Izzy Stradlin'
Izzyについて知りたい方は
コチラ

99.4.12/NAGOYA CLUB QUATTRO
 この日はあいにくの大雨。しかも仕事を運よく少し早めに終わろうとしたときになんとハサミで手のひらを切ってしまうというバカをしでかしたために結局ギリギリの時間になって、雨に降られながら近鉄特急(ちなみに特急料金を取られる)に飛び乗って名古屋に向かいました。外タレだし、19時開演だけど少し遅れるんだろうなどとたかをくくってたら、19:02に着いたにもかかわらず一曲目(多分)が始まっていて、焦りながら当日券を買ってクアトロの重いドアを開きました。

 そしたら、いたいた!(←当たり前)真ん中に、赤と黒のバンダナ(スカーフ?)を巻いた黒髪短髪のイジーが!赤いグレッチをぶらさげて、紺の無地のシャツにジーンズで、無表情にリズムを刻んでる。そして向かって左にはダフ・マッケイガンが!ダフは黒いTシャツに黒いパンツをはいて、黒いベースを弾いてる。これだけでもうお腹いっぱいだって。ある世代の人達にとって、GUNS N' ROSESというバンドは神様みたいな偉大なバンドだったから。今から思えばマスコミに面白半分で増幅された歪んだイメージも多々あったとは思うけど、やっぱりあのときこの2人があのバンドにいて、スタジアムを次々と満杯にしたんだと思うと、感慨にふけることしばし。

 しかしながら、それだけのバンドにいた2人が、クラブクアトロさえ完売できないとは...なんて別の思いもあったりして。ほぼ満員といってもいい客の入りだったけど。しかしその客層が不思議だった。普通ロック系のライブにいるような人はあんまりおらず、ちょっとオタクが入った人なんかも多い。メガネ率非常に高し。そういう人は、微動だにせずステージを見つめている。男女比は8:2〜9:1くらいで男ばっかり。周りの平均身長が高くてなかなか大変。私みたいに昔を懐かしんで来ているとおぼしきスーツ姿のサラリーマンもけっこういた。外人もいて、英語でなんか叫んでた。

 ライブはまあ何というか...前の5列目くらいまでが異常に盛り上がってて、昔で言うポゴダンス(その場で垂直にピョンピョン飛び跳ねる)というかそういうノリでした。わたし的には「そんなにノるタイプの曲か〜?」なんてギモンも沸いたりしたのですが、イジーが思わずステージでつられて、笑いながら一緒にピョンピョンはねているのが面白かったです。

 彼に歌唱力とか求めるのは無理なのかもしれませんが、最初PAの故障かと思ったくらい声が出てなくて、「イジー声が小せーぞー!」と男のヤジが飛んだくらいです。

 MCもなく(日本人は大抵英語がわからないということを知っているのでしょう)たまに曲名らしきものを言う程度。どこぞでは、途中までシールドが抜けたままギターを弾いていたというチクリもウチのBBSにあったし、(笑/気も抜けてるんじゃないか?)もともと無表情な彼の顔色からは、心から楽しいのかそうでないのか、イマイチわからんって所がありました。

 逆にノリノリ(死語)なのはダフのほうで、終始ニコニコ顔で客席を煽ったり、ステージの端っこギリギリまで出てきたり、逆サイドに来てくれたりと、大サービスしてくれてました。別人のように(というか昔のように)痩せてて、イカした(またもや死語、でもダフには死語が似合うような...)ロックなニイチャンという感じになってました。

 メインでギターを弾くリック・リチャーズ(元ジョージア・サテライツ...だよね?)は、ちょっとベタすぎるかな〜というくらいのブルージーなギターを弾く人で、すごく大柄で、いかにもアメリカのロックな人って感じ。カウボーイハットをかぶってサングラスにヒゲで、長髪を後ろにしばってちょっと太めみたいな。ハーレーに乗ってタバコはマルボロとかそういうイメージ。イジー&ダフにはあまり合ってないような。大柄なので、ギターがおもちゃのように見えました。ダフだって上背は190cmくらいはあったはずだけど、リックは「ギターって楽器は外人の為にあるのかな〜」と思わされるような大きさ。

 ドラムの人(名前を知らない。ゴメンナサイ)はこれまた典型的な、頭の悪そうなアメリカのハードロックドラマーと言う感じ。長い金髪を振り乱してひたすらイキオイでタイコ叩いてました。ツーバスではなかったと思うけど、かなり速く叩いてたので、ペダルを2個つけてたのかな。なんかこういうの見ると、いくら日本人が頑張っても、ドラムなんかは体格的にパワーの面では追いつけないって感じがします。だって、ず〜っとヘッドバンギングしながらすごい力&勢いで叩いてるんだから。その分繊細さとかは感じられないけど...
 セットリストとかはまったくわからないのですが、全編通して、オーソドックスなスリーコードのR&Rという感じで、私はけっこう楽しめました。何かの曲で、途中でレゲエアレンジになって、また戻ったり。HANOI ROCKSの「白夜のTRAGEDY」みたいなギターの入る曲もあったり。さすがにIZZY&DUFFのコンビは付き合いが長いだけあって、危なげない感じ。でも、いい曲かもしれないのですが、いかんせんメロディ(ボーカル)が聞こえないのでイマイチ乗り切れない...

 とにかく、割と早めに本編は終わり、メンバーはソデに消えていきました。当然アンコールがかかるわけですが、みんな「IZZY! IZZY!」って呼んでました。(確か英語では"We Want More!"とかなんとか言うんだっけ)で、アンコール部分がなんかすごく長くて、あれは単に中休みだったのかな〜ってくらい。アンコールではダフとリックがそれぞれボーカルを披露したのですが、はっきりいってイジーより声が通ってました。

 そして、アンコール終了後も客電が点かず、もう一回出てきてくれました。今度は1曲さらっとやって終わり。最後ダフとリックは前のほうにいっぱいピックを配り、握手とかいっぱいサービスして帰っていきました。イジーは持ってたピックくらいは投げたかな〜?ってくらい愛想ナシ(笑)

 とにかく私が痛切に思ったのは、「歌ってるのがAXLだったら」「リードギターがSLASHだったら」ってこと。(ドラムはStevenじゃなくても...でもMattのドラムはあんまり好きじゃない...)あれだけ個性の強い人が集まってるバンドだったから、長くないのはわかっていたけど。一瞬だから輝いていられたのかな。

 ライブの完成度としてはどうかなって所もあったけど、わたし的には楽しめました。会場の人達も、別にイジーやダフに歌の巧さなんて求めてはいなかったと思います。なんていうか、懐かしさ半分、今どうしてるのかの興味半分という感じ。元気でやってるようで良かった良かった。早いうちにクスリからも手を引いたし(SLASHによると、GN'R時代も、IZZYだけはクスリにハマらなかったらしいけど)これからもこの調子でマイペースに活動してってほしいな。そしていつか、わだかまりがなくなる時が来たら、オリジナルメンバーでGN'R再結成して来日する日が来ることを祈ってます...




ライブレポートに戻る

HOME