前回お話したように頭を下に向けすぎてしまっている人、「症状」としてはフィニッシュで手を抜きにくい、リカバリーで手を前に伸ばしにくい、呼吸をしないときは息苦しいなどと感じている人は呼吸をしないときでも呼吸をするように、少し前を見て「仮の呼吸」をしてみましょう。そうすることにより頭の先から首、肩、腰へと一直線になり、胸をはり少し体が反るようになります。これがバタフライのフィニッシュで力の入る形です。 画像は99年のパンパシフィック選手権でアメリカのJ.トンプソン選手が世界記録を樹立した時のものです。 彼女は呼吸をしないときでも水面に平行に、そしてまっすぐに首を伸ばしています。 そのおかげか力強いフィニッシュとスムーズなリカバリーが目に付きます。 またリカバリー後、入水時にも頭を高く保っているために体も高く保ち、水中に潜りすぎることがありません。 頭を下げてしまうと頭の先が指す方向に体の動く方向も導かれ、入水後体全体が下方向に進み、深く潜りすぎてしまいます。深く潜った体を再び引き上げるためには体を上に上げる力を使わざろうえず、前に進む力を使えません。 結局、余計な上下動を必要としてしまい、その差がレースの最後でタイム差になって現れます。 a.とb. の違いは体を立ててみるとよくわかります。 「立てて」みましょう。 立てたa.とb.を見ながら実際にやってみるとよくわかりますが、a.ではフィニッシュのときに後に手を抜きにくく、力も入りにくいことでしょう。そして手を上(水の中では前)へ持っていこうとするとやはり引っかかるような感じがあると思います。 これらは全て首が曲がり、背中が丸まっていることによる影響です。 背中が丸まることにより、肩も内側へ丸まり、力が入りにくく、肩も回りにくくなるのです。 呼吸をしないということと、顔を上げないということは別のことで、ましてや頭を突っ込んでいることは大きな誤りです。 力強く泳ぐために「仮呼吸」をしてみましょう。
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