すくーばだいびんぐのすすめ

パート1 ダイビングを始める前に

前置き
 大変ご無沙汰しております。結婚・出産(私が生んだ訳ではないが…)・育児と怒涛の流れに追われ、その上一応仕事もしていて、更に金欠病にまで見まわれてそんなこんなですっかりペーパーダイバーになってしまっていますが、それでも酔水ダイバーズの代表を仰せつかっております。言い出しっぺの責任が重いのも酔水会の特徴ですのでそれを楽しみながら参加して下さい。今回は酔水ダイバーズに新たな仲間を迎えるべく会員の皆様に「すくーばだいびんぐのすすめ」を説かせて頂きます。

海が好きならダイビング!
 ダイビングの楽しさを一言で言い表すのは大変難しいことです。それは人それぞれに楽しみ方に違いがあるからです。私なりの考え方では、

(1) 海という大自然に体で接し、たくさんの海の生き物と出会える。
(2) 日常の生活空間(地上)を逸脱し、海中という美しく不思議に満ちたリラックス空間を手に入れられる。
(3) 出会いのフィールドが広がって、これまでと一味違った海の仲間ができる。
といったところでしょうか。

(1)はダイビングを始める人の多くが持っている理由だと思います(少なくとも日本では)。(2)はストレス渦巻く日常から解放されて、広々とした海にでて行くことがなんともいえないリフレッシュになると感じています。海中では重力の束縛からも解き放たれて宇宙空間にも似た無重力の世界で非日常を味わえるのです。海の底から見上げる太陽の怪しい輝き、浮上しするにつれて体にかかる水圧が減って行く時の感覚、水面に浮上した時に感じることができる地上の暖かい光に包まれる幸せ。どれもこれも大好きです。(3)はおまけのようなものですが、初めて出会ったメンバーでも、同じ非日常空間での体験を通じてすぐに親しくなれるような気がしています。(実際、私の場合ダイビングを通じて最も親しくなった人が現在の妻となっております。) ダイビングフリークの多くがあっけらかんとしてオープンな性格の場合が多いので、単に「水中散歩をたのしもう!」のノリで集まったなら楽しいこと請け合いです。(中には二度と一緒に潜りたくないと思わせてくれるアクの強い人も当然いますが…)

 とにかく初めてしまえばどっぷり浸かってしまえるだけの奥の深さと魅力にあふれています。体力に自信がない方でも、多少お年をめしている方でも、問題なく取り組めるものなので、一度考えて見て下さい。(実際、子供に毛が生えた程度?の体力しかないアヤちゃん(ゴメン!)や、私にはおよびもつかない程人生経験豊富な紳士である伊藤さんも立派なダイバーになったのですから…。)

どうしてライセンスが必要なの?
 ダイビングを趣味として行うには、ライセンスつまり免許が必要となります。自動車や飛行機の操縦じゃあるまいしどうして?と思われるかもしれませんが、運転免許とはかなり意味合いが異なります。前述の通り、ダイビングは限りなく非日常的な行為です。それは、一歩間違うと生命に危険が及ぶことを意味します。つまりこのライセンス講習は安全にダイビングを行うための知識とスキルを身につけるためのものであり、一緒に潜る仲間に対して海中において自分と仲間の安全を確保できる最低限の術を学んだということの信頼の証といえるでしょう。免許の必要な趣味としては、ちょっと前まで「キングオブホビー」といわれていたアマチュア無線などがありますが(インターネット時代の現在では影が薄いが)こちらは電波の公共性に基づいた法律による国家資格です。これに対し、ダイビングはその性格上、法律による物ではなく、安全にダイビングを行うためのマニュアルを作成し、一定のレベルを保証したいくつかの指導団体によって運営・発行されているライセンスです。
 通常はCertificationCard(認定カード)を略してCカードと呼ばれています。ダイビングというものの位置づけの違いから、指導団体ごとに少しずつ性格が異なります。後悔しないためには事前によく調べて国際的に認知されている団体のライセンスを取得できるようにすることおお薦めします。一般的なのは、PADI(私や妻、福田氏はここ)とNAUI(平野さんや伊藤さんはこちら)等がありますが、私の勝手な解釈から言えば、PADIは水中散歩をより多くの人が楽しめるよう緩やかで簡単なスキルが組まれているので楽ですが、その分いい加減になりがちで、登録人数が馬鹿みたいに多いせいもあってダイバーのレベルに個人差が大きいような気がします。NAUIの方は、よりスポーツライクにダイビングを位置づけているので、海洋講習などは少しハード(と聞いている)だけれど、その分重要なことが実践的に身に付くらしいと感じています。要は自分の好みで決めればいいのですが、この二つの内なら問題ないと思います。(他にもいい理想をもった団体があると思いますが、この際メジャー路線にこだわりましょう)

講習の内容は?
 ライセンス講習の内容は、指導団体ごとに少々異なりますが、一般的には学科講習一日とプール(限定水域)での実技講習一日それから海洋講習二日の計四日間です。講習そのものの費用としては、五万円前後というのが平均的なところのようですが、講習を受ける前に調べる必要があるのは、そのお店の講習料の表示には何が含まれているのかということです。実際にライセンスを取得するまでにいくらかかるのかをチェックしておかないとショップの罠?にはまってしまします。自分の好みの受講スタイルを選んで、トータルの費用を比べて決めるのが良いでしょう。受講スタイルとしては、大きく分けて
学科とプールは自宅や職場の近くで受けて、海洋講習は伊豆など近くの海で受ける。
学科とプールはAと同じで、海洋講習は南の暖かい海で快適に受講したい。
南の島への旅行を兼ねて一気にダイバーになってしまおう。

の三つぐらいがあって更に、

器材はすべてレンタルですませちゃう水着一枚派。
マスクやフィンなど、まず軽器材だけ自分にあった物を購入する慎重派。
どうせ始めるんだから必要な器材は一気に揃えてがんばっちゃう気合派。

の三つを組み合わせて自分に会わせるのはいかがでしょうか。

予算が許せばC+3が一番いいかもしれませんが、A+2が一般的だと思います。(私はこのパターンだった)この場合、軽器材の選び方によりますが、トータルの費用は十万〜二十万とみていいでしょう。B+2でもあまり変わらないと思います(旅行先にもよりますが…)。3を選ぶと器材だけで三十万ぐらいはかかってしまうのでトータルでは四十万前後になってしまうでしょう。信用できるアドバイスをもらえるのであれば、3を選んで続けて潜るのが、早くうまくなって楽しめるポイントと言えるかもしれません(ローンを組む?)。とりあえず1に徹して体験コースから初めて見るのもいいかもしれません。

今年のダイバーズメインツアーは西表島!
やってみたいけど最後の一歩を踏み出せずにいる会員の方は、すぐにも始めることにしてしまいましょう!(経済的支援を除き)酔水ダイバーズがバックアップしていきます(一切保証はありませんが無償です)。今から始めれば今年の夏には酔水ダイバーズのニューフェイスとして東洋のガラパゴス西表島の神秘の海を満喫できる! …かも?。

ダイバーズ掲示板 オーバーホールはお済みですか?
冬の間は海外にでも行かない限り寒くて潜らない人がほとんどの酔水ダイバーズ。これからのシーズンに向けて基材の点検は今のうちに済ませておきましょう。
M.ONO (掲示板だけでも毎号続けたいけど…)

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  (スキューバダイビング入れ込みエッセイおにょくん海を行く!」 掲載!)


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