ナチシケシダ(メシダ科シケシダ属)  那智湿気羊歯
         Deparia petersenii var. petersenii

(特徴) 夏緑性。根茎は這う。葉柄はわら色、基部鱗片は広披針形、褐色。葉身の形、大きさには変異が大きく、標準的には長楕円状披針形の単羽状複葉、緑色の厚みのある柔らかい草質で中型。葉身の先端はしだいに狭くなり鋭尖頭。羽片の先端は鈍頭〜鋭頭。中軸、羽軸、葉脈に毛が生える。葉はやや二形で、胞子嚢群は長楕円形で中肋と辺縁の中間〜中肋寄りにつく。包膜は胞子嚢群を包み込まず扁平で辺縁は裂け、無毛。山麓から山地の林縁で稀に見られる。
 最近、変異の大きい広義のナチシケシダは、倍数性レベルでは4、5、6倍体であり、この内6倍体は変種ヒメシケシダ、4倍体はナチシケシダ、5倍体は両種の雑種と区分された。この内、狭義のナチシケシダの中でも変異があり、幅広の型はヒロハシケシダ、幅の狭い型はコシケシダ、葉に斑が入る型はアサマシケシダの名がついている。
(撮影・2011年6月29日、滝畑)


(この画像から入られた時は下のボタンをご利用ください)

シダ図鑑表紙へ<        >HOMEへ