3月/雪解け水が山から小川に流れ込む頃になると、待ちに待った春はもうすぐ。
でも、まだ雪国の里山田んぼには残雪があり、池はとても静まりかえっています。
メダカはいるかのぞいて見ても、メダカどころか生き物の姿さえ見あたらないです。
暖かな日には水面にこっそり顔を出して春の気配を感じているのかもしれません。
メダカたちは水底でまだじっとして、本格的な春が来るのを待っているようです。


4月/気が付くといつの間にか、道ばたにツクシが顔を出しているものです。
ここ新潟では3月末から4月の初旬のようですがその頃の桜はまだつぼみにもなっ
ていないのですが、ツクシはいち早く本格的な春を告げるアンテナのようです。
テレビで連日全国の桜便りが流れるようになると、桜前線の北上がはっきりわか
るようになりますね。以前テレビ企画で、自転車に乗って桜前線といっしょに北上
しながら花見宴会の料理で食事をまかなうという番組がありましたが、桜前線の
スピードは自転車より少し早かったような。桜が開花する季節になると、メダカは
水面に姿を現しとても活発に動き回っています。しかし、危険を感じると池の枯れ
たヨシに身を隠しながらすばやく身を隠します。まわりには大型のコイがすきあら
ば狙っているので、ヨシ群はメダカにとって身を守るバリケードなのでしょうね。

桜の季節はメダカの恋の季節なのでしょうね


5月/昨年弱っていたメダカ達を入れていたプランター水槽がありました。
土の入っていたもので11月、そこからメダカを屋内の水槽ににすべて退避させた
と思っていたのでした。ところがこの春、全部移したと思っていたその屋外のプラン
ターにメダカが1尾取り残されていました。あの細かったメダカが新潟の冬の厳しい
気候に耐え、改めて生命力のすごさを感じました。それが3月、仲間達といっしょにし
てあげようと網ですくおうとしていたら、どこにも見当たらないのです。水を少なく
してさらに捜索、ところがどこにも見当たりません、こんな小さなプランターでなぜ
?もしかして水を捨てた時にいっしょに。水を捨てたあたりの芝生をくまなく探した
のですが結局見つからず、、。それから時々のぞいてみていたものの姿無し。あ〜あ
耐え抜いた1尾のメダカをあっけなく流してしまったというむなしさが、。ところが、
数日前のこと、メダカを再び発見!いたのです。早速、網を入れ捕獲しようとしたら
土に潜ったのを確認、またもや消えた!メダカは土に潜って身を隠す魚なのですね。
翌日またメダカの姿を発見、今度こそはとそ〜と網を入れてようやく捕獲の成功を!。
メダカはドジョウのように土に潜伏して身を隠す、忍びの魚でもあったのですね。
きっとメダカは自然界でもしたたかに生き延びていることでしょう。メダカは忍者。


6月/この時期の田んぼには水が入り多くの生き物が発生します。そして周りの用水路
にもいろいろな生き物が成長を競い合って暮らしています。先日、水辺の観察会でのお遊
びタイムとしてアメリカザリガニつりを行いました。枝にたこ糸を結びエサは生スルメ。
「この時期、まだ小さなアメザリがこれでつれるのであろうか」と思いつつ釣ってみること
に。しばらくして糸に変化が、、すぐに上げてみるとなんと!小さなアメザリがしっかり
スルメに抱き着いているではないですか。さわるとまだやわらかな体とはさみですが、。
こんな小さな柔らかな体でもどん欲にエサに食い付いて来るのです。自然はたくましい!
アメリカからやって来た田んぼのやっかいものアメザリは、日本に住み着いてしっかりと
生きてます。茶色く濁った用水路にはメダカの稚魚もたくさん泳いでいます。バケツで
すくってもとれるくらいにたくさん。我が家の飼育メダカに比べるともう倍くらいな大き
さに育っているのです。自然界は食うか食われるか釣られるか?のサバイバルなのです。
メダカなど田んぼの周りの生き物の成長が早いのはひとえに豊富なプランクトン、ミジン
コなどエサの恵みがあるからです。メダカの小川食堂は「ただいま時間無制限食べ放題!」


7月/初旬、まだ梅雨の季節といっても水路の水はとても少なくなってきています。
田んぼも中干しで水を抜いている頃なので、水がわずかに残っている場所には取り残さ
れた生き物たちがピチピチとその浅い水たまりで生息しているのです。でも水深わずかなそ
の水たまりでもメダカの稚魚ならまだたくさん泳いでいます。メダカの場合、親(成魚)が
泳げないような浅い水深でも稚魚ならスイスイ。水が少なくなるとオタマジャクシも危険。
ところが足がはえてカエルになったらここから脱出できるのですが。そしてドジョウなら、
泥の中でもまだ生き残れるというところです。今後、なんとか一雨くればその制限時間も
少し延びてくれるのですが、一気に大雨が降ったなら川に流されるかもしれないのです。
オタマジャクシは水がなくなる前にカエルに変身!。そして「メダカのタマゴ」も
すぐれものです。水かわずかでもしばらく卵の中で水が降るのを待つことができるのです。
でもタマゴのタイマーが点滅(目玉が2つ出る)する頃にはなんとか水が増えていないとね。

