音は部屋で決まる


同じ装置でも部屋によって音は大きく異なります。私は、メーカーの試聴室に限らず、立派なオーディオ専用ルームで、音響効果の素晴らしさに驚いた経験は一度もしていません。それなのに、特にこれといった特徴のないリビングとか書斎とか場合によってはキッチンの片隅とかにただ置いただけの、特別なセッテイングもしてない、オーディオ装置から、素晴らしく豊かな或は臨場感やプレゼンスに富んだ音が出てきて、仰天したことが何度かあります。そういう特別な部屋と言うのがあるんですね。残念ながら何故その部屋でそんな素晴らしい音が出るのか理由は全く解かりませんでした。

音響効果の悪い部屋で、音を良くする為にいくら頑張っても限界があって、良い音が出せなくて悔しい思いをした経験は数え切れません。音響効果が普通の部屋ならば部屋の音響条件を変えなくても、時間をかけて、アンプやスピーカーのチューニングをしていけば、音響効果の良い部屋に負けない音は出せます。でもですね、音響効果の優れた部屋でアンプとスピーカー等をチューニングした場合は、もうオーディオを止めようと思うほど情感の深い鳴り方をするのです。何故オーディオを止めようかと思うかというと、おなじ組み合わせ、同じチューニングをしても、自分の部屋で同じ音が出せないからです。無力感が先にたちます。音の良し悪しは部屋で決まると言う人がいたら私は賛成してしまいます。音を本当によくしたかったら、音の良い部屋の音響条件を研究するのが一番かもしれません。

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