<その4>
アイリスの青春〜絶望編

デート(休息の木?) 496年年末
アイリスは悩んでいました。
もちろんグリフィンとの交際の事です。
交際は順調に進んでいましたが、
グリフィンは23歳になっていました。
年の中程に同居していた兄が亡くなり一人暮らし…。
オルルド王国で一人暮らしや独身者が長く生きられないのは通説…。

しかし、グリフィンはアイリスを大切にしてくれているようでした。
デートが終われば、その場で次のデートの約束をし、身体を気づかってくれるし…。
アイリスから誘ったのは最初を含めてほんの数回

決断 そんなグリフィンの姿に、ついにアイリスは決意しました。
「年があけて
 10日の休日に結婚しよう…。」
と…。
結婚式♪
そしてついに
497年10日
年の差もランキングの差も乗り越えて、
二人は神殿の祭壇の前に
立つことができたのでした。

新婚生活♪
午後の式を終え、
巫女さんに案内されてやってきた新居は
ミナト南の入口近く、緑の屋根の家。
成人直後以来、一度も頭上に音符を見たことのなかったアイリスですが、
やっと幸せな時間を送ることができます。
きっと幸せになる!
それがその時の一番の目標でした。

ところがです。
そこには最大の運命の悪戯が待っていたのです。
「グリフィンの命の火が
 消えようとしています。」
日付けが11日に変わった瞬間でした。
恐れていた出来ごとは、よりにもよって、
幸せの絶頂にいる二人の元にやってきたのです。

一瞬、何が起きたのかわかりませんでした。
でも、グリフィンは本当に
ベットで震えているのです。

アイリス(&海石)は決断を遅らせた事を悔やみました。
去年の25日でも結婚しようと思えばできたのです。
でも、悔やんでも悔やみきれるものではありません。

そして、その日の深夜。
神官は祈るばかりのアイリスに、
グリフィンがシズニと共に旅立って行った事を告げたのでした…。

←前の話へ 戻ります? 次の話へ→