27. 手術から2年(2年目の検診)
今日(6月3日)で実に手術後(365×2+1)日目。昨年はうるう年でした。まる2年です。自分でも忘れていました。昨日実家の母と話をして、母に教えてもらったという状態です。術後2年目ということで、改めて検査についてまとめてみました。
<術後2年の検診−胃カメラ>5月8日(術後23ヶ月)
半年ぶりの病院。胃カメラ。9時の予約で行く。
雨のため駅までの道路が混み予定より15分以上遅れ結局5分以上の遅刻。
今まで通りであれば、O府立成人病センター内視鏡検査の受付前のロビーは混在して座っていた患者は、9時ちょうどくらいから上部内視鏡もしくは下部内視鏡のどちらかが先に呼ばれて検査の案内を受け、中の待合コーナーへと案内される。ここのロビーはもう少し空いているはずだった。今日は中途半端な混み方。どうも予約のシステムが変わったようで、9:00スタートの組と別の時間スタートの組に分かれたようだ。
連休明けで予約があまり多くなかったのか、診察が始まるのが少し遅く、結局自分が検査台に横たわったのは10:00少し前だった。
さて今回の検査では、12月に予約を取った際に「看護研究のお願い」というものをもらっていた。これは「内視鏡検査をすると残渣が残って検査がしにくい人のためのもの」で、検査の2日前から消化のよいものを摂るように指導するものだった。また水分の取り方についてもいろいろと細かく書かれていた。
2日前から食事には次のような消化のよいものをとるように。消化の悪いものは避けるように。
食べて良いものと悪いものいろいろと同じくらいの品数が書かかれていたのですが、「食べるものがない」という印象が先行してしまう。
消化のよいもの
茹でた鶏肉、うどん、かゆ….
消化の悪いもの
牛肉、生野菜、くだもの、卵焼き・目玉焼き、焼き魚、ドライフルーツ、玄米
- 「(これは今までも言われていたことだが)前日の夕食については早めにとること。」
- 「検査当日は食事をとらない」
水分の取り方についてまとめると
- 「食事の後には、多めに水分をとるように」
- 「前日の夕食後も水をのみ、就寝までに2杯ほど水分をとること。」
- 「当日、水を朝おきてすぐ一杯、30〜40分後に一杯、計2杯を飲めれば飲むこと。」
かなり水分を取ること、特に当日飲むべきであることが示されていた。
前の2回は、まあ大丈夫だろうと思って8時以降に食事をとったりしていたのですが、今回は会社で晩飯としておにぎりを、7時ころまでには食べ終え、その後固形物はとるのを控えた。
さて上部内視鏡検査室の前の待合コーナーに案内されてから割と早めに名前を呼ばれたので、遅れてきたわりに結構早く始まるのかな、と期待をしていたが、これは看護研究に対するアンケートを書くために早く呼ばれたのでした。大きなマスクをしていたのでちょっと判りにくかったのですが、アンケートの説明をしてくれたのは、入院中の病棟で主任さんと呼ばれていた看護婦さんだったような気がする。その事を尋ねようか、切りだせずにいると今回の看護研究についての感想を求められる。
「食べるものがないという印象でした」
「具体的な例をもっと増やすと同時に、どういうものがダメなのかという指針を示して欲しい」
「看護研究の説明の用紙にいろいろと注意書きが書かれているが、下線が引いてあったり、囲みで注意があったり、何が重要なのかよく判らなかった。」(きっとすべてが大事なので結果としてすべてに注意書きがついてしまうのでしょう。)
思いつくことをできるだけ多く書くようにした。
検査室に入る前に左腕に筋肉注射。検査室で横たわってから喉にスプレイの麻酔。
確か前回も女性の医師の方だったが今回も女性医師。いままで特に聞かれたことがなかったのだが、今回に限り、
「マウスピースはどうしますか」(確かマウスピースと言ったと思う。よく聞き取れなかった。)と言って、胃カメラの際に口にくわえる白っぽいプラスティックのものを指した。
私にとって胃カメラは終始苦しむものという思いがあるので、はじめからくわえさせてもらうように頼む。
後はいつもの通り。
胃カメラから胃へ空気を入れると、ゲップが出て苦しい。
「唾液は飲み込まないで出してくださいね」
