子どもを育てながら働く

第26回 『すべてを捨てる攻撃』 
 どもを育てながら働いていると、自ずと規則正しい生活になります。それは、不規則な生活=不健康な子どもにつながるという、子どもを中心とした考えでもありますが、何と言っても、保育園に子どもを預けて働いているということが一番の理由です。保育園に子どもを預けられる保育時間が決まっているので、寝坊をして遅れて登園しても、その分遅くまで子どもを預けることはできません。朝の遅れは自分の仕事の時間の減少になるのです。霞家の場合、朝の登園は夫の担当なので、朝の遅れは夫の遅れとなるので、帰宅時間を遅らせることのできる夫には不都合はありません。しかし、私自身の支度が終わったからと言って、夫と子どもを見捨てては出勤できない状況なのです。次女、三女も自分で着替えもできるようにはなりましたが、まだまだ手をかけなければならない事もあります。そういう時に限って、朝の寝起きの悪い夫は(夜更かし、晩酌が原因であることは明白であるのに、反省しない)、自分の支度に追われていて、役に立ちません。結局、毎朝、私が叱咤激励をする役割りになるのです。平和な1日のスタートには、早起きが必須、つまり規則正しい生活に行き着くのです。

 年くらいから、子ども達が自主的に眠りにつくようになり、添い寝の必要がなくなりました。添い寝をするとほとんど朝まで眠っていた私なので、「何かをする時間」というものができました。その時間に何をするかと言えば、テレビを見たり、本を読んだり、パソコンをしたり、はたまた遅くに帰宅した夜更かし夫と世間話に興じてしまったりと、それなりに有意義な時間を過ごすことにはなりました。楽しい時間は過ぎるのも早く、11時を回り、明日になってしまうこともあります。そんな生活を3日も続けるとへろへろ状態になります。遅く寝たからといって、寝坊をするわけには行きません。誰も朝食の準備もしてくれないし、子ども達の支度もしてくれないので、結局、私が眠い体にむち打って朝から働くのです。

 庭での生活だけでなく、時々発生する会社でのハードな生活も私の体をへろへろにします。保育園のお迎え時刻が決まっているので、会社を退社する時間も決まっています。普段は綿密なスケジュールを組んで、お迎え時刻に間に合うような生活を送っています。ところが、仕事が立て込んでくると、あちこちの部屋を右往左往(仕事がデスクワークではない)、さらに神経を使う作業が続くと心身ともにへろへろです。でも、一番ハードな仕事は3〜4ヶ月に1回巡ってくるプレゼンテーションです。自分のプロジェクトの内容を50人程度の前でプレゼンテーションするのですが、人前で話す度胸のない私はぶっつけ本番では頭が真っ白になってしまうので、だいたいの原稿を作ってストーリーを頭の中に覚えさせておかないと安心できません。以前は余裕を持って準備に取り組めたのですが、プロジェクトの人員減でそういったことに割く時間も減り、仕事の流れはどんどん速くなり、最新データを入れるためにギリギリまで待つので、OHPの完成が前日の夕方になってしまうこともありました。そんな時は仕方がないので、家に持ち帰って走り書きの原稿を仕上げたこともありました。(手書きというのが結構ミソで、ワープロで作成すると全然頭に入らないのです)こうして時々発生する会社でのハードな生活によってダメージを受けた体にむち打って、保育園にお迎えに行き、自転車の前後に2人の子どもを積んで帰ると本当にへろへろです。

 月の中旬から下旬にかけてもハードな日々が続きました。通常の業務量は多少押さえ気味にしていたのですが、先に述べたプレゼンテーションがあり、保育園のOB会の役員をしているのでOB会のお知らせ送付のための宛名ラベル・名簿づくりというイレギュラーな作業があり、お迎え後に自転車を飛ばして整形外科に週3回程度通院する*という平日を過ごしていました。週末も22日は保育園の親子遠足に、23日は小学校の運動会に出かけたので、ゆっくり休息をとることができませんでした。(お天気に恵まれすぎで、体力は消耗するし、お弁当づくりも5人分×2回、それも別メニューと辛かったです。)

 ハードな日々が続いて心身共に疲れ果てているときに、むち打って働いても、ますます疲れは溜まるし、ミスも増えるし・・・で、ろくなことはありません。。そんな時こそ、「すべてを捨てる攻撃」にでるのです。つまり、洗濯、片づけ、ノート書きなど、すべてを捨てて8時とか9時に寝てしまうのです。子ども達もまだ起きていたいのですが、「お母さんは疲れているから、もう寝る。起きててもいいけれど、電気やテレビを消して寝て」というと、たいがい「もう寝る」と一緒に眠りについてくれます。私にとって睡眠が一番良いようで、翌日はそれなりにすっきりと目覚めることができ、心機一転、子どもを育てながら働くことができるようになります。

 みなさんも色々と疲れが溜まることが多いと思いますが、無理して疲れを溜め込んでしまったら、自分自身に一番辛い形で降りかかってくることになってしまいます。そんな時は「すべてを捨てる攻撃」に出て自分自身を解放することも必要なのではないかと思います。私自身、「すべてを捨てる攻撃」で解放していたからこそ、子どもを育てながら働き続けることができたのだと思います。
 それでは、また。。    


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