8月/やっと梅雨開け、じきにお盆がやって来るのに、、。田んぼの周辺の用水路のザリ
ガニも結構大きくなっています。子メダカたちの中でも成長の早いのはもう繁殖を開始し
ているのです。エサはもう大きな獲物を狙って子孫を残すための栄養をどんどん取り入れ
なければならないわけです。ということは、成長の遅い子メダカたちはメダカの学校での
んびりしているわけにはいけないのです。メダカの生存競争が激しくなって来ている季節
なのです。そういえば、あれだけいた稚魚の姿が少なくなってきているような、、。それ
以上は気にしない、気にしない。仲間の分まで強くたくましく育って行く運命ですから。
似ている!?。孤島に連れて行かれた生徒達が、生き残るためにどんどん仲間を犠牲に
して自分だけは生き残っていくために闘う!これはR指定、バトルロワイアルですが、
メダカは違う!違う!、S指定、トウゼンノコトデアル(自然にして、当然の事である)
スミマセン、ちょっと苦しかったかな^^;。


9月/梅雨が開けたとおもったら、猛暑もなく雨の多い夏でした。でもメダカにとっては
とても過ごしやすい季節でしたが、例年ガンガンと日の当たる季節にそれがなかったこと
が子めだか達にとっては日照不足の影響が越冬を耐え抜くために問題ないのであろうか?
余計な心配をしてしまうこの頃である。(稲をはじめ農作物の日照不足の影響は大きい)
ただ、高齢のメダカ達にとっては暑さが少なかったおかげで体力は温存できたはずである
このまま、さらに過ごしやすい秋に体力を維持していられれば、来春までの生存確率は高
まるような気がするが、冬は冬でまた乗り切らなければならない試練ではあるが、、。
自然界において、メダカの親子がいっしょに共生していることは当たり前の事であるが
稚魚にとって小さな水槽の中で親と共生すること、生き抜くことはまさにサバイバル・
運次第。水槽の大きさ・エサ・水草の有る無しにもよるが、親メダカ達の中で卵がフ化し
、少し大きくなって生き延びていた子メダカを見つけ「あんたはエライ!」と声を掛けた


10月/朝、水の中に手を入れてみると結構冷たく感じる季節になってきました。
この時期にエサを与える量は、お天気を見ながら加減して与えるようになってきます。
寒い日は少なく与えたり、寒さが続くようなら与えない日もあったりです。稚魚の場合
は冬までにできるだけ大きく育ってほしいため毎日与えたいのですが、寒くて食べないよ
うなら無理して与えない方がよいような、。さらに水質の悪化などを考えると食べ残しが
ないよう配慮しなければならない季節、この時期に良く食べる稚魚が来年のメダカです。
人間の世界では只今「食欲の秋」。暑すぎず、寒すぎず、食を満喫できる良い季節です。
なんでもおいしく食べれるということは、食べ過ぎに注意ということです。こういう時期
にこそカロリーコントロールをしてくれる専属の栄養士がいてくれればいいのですが、。


11月/朝晩の気温の差をとても感じるようになりました。日中には暖かな日差しを受け
活発に泳ぎ回っているメダカたちも、日が暮れる頃になると急激に水温が下がってきて
成魚なら体力的に心配ないと思うのですが、子めだかの中にはまだかなり小さいものが
見受けられ、この温度差はそれらにとってはとても厳しい試練ではないかと感じます。
そこでそれら小さなめだか達の生存率を高めてあげるため、小さな水槽に移して夕方に
屋根の下に退避してあげるようにしました。その管理は毎日は無理なので、とくに晴れ
た日の朝、及び休日に置き場所の移動をしてあげていますが、。この時期少しでも体力
を付けさせて、厳しい越冬に備えてやります。暖かいとまだ食欲もあるようですから。
紅葉、ドングリ、栗、キノコ、落ち葉、秋の野山にはさまざまな変化が見られたり自然
の恵みを与えてくれますね。このような時期には秋をさがしにドライブに出たりもしま
す。まっすぐに延びた国道を走っていると無数の赤トンボの群れに遭遇しますが、車を
避け切れずフロントガラスに衝突してしまうモノも。11月はトンボ注意報も必要です。