咀嚼すると喉が動いてカメラのケーブル部とあたって痛いのだが、またそれは判っているのだが、そして飲み込もうとしているのでもないのだが、結局苦しんでしまう。自然と涙目になる。
「ちょっと泡立っているので水をいれますね」
ああ、今回も残渣があるのかな…。
「もう少しですよ。今回は胃の中がきれいで良く見えました。」
救われる一言。
特に指示されることも無かったのに検査室でうがいをすませ、また検査室前の待合室へ。
すっかり慣れた。この病院で受ける内視鏡検査も入院前1回、入院中2回、退院してから今日で3回目。
いつものように食事や水の摂取についての説明があって会計へ。会計では席がないほど混んでいた。こちらは連休あけで、溜まった人があふれているのだろうか。
<術後2年の検査−腹部エコー>5月15日
エコーは内視鏡と違って気が楽。
9時前に病院にはついたがだれも待合コーナーにはおらず。結構すいているのかもしれない、と思って診察券を出す。するとすぐにお呼びがかかる。内視鏡と異なり、こちらは9時前からどんどんと検査を始めているようだ。
上着を脱ぎ、シャツをたくし上げた形で診察をしてもらう。5分から10分の診察。今日は技師の人が撮っている画面をよく見ることができた。ただこれを見てもなんだかまったく判らないのはいつものこと。
前回12月の教訓もあり、胸部X線の検査をしに行く前に血液検査のところへ行き番号札を取る。X線が済んでからならぶとずいぶんと待たされるからだ。
血液検査はもう何度もやっているのだが、今回ここでもらった番号札は、今までもらった15センチ角もあるような大物と違い、よくあるコインロッカーのキーについている4センチほどの小判型の物だった。システムが変わったのかと思いきや実はシステムが変わったのではなく、仮の受け付けでは小判型、本当の受け付けでは大きなものに変わるようだった、2年も前から通っているのに発見はいろいろとある。
X線に戻り10分ほどで検査を済ませ、血液検査に戻る。正式の番号札に引き換えてもらい、しばらく待つ。今日は比較的短時間に尿検査・血液検査。
<術後2年の検査−外科外来>5月23日
問診はいつも混む。9時からの予約で9時10分前に到着。名前を呼ばれたのは4番目。診察は9:30くらいからだったろうか。一人約10分のペース。
「こんにちは。その後どうですか調子は?体重は?」
「前と同じくらいです。特に調子が悪いとかいう点はありません。ただ最近肩が痛いということがありますが。転移だったらいやだななんて考えています。」
「大丈夫ですよ。転移だったら、まずこの辺(首や肩)のリンパ節に出るはずです。では久しぶりなので少し見せてもらえますか。」
「40肩かななんて思っているのですよ。本当は筋力が落ちたためなんでしょうが」
服を脱いで診察台に横たわる。触診、そして聴診。聴診器が冷たい。
「はい終わりです。」
「大丈夫ですね。今回の検査の結果も全部大丈夫です。胃カメラも今回は残渣がなくきれいに見えていて特に気になる点もありませんでした。エコーも見る限り問題なく、X線も。血液はすべて正常範囲です。」
M先生、液晶ディスプレイに表示される血液検査の結果を見せてくれながら
「正常範囲でないと赤く表示されるのですよ。」
と教えてくれる。確かに赤く表示されているところはない。便利なものだと思う。
「腫瘍マーカーも、これはもともと出ていませんでしたけど、低い値です。便潜血も異常なしです。」
「よく5年が一つの山だと言いますが、2年も一つの目安にしています。まだ胃が残っているので、(転移ではなく)残胃に発生することもありますのでそれが少し心配でした。もちろん細胞の検査などで問題無いように(範囲を特定して)切っているので大丈夫なのは判っていたのですが。それでも無かったということは良かったですね。今後も異常がなければ今のペースで(検査すれば)いいでしょう。」
「会社で人間ドックや定期検診があるのですが、受けたほうがいいのでしょうか?この病院できっちりやってもらっているので十分だろうと思っているのですが」
「バリウムを飲む胃のX線よりは胃カメラの方がよく判ります。胃の切り方によってX線では外からの見え方が違うので難しいし小さなものは見えません。食道から十二指腸まで胃カメラで見えますので、食道についてもいいでしょう。」
