ポポフの泳ぎ−2秒47の差 その3


3,さらなる「違い」

(2)体から見た手の動く場所の違い

日本選手はかき出しから手はまっすぐで、そのまま内側に入り、横回転ローリングにより体が回るのに伴いより内側へと入っていきます。そのため力が入りにくい場所を手が動いています。

ポポフはかき出したときには体の外側へとかいています。縦回転ローリングにより体が回っても最初に外側へとかき始めているので体の内側へと入ってきません。 最初と中盤それぞれで力の入りやすい場所をかいているので力を効率よく使っています。

実際には体が回りながら、手も動いているためにわかりにくいのですが体と比較すれば日本選手は体の内側を、ポポフは体の外側を手が動いているのです。
4,カヤック・プリンシプル

ポポフとそのコーチが言っているのが「カヤック・プリンシプル」というものです。 カヤック(カヌー)のオールを動かすように手を動かすと言う考えで、両方の肩を連動して動かしています。 その練習のために陸上で実際にバーを持ってイメージトレーニングもしています。 両方の肩を連動させることにより絶えず力を発揮し、また肩のローリングをより意識することができるのでしょう。

姿勢について
「ポポフは下を向いているためにより浮きやすい」ということは前にも言いましたが、効果はそれだけではありません。肩を動かし易くなるのです。顔が下を向いている方が首と肩の緊張がなく、肩を動かし易くなります。顔を上げると首と肩の間が狭くなり肩を大きく動かせません。そのため肩の回転と肩の内側への動きを邪魔してしまうのです。

最後に

世界と日本の差は身長差や体力差などがその根拠に上げられます。決まり文句のように「パワーの前に破れる」、「技術はあるのに」などと言われますが、スピードの差は技術による部分が大きいと思われます。どんなにパワーを付けたとしても今の泳ぎで50mを22秒で泳げるでしょうか?無理な話です。その人の泳ぎ(=技術)で最高の速さは決まってしまいます。練習では、「自分の泳ぎの中での最高の速さ」にどれだけ近づけるか、それを「どれだけ続けられるか」が決まるだけです。「速く」なるために技術を磨きましょう。


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