舌の役目

 舌の役目は大きく分けると二つあります。 一つは、味を見る、噛み砕く、飲み込むなどの生物学的な機能です。もう一つは、言語学的機能です。口腔の形を変えて音響を変えることや、息の流れを妨げたり止めたりするバルブの役目をして音声を変えることです。
 ここでは、舌の言語学的機能についていくらか説明します。
 舌はその位置や緊張の度合いを調整して母音や半母音を作っています。また、バルブの役目をして摩擦の音や破裂の音をつくります。いわゆる子音を作るということです。十代前半で舌の動きはほぼ出来上がります。しかし、一旦出来上がった運動はなかなか思うようには変えられません。その理由は、舌そのものが筋肉塊だからです。無数の筋肉が横縦に走っているのです。また、舌の位置が口腔の中央であるためです。日本語から英語に発音を変えることが難しいのはこのためです。
 舌で作る子音はt,d, th, k, g,sh, j . . .などたくさんあります。それぞれ、舌のどの部分で息(あるいは声)を止めるかで音質が異なります。また、息(あるいは声)が流れている時に、舌をどれだけ強く上顎に押しつけるかによって音の大きさは変わります。日本語は英語に比べると子音が小さいです。子音を大きく明瞭に発音するには舌の強さや動きが重要なのです。そして、そのためにはやはり呼吸の量が多い方が効率が良いです。
            例1: tea-tennis-tile-talk-toom
 上記、5つの単語をTを強く明瞭に発音できるようにしましょう。しかし、一呼吸で発音できなければなりません。

 舌の動きが活発であるためには舌が口腔内で動きやすいことが望まれます。それが音響効果に大きく関係します。ですから、口を大きく開けて話す練習は日本人にとっては重要なことです。以下の二重母音を明瞭に発音して下さい。
            例2: ei-ai-au-oi-ou


 上記を練習した後、口を出来るだけ大きく開けたまま以下の例3を練習してください。
            例3: ti-te-ta-to-tu

 

Copyright © Sound Production
2002 - 2016