★  第10回  ★ 

 久しぶりのタンデム走行
BMWに久しぶりに乗った。それもいきなりタンデムで。短い距離だったが、ものすごい緊張してしまい、交差点でもふらついていた。ふらついていたのは、自分のライテクが下手なのだと落ち込んでいたが、タイヤの空気圧を調べたら規定の半分近くまで減っていた。ふらついて当たり前だ。
3月の下旬から気温の暖かい日が続いたので、バイクに乗りたくて仕方がなかった。彼女もタンデムがしたかったらしく、今度はもっと遠くへ行こうということになった。しかし、ツーリングの前日、洗車をしようとしてバイクを見て愕然としてしまった。リアタイヤがパンク・・・。前に乗った時、渋滞を尻目にすり抜けをした。その時に走った路肩で、針金を踏んでしまったようだ。針金でパンクするなんて、運が悪いとしかいいようがない。
修理をして準備をしていたら、あっという間に昼になってしまった。これからでは遠くに行けないので、ツーリングは断念して散歩ツーリングに変更した。天気予報とは裏腹に、空はどんより曇っていて、空気は少し冷たかった。以前から行きたいと思っていた東松山郊外のそば屋で遅い昼食を摂った。知らない店に初めて入るのは勇気がいる。「人を誘っておいて、美味しくなかったらどうしよう。」と余計な心配をしてしまうのである。幸い、この店の味は満足できるものだったので、ホっとしたのだった。
いまいちエンジンの調子が悪いのが気になるが、それ以外は走っていて気持ちいい。規定の空気圧に調整したおかげで、交差点も気持ちよく走れる。(空気圧はこまめに調べましょう!) 彼女もタンデムシートでご機嫌の様子だ。その雰囲気が僕にも伝わってくるので、走っていて楽しい。しかし、あまりの楽しさに2人ともタンデムしているという緊張感がなくなってしまうのは、考えものだが。
今回の散歩ツーリングは、パニアケースを両側に装着して走ったのだが、彼女はそのパニアケースで両足を支えられることを発見した。そのおかげで、両手放しでも体を支えることができて、とても楽になったという。ますます、緊張感がなくなってしまうではないか・・・。
ちなみに、エンジンの調子が悪いのはオイル交換とタペット調整をすれば解決しそうだ。

■レース日記 第10回

3月31日(金) 筑波練習走行

今年の初走行は、オーバーホール後の初走行になった。しばらくエンジンをかけていなかったので、始動には手間取った。エンジン始動後は、マフラーから快音が響き渡った。同行していた井出君も「いい音っすねぇ」と聞き惚れていた。
オーバーホールされたエンジンの快調にも助けられて、今シーズンの初走行は例年にない好調な走りができた。1回目の走行は緊張してしまいラップタイムは11秒止まりだったが、2回目の走行の後半には8秒台がでた。サーキットを走るのは去年の12月のレース以来であるので、約4ヶ月ぶりだ。この結果には、自分でもとても驚いた。エンジンが慣らし中なのでタコメータを睨みつつの走行だったが、1ヘアピンの立ち上がりでアクセルを大きく開けると、フロントの接地感がなくなる。

4月1日(土) 筑波練習走行

2日連続で練習は久しぶりだ。4ヶ月というブランクの後で、集中して走り込めるのはとてもいいことなのだが、2日連続で早起きは、寝不足の体にはきつい。筑波に着くと土曜日ということもあって、パドックはすでに混雑していた。
空いている場所を見つけて準備を始めた。まず、リールコードを使って電源を確保した。そして、タイヤウォーマーを巻いて・・・、と思っているとコードの上を、清掃車が通過。あっと言う間に、機械に巻き込まれたコードは切断されてしまった。慌てて運転手(サーキット職員)にコードが切れてしまったことを説明したところ、弁償してくれることになった。
不吉な予感がしたが、気をつけて走るしかない。土曜日ということもあって、コース上は大混雑している。その上風が強いために、最終コーナーでバイクがあおられる。全く気持ちよく走れないまま、2回目の走行に入る。後半、5台位の集団の後ろに追いついた。みんなぎりぎりで走っている雰囲気だったので、「コーナーで抜くのは危ないなぁ」と思い、アクセルを戻して集団から少し離れた。案の定、その直後に2台が接触して転倒してしまった。
「練習の時は、タイムアタックのような走りをしても意味がない。」と言われたことがある。頭を真っ白にして走るのは、レースの時だけでいい。目の前の転倒を見て、「練習の時はもっと余裕を持って走ろう」と改めて思ったのだった。

燃料タンクのメッキ(その3)

タンクの塗料がなかなかきれいに剥がれず手間取ってしまい、メッキ工場に渡すのが遅くなってしまった。その上、タンクの下側の塗料を剥がすのを忘れてしまい、もう一度やり直しになってしまった。ようやく、完全に塗装を剥がしたタンクをメッキ工場に渡すことができた。なんとか、5月のレースには間に合わせたいものだ。

身分相応・身分不相応

土曜日のサーキットは平日に比べて、色々なレベルの人が走るので危険なことが多い。先日の走行はそのことを改めて実感した。誰でも最初は初心者であるから、必死で走っても遅い。だから、初心者は初心者のクラスで走るべきである。これは、本人の安全の為でもある。しかし、それを理解せずに中級クラスを走っている大馬鹿者が2人いた。
Aさんは、傷一つない新車のドカティに1台分で70万円(!)のホイールを装着し、タイヤウォーマーを巻いて準備万端の様子。しかし、彼はタイヤウォーマーで暖めたタイヤが冷えてしまうような速度でしか走れなかった。挙げ句の果てには、最終コーナーを曲がりきれずにコースアウト。転倒は免れたもののグラベルから脱出できず、練習走行が終わるまで新車のドカティはグラベルに横倒しにさせられてしまった・・・。
Bさんは、久々に見た女性ライダーだった。背中には、「慣らし中なのでお先にどうぞ」を示す"ナ"の文字がガムテープで貼ってあった。しかし、彼女は必死に走っていた。周りは一切見る余裕がないようだ。コーナーではバンク角が一定せずにフラフラしている。そんな状態にもかかわらず、彼女の仲間はサインボードでラップライムを彼女に出していたようだ。サインボードを見る暇があるのだったら、もっと走りに集中したほうがいい。挙げ句の果てに、彼女は転倒してしまいレッカー車に載って帰ってきた。肩をガックリ落として。
2人とも、コーナーで全くバイクがバンクもせず膝も擦らないようなサーキット初心者だ。アクセルを思いっきり開けたいからサーキットで走りたい、と思ってサーキットで走ることはいいことだと思う。しかし、この2人が中級クラスを走ることは、危険極まりなかった。もっとアクセルを大きく開けられるようになって周りを見る余裕ができるまで、この2人はもっと初心者クラスで練習した方がいい。周りを危険な目に遭わせない為にも、自分が怪我をしない為にも。

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