休耕田でエサを探すサギ
12月/いよいよ本格的な冬に突入しそうなのですが今年はいまのところ暖冬のようです
そのおかげで、天気の良い日はまだエサをよく食べます。そんな状況でメダカ達は少し太
ってきているような気がします。このまま体力をつければ今回の越冬は楽になるかも?
といっても季節は冬、天気は急変しますので突然の雪、アラレ、ヒョウ、ライオン、?
失礼、とにかく急激な冬将軍の来襲に備えて屋外の水槽管理には気を付けなければいけま
せん。さらに休耕田の湿地ではサギがわずかな水たまりでエサを探す姿が見られます。
こんな時、メダカ達がうっかり水面に出ようものならその餌食になってしまうのですね。
これからさらに寒くなって来て、メダカは水底の枯れ葉の下でじっとメリークリスマス!
「クリスマスキャロルの頃には」の替え歌で♪
♪クリスマスキャロルの流れる頃には メダカの君と僕に 雪は降るのだろうか
(替え歌って「メダカ」しか変わってないじゃないか)



1月/大寒も過ぎて北陸、甲信越地方は久々の積雪となりました 2004.1.25am
一晩で、約20センチの積雪。除雪車も出動!メダカの本格的な越冬の季節です。


今、US牛のBSE問題や鳥インフルエンザだの、コイヘルペスだの、動物に関する
病気が続き物騒な世の中になりました。今後、食材としての安全基準は食卓の安心に。
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2004年1月元旦 あけましておめでとうございます。
年末から元旦にかけ雨は降りましたが雪の遅い年です。新潟でこんなに雪が降らないのは
やはり異常気象なのでしょうか?。メダカにとってはとても過ごしやすいのですが。ところが
昨年からそのメダカの中の数尾の様子がおかしく、1尾は頭だけ左右に振りエラだけで泳いで
いる重症のメダカがいるのです。とにかく、別の容器に移しているのですが、最初に塩を少し
濃いめに入れて1日様子を見て、毎日水を半分くらい替え、塩も少し入れて半月経ちました。
1尾はまだエラだけ動かしながらがんばって生きてます。他の2尾はなんとか回復したようです。
室内で暖かいとエサも食べるので、もしかして良くなるのではと期待はしているのですが、。
屋外なら外気の低い温度に耐えられず、すぐに死んでしまう運命であるのです。そこまで
まだ重症でなければ、屋外の土環境でも春には復活しているメダカもいるのです。いつもなら
手を長く入れてられないほど冷たい屋外の水で越冬するメダカを見てもあたりまえに感じる季
節なのですが、精一杯生きようとする姿を見ると1日でも長く生かしてやりたいと今回ばかりは
部屋で様子を見ている、新年の今日この頃です。「小さい体に備わっている生きようとする力」
   
左上:防水袋入りの朝日新聞    右上:初の積雪(積雪というか薄化粧)2004.1.6
荒れた日の朝の新聞はビニール袋に入って配達されます。今朝、本年度初の袋入りでしたが
いつもと違うのは「完全防水」の朝日新聞でした。(いつもは片方が開いている袋なのだが)
今年、一晩に数十センチ降り積もるのはいつのことやら?つづく。


2月3日の節分/ポカポカの春はもうすぐといいたいところですが、油断ならない寒さが
もうしばらく続きます。小さいメダカたちの中でこの寒さに耐えられないメダカが底に
沈んで死んでいました。その小さな体で、生き延びるメダカと脱落してゆくメダカ。そ
の差はいったい何でしょうか?単純に丈夫だったから、弱かったから、運命だったとい
えばそれまでですが、ここまで生息してきた月日の中でそのメダカはどのような日々を
送っていたのかが気になります。もしも、メダカになって水の中でどのような環境で飼
育されているのか体験できるとしたらどうでしょう?「エサが足りね〜よ!」「日差し
が強すぎて煮えくり返っちまうぜ!」「そろっと、新鮮な水を入れてくれないかよ!」
「ヤゴがでかくなってきたじゃないか!はやく捕まえてくれないと食われてしまうよ!」
など飼い主の管理による環境の変化が体験できることでしょう。しかし生きていければ
まだしも、すぐ先に死が待っている環境であったらならばかなり恐ろしい事ですね〜。
そんなことで反省しつつメダカの気持ちにもなって四季の中で暮らして行きたいです。
現代では、せまい中で飼育されているニワトリ、牛などに一気に病気が拡がり飼育管理
の見直しが迫られています。一刻も早く厄介な病気は立ち去ってもらいたいものです。
では「鬼は外!福は内!」ということで「メダカライフ」今回で終了いたします。
2003年3月から1年間、ご覧いただき大変ありがとうございました。2004.2.4

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