八重山地方訪問記
1999年12月26日〜30日
 

▲八重山郡竹富町 竹富島 RAC77便(波照間行)より09時13分撮影


沖縄県に魅了されてから3年が経ちました。沖縄本島は北から南まで 回りましたが、離島島嶼部にはまだ行ったことがありません。冬休みを 利用し、はじめて石垣島・竹富島・西表島・波照間島に出かけました。 予算は、旅行代金だけで11万円。そのほか、飛行機に乗ったり船に乗 ったりで、6万円くらいかかっていると思います。しめて17万円くらいの 豪華な国内旅行でした。

 旅程 

12月26日 羽田(1320 NU073便 1640)石垣着
(実際は1655に遅着)
ORIXレンタカーで宿泊先 石垣シーサイドホテル
12月27日 石垣空港(0905 RAC 77 便 0920)波照間着
          波照間港(1240 あんえい丸 1400)八重山桟橋
          八重山桟橋(1430 八重山観光フェリー )竹富島
            竹富島         八重山桟橋
12月28日  八重山桟橋 (1000八重山観光フェリー1040) 西表島
            仲間川ボート遊覧  やまねこレンタカーで星砂海岸へ
            西表島(八重山観光フェリー) 石垣島
12月29日  10:30分出発 クラブメット川平の敷地を通過して
   平久保崎まで 白保地区見学
 石垣空港(1815−NU620 B737-400−1905 )那覇
 タクシーでかりゆしアーバンリゾートへ
 
12月30日 お昼 那覇から名護の我部祖河食堂でソーキそばを食べる
  那覇 (2100 ANA−NH992 B767-300  2250)羽田へ

 写真左:羽田34R離陸(13時35分)直後 東京湾上空

写真右:16時11分 沖縄本島上空(雲頂高度の低い晴天積雲が見える)

 日本でも屈指の距離を誇るJTAの073便(当日の使用機体はJA8939)。飛行時間3時間半というものでやや退屈してしまう。ボーイング737-400型という機体で、向かい風が強く対地速度が600km/hしか出ていないため、石垣空港には15分の遅着となりました。当日、ディレイのためかショートカットしたようで、沖縄本島を左にみての飛行。したがって、私が座った右側には、伊平屋島(16時00分)、粟国島などが見えました。1645分くらいになると、多良間島が右に見え、石垣空港に着陸。右旋回で南側からアプローチ。

 年末の南西諸島は、ここ5年くらい連続で出かけていますが、曇天のことが多いようです。黒潮 が北流しているうえに、大陸からの乾いた季節風が吹走しています。海上からの潜熱と顕熱供給が 盛んなため、高度1〜2kmという比較的低い位置に雲ができます。したがって太平洋上には、ぽつぽつと雲がわいています。これも一種の気候景観になるでしょう。



羽田発最長距離路線 NU073便の荷物タグ

感熱紙なので消えないうちにスキャン。このタグ「3M」あたりが製造しているのだ ろうが、なかなかの粘着力だが荷物にはこびりつかない。また紙じゃないんじゃないか と思うくらいの強度。刃物以外では決して破れないのです。

写真左:JTA073便のキャビン内   写真右:16時42分 多良間島

石垣空港は日本で最短の滑走路を持つジェット化空港です。普通ボーイング737 が離着陸するためには、2000mの長さが必要ですが、南側には道路、北側にはフルスト 原遺跡があるため、延長ができずこのままでの運用となっているようでうす。  ちなみに、石垣空港からは燃料を満タンにして、東京までは飛行できないようです。 だから、関空行き、広島行きは直行便がありますが、東京行きは宮古島経由で 運行されています。ですが、逆は燃料が少なくなってから着陸するので東京からでも OKのようです。

 湿度計を持って出かけましたが、キャビン内では最低湿度26%まで下がりました。 とても乾燥しているのです



写真左:石垣島白保地区の珊瑚礁リーフ   写真右:滑走路南側より着陸 やっと到着

 石垣島では空港を白保地区沖合の珊瑚礁を埋め立てる、という案がありましたが、 反対運動を受けて今は暗礁に乗り上げていました。2000年3月にやっと住民投票によって、内陸のカラ岳陸上案に決まりやっと、新しい 空港建設へのめどが立ちました。

