呼吸の役目

 音声は吐く息(呼気)によって作られます。ですから、呼気は音のジェネレーターなのです。呼気量が多いほど強いメリハリのある音を作ることが出来ます。肺の容量はある程度決まっています。しかし、それで十分でないとしたらどのように呼気量を増やしたら良いでしょう。腹式呼吸です。正確にはAbdominal Breath(横隔膜呼吸)です。左右の肺で呼吸するのと、内蔵を包む横隔膜で呼吸するのとではどちらが大きいかは明瞭です。
 ここでわざわざ呼吸について述べる理由は、英語は横隔膜呼吸で話される言語だからです。すでに他のページにも書きましたが英語は子音を重視した言語です。その子音は日本語のものと比べ強い破裂の音や摩擦の音なのです。その強い音を作るにはジェネレーターが大きくなければなりません。それはよく言われることですが理由は他にもあります。英語は、話す時に日本語のようにポツポツ切る発声方法ではないからです。つまり、一呼吸で息を止めずに音声を流すのが英語なのです。
 日本人の多くは肺呼吸です。ですから横隔膜呼吸をマスターすることが明瞭な発音をする基本条件となります。
具体的な方法を以下に簡単に書きますから練習してみて下さい。
 椅子の後ろに真っ直ぐに立ち、背もたれに両手を軽く乗せます。背もたれの高さは手首の高さと同じ位がよいでしょう。手の平で背もたれをつかみます。そうすることで肩が固定されます。この状態で1〜5を練習してみましょう。最初の段階では、2〜5はそれぞれ30秒以上を目標にして下さい。

  1. 息を深く吸い、徐々に吐く。(3回繰り返す。)
     注:息を吸った時にお腹が膨らむのを確認してください。
  2. 息を深く吸い、「あー」と声を出す。(持続時間を計る。)
  3. 息を深く吸い、「いーえーあーおーうー」と区切らないで一息で発音する。
  4. 息を深く吸い、「きーけーかーこーくー」と喉で息を切らずに一息で発音する。
  5. 息を深く吸い、「いーけーせーてーねー」と喉で息を切らずに一息で発音する。


 毎日5分この練習を続けるだけで自然に横隔膜呼吸になります。これは、同時に英語を話すための準備にもなっていますので出来るだけ毎日心がけましょう。

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Sunny Yoshitomi