リレーエッセイ

少し気になること(立川昭彦)

   えーーっと、先月号で柳沼俊之さんから「しっかり者の立川さんへ」と指名されてしまった立川昭彦です。何を根拠に「しっかり者」と呼ばれてしまったのか、自分では訳がわからなくて、あれこれと考えを巡らせたあげく、眠れない夜を過ごしました。考えに考えた結果、「うっかり者」の柳沼さんがうっかり口をすべらせてそう言っただけだと思い、深く考えるのはやめる事にします。思えば小学生の頃から、日直(なんて懐かしい言葉!)や掃除当番に指名されたりすると、さっさと雲隠れしてしまうタイプだったので、締切りを過ぎても知らん顔していようかと不埒な考えをしたりするのです。でも、リレーエッエイは柳沼さんをもって最終回となりました、と言うにはまだ早すぎるような気もするので、何とか文才を発揮して読者に勘当と波だ、いや間違えました、感動と涙を与える様な文章を書いて次の人につなげなければ、編集長である平野先生に叱られてしまいます。
 何せボクは小学生の頃から、先生に叱られるのは好きではなかったのです。

 さて、えーーっと、エッセイなんて生まれてこのかた書いたことがないので、ボクは緊張しています。日本の夏はやはり緊張だね、なんて、あっ、すいません。まじめに書かないと、また平野先生に叱られてしまいます。エッセイと言うからには、やはりテーマをきちんと決めて書かないといけないのですね。ここでしっかりした名文を書かないと、ボクは柳沼さんに対しても顔向けが出来なくなってしまう。柳沼さんにはひとかたならぬお引き立てを戴いていて、常々ビールの飲み方に関しては随分と色々なうんちくを授かっているのです。(うんちくんではありません)製造年月日だけでなく保管温度が大切なこと、ただ冷えていれば良いだけでなく飲みごろの温度がある事、グラスは冷やしておく事、等々。それまでは、おいしいなぁーっと感動していたビールも、酒屋で日向に置かれていたせいか、苦味がちょっと違うかナァー、などと「通」ぶって、素直においしいとは言えなくなりました。これもひとえに柳沼さんのご指導の賜物であります。あっ、また話が外れてしまいました。

 えーーっと、実は5月の中旬から二週間程、信州へ行っていました。そこで少し気になった事がありました。ボクは遊歩道を歩いて写真を撮っていたのですが、そこへ小学生の遠足の集団と行き合いました。こんな時は以前だったら、「こんにちは」「コンニチハ」「今日は」と、返事をするのに疲れてしまう程皆が皆、挨拶を交わしてすれ違って行ったものでした。それが最近ではこうした場合でも、挨拶する子供が随分と少なくなったような気がするのです。ハイキングコースや登山道などで、行き交う人同志たとえ知らない人でも、挨拶するのが常識だったと思うのですが、この頃では大人でも声を掛ける人がかなり少なくなったように思います。

 何か寂しいですねえ。

 えーーっと、そろそろページが埋まってきたようなので、このくらいにしておきます。
ここ一年程、酔水会の行事には顔を出していないので、しばらくご無沙汰している、お元気ですか?星野君のいつもマイペースな雰囲気がとても心和みます。ボクのバトンを受け取って下さい。

リレーエッセイ インデックスへ酔水新聞トップページへ

ご意見ご感想はこちらまで