そんな短い石垣空港の滑走路に 着陸するときは、想像を絶するフルブレーキングと逆噴射をかけます。滑走路の2/3ほど行ったところでターミナルに戻るのですが、普通はノーズギア(前脚)を切って転回するのですが、石垣ではエンジンを推進状態にして、右のエンジンのみを逆噴射にしてその場でくるっと回ってしまう芸当をやってこなすのです。ちょっと信じられない光景でした。




▲ JTAの石垣空港ターミナル(17時の石垣島 北北東の風・5m/s・18.5℃)

 タラップを下りて石垣空港に入りますが、JTAのターミナルはぼろっちくて とてもローカル。ANKの方は新しすぎて利用したくないです(笑)。

 宿は空港から車で40分ほど離れた石垣シーサイドホテルです。目の前は底地ビーチになっています。7階建てでとても良いホテルでし た。ただ、空港からは遠いし石垣市内からは30分かかるのでまめでない人はきつ いかもしれません。夜のドライブにはいいでしょう。八重山警察署の指導が行き 届いているのか地域性なのか、制限速度40km+10km/hくらいで走っています。  東京だったら80km/hくらい出せそうな道幅、交通量ですが、ゆっくり走ってい ます。

 石垣市街と川平は20kmくらい離れています。石垣島に4日滞在しましたが、 せっかくレンタカーを借りているので毎日昼と夜2往復しました。結局、400km も走ってしまいました。


 ▲ 琉球エアコミューターのDHC-6 波照間空港にて

 2日目は、有人島日本最南端の波照間島に行きました。朝、0905の琉球エアコ ミューターのDHC-6(機体番号JA8802・02年1月現在老朽化で引退) に搭乗。料金は高速船の倍で6300円。高速船は朝830〜840 にそれぞれ八重山桟橋を出港するので、飛行機は高速船を追い抜くのです。  右側に座るのがおすすめで、竹富島、西表島、黒島などの島々を眼下に 収めることができます。

 朝9時5分発ということですが、搭乗し終わるとRACの係員が入ってきて、 「本日のご搭乗ありがとうございました。避難方法などは、しおりをご覧下さい」 といってそそくさと出ていきました。石垣駐在のRACのDHC-6はぼろい! いすなんかは木で出来ていました。

朝9時の石垣島は北東の風・5m/s・19.8℃

 一番機ということなので滑走路にタキシング途中に、5分程度エンジンのテスト をしました。右のエンジン全開、左のエンジン全開などのテストです。テストが終 わると滑走し始めますが、ほんの15秒くらい滑走しただけでふわりとテイクオフ。  左旋回で石垣市内をみながら、竹富島・黒島の上空を飛んで波照間島に到着しま す。飛行時間は正味15分です。波照間空港は南側からのランディングになって、 右旋回で着陸です。私が訪れた日は風が強く、接地してから方向を定めるのに苦労 していたようです。そんな波照間空港には09時25分頃到着。

▲ 波照間島 有人島日本最南端の碑

 波照間空港を出てから、すぐ「みのる荘」の車をみつけ、みのる荘まで連れてい ってもらいレンタバイクを借りました。私は、16の時、神奈川県の試験場で原付の 免許を取りましたが、その日は雨だったため実地訓練が無く、今まで二輪車に乗っ たことはありません。生まれてはじめての経験になります。

波照間島11時、東北東の風・6m/s・21.1℃。


▲ 波照間島の中心部 ▲ 日本最南端のAMeDAS観測地点

 まず目指したのは、日本最南端の碑です。道を間違えましたが、原付で15分ほど で到着。なーんにもありませんでした。原付で2分くらい行くと星空観測タワーなる 灯台みたいなものがありました。まわりはほとんどが砂糖きび畑です。日本最南端の 碑には10時25分に到達しました。

島の北西部に波照間製糖という工場があって、黒糖をつくっています。波照間島は地図で見ると平坦な島ですが、ちゃんと起伏があって、原ちゃりのエンジンも全開にしないと上れない坂もあるのです。その坂を上ったところに日本最南端のAMeDAS観測点があります。


