あんたも好きだね。 せっかくだから続きをご覧あれ。
ドリアン食らうの顛末記(その4)

「何? その箱?」
「買ってきちゃった!」
「止めてよね!!」
ちょっと険悪な会話の展開だ。
でも、一寸興味がある様子が伺える。
「お土産、お土産!」
しばらく沈黙が続く。
車のエンジンの音だけが聞こえる。
後ろの座席からホンノリと 香しいドリアン臭が伝わってくる。
「せっかく買ってきたんだから」
(こんなに苦労して遠くから持ち帰ってきたんだよ。 ちょっとは興味あるくせに。)
と思っても、決して口には出せない。

いよいよご帰宅。
おもむろに箱を開ける。
傍らでは家内が横目で見ている。
ぷ〜〜〜ん!!!
「臭い!!!!!」
「こんなの捨ててきてよ!!!」
「何言ってんだい!」
「こんなの食べる気にならない!!!」

しばらく屋外に放置する事にした。
(でも、お隣さんに迷惑かな?)

子供たちが帰宅。
開口一番「臭い!!!!」
あ〜〜。何と、語彙が少ないのだろう。
臭いといってはドリアン様に気の毒だ。
南国の香り。 高貴なにおい。 とか、多少は言い方があると思う。
断じて、ウンコのにおいではない
でも、なんで、こんな臭いがするのだろうか? 自然の神様が作ったのだから何か理由がある筈だと
思う。 (これは今後の課題だ)
とはいうものの、この臭いを上手く表現できないこの辛さ。
何やかやと言っても、家族揃って興味津々であることには違いなさそう。
結局、ドリアンカットの儀式に移ることになった。
でも、固い。パイナップルをはるかに上回る。 手で押さえ様にも、トゲトゲが痛い。
渾身の力でカット。
少しクリーム色かかった白い果肉がポロロンとあらわになった。
あれほどの臭いも気にならなくなってきた。(家族は手で鼻を塞いでいる)
でも、どうしよう。スイカのように残りを冷蔵庫に入れておく分けにもいかない。
いくら果物と言っても、危険ではある。冷蔵庫に保管している他の物が即死って事もありうる。
で、ドンドン切り刻み、果肉を全て取り出し、容器に並ベた。
まるで数の子状態である。
せっかくのフルーツの王様が形無しだ。
さあ、食べる準備が完了だ。
誰が最初に、口にするか?
さあさあさあ

ここまで来たら、勢いで、続きを読みたい。

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