「ねえ、やっぱりこれが魔法を打ち消してるのかい?教えてくれよ」
「うるさい!誰が教えるか!」
「どうして自分の魔法を打ち消してしまうモノなんか欲しがるのさ?」
「くたばりやがれ、この変態!」
「結局さ、君が持ってても意味がないモノじゃないの?これって」
「黙れ、巨大メガネグマ!」

 彼女の一方的な攻撃をさけながらあなたは問いかけつづけました。その攻防は軽く1時間をこえました。そうなってくると体力的に男で、しかも激しい運動を普段から余儀無く去れているあなたの方が有利でした。

「……わかったよ、話せばいいんだろ、このコンチクショウめ」

 結局彼女は折れて話をしてくれることになりました。

          

 
「つまりはさ、こういうことなのさ」

 彼女が話してくれた内容を要約するとこうでした。

 彼女は伝説の魔法使い達の王国の姫君だったのですが、そのわがままというか、奔放すぎる性格の為国を追放されたのです。しかし彼女が他の国に行ってしまえば自分達の国が確かに存在するのだということがあきらかになってしまうため、彼女をこの森の屋敷に閉じ込めたのです。しかも、彼女は魔法使いの王国の中でも歴代の名高い魔法使い達に匹敵する程の魔力の持ち主だったため、
追放したことに対する報復をおそれて彼女の魔力を封じ込めてしまったのです。
 ですが彼女の魔力はその封印の限界をこえるほど強大なもので、本来の能力の10分の1以下に封じられはしたものの少しの魔法なら使えるのだということでした。

「その護符はあたし専用でね、あたしの魔法や魔力を打ち消す仕組みになってる。森には魔法がかけられててさ、あたしの魔力を少しでも察知すると永久に森の中をさまようことになっちまうのさ。だけどそれさえあればあたしの魔力をうち消せるから、森の魔法が発動しなくなってあたしはこの森から出られる。そしたら何とかしてその護符をぶっ潰してさ、世界中を旅するんだ。あたしはあたしを縛るすべてのものから自由になりたいんだ」

 キリコ、そう名乗った少女の瞳は爛々と輝いていました。


 

 
「だったらさ、一緒に森を出ないか?」
「えっ」

 あなたの問いかけに彼女は目を白黒させています。

「俺の国にはものすごく大きな図書館があるんだ。世界で最大って言われてる、ね。そこには失われた知識、つまり魔法についての書物もたくさんあるんだ。普通の人には貸し出すどころか見せてもくれないだろうけど、世継ぎである俺の紹介なら見せてもらえるはずだよ。なんなら俺も手伝ってもいい。魔法って代物がどういうものなのか興味があるんだ」

 あなたのその言葉に少女はしばし考え込み、彼女にとっての嬉しい申し出を素直じゃない言葉で受け入れました。

「あたしがあんたに魔法について教える、そのかわりあたしは自由に本を調べられる、これってギブアンドテイクだよね」
「そうだよ」
「じゃあ乗った!あたしはあんたと一緒に行くよ」

 彼女はとても綺麗に微笑みました。

                               こっちをクリックしてね