中国人と日本人の間で中国で産まれた子供の二重国籍取得手続き

2000.7.7 作成

ある方から許可を得てこの文章を掲載しております。プライバシー、掲載内容を分かりやすくする事等を考え、多少文章は変えてありますが、ほぼ原文のままで掲載します。

この例は中国人と日本人の間で中国で産まれた子供の日本国籍取得手続きです。参考にしてください。

注意!! この文章の掲載許可をいただいたときに、下記の件をくれぐれも強調しておいて欲しいと、情報提供者の方に念を押されました。

(投稿文掲載の件に関して)


OKです。ただし、単なる一例として扱ってください。 どうも中国をやっていると普遍化できないものですので・・・

実際に中国でいろいろな手続きをされた方はおわかりになると思いますが、中国での手続きは地方によって大きく違い、普遍化できません。従って、この情報はあくまで参考であることをご承知おき下さい。
この情報は1998年頃大連でおこなわれた手続きです。
私(song)も次回は挑戦してみたいとも考えていますが、別に産まれてくる中国国籍に別にこだわらないのであれば、日本で産んでも良いのかなどとも思っています。

 

――――以下掲載文――――

中国で赤ん坊を出産した時の資料が出てきたので、

報告しておきます。2年弱ほどまえなので、変わっていたら済みません。

なにはともあれ、「すごく麻煩でした」。

ちょっと長文ですが、お役にたてれば幸いです。

 

 

1)出生医学記録」の発行

出産が終わったとき、病院にて「出生医学記録」というものが発行される。

医師の診断書のようなもので身長・体重・母体の状況・新生児の

状況・性別・出産日時が細かく記載されている。

汚い紙に殴り書きで記載されて「本当かよ?」と思いました。

 

2)「児童保険手帳」の発行

「母子健康手冊」とはまた異なるが今後の成長記録・予防接種の

記録などを記録するものである。区にある「区初級衛生保険所」へ

「出生医学記録」を持参すると発行する。費用は130元でデータ

ベースに登録後、手帳を発行する。なんとデータベースはイントラネットで

管理されていた。

 

3) 「出生証明書」の発行

区で出生登録がなされ、区のデータベースに名前が載ったところで、

今度は区の「衛生保険所」に行く。ここで採番がなされ「中国人」として

「出生証明書」が発行される。非常に立派なもので、見たところ賞状の

ようなものであった。この番号が背番号となりこの番号を中国では一生

持ち続けることになるようだ。

日本の領事館に持って行くのに2通必要であるので、2通請求したが、

一通しか発行してくれなかった。

 

4) 「出生証明書」の割印

「出生証明書」は発行してもこれだけでは機能しない。

もう一度「区初級衛生保険所」にゆき、割印を押印してもらい、完成する。

以上の手続きで「中国人」として正式な「出生証明書」が発行された。

 

5) 「公証書」の発行

日本領事館に出生届を提出するのに中国の出生証明書が2通必要である。

しかし、「出生証明書」は一通しかない。領事館の方に相談したところ、

中国政府が認めたコピーを証明書に代替していいというので、

「出産証明書」を2通コピーし「公証処」に行き、

「このコピーは原本と同一である」という「公証書」を発行して頂いた。

 

6)日本領事館への提出

公証書を日本語訳して大連にある日本領事館に「日本の出産届け」と

「中国の出生証明書」をそれぞれ2通ずつ提出し受理された。

 

7)国外脱出

これで赤ん坊は日本人になったが、その後日本に戻るために、また

一苦労である。日本人として国籍取得しても、パスポートが出来るまで、

すなわち、戸籍に名前がのってからパスポートを申請ー受理されるまでに

2ヶ月ー3ヶ月ほど要する。それまでの間に緊急に出国したい場合は

大使館にお願いすれば緊急の出国手続きは可能であるとの由。

 

ただし、中国で出産した赤ん坊が日本のパスポートで出国する場合は

中国のイミグレでパスポートが偽モノではないかという疑いをかけられ

出国取りやめになるケースが散見されるので、どちらかというと、

日本へは国籍留保し、中国国籍のパスポートで出国し、日本で

中国国籍離脱→日本国籍取得をしたほうがいいと大使館の方に

アドバイスをいただいた。

 

小生は、すでに散々中国国内で走ったので「もういいや」と思い

赤ん坊に日本のパスポートを取らせました。赤ん坊の日本への

帰国はいろいろあって、誕生後半年経っていたのですが、

中国のイミグレで文句を言われるよりはと思い、迎えに行き

一緒に帰りました。飛行機の中では泣きとおしでしたが、

なんとか日本に戻れ現在一緒に生活してます。

 

ところで、中国国籍の離脱手続きはまだやっていないのですが、

問題あるのでしょうか?ご存知の方がいらしたら教えてください。

 

私は、日本に対し国籍留保をするために中国を駆け回っていたら、いつのまにか

中国国籍を取っていたようです。考えてみると、出生地主義をとる中国ですから

中国で出産し出産証明書を取る以上、一端は全員中国国籍になるのではないか

しらん。

 

なお、出生証明書を日本に郵送し、日本で出生届けを出そうというお考えですが、

私も当初はそれで行こうと思っていました。ただし、大連の大使館の方と相談

したところ、下記事由により日本で先に出生届けを出すよりも在中大使館に

出した方がいいと判断して敢えて提出しました。

 

1)パスポートを作成するのは遅れるが、大使館に国籍留保を提出した時点あるいは

提出する意志を有したとき(中国サイドの理由で書類作成が遅れている他)

大使館のお話では、「準日本人(正確にはそんな言葉はないようですが)」扱い

して、赤ん坊が大使館からサービスや援助の対象として考えてくれる。

 

2)上記理由で、何かあったときの緊急出国の場合などで、パスポートがなくとも臨

時対応してくれる。

 

中国から日本に子供を連れて行くときの模様。この方は中国に迎えに行かれたようです。

 

迎えにいったのは、赤ん坊を無事帰国させる意味もありましたが、中国の親族の

皆さんにお礼をしたかったというのが本音でもありました。

赤ん坊に中国入国visaをとった後、帰国手続きを実施いたしました。

大使館で聞いた話が心配ではありましたが、「なんとかなるだろう」と

強行しました。大連の機場のイミグレでは、「外国人」と「中国人」とも窓口が

一緒なので私が赤ん坊を抱えて通ったのですが、「ニイハオ」以外何も言われません

でした。

 

大使館でいわれた話が心配でしたが、小生の場合は特に問題がなかったようです。

単純にラッキーだっただけなのかもしれません。ゆえに正直よくわかりません。

参考にならず申し訳ございません。

 

何はともあれ、中国での出産ですので、問題があって当たり前。赤ん坊が大きくなっ

時には、「こんなに苦労したんだから親孝行せい」というネタにつかえればかと

思います。中国とのお付き合いですので、トラブルを楽しめるくらいれないと

厳しいですよね。

――――掲載文ここまで――――

 

 

お便りお待ちしております
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