術後6ヶ月の検診
11月になり退院直後の診療予約の通り検査をすることになりました。
<外科外来-術後160日>
外科外来の予約は11月10日(術後160日)に入れてありました。別に区切りがいいからこの日に予約が入れてあったわけではなく、まあ手術後半年を目安にして、年末は忙しいだろうからということで逆算し、執刀医・M先生の外来診療日にあわせたところこの日になったわけです。
かなりの時間待たされたあと、懐かしいM先生とご対面です。ここでの検査は、問診と触診。
「食事はどうですか」
「一日4回です。量はやはりまだ少ないのですけど、朝、昼、夕方、帰宅後の4回になりました。」(10月くらいから4回にしました。会社に行き始めたころは会社に着いてすぐに食べていましたが、牛乳を飲むだけにしました。)
「なにか他にありますか」
「運動はかなりできるようになりました。」
「何をやっているのですか。」
「草サッカーです。」
「そうですか。それはよくなりましたね。」問診はこの程度でした。この後上半身脱衣で触診です。傷の上を軽く押して様子をみていきます。傷はかなり良くなっているので、先生も満足しているような気がします。
「ではいくつか検査を受けて貰います。また胃カメラがありますけど、いいですね。」
「はい、もう仕方ないですものね。」
「それでは、胃カメラと胸部X線と、腹部のエコー、検便・検尿・血液検査です。胸部X線は肺への転移、腹部エコーは肝臓などへの転移を見るためです。」
「はい。」
「後で予約を取って、それから検査が終わったあと、また外来診療の予約を入れてください。」「先生、食べてはいけないものとかあったと思うのですけど、まだ制限はありますか。」
「もう特にないですよ(笑)」
「イカとかタコとかも大丈夫ですか。」
「ええ、まったく気にすることはありません。」
これで晴れて、なんでも食べられるようになりました。<検査日程>
次のように検査の日程を決めました。
胸部X線と血液検査、検尿は予約が要らないシステムです。
検査 予約日 胃カメラ 11月25日(術後175日) 腹部エコー 12月9日(術後189日) 外来診療 12月15日(術後195日)
検便は家で取ってくるように容器をもらって帰りました。<胃カメラ>
さて、前の晩は早めに食事をしようと思いつつ、家から持ってきたおにぎりを6時ごろ会社で食べ、買い置きのクラッカーを食べたりして、結局家に帰ったのは11時過ぎでした。妻が、「こんなに遅くに食べて大丈夫かしら」と心配するのを「大丈夫、大丈夫。3月に検査したときなんか、きれいなものだったよ。」と言いくるめました。「それじゃ、軽くスープを作るわ」ということで、クラッカーとスープ、食後のフルーツにりんごを食べることにしました。
この病院での胃カメラの検査はもう4回目です。待合室の風景にもすっかり慣れました。ただ胃カメラのやり方を説明するために置かれているビデオデッキ、テレビが新しいものに変わっていたこと、そして説明のビデオ(これはその内視鏡担当の看護婦さんたちが出演しているビデオですが)が、新しいものに変わっていました。作り変えたようです。前のテレビとビデオはかなり年代ものだったので、良かったなと思う反面、自分の「思い出」が消えていくようでさびしくもありました。ところがそんな感傷はすぐに吹き飛びました。
胃カメラの検査の仕方は、当然今までと同じです。かなり苦しみましたが、あっという間に終わってしまいました。
「きれいな食道ですね。」と担当の医師。ところが胃に進むと一転「かなり残渣がありますね。その部分はよけて見ていきますから。」とのこと。実際に患者である自分からも見えるモニターには、やや青みがかった泡のようなものが見えました。そうこうしていると別の残渣が見えてきて、今度はその残渣をよけるために、なにか液体を流し込んでいるような感触がします。液体自体はそれほどでもありませんが、ちょうどその時かなり苦しくてモニターを見ている余裕はないくらい、咳き込んでしまいました。「十二指腸の方へはいりますよ。」ということで、とりあえず検査は終わりました。
終了後、担当した看護婦さんと婦長さんがやって来て、
「昨晩は何時から絶食してますか。」
「10時くらいです。」
「11時ですか。」
「いえ、10時です。」(看護婦の皆さん、うそを言ってすみません。)
「検査をやり直すほどではありませんが、もっと早めに食べるようにして下さいね。やり直しも大変だし、折角検査をするのですから。」
「手術前はそのくらいの時間でも大丈夫だったのですけど。」
「やはり手術前に比べたら、胃の働きが弱っているのですよ。それから、前の晩はもっと消化のいいものを食べて。うどんとか。当日は2杯くらいならば水を飲んでも構いませんから。」
