★  第3回  ★ 

 ホンダ・コレクションホールを見て思ったこと
先日、ツインリンクもてぎに練習に行った帰りに、ホンダのコレクションホールを見に行った。これは、ホンダの設立当初からの製品を保存しているものだ。創設者の本多宗一郎は「自分が生きている間は銅像をたてるようなことはするな」と言っていたことがあるらしく、生前はコレクションホールのようなものを建てることができなかったというような話を聞いたことがあった。
各フロアに所狭しと並べられた車とバイクを見ていると時間があっという間に経っていってしまう。今回は時間がなかったのでじっくり見ることができなかったのが残念だった。バイクに関していえば、ホンダのバイクの大半を網羅しているといっていい。ホンダは本来バイクのメーカであるし、バイクの方が自動車よりも場所を取らないのでその分多く展示できる利点もあるので、当然といえば当然なのだが。とにかく、展示しているバイクの凄さに、感動しっぱなしだった。
戦後、日本にはバイク・メーカが数多くあった。レースで勝てるバイクを開発することが技術力の向上につながり、そして売り上げ台数に結びついた。日本で始めてレースが行われたコースは、群馬県の浅間山の麓の砂利道の一般公道を閉鎖したものだった。後には専用のコースを使うようになったが、依然として路面は砂利道のままだった。このような劣悪な条件を生き残ったからこそ、日本のバイクメーカは世界に通用するメーカになることができたのだと思う。
日本のバイクメーカの原点とも言える浅間に"浅間ミーティングクラブ"という有志の人達が作った記念館がある。それは"鬼押し出し園"の火山博物館の隣にある。当時の写真を見ていると、技術の進歩は凄いと思う。たまには、"古き良き時代"に思いをはせるのもいいなと2つの展示を見て思った。他にも、ヤマハも往年のバイクを展示しているという。機会があったら見に行こうと思う。

■レース日記 第3回

■7月31日 筑波練習走行
今年の夏はとにかく暑い。この猛暑の中を皮ツナギを着て30分間全力で走っていると体中汗びっしょりになる。去年の夏の頃から、練習走行が終わるとグッタリ疲れてしまうのは年のせいだと思っていた。しかし、原因は水分不足だったようだ。今年は走り終わると、喉がとても乾くのでペットボトルの水をがぶ飲みするようになった。2リットルの水があっという間になくなってしまうくらい飲むと、疲れがそれほど残らないことに気がついた。今までは、半分脱水症状でフラフラしていたということなのだろう。
暑くてだらけて走っていると、練習にもならないし、とても危険だ。その点、今回の練習は気合が入りすぎていた。なにせ最終コーナでオーバーランしてしまい、グラベルに飛び出してしまうくらいだった。ちょっと勢いに任せすぎた感じだった。

■8月11日 筑波練習走行
あまりの暑さに今回は、「熱さまシート」を貼って走ってみた。ヘルメットをかぶる時に"熱さまシート"が少しずれてしまうのでかぶり方にコツが必要だが、効果は抜群で気持ちよく走れた。しかし、暑さでタイヤがすぐにタレてしまう。去年まではアクセルを思い切り開けられなかったので、タイヤには不満がなかった。今年になってエンジン・走り共に調子が良くなってきてから、コーナの立上りでタイヤがやたら滑る。走り終わったタイヤをみると、明らかに加速時にタイヤがスピンしたような跡が残っている。対策としてはタイヤを太くすることだが、ホイールの変更は費用がかかる。10万円位はかるくかかりそうだ。

■8月12日 ツインリンクもてぎ練習走行
2日連続サーキットは疲れる。「もてぎ」は家から遠いからなおさらだ。7時間耐久レースを2週間後に控えているので、練習走行するバイクでサーキットは混んでいる。曇りという天気予報が外れ、真夏の太陽がサーキットを照らし始め気温がどんどん上昇する。
前回の練習走行で速いバイクに凄い勢いで抜かれたので、今回は走る前からかなりビビっていた。その上、あまりの猛暑でオーバーヒートでエンジンが壊れてしまいそうな感じがしてしまい、アクセルを全開にできない。そんな走り方では、いつものように抜かれる一方だった。
今回走って実感したのは、直線はあっという間に置いていかれてもコーナの通過速度は周りとそんなに変わらないことだった。少し言い訳っぽくなるが、バイクの性能差が大きいのだ。直線が長いもてぎでは、排気量の違いからくるスピード差はどうにもできない。改めてもてぎを走るのが嫌になった。

■8月28日 メカニックでレース参加
会社の後輩の井出君のレースを、友人の千阪君と一緒に手伝うことになった。今回彼は初めて選手権のレースに参加するせいか、少々緊張気味だ。その上、調子の悪いバイクの修理のために前日の夜遅くまで起きていたのでかなり寝不足のようだ。一時期のレースブームが去ったので、どのクラスも予選落ちはほとんどない。おかげで井出君は予選18位を獲得し、無事に決勝に進むことができた。修理したバイクも調子がよく、予選通過を知った3人はパドックでしばらく眠ったのだった。
決勝のグリッドについてみると、走る立場ではないのでちょっと違和感があった。自分がツナギを着て走りたい気持ちになる。
いよいよ決勝レースがスタートした。いつもスタートが下手な井出君だったが、今回は好スタートで一気に2列抜きをする。1周目を13位で戻ってきた彼はしばらくその順位をキープする。タイムも8秒台で安定しているが、中盤になると周りが少しペースアップするが、井出君は少しづつ遅れていく。後方から追い上げてきた1台に抜かれて14位になってしまうが、その後は必死に14位を守りきりそのままゴールした。
走り終わった井出君は、思い通り走れてうれしかった様子だった。それを見ていた僕達もうれしかった。この走り終わった後の充実感が忘れられなくてレースを続けているのかもしれない。

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