「机の中身をだしてごらん。」
学期末恒例机の中身チェックです。
普段は恐ろしくて見ることができないのですが
学期末は点検をするようにしています。
「汚い人はちゃんと整頓をしなさい。」
と声をかけると、世話焼きの女の子がだらしのない子の面倒をよく見ています。
「もう片づいたかな?」
一通り片づけ終わったのを見計らって言いました。
そしてこわいもの見たさでつい言ってしまったのです。
「机の中に自慢できるものが入っていた人発表して!」
「靴下!」
「かびの生えたミカンの皮!」
「一週間分の給食のナプキン!」
「0点のテスト!」
やはりふれてはいけない場所なのでした。
「オーストラリアからぬいぐるみのコアラのクール君ががくるよ。
日本の学校をあちこち回ってくるんだよ。」
それからは一日何人も
「いつクール君が来るの?」
「先生今日はくるの?」
と聞きにきます。
「先生、クール君はどうやってこの学校へ来るの?」
「宅急便じゃないの?」
「だからクール宅急便なのか!」
と変に納得していました。
「みんなクール君が来たよ!」
事務室で小包を受け取るとそのまま教室にもっていきました。
「わーい!」
一斉に子供達が集まって来ました。
「先生、早く見せてよ!」
私が包みもぞもぞ開けていると
「早くしてよ〜!」
「も〜おそいよ!」
と大騒ぎ!
おもしろいので私がわざとゆっくり開けていると
「大きな声で名前を呼べばはやく出てくるよ!」
といつもはやんちゃな男の子がまじめな顔をして言いました。
「いくよ。せーの!」
「クールくーん!」
とクラス全員の大合唱!
可愛い子供達です。
「えーちがうよ!」
「だってお母さん言ってたもん!ゲームをくれるサンタさんは偽者のサンタさんなんだって!」
「そんなのウソだよ。だって俺この前のクリスマスにゲームもらったもん。」
「じゃあそのサンタさんは偽者なんだ。」
大人の一言が子供にとっては大問題なのです。