▲日本最南端の交番


 町中の一本裏通り、みのる荘の裏側に日本最南端の交番があります。 交番所有のものかどうかはわかりませんが、ハイエースが止まっています。 中に、駐在さんがいました。

写真左:沖縄電力波照間発電所   写真右:日本最南端の波照間郵便局


  島嶼部でのライフラインは、すべてその島でつくらなくてはなりません。 石垣島にも発電所が2カ所ありますし、小さな島には必ずあります。この波照間島 にも内燃機関の発電所があります。沖縄電力の管轄で、最近は風力発電も はじめたようです。発電所の通用門のところに、地下から高圧電線が上に登って いって、島内にむけて電力が供給されている様子が手に取るようにわかります。 近づくとエンジンの音が聞こえます。

 最南端の波照間郵便局。現金もおろせるようです。傍らにはスズキジムニーの 4駆の郵便車がおいてあります。なんと奈良ナンバーでした。


 ▲南十字星が見える、ということをモチーフにしたマンホール

(12時08分撮影)


あんえい丸は、揺れるので有名です。乗船当日もたぶんにもれず相当なゆれ。 揺れて酔うとか酔わないとかという議論が盛んですが、酔っている人もいました。 が、あまりの揺れの強さに酔うところか、楽しかったです。時速60km/h以上は出ている でしょう。片道3000円程度で、切符は波照間港に行って、茶色のツートンカラーの ランドクルーザーで売ってくれます。ただ、余裕を持って行かないと、10分前くらいに 出発してしまうので注意してください。

 ▲竹富郵便局


   竹富島は自転車で回りましたが、ちょっとつくられすぎていて残念でした。友利サイクルのレンタママちゃりを借りて散策。島内は、珊瑚礁のかけらでできた 白い砂地なので、ママちゃりははまってうまく走れません。

 そういえば、西表島の西表郵便局にはイリオモテヤマネコのシーサー風置物が ありました。


写真左:仲間川のマングローブ林  写真右:サキシマスオウの木(11時31分撮影)


 3日目:西表島へは、午前10時発の八重山観光フェリーで八重山桟橋から出向。35分程度で大原港は到着。あまり考えずに行動していたので、レンタカー屋がどこにあるかもわからず、10分程度うろうろ。そうこうしている間に、西表島のレンタカー屋の老舗、やまねこレンタカーの白いスターレットが来るので、声をかける。車で2分くらいのところに レンタカー屋の駐車場があります。ちょうどその裏手、歩いて3分くらいのところに仲間川遊覧ボートの船着き場があります。1260円で、仲間川のマングローブ林を拝めます。わたしが乗船したときは、スポーツ系のお姉さんが操舵。折り返し地点にあるサキシマスオウの木も拝めました。この旅のおすすめです。このあと、星砂海岸まで行きました。正午の大原、東南東・5m/s・23.4℃

写真左:八重山支庁    写真右:竹富町役場


 支庁というと、北海道をイメージしますがこの沖縄にも宮古支庁、八重山支庁の 2つがあります。この八重山支庁庁舎です。石垣市にあります。

 波照間島、竹富島、西表島などを管轄とする竹富町役場は、なんと石垣市に あります。このような自分の行政に役場を配置しないのは、鹿児島県十島村などで 鹿児島市に村役場があります。


 写真左:石垣地方気象台     写真右:八重山桟橋


   こちらが石垣地方気象台です。某国営放送ラジオ第2で午前9時10分、 午後4時、午後10時から20分間、気象通報という番組があります。高校時代 天気図をたくさん書いた人間としては非常になじみのある番組で、その通報 の一等最初に読まれるのが、この石垣島の観測結果です。

以前から行ってみたい!と思っていましたが、とうとう訪問できました。冬の 間は季節風で北東ないし北北東の風の場合が多いです。かつて台長を やっていたのは岩崎卓爾で、小生と同じ宮城県人でした。


