PART3
卒業式に使う桜紙の花を作っていました。
「一人4つノルマだよ。」
みんな集中して作っています。
「ねえねえ、何個目?」
女の子がたずねました。
「わたし、2個目。」
「ぼく、3個目。」
私が
「3個目。」
とこ絶えるとすぐ
「せんせは顔がだ目!」
英語の授業のときです。
数字を英語で言うゲームをしていました。
どうしても12を憶えられない子。
ALTの先生に何度も教えてもらっています。
「One」「Two」・・・・「Eleven」・・・・
「あれトゥエ・・トゥエ・・・」
「Twerve」
「そう!それそれ」
ゲームも終わり、
「何かアメリカのことで質問はありませんか?」
とALTの先生。
「はーい。自由の女神に登ったことはありますか?」
「ハワイでは何をしましたか?」
子供達がそれぞれ質問をします。
「他にありますか?」
「はい!」
と元気に返事をした男の子
「12ってなんていうんですか?」
彼はどうしてもからは12がおぼえられないのです。
給食のとき、欠席であまりがでたものは欲しい子供同士でジャンケンをします。
大人気は揚げパン!
クラスのほとんどの子供がジャンケンに参加します。
「ジャンケン ポン!」
「あいこで ショ!」
気合いの入った声が響きます。
すぐに負けてしまった子が戻ってきて
「揚げパンなんか欲しくないよ。ジャンケンを楽しみたかったんだよ。」
と言いながら
揚げパンの食缶に残った砂糖をお玉で丹念にあつめてもっていきました。
「ねえ今日、何して遊ぶ?」
女の子達が話をしています。
「お母さんごっこがいい!先生お母さんね。」
と横から口を挟みました。
「先生バカみたい。」
冷たい言葉が帰ってきます。
「先生知らないの?お母さんごっこのお母さんって人気がないんだよ。」
「えっなんで。」
「だってねえ、お母さんごっこのおかあさんて途中で死んだり、家出したりしていなくなっちゃうんだよ。」
「そうそう、だからみんなやりたがらないんだよ。」
最近のおままごとはおそろしい!
「ねえ、モーニング娘ってうそつきだよね。」
「何で?」
「だって、♪人生ってすばらし〜い♪」
彼は、休み時間に忘れた宿題の漢字練習中なのです。