フッ素濃度適正化?


  最近、「水道水のフッ素化」といわずに「水道水フッ素濃度の適正化」との言い回しに変わってきています。これは、ずいぶん意図的な、あるいは政治的な変更です。客観的な言い回しとしては せいぜい 「水道水にフッ素を添加し、濃度を適正にする」までではないでしょうか。口腔衛生学を中心にこの変更が行われてきていることは、学者としての客観性を疑いたくなります。

 学会としての見識に期待したいものです。

 斑状歯との関連で適正濃度といえば、いろいろなデータを比較しても閾値が認められていません。あるとすれば0.4ppm以下です。虫歯予防のために適正なフッ素濃度はむしろ1ppm以上となりますが、中毒との観点からは体重あたりの総摂取量で見るのが普通でしょう。当然フッ素はいろいろなものから摂取しますので、一つの食品や飲料水の適正濃度ということ自体非常に奇妙なことであるといえます。

 さらに、ベトナムでの水道水フッ素化では最初0.7ppmで始めたものが、斑状歯の発生によって現在0.4ppmになっています。このことからも水道水中フッ素の適正濃度がはっきりしていないことが、うかがえると思うのだが。(水谷)


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