中国人と日本人の間で中国で産まれた子供の二重国籍取得手続き

2003.1.21 作成

この例は天津駐在のSさんの2重国籍取得手続きです。大分前に投稿していただいたのですが、年をまたいだ掲載になってしまいました。

注意!! 実際に中国でいろいろな手続きをされた方はおわかりになると思いますが、中国での手続きは地方によって大きく違い、普遍化できません。従って、この情報はあくまで参考であることをご承知おき下さい。
手続きは自己責任でお願いします。

 

――――以下掲載文――――

songさん、こんにちは。 Sです。

長らくお待たせしてしまいましたが、やっと余裕が出来てきましたし、
子どもの日本のパスポート取得の手続きの目処もつきましたので、2重国籍取得についてのレポをお送りします。

【中国で生まれた子の出生手続きに関して】
以下、私(日本人)と妻(中国人)の子の、出生に関する事項in天津です。妻からの聞き取り部分も多いので、不確実な部分も有るかも知れません。

[出産前]
☆『妊産婦保健手帳』の取得
これは天津の場合かもしれませんが、戸口のある地区の衛生院(地区病院?)で、妊婦の定期検診を受けるためには『妊産婦保健手帳』が必要です。
この手帳を取得するためには、「妊娠した子は一人っ子政策に則ってる。」旨の所属単位の証明が必要になり、妻は無職のため、私の会社で発行しました。
「妊産婦保健手帳」取得までの手続きを簡単に纏めるとこうなります。

1)所属単位の証明取得
                     証明 
  ○○(籍貫天津)と、○○(籍貫日本国)の1人目の子どもであることを
  特に証明する
                               ○○有限公司 
会社印
  こんな簡単な内容なんですけど、いるんですよネ。(笑)
2)『一孩生育服務証』の取得
  戸口のある地区の計画生育委員会で発行されます。  
  父母の名や母親の住所、結婚月日、出産予定日等が記入してある表ですが出生後の諸手続きまで必要になります。大事に保管しましょう。
  但し、天津市の場合かどうかは判りません。
  「一人っ子政策対象外だけど要るのか?」と聞いてみましたが、「誰でも要る!」とのことでした。
  どうやら、対象外の場合のシステムが構築されてないようです。(笑)
3)『妊産婦保健手帳』の取得
  同じく、計画生育委員会の発行です。
  内容は、日本の母子手帳の出生までの記入内容に近く、出産後の退院までの諸々が記入されるようになっています。

☆通院事情
基本的に妊娠中の定期検診は、地区の衛生院で行われます。
出産間近になれば、どこの病院に通院しても良いそうですが、どこの病院でも「妊産婦保健手帳」が必要だそうです。
病院は、「問診部(通院)」と「住院部(入院)」と窓口が分かれていますので、問診部に何回行っていても、入院手続きは全く別に「住院部」で行います。
産院を決めたら、住院部にも行っておいて、入院時の各種の確認をしておくことをお勧めします。

[出産]
2002年9月に天津で出産。
帝王切開でしたが、1週間後に退院と言われ、ちょっとビックリ。。。
退院時に『出生証明書』を、精算と引き替えに貰いました。
このとき、日本側手続きでも使用するために、出産証明を2部欲しいと言ったのですが、『出生証明書』は1部しか出せないと言われました。
結果的には、提出ではなく、全て提示で終わったため、必要有りませんでしたが、このときは不安になりました。

[中国の出生手続き]
☆『戸口簿』
妻の戸口を管轄する地区の派出所に行き、出生を届けでする旨申し出ます。
用意した書類は、次の通りです。
・『出生証明書』
・『一孩生育服務証』
・妻の『戸口簿』
・私の『居留証』と『パスポート』
私の行った地区派出所は、来意を申し出るとすぐその場で端末の前に座った担当官が必要事項を質問し、
私達は窓口の外側を向いているサブ・ディスプレイを見ながら
その質問に答えると担当官がそれを入力し、
それをまたサブ・ディスプレイで確認するという方法で作業が進んでいきました。
所用時間5分程度で、戸口簿に子どもが記載されました。
姓は私(夫)の姓です。

