chapter5病院の選定

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<国立O病院の日程>

1999年3月3日は水曜日でした。3月5日はすでに出張の予定があったので、明日4日に病院へ行こうと考えました。そこで初診の受付時間などを調べようと医務室から帰って、職場の自分の机で他の人に見られないように国立O病院のホームページを探しました。そして受け付けの流れや診療日などを見て、プリントアウトしてこっそりと鞄にしまいました。

そのまま仕事を続けるつもりでしたが、やはり気になってチラチラと先ほどのページを見ていると、あれ、木曜日は初診がない、ということに気がつきました。そうなんです。初診は月・水・金だけで火・木は手術日ということになっていました。また、こんなことも書いてありました。「癌と判った場合は原則として1(2?)週間以内に入院していただきます。」

医務室のS先生も早く手術したほうがいいようなことを言っていたので、これは好都合だな、でも明日がだめなら、月曜日に行くしかないかな。

<本を読む>

自宅に帰って、今日医務室で言われたことを妻に伝えました。そして胃カメラの写真を見ながら話ました。
「今日、会社の医務室でかなり早期の胃がんだって言われたよ。でも今切れば、ほぼ間違いなく直るそうなんだ。」

あとから聞くとやはりかなりのショックを受けたとの事でしたが、そのときはあまり動ぜず、「お医者さんがそういうのなら大丈夫よ」と言っていました。

翌日家に帰ると、家内が買ってきた本が何冊かありました。結局購入した本は次のようになります。(大きな書店に行くと山のように癌関係の書籍があります。これらはたまたま購入しただけで、いい本かどうかはまったくわかりません。)

著者

書名

出版社

定価

No

近藤 誠

それでもがん検診うけますか

ネスコ

1,456-

1

近藤 誠

がんは切ればなおるのか

新潮社

1,262-

2

近藤 誠

ぼくがすすめるがん治療

文藝春秋

1,429-

3

藤井 護郎

ガンとたたかうガンと向きあう

農山漁村文化協会

1,267-

4

尾形悦郎・末舛惠一

がん 治療と予防

PHP研究所

2,718-

5

小川一誠・田口鉄男

知っていればこわくない

ガンの早期発見と治療の手引き

小学館

2,430-

6

宮田 親平

病院えらび事典

文藝春秋

2,571-

7

旭丘 光志

ガン・成人病を劇的に癒したAHCC

実業之日本社

1,600-

8

旭丘 光志

AHCCの新威力

実業之日本社

1,500-

9

(順不同)

翌日から出張の際に、3番の本を持って行きました。そして、会社の医師の指示通りにそのまま病院に行っていいものかと悩み始めました。

<本屋にて>

3月7日(日)

妻が買ってきた本以外にもなにかないか探しに、少し大きめの本屋に行ってみました。上にも書いたようにそれは多くの本がありました。いくつか見ている中で、「これだけは知っておきたい癌治療の知識」(篠原出版)の後ろのところに癌の患部別の「名病院」リストがありました。まあ、これがすべてという訳ではないでしょうが、そのリストの胃がんの欄には会社の医務室で紹介状を書いてもらった国立O病院は載っていませんでした(腸癌については載っていました)。ところが紹介状を書いてもらわなかった、O府立成人病センターについてはリストに載っていました。そして、「内視鏡的な手術に優れている」と記述されていました。医師の氏名と内科とも書かれていました。

<病院はここにしよう>

家に帰ったあと会社の医務室で書かれた紹介状を見ながら考えました。紹介状の宛名は「国立O病院外科ご担当」となっています。特に医師の指定はありません。また、外科があて先になっています。ということは、
・国立O病院へ行けば、有無を言わせずいきなり確実に外科手術される。
・この紹介状を持って行っても特に厚遇されることはないのではないか。
などなどと考えました。多分に出張中読んでいた近藤誠氏の著書の影響があったかもしれません。ただ気がかりなのは、紹介状を書いてもらった先生が嫌な顔をしないか、紹介状に書いてある内容をどうやって伝えるのかということです。

だが悩んでいてもしかたありません。大切なのは自分自身です。身体は一度切ってしまったら元に戻りません。いきなり外科に行かずにまずどんなことができるのか、いろいろな意見(まずはセカンド・オピニオン)を聞いておくべきだと考え、O府立成人病センターに行くことにしました。日曜の夜、9時過ぎの事です。

<まとめ>

自覚症状がなく、健康診断で癌と宣告されても、大至急入院して手術をする必要があることはほとんどの場合ありません。3ヶ月・6ヶ月と長いこと放置しておくことは好ましくありませんので、次のようにしたらどうでしょうか。

まず、癌という病気を理解する。自身の癌はどんな分類でどのようにすべきか考え、必要であれば他の医師の意見を聞き、どこの病院でどうしてもらうのか調べて決める。

私の場合、紹介状を貰っていたのでそれが一つ引っかかりになりましたが、そんなことは気にせず、自分の信頼できそうな医師のところへ行く。

では自分の選んだ病院でどのように見てもらうのか、ということは次のところで述べたいと思います。

(本ページここまで)
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