「ただしエコーでは、胃がんに関係あるところ、上腹部しか見ていません。」
「血液検査も健康保険の関係で必要なところを見ているだけで、(全体の健康管理という側面からは)もっとチェックをする点はあります。普通の法定の定期検診だったらあまり細かいところは見ませんが、人間ドックや成人病検診は細かいところまで見ますので、受けられるのであれば受けてください。そして結果を持ってきてください。」
意外な答えでした。会社の成人病検診も受けておいたほうがよいようです。会社で成人病検診の案内が回っていましたが、それには心電図もあるように書かれていました。
「では6ヵ月後、検査は1年後になりますが、ご存知のように予約システムでは半年先までしか予約できませんので、11月に予約を取ってください。」
<肩痛>
3月中旬に仕事で外出する際に1.8KgのノートPCを持ち歩いていました。1週間強位でしょうか。PCにはACアダプターがあり、そして書類もあるので、鞄全体としては結構な重さになっていたかもしれません。おかげですっかり肩が痛くなってしまいました。PCは右手でもっていました。左はまったく大丈夫です。右腕は、腕を前に差し出して外側にひねるだけで肩に痛みが走ります。まるまる2ヶ月たってもこのありさま。原因はまだわかっていません。特に病院へ行って調べてもらっているわけでもないので、このまま原因がわからないまま痛みに慣れてしまうかもしれません。
すっかり筋力が落ちてこんなことになっているのかも知れないので、少し運動をしてみようと思っています。週末は相変わらずジョギングをしているのですが、腹筋やうで立て伏せと言った筋力系の運動はやっていません。腹筋運動は特に腹を切っている関係で少し恐怖感があり、する気さえありませんでした。実際にうで立て伏せをやってみると、手術前には楽にできたと思っていた回数どころか、5回するのもやっとのありさま。ここ2・3日繰り返しているうちに10回程度はできるようになってきました。そのうちに筋力がもどれば痛みも取れるかもしれません。
<歳々年々>
今回の検査で半年ぶりに病院へ来るとちょっとずつですが中の様子が変わっていました。
- 看護婦さんが配置転換になっていた。
- 一人は外科入院病棟から内視鏡科へ
- 一人は外科入院病棟から内科病棟へ。立ち話をした程度ですが、外科病棟の方が良かった、と。もちろん「こんなことを言ってはいけないのでしょうが」と言う注釈付きの発言でしたが。だれでも新しい環境にはストレスを感じるものです。それとも内科病棟はやはり外科ほど明るくないのでしょうか、ここはほとんどガン専用病院なので大差ないかな、と思っていたのですが。
- 看護婦さんも配置転換はあるでしょうが、ぱっとすれ違っただけでこれだけ確認できたので、もっともっと変わっていることでしょう。
- X線の脱衣室や病棟で地震対策の支柱があったり、アコーディオンカーテンがあったり。
予算があまったのでしょうか。それとも消防のチェックでも入ったのでしょうか。そういえば今まで内視鏡の検査室前で流れていた、検査の受け方のビデオも流れていなかったように思えるし、少しずつ変わっているように思えます。
建設中だった病棟の横で建築中の研究棟も囲いがとれ、今は最後の内装工事でしょうか。今までの研究棟がぼろぼろだっただけに非常に立派に見えます。税金の無駄、という人もいるでしょうが、OB?としてはうれしい限りです。
主治医のM先生の名札も「第1外科医長」となっていました。先生に伺ってもいいかなと思ったのですが、さすがに直接聞くことははばかられ、病院に掲示されているプレートを見に行く。
第1外科部長XXXX。別の名前でした。プレートには部長クラスまでしか書かれていません。
まだ若いM先生は外科医長。掲示されているのは外科部長。病院組織は判りませんが、医長よりやっぱり部長が偉いのでしょう。でも前は胸の名札に医長とは書いていなかったはず。4月にやはり偉くなったのでしょう。おめでとうございます。
自分の周囲が変わるように、病院も変わっていきます。あたりまえのことですが。そう言えば、看護研究の用紙は、2年前だったら絶対にコピーを取って置いたのに。そう反省する自分でした。
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