以下余談です。
1)この戸口簿は、プリンターでの記載時に、既に身分証の番号が
 割り当てられていたところを見ると、どうやらオンライン化されているようです。
2)「籍貫」という項目を今まで「本籍」と訳して理解していたのですが、今回子どもの「籍貫」が、確認の質問をした結果でも「国外日本」になったのを見ると、「原籍地」と訳した方が良いのかも知れません。
3)子どもの民族は、父母どちらでも良いとのことだったので、
  妻の系統を取り、「漢族」になってます。(笑)
  ちなみに「日本の民族は中国では何て記入するんだ?」って聞いたら、担当官が内線電話を掛けまくって聞いてましたが、
  はっきり判らないようでした。(苦笑)

☆『独生子女証』
その後、地区の「労働保障事務所」にある計画生育委員会の窓口に子の記載された『戸口簿』と『天津市一孩生育服務証』を持参し、『独生子女証』を取得しました。
計画生育委員会の窓口が労働保障事務所に統一して配置されてるようです。
「独生子女証」はどうやら、社会保障関係と予防接種等で必要なようです。
「外国人との婚姻で一人っ子政策対象外でもいるのか?」と、聞いてみたのですが、「当然必須要!」の返答でした。

[日本への出生手続き]
日本側への手続きは、帰国までの日数がかなりあったのと、他の諸手続き(健康保険その他)で必要になる可能性があったので、
結局北京大使館領事部(三元橋・南銀大厦2F)で手続きしました。『出生届』は、事前に入手していたのですが、記入方法で不明点があり、TELで確認したところ、『中国人との間の子の出生届の記入例』が用意されているとのことでしたので、FAXして頂きました。
一緒にお聞きして準備持参した書類等は・・・
・『出生証明書』
 (以前どこかで提出する必要との記入を見ましたが、提示のみでした。)
・出生証明書の訳文
 (領事部にフォームされたものが用意されているのが判りましたので、
  領事部行ってから記入しました。訳文での注意事項は、
  出生証明書に記入していない項目は全て空欄で出すことです。)
・私の『パスポート』&『居留証』
・妻の『パスポート』
・印鑑
ですが、変更も有るようですので一度確認をしてください。
日本の役所より親切に教えてくれます。(笑)

尚、『出生届』記入で注意する点は、次の通りです。
・中国漢字ではなく日本漢字を使用すること。
・中国人配偶者の生年月日は西暦で記入すること。
・中国国籍も取得する場合は、「日本国籍を留保する。」欄に、
 日本人の署名捺印をする。
・出生届けと出生証明、訳文等で記載に差違が有る場合は、
 その他欄にその旨記載すること。
出生前に記入例と出生届けを貰えますので、領事部に行ったときに
事前入手しておくと、問い合わせ等も楽です。

領事部の方から言われたのは、
「戸籍への記載まで1ヶ月半〜2ヶ月かかります。
 お子さんのパスポートはその後に申請してください。
 その前に帰国の必要が有る場合は、改めてお申し出ください。」だそうです。


ここから先は、調べただけで手続きはこれからです。

[中国のパスポート申請]
写真撮影と本人確認のために、子どもを連れて行く必要があるそうですが、通常の中国人の申請と同様だそうです。
戸口簿が必要で、写真は公安の外境登記所で撮るそうです。
自分のビザの更新のついでに聞きに行ったら、「何でそんなに小さな子にパスポートが要るんだ?」って逆に根ほり葉ほり聞かれちゃいました。(苦笑)

[日本のパスポート申請]
1)日本で取る場合
2)大使館や領事館で取る場合
の2つがあるそうですが、日本で取る場合は、「駐在者は正規の手続きをしていれば住民票が無い」のでどうなるのか等、現在メールで問い合わせ中です。

大使館領事部で申請する場合は、必要書類が
・子の出生日が記載されている戸籍謄本1通
・写真2枚(4.5×3.5。背景は薄いブルーか白。中国式の赤は不可。)
で、期間は1週間(日本で取るより早いですよネ。)。
申請時か受領時のどちらかに子どもを連れて行く必要があります。

取り敢えず、こんなものでいかがでしょうか?
質問がありましたら、言って下さい。
って、songさんも忙しいようだから、しばらく先ですね。


――――掲載文ここまで――――

songコメント
詳しいレポートどうも有り難うございました。
とりあえず一人目はこれでOK、でも二人目が生まれたら独生子証明はどうなるんでしょう?
ちょっと心配ですね!?
その後と手続きと二人目の時の手続きもお願いします。(笑)

 

 

お便りお待ちしております
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