唇の役目

 唇は舌と同様に音響効果を高めること、また、子音のためのバルブの役目をするもう一つの重要な調音器官です。母音では後方母音のOやUの発音のときに唇と丸めます。また、子音のPやBでは両唇を完全密閉させます。FやVでは下唇が上前歯にあて摩擦の音を作ります。
  唇は身体の最も外側にある調音器官であるため半分は常に空気に触れています。そのため、唇が感想するとスムーズに丸くしたり横に引いたりできなくなります。音声の調音器官としてはある程度唾液による潤いが必要になります。また、唇とつながった多くの神経が会話とともに顔の表情をつくります。ある時は笑みを浮かべ、あるときは怒りを露にし、また、ある時は悲しみを表現し話の内容をより豊かにします。

 しかし、身体が疲れると唇がだらしなくなり発音にシャープさを欠きます。日本人では、「わ」が「あ」に置き換えられることがよくあります。欧米人では労働者のWがそれに近い音としてVの音を代用するケースが多いです。その理由は、唇が顎を支えているからです。

 逆に、唇の運動をすると唇の発音が良くなり顔の張りも出ます。
以下に、唇の音の練習問題を挙げました。練習してみてください。

   1. 唇をつぼめ少し突き出します。
   2. 声を出し次の母音を明瞭に発音してみて下さい。

     Set-1: Wi, We, Wa, Wo, Wu
     Set-2: We-Way-Wise-Warm-Woman (一息で)


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Sunny Yoshitomi