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苫小牧の沼を見てみたい!

30 美々沼

 この沼は、道道静川美沢線(129号)の湿原1号橋及び湿原2号橋で分断されてしまった。
 左の地図は現在と違っていて、今は西からの道路は南に曲がらず西に真っ直ぐ伸びている。


 元々は、この橋の位置からの展望は無く、見ることができたのは、和牛レストランログハウスびびから南に300m程南下したところに美々沼の出口がありそこを確認できる程度であった。

 右下写真は湿原1号橋から南を、左下写真は湿原2号橋から北を写した写真。


31 ウトナイ湖
(ウツトウ・ウツナイ・ヒヒ沼・ウツナイ沼・キムンケトウ・ウツナイ沼・ウツナイ湖・ウトナイ沼)

 ウトナイ湖は、周囲9q、面積275ha、平均水深0.6mの海跡湖で、美々川をはじめトキサタマップなどの清流がそそぎ、湖の周辺には、原野、湿原などが形成されている。
 このことから動植物の宝庫、野鳥の楽園ともいわれ、現在まで250種を超える鳥類が確認され、バードウオッチングや自然散策、自然観察などが楽しめる。特にガン、カモ類やハクチョウなどの渡り鳥にとっては重要な中継地として国際的に知られ、1981年日本野鳥の会我が国初の野鳥のサンクチュアリ(野鳥の聖域)が設置され、1982年国指定鳥獣保護区特別地区(集団飛来地)に定められ、1991年ラムサール条約登録湿地として登録された。野鳥観察や保護・研究の拠点としてのネイチャーセンターが設置されています。
 
ウトナイ湖を見るには色々な方法があるが、大きいだけ有って八方からのアクセスが可能である。一般的には2方向で、ウトナイ湖野生鳥獣保護センター(道の駅ウトナイ)とウトナイ湖サンクチャアリで、共に観光化されているが、一定程度の自然保護になっているはずである。

ウトナイ湖は、古い絵地図に弁天沼を併せてひょうたん形に表記され「ユウフツトウ沼」や、「ヒヒ沼(美々の訛)」と記され、「東西蝦夷山川地理取調図(松浦武四郎)」では「ウットウ」、「西蝦夷日誌(松浦武四郎)」では「ウトナイト(宇都内)」と「ウッナイ沼」、開拓使記録局勇払郡略図(明治7年)では「ウッナイ沼」、明治末期には「ウトナイ沼」が確立している。

 観光を機にウトナイ湖と使われはじめたが、最大深度2メートルほどしかなく、湖の定義(深度5メートル以上)には当てはまらない。
 今回は、ウトナイ湖の南側に位置する川の出口まで行ってみた。ウトナイ湖南にはウトナイ砂丘があるが、一般市民の認識は無いだろう。しかし、直接自分の目で見ると無視はできないものであり、感動があり、その自然を壊さないように歩く道を選んでいた。
 砂丘を見ながらであれば植苗駅側から、直接河口に行くのであれば沼ノ端橋側からであろう。それにしても、豊富な野鳥を保護する力は尊敬する。


32 古川沼


 勇払川旧古川地区は勇払川の河川改修によって三日月形に残された部分で、勇払川の原風景を残す場所として、1976年に苫小牧市の自然環境保全地域となった。この地区では、先住民であるアイヌ民族が使用していた丸木舟が見つかり、また川の東側には樹齢200年近いミズナラやハリギリなどが自生する林があって、原野では少なくなってきたアオサギのコロニーもあった。

 勇払原野には樽前山ろくに点在する湖沼群や苫小牧東部地域にあるウトナイ湖や弁天沼などの多様な湿地環境が多数残されているが、豊かな湿地環境を象徴するアオサギのコロニーは年々少なくなって、現在はほぼ確認できなくなっている。近くには、戦争遺構の念橋を確認できる。


33 弁天沼(辯天沼・濱ノ沼?)


 弁天沼は、苫東地域の中央部に位置する沼で、74ha(開放水面)と苫小牧で2番目に大きな湖沼だ。

 沼のなぎさ線は水中から陸にかけて植生が連続的に変化していく“エコトーン”(移行帯)をなしている。水中にはミツガシワやヒルムシロの水草類、その外側に向かってフトイ群落〜ヤチヤナギ群落〜ヨシやススキ、そしてその周囲はハンノキの低木林、更にその周辺にはコナラやミズナラの二次林が拡がっている。
 沼には天然記念物のマガンやヒシクイ、オジロワシ、オオワシをはじめ季節に応じて多数の渡り鳥が飛来し、特にガン類にとっては、ウトナイ湖とともに重要な渡りの中継地となっており、春と秋の夕方には多くのガンたちが、餌場から帰ってくる姿とともに大きな羽音が聞こえる。
 
江戸時代後期に、勇払川東岸に弁天社が建立されていたことから「辨天沼」呼ばれるようになっ。
 

 
34 王子沼
 
王子沼地図   王子沼画像
 
 王子沼は、坊主山の北側で、貯水池ワッカナイに向かっていくと西側にある小さな沼である。この沼の南側には旧貯水池があり、小川?でつながっている。王子の所有地であったことから王子沼と呼ばれてる。
 この沼は、消えた沼を探していて見つけたもので、現在ある沼としては一般に認識されていないものと思われるが、グーグルで見る限り水面があり、かなり古い記憶であるが、ここに行った覚えがある。
 ここへ行くには、バイパスから坊主山方面に曲がりワッカナイ道線を北上し、高速道路をくぐってから約1280mで左折する林へ入る道路(チェーンが張ってある。)があり、ここから歩って入ることになる。子供のころ、この小川で釣りをしたことがある。
 地図で道路を確認できるが、道をたどるのではなく、丘を越えて沼に向かうと春には沼全体が見渡せ、かつ、最短で沼に出る。車幅の道路がおおむねついていて、迷うことはなく、沼の3/4ほどを回ることができる。
 沼は思った以上に大きく、春先なのでグーグル画像より一回り大きく、北側からの入水を確認できる。沼の形状から、自然の沼であることがわかる。
 道路自体はワッカナイ道線で、道路台帳に市認定道路となっていることから、通ることには問題ないが、沼周辺の土地は王子の所有ではないかと思われるので、入林には注意が必要だ。       2022年追加
王子沼南
沼南側から北側方向
王子沼高台から   王子沼西側から

東の丘の上から                 西に入り込んだ入り江から