 ▲石垣島最北端の地  平久保崎


最終日はあいにくの雨のなか、川平から左回りで石垣島を1周しました。ゆっくり走っても3時間あれば時間が足りるでしょう。石垣島最北の地は平久保崎という岬です。 断崖の上にある岬で、途中車にしてはやや狭い道路で岬にアプローチ。登り切った ところに広場がありますが、そこからまた上に道があります。車で上れるかと思い、 近づいてみると幅員がぎりぎりで(普通車)、歩きました。歩いても1分もかかりませんが ・・・。あいかわらず南シナ海を吹き渡る風は強い!11時の伊原間は東南東・5m/s・20.8

写真左:石垣空港でみた稚内市の広告

 写真右:石垣空港JTAターミナル内


 日本最南端かつ最西端の市、石垣市は最北の稚内市と友好関係にあるようで、 なんとJTAターミナルには稚内市の看板がありました。後日稚内に出かけて確認 しましたが、ちゃんと石垣市のプレートがありました。

   JTAターミナルは、とっても狭い。おみやげやは奥の方に3店舗くらいあって、 石垣牛などを売っている食品の店舗もあります。喫茶店もあります。

 出発の18時の石垣島、北東の風・5m/s・21.0℃。


写真左:JTAのNU620 那覇行(1800頃)

 写真右:新那覇空港ターミナルにて 琉装したDCカード かっぱとたぬき


 八重山からの帰途には、JTA620便が割り振られました。1815に出発。1825分頃 滑走路南側から、スタンディングテイクオフで上昇。機内サービスは無し。離陸後15分 程度、1840で水平飛行に。1847に「ポン」とベルト着用サインが出て降下を開始。1908に 那覇空港南側より着陸。Y2Kからか、乗客は30名ほどでした。

 新那覇空港は新しいが、風情がなくなってしまいました。ただ、一つ心をなごませてくれるのが 荷物ターンテーブル近くにある、DCカードのかっぱとたぬきの看板。よーく見てみると、 琉装していてとてもかわいい。町に入った20時、那覇では東北東の風・3m/s・18.1℃。


 左:JTA073便  中:JTA620便  右:ANA992便

団体券なのでマイルが一向にたまらない。



写真左:かりゆしアーバンリゾートの山側からの景色

 写真右:牧志第一公設市場


 最終日は、残念ながら雨天。ゆっくり朝食をとり、国際通りで買い物をしました。 その足で、ぱれっと久茂地の1階にある、ニッポンレンタカーで車を借りました。車種は 、三菱DINGOでカーナビ付き。さっそく、ドライブがてら名護市まで行きました。沖縄自動車道 は北部振興策で、通行料が若干値下がりしていました。そんなことがあるのですね。 いつもの我部祖河食堂本店でソーキすば大を注文。すぐにもどって、糸満のサンエーで 買い物。いつもここでは酒類を購入します。空港には20時に着いてチェックインしました。

 全日空の992便はパラダイスフライトといって、安価になっています。この便は名古屋から飛んできた機体のようで中日新聞を積んでいました。この便だと、モノレールの最終時間2335に間に合わない可能性があって、気をもみましたが、2255分頃にスポットイン。2315にターンテーブルから荷物をキャッチして、最終一本前のモノレールに乗れました。この992便は日本で一番遅い時間を飛ぶ国内線旅客機なのでした。※最近モノレールは23:50発に延発になりました。ただし、途中停車駅無し。(02年1月現在)


 八重山の旅で気をつけたいこと
 車のスピード 非常に遅い!制限速度は40km/h以下の ことが多く、八重山の方たちは、このスピードを遵守します。我々の速度認識 は、交通量と道路の幅員で決まると思います。が、ここではそれは通用しませ ん。八重山警察署の力は大きく、交通安全指導が徹底されていますので、そ れを乱すことのないよう気をつけて運転されてください。
 駐車場 これも少ない。小生が泊まった、川平にあるホテ ルなどは広大な駐車場を持っているのが当たり前ですが、石垣の市街地は 駐車スペースはほとんどないと思っていいでしょう。ただ、郊外のホテルに宿泊 し、離島に行く場合などが考えられますが、レンタカー屋さんに相談するといい でしょう。私の場合は、いろいろとりつくとってくれて、ガソリンスタンドで給油する 代わりに止めさせてもらいました。融通は効くようです。石垣空港の駐車料は タダです。

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