「田中選手の泳ぎその3」では、正しいプルについて考察してゆきます。 1.アウトスウィープの2つの役割 アウトスウィープには2つの役割があります。 1つは推進力で、もう1つはインスウィープの準備段階の役割です。 2.動き アウトスウィープで手のひらを外へ向けなくてはいけません。外へ向ける(=ひじが斜め上向き)ことによりこの局面でも推進力を得ることができます。ここで手のひらが下を向いてしまう(=ひじも下向き)と推進力は得られませんし、一番大事なことですが、インスウィープが始まる前にハイエルボーを作ることもできません。 クロールでハイエルボーが大事といわれているように平泳ぎでもハイエルボーが重要です。平泳ぎのハイエルボーはアウトスウィープの途中から見ることができます。 アウトスウィープでハイエルボーを作れればインスウィープに変わった時に斜め下向きに水を押さえ、体を前方に引き上げることができるのです。 インスウィープの準備段階であるアウトスウィープで手のひらが外を向いていないとハイエルボーができず、インスウィープになっても体を前へ引き上げる力を生み出せないのです。 3.対処 アウトスウィープで手のひらの角度をつける。小指をもっと高く、親指を下げる。 手のひらを立てると同時にひじも高くする。 そしてインスウィープが始まるまで頭を上げようとしないことです。 頭を「上げる」事を意識してしまうとインスウィープの段階でひじが肩よりも落ちてしまい大きな力を発揮できません。 アウトスウィープの途中で頭を上げてしまうと頭の上がることの反作用で腰の位置が下がります。腰の位置が下がることにより体は立ち上がり、前面からの水の抵抗を受けます。 頭を上げなければストリームラインを保ち、キックからアウトスウィープの段階でスピードを落とさず、スムーズな加速とハイエルボーを作ることができます。ハイエルボーができると爆発的なプルのフィニッシュ、加速を得ることが出来、1ストロークの長さを伸ばすことができるでしょう。 やはり平泳ぎで重要なのはストリームラインを大事にし、できるだけ保つことです。プル動作においてはひじを高く保ち、首をすくめ、肩をせり上げて「肩が入った形」をとり、腕の力だけではなく肩からひじまでの力を十分に使った力強いプル動作をすることが大事です。
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