新しいレコーディング方式


*トラック: テープ・レコーダーの録音できるチャンネル数
*チャンネル: トラックに番号を付けて、固有の録音ができるもの
         実質的にはチャンネルをトラック番号で呼んでいるみたいだ。

 →カセット・テープも4トラックと言える。 2トラック(正式には2チャンネル)を下記のように分けているのだ。カセット・テープ再生機のヘッドはこのうちの2チャンネルだけを読み取って再生している。 (テープの表面での正式な分け方はこれと違っていると思うけど、忘れたので参考ということで見てほしい!!) これらの4チャンネルを同一方向でそれぞれのチャンネルを録音したり再生できたりできるものをMTR(マルチ・トラック・レコーダー)と一般では言うようだ。

1ch →A面の右の音
2ch →A面の左の音
3ch ←B面の左の音
4ch ←B面の右の音



 では4トラック録音方式をなぞってみよう! 簡単にだ! 実際にビートルズが行っていた方法とはちょっと違うので注意。 
 まず、リハーサル(ガイドヴォーカルあり)を3チャンネルと4チャンネルに録音(予想!)して、2つのリハーサルからベストを選ぶ。 第1テイクは失敗したので第2テイクを使用。

4トラック

1ch  
2ch  
3ch リハーサル
4ch リハーサル


 そして、そのリハーサルを聞きながら、リズムトラックを録音する。

4トラック

1ch ドラムス、ベース
2ch リズム・ギター、リード・ギター
3ch リハーサル
4ch リハーサル


 で、リハーサルしたチャンネルに、オーバーダブを追加(上書き)する(スーパー・インポーズ)。 3chにヴォーカルを入れて、さらに4chにパーカスなど。

4トラック

1ch ドラムス、ベース
2ch リズム・ギター、リード・ギター
3ch ヴォーカル
4ch タンバリン、追加リード・ギター

 そして、この4トラックに分かれている音源を、1chに落とすことをモノ・リミックスといい、2chの左右に振り分けて落とすことをステレオ・リミックスという。 ステレオの場合は、だいたいは中央にドラムスとヴォーカル、左にギター、右にパーカスなど・・・。 ビートルズは後に4トラック機材を2台使って、実質8トラックとして使っていた。 その方法についてまでは記載しないけれど、本当の8トラック機材が入ったのは最後のアビーロード・セッションの時だ。 現在の機材ではいったい何トラックまであるんだろう?

 このようにトラックが分かれていて、それぞれのチャンネルだけで再生・録音できて便利なのは、歌の一部分が失敗したとき、そのチャンネルがヴォーカルだけだったら、他の演奏をいじらないで、ヴォーカルのその失敗した部分だけを録音しなおしたりできるのだ! 歌の下手くそなアイドル歌手などは、そうやったり上手く歌えた部分をつないだりしている。


 なんとなく分かりましたでしょうか? 本当の使い方とは違うと思いますが、多重録音機材について理解する手助けになりました?