(えー、うどんもいいのか、退院の時にはうどんは噛まないで食べてしまうから、だめだと言われていたのに。あと確かに昨晩、クラッカーを食べた後、あまり水分を採っていなかったな。これは失敗だな。)今後の教訓です。
「先生、詰まり気味ということもありますか。」
「それはありません。安心してください、ちゃんと働いていますよ。」
すこし不安を残しつつ、X線検査、検便を提出、検尿・採血と一通り残った検査を済ませて、会社に出勤。かなり時間がかかり、すっかり午前中がつぶれてしまいました。
ここから追加分です(12月26日)<腹部超音波エコー>
術前検査でも行なった超音波エコーです。
術前に較べてかなり丁寧に見ていたような気がします。「胃の大きさとか見えますか」
「この検査では見えませんね。肝臓とかを見ているのです。」定刻どおりはじまって、きちんと終わる、あっけない検査でした。
<検査結果>
12月15日(術後195日)
「検査の結果だけ見ると、まったくの健康体ですね。どこも悪い様子はありません。」
「そうですか。ありがとうございます。先生のお蔭です。」
「CA(血液検査の腫瘍マーカー)も出ていませんね。まあもともと手術前から出ていませんでしたからね。」
「CA18-8とかですか」
「もっと全般的に見ていますよ。貧血もないみたいだし。」
「貧血もですか。手術する前は鉄欠乏性貧血だったはずですが。」
「ええ、それもなくなっていますよ。胃カメラでは少し残渣が残っていたようですが。」
「そうなんですよ、先生。やっぱり胃の働きが悪いのでしょうか。」
「リング(幽門輪)が残っているとやはり残渣が多くなりますね。胃がもたれるとかありますか?」
「それは特にありません。手術前から胃がもたれるということはありませんでしたけど。」
「どうしてもリングがあるとそういう面はありますね。でもその分、他のいい面がたくさんありますからね。ところで次の診察ですが、本当は3ヶ月後に来てもらった方がいいのですけど、半年後でも構いませんよ。今度予約システムが変わったので、検査だけでも半年後の予約ができるようになったんですよ。」
「今まではだめだったのですか。そうですか。ところで半年後でいいんですか。」
「ええ、構いませんよ。この様子でしたら。」
「そうですか。それは助かります。でも寂しいですね、しばらく先生に会えないのですか。」
「まあ、そんなことないでしょう。」
「そんなことはないですよ。やはり先生に会うとほっとします。」
「ありがとう。それでは6月に診察ということで、5月の後半に検査予約を入れてくださいね。基本的にはエコーから予約を入れて、血液検査・尿検査などのあと胃カメラをするようにしてくださいね。そうすると肝臓病の検査を先にして、その後胃カメラという順序になりますから。」
「そういう順番があるんですか。」
「ええ、感染を防止するためにそういうルールを作っています。でも今度の検査結果から半年以内であれば、肝臓病は問題なしということで、胃カメラからでも大丈夫なんですが。まあできるだけ、エコーから予約を取って下さい。」
「ところで先生、胃の大きさがどうなっているのかってわかりますか。」
「なぜですか。」
「胃が大きくなっているか気になるのですけど。」
「そんなに大きくなりませんよ。元のような形になる、と思っている人もいる様ですがそんなことありませんから。」
(そりゃそうですね。それは判っているのですけど)
「食べる量が多いと少しは大きくなりますが、それほど大きくはなりませんね。」
「そうなんですか。わかりました。ところで、もう少し。手術に使ったステープルは何製ですか?ステンレスですか。」
「胃をとめているのはチタン製です。ですからMRIとかも大丈夫ですよ。」
「そうですか。いや、安心しました。MRIはだめとかいうことも聞いたことがあったので。先生ありがとうございました。」<今回のまとめ>
手術後6ヶ月目の検診は一つの区切りになりました。
特に病気の兆候はなにもなし、でした。どうせ何もないだろう、とは思っていましたが、改めて聞くことができ何よりです。妻・両親ともに安心してもらうことができたと思います。さて今回学んだこと。
- 術後は胃の働きが弱っている。6ヶ月たっても。
- 幽門輪が残っていると、胃に残渣が残りやすい。
- 術前と違い、胃カメラの前の日は消化のいいものを早めに食べなければならない。
- 胃はそれほど大きくならない。(食べることのできる量は徐々に増えるが、元のような大きさになることはない、ようだ)
- 肝臓病の予防のためにも、血液検査等をしてから胃カメラの検査は後まわしにする。
- 手術で使用している内蔵のステープルはチタン製(らしい)。
次回の検査は5月25日(超音波エコー)、6月6日(胃カメラ)、6月14日(診察)です。
(このページここまで)
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