chapter8入院後検査と入院生活

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入院までずいぶん時間がかかりましたが、これには2つの理由があります。
・病院が混んでいてベッドが空かなかった。
・4月に私が勤めている会社の組織変更があったので、しばらく様子を見たかった。
・連休直前に入院しても、どうせ手術はできないので、連休後の方がいいだろう。

自分ではなかなかいいセンスをしているな、と思っていたのですが、実は大失敗でした。これは後で説明します。

<入院時の全員が行う検査>

◆問診票
2〜3枚の問診票を入院と同時に答えました。自身と家族の病歴、食事の嗜好、性格の自己判断までです。統計をとるのでしょう。

◆蓄尿(その1)
O府立成人病センターに入院すると、おそらく全員が入院後72時間分の尿を、コップに採り機械に入れるようになります。この機械では尿の量・比重を記録していました。

◆蓄尿(その2)クレアチニンクリアランス検査
72時間の蓄尿途中2日目にこの検査をするように言われました。蓄尿の機械に尿を流し込む代わりに、容器にためていきます。入院直後便秘になりかけていたので、少し多めに水分をとろうと心がけていたときだったせいもあり、24時間で3リットル近くも貯まりました。(蓄尿壜はフォトギャラリーへ)

<上部内視鏡検査>

いろいろな事情から内視鏡検査を二回ほど行いました。入院中の二回は、検査というよりも患部をより正確に特定することを主眼としているようでした。このため、「クリップ」と呼ばれる金属マークを胃の中につけています。

内視鏡検査についてはすでに2回も書いているのでここでは前と異なっていた点を簡単にまとめてみます。
・内視鏡検査は麻酔をかけておこなった(静脈注射をした)。
・内視鏡検査室から戻るときには車椅子で帰ってきた。
・おかげでほとんど何も覚えていない。

・クリップというピンを胃に植えた。
・1回目、2回目ともにクリップをしたが、クリップの色を変えることで何回目のクリップか区別するようにした。
・クリップした付近の生検を行っている。

どうも自分は極めて麻酔の効きがいいようで、麻酔のせいで本当にほとんど覚えていません。後から聞いた話を総合したものです。入院中2回目の内視鏡検査を始める前に、内視鏡のI先生(内科の先生)が、「これなら1回目にこうすると言ってくれたら何回もしないですんだのに」と言っていました。

入院中はほとんど楽しみがなく、食べることは数少ない楽しみの一つだったわけですが、内視鏡検査をすると翌日の朝まで普通の白飯から全粥になりオカズも柔らかいものになってしまうので、少しさびしいことになりました。

内視鏡写真はフォトギャラリーへ

<その他の検査>

・血液検査:前夜9時以降は絶飲・絶食でした。

私はしませんでしたが、同じ胃がんでもこの他にいろいろな検査をしているようです。
・CT検査
・止血検査(手術に備えて血の止まりやすさを調べる)

<入院生活>

◆週間カレンダー

基本的に手術日は決まっていますが、手術待ちの患者が多いときには月・水・金にも手術をするそうです。

曜日

入院した病棟

外科

回診(総長・院長が隔週で実施)

シーツ交換

手術日

(シーツ交換)

手術日

休み

休み

休み(体重測定)

休み

◆1日のスケジュール

普段はこんなスケジュールで動いています。検査があれば時間もつぶれますが、検査もなく入院していると暇でしょうがありません。しかもこの病棟では個室以外テレビなしなので、如何に時間をつぶすかが問題になってきます。幸い私には入院のために買ったノートPCがあり、デジカメで写真を撮ったり、ホームページの編集をしたりしていました。結構忙しい思いをしました。

時刻

項目

6:00
8:00
9:00

起床
朝食
検査開始

寝起きに血液検査がある場合には6:00〜7:00の間に病棟看護婦が採血しにベッドへ

12:00
14:00
18:00
21:30

昼食
検温
夕食
就寝

14:00〜17:00入浴(制約ある人)
17:00〜20:00入浴(一般)
面会は15:00〜19:00

◆食事について

病院の食事はうまくない、冷たいと聞いていたのですが、「それほど悪いものではないな」というのが私の感想です。仕事の関係でいくつかの会社の社員食堂で食べたことがあるのですが、中くらいといったところでしょうか。1日あたり数百円で作っていることを考えると非常によくできているのではないでしょうか。食事は誤配がないように各人のベッドのところまで名前を確認しながら配膳してくれました。下膳は各自で行うのですが、病人にとってはこれさえありがたいものです。(病院によっては自分でとりに行くところもあると聞きました。)

◆病室の設備

病室は個室(差額ベッド約6,000円〜20,000円)と総室(4人部屋)があり、私は入院から退院まで総室にいました。総室には次の設備がありました。
・ベッド(当たり前)
・床頭台(ベッドの横に置く机、食事はここへ運ばれる)
・ロッカー
・椅子
・洗面台(共用)

ベッドはテレビで最近よく宣伝している「介護ベッド」で、頭側の上下、足側の上下、全体の上下の3つの動きをそれぞれ支持することができるようになっています。2つのメーカから購入されたようで種類がありました。そしてベッドは入院したときに決められ、退院まで同じベッドを使うことになります。ちなみに国立循環器病センターで心臓移植患者が運ばれていたテレビを見ましたが私が使用していたのと同じベッドでした。

<入院時期について>

入院申し込み手続きをしたのは3月17日で、実際に入院したのは5月14日でした。入院が遅くなった理由を前に書きましたが、入院期間を短くする、と言う面では連休明けに入院したのはどうも間違いでした。病院も休みの日は休みでその結果、休みの日は手術が行えません。その分手術待ちの患者は多くなります。しかし休みの日であってもよくなった患者はどんどん退院して行くので、補充としてまた手術待ちの患者が入院してきます。こうして連休明けすぐに入院すると、待ち時間が一番長くなるようです。(あくまでも推測ですが。)また学会などがあると、医師がそちらに出席する関係で、待ち時間は長くなる傾向にあるようです。手術はチームプレーで行われているので、たとえば麻酔学会があるといくら外科医が余っていても、麻酔医が不足して手術はできなくなってしまいます。その結果、このO病院では通常入院してから10日〜2週間で手術ができるのですが、私の場合3週間も待つことになりました。

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