要時間は途中St. Catharinesという町のバスターミナルに立ち寄って、あまり鉄道と変わりませんでした。
 Toronto−Niagara Falls間は鉄道が1日2往復、バスはGREYHOUNDともう1社で1日計10往復超(15往復くらいはあったかな?)、運賃は鉄道が片道税込CAN$23.54(乗車5日前までに購入した場合、事前購入割引がありCAN$18.19、この場合往復はさらに安くなってCAN$29.96)、GREYHOUNDのバスはやはり片道税込でCAN$21.35、所要時間は大差ないですから、鉄道にとっては厳しい区間ということかも知れません。
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