★  第9回  ★ 

 スキーとバイクの関係
今月の上旬、ひょんなきっかけからスキーの検定を受けた。その時の検定をしてくれたスキークラブの代表の人は、某スキースクールの校長を務めていたというTさんだった。講習の合間の雑談からTさんはバイクの達人であることがわかって、話題がスキーからバイクに変わってしまいそうになった。Tさんはモトクロスとトライアルで活躍していて、メカニックや競技役員も務めていたという。Tさんばかりでなく、クラブ員の中には何人もバイクに乗っている人がいる。
バイクとスキーの共通点は、体重移動により道具を操作することである。いかに効率よく自分の体重を利用できる方法を覚えることが、上達には欠かせない。必要なのは体力よりもスタミナ。基本的なコントロールには、筋力は必要としないのだ。
講習で教わったことは、「上下動を与えれば回そうとしなくても、板は勝手に曲がってくれる。」ということだった。バイクも体重のかけかたさえ間違わなければ、勝手に曲がっていってくれるようになっている。しかし、バイクの練習は難しい。スキーはよほど変な転び方をしなければ怪我をすることはないが、バイクはそうはいかない。だから、バイクは低い速度で、地道に練習しなければならない。
何事も、練習は楽しくないと上達しないと思う。上手く行かなくて辛くなることもある。そんな時は、ちょっと距離を置いてみることも必要になると思う。練習に没頭することも必要であると思が、時には気楽に考えることも必要ではないだろうか。
最近、そんな考え方ができるようになったのは、少し成長した証拠なのか。それとも、年をとって勢いがなくなったせいなのか…。
 どうなってしまうのか世界GP
不況といわれてから久しい。市販車を改造して行うスーパーバイクは、今年から新たにイタリアからビモータの参戦が予定されているなど、明るい話題に事欠かない。さらに来年からは、往年の名メーカであったモリビデリの参戦も予定されているという。そうなると、日本の4メーカ(ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキ)とイタリアの4メーカ(ドカティ・アプリリア・ビモータ・モリビデリ)の8社の参戦となり、様々なメーカのバイクがサーキットを駆け巡り、見ていても興味深いものになるだろう。
世界GPは10年程前から、最高峰の500ccクラスの参加台数の減少に悩まされていた。移動費のかかる南米ラウンドになると、ひどい時は参加台数が10数台という時もあった。そんな状況を打開する為に色々なアイデアが出されたが、どれも解決策にはならなかった。
ヨーロッパに、エンジンを作っているROTAXというメーカある。80年代までは250ccクラスには、そのエンジンを使ってヨーロッパのコンストラクター達は、フレームを作りオリジナルのレーサーを作り上げていた。しかし、日本のメーカがワークスマシンの開発に力を入れ始めた頃から、ROTAXエンジンは戦闘力を失っていった。その流れに対抗できたのは、アプリリアだけだった。アプリリアは当初、ROTAXエンジンを使っていたが、90年代からオリジナルのエンジンを開発し、日本のメーカと互角に走れるようになっていった。しかし他の小さなメーカはレースから撤退していまい、今ではホンダ・ヤマハ・アプリリアの3メーカだけになってしまった。コストの比較的かからない250ccでさえこのような状況であるから、500ccとなれば状況はもっと厳しい。しかし、色々な人達の努力により、ホンダ・ヤマハ・スズキの日本3メーカの他にアプリリア・モデナス・MuZ等々が走るようになった。
レースで一番コストがかかるのはエンジンの開発である。フレームや車体等はノウハウがあれば、比較的簡単につくることができる。個人的には、レギュレーションを「ワークスマシンを6台走らせるメーカは、エンジンを6台分用意する」というようにすべきではないかと思う。もしくは、Fー1のようにメーカはエンジンの開発に専念し、エンジンのみを供給するようにすればいいのではないだろうか。フレームを作れるようなコンストラクターが、ヨーロッパにはたくさんいるのだから。
世界GPは今大きな転機をむかえようとしている。レギュレーションの大幅な変更も考えられているという。しかし、必要以上のコストがかかるような変更だけはして欲しくない。参加の間口だけは、決して狭くして欲しくない。

■レース日記 第9回

燃料タンクのメッキ(その2)

タンクの塗料があっさり剥がれず手間取ってしまって、メッキ工場に渡すのが遅くなってしまった。その上、タンクの下側の塗料を剥がすのを忘れてしまい、もう一度やり直しになってしまった。いつになったら、メッキタンクは完成するのだろうか?

エンジンのオーバーホール(その2)

エンジンのオーバーホールについては、いろいろ考えた。どうせやるならボアアップして排気量を大きくすることも考えた。しかし、シリンダーを削って排気量を大きくしてしまうと、シリンダーの強度は落ちてしまう。結局、メーカ純正のオーバーサイズのピストンを使って純粋なオーバーホールにしてもらうことにした。
オーバーホールにあたって、シリンダーヘッドを3回も分解したくらい徹底的にチェックしたそうで、その分、工賃+部品代が物凄い金額になってしまった。
2月下旬、オーバーホールが終わったゼファーを月木レーシングに取りに行った。既に引っ越しが始まっていて、ショップの中はがらんどうになりつつあった。それを見ているととても寂しい気持ちになり、しばらく立ち尽くしてしまった。月木レーシングにお世話になり始めてから3年半が、あっという間だったような気がする。幸いなことに安心して頼めるショップがあるので何とかなりそうだ。しかし、月木レーシングはカワサキ専門であるので、カワサキ車に対するノウハウはとても豊富だった。東京からショップを引き上げてしまうことが残念でならない。

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