地震で製油所火災、JR特急が脱線し乗客けが
地震発生直後に、苫小牧市西港の出光興産北海道製油所原油タンクから火災が発生した。また、JR北海道によると、根室線を走っていた札幌発釧路行き寝台特急まりもが音別町の直別駅付近で脱線した。5両編成のうち脱線したのは2両目で、33歳の男の乗客1人がけがをした。北海道電力泊原子力発電所は出力を落とした。このほか、各地で割れたガラスで足を切るなどけが人も出ている。
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住吉町屋上から0309260524 | |
消防署は、地震を感じると一目散に車庫に行き消防車を外に出す。消防車が壊れてしまっては、その後の災害に対応できないからだ。今回の地震は、仮眠中に起きたので眠気眼で大きく揺れる廊下や階段を必死に進み対応したが、その直後南の空に黒煙を確認。大変な事態が起きたと思ったとき、特別火災(高所放水車・大型化学車・原液搬送車が出動する災害)の指令が鳴り響く。 |
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住吉町屋上から0309260714 | |
苫小牧市消防本部は震度5で職員が自動的に全員招集され、各勤務地に参集することとなっているが、出光興産のタンク火災により、より緊迫したサイレン吹鳴による招集に切り替えた。
タンク火災の出動により一般火災の消火活動が困難になるため、この招集サイレンによって
招集された署員で留守になった地区を補うこととなった。 |
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地震ドキュメント 26日午前4時50分釧路・十勝沖でマグニチュード(M)8・0の地震発生。日高、十勝、釧路管内で震度6弱を観測 。道が災害対策本部(本部長・高橋はるみ知事)を設置、自衛隊に災害派遣を要請 。釧路管内音別町の直別駅近くで、JR根室線・札幌発釧路行き寝台特急「まりも」の2両目が脱線、男性1人がけが 4・52苫小牧市消防本部に同市真砂町の出光興産北海道製油所から「貯蔵タンク1基が火災」と通報 5・00根室管内中標津町の道道で、地震で道路に散乱したビール瓶を片付けようとした男性(61)が乗用車にひかれ死亡 5・15政府が官邸対策室を設置、防衛庁が災害対策室設置 5・40十勝管内広尾町の十勝港で、港に駐車中の車十数台が高波にさらわれる 6・24日高管内浦河町で高さ1・3メートルの津波を確認 6・30第1回道災害対策本部会議を道庁で開く 6・54始発から運転を見合わせていた札幌市営地下鉄が運転開始 7・12井上喜一防災担当相が記者会見。「余震は10日間続く可能性がある」 8・11釧路沖でM5・1の地震発生。釧路市などで震度3を観測 8・30高橋知事がヘリコプターで日高管内などを視察 10・02陸自第7師団が給水活動で日高管内浦河町に出発 11・40小泉純一郎首相が自民党両院議員総会であいさつ。「政府として復旧に万全を期すよう怠りない態勢を」 12・00道経済産業局が地震で被害を受けた中小企業のために特別相談窓口を開設 12・09苫小牧の出光興産北海道製油所の火災が完全鎮火 15・00管制室の天井パネルが管制機器の上に落下、始業から業務不能となっていた釧路空港が復旧 18・30太平洋沿岸に出されていた津波注意報すべて解除。地震発生直後の津波警報発令からほぼ13時間半ぶり 21・13停電中だったすべての地域で電気が復旧 27日午前0時地震発生からの有感地震は計26回 (文章=北海道新聞2003/09/26
15:30) |
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発災タンク南西から0309260841 |
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今回のタンク火災は、油面を落とし蓋で覆った形のタンクで、火災はこの覆った蓋の端の原油がリング状に燃えるリング火災を起こすと同時に、配管から漏れた原油に引火したしたものだった。 この火災は、約7時間の消火活動で消えたが、大量の泡消火薬剤を消費した。 |
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発災タンク北西から0309260844 | |
この火災に置いて
炎上中の配管から油を抜き取るための操作を出光の職員が行ったが、操作を誤り圧力をかけてしまい消火に当たっていた大勢の消防職員が爆発的に燃え上がった炎に包み込まれそうになった。 |
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◇午前四時五十分に起きた地震の各地の震度は次の通り。
▽震度6弱新冠、静内、浦河、鹿追、幕別、豊頃、忠類、釧路町、厚岸 ◇午前六時八分に起きた地震の各地の震度は次の通り。 ▽震度6弱浦河 |