「今日は疲れたな。シンジ、水一杯くれ」

「はい、六甲の天然水」

「俺は南アルプスの天然水が良かったなあ」

「そう贅沢言うなよ。これしかなかったんだよ」

「まあ今日は勘弁してやるか」

バトルを終えたブライアン。ジョニー一行は修理工場に向かったようだ。

今日は奇妙な事ばかり起きたような気がする、ブライアンは何回もそう

思った。そもそもなんでオマワリさんがあの命知らずの車を捕まえなか

ったのか?そのことが頭から離れなかった。

「気分転換に俺の家くるか?」

シンジがそういった。イエローフレイムズ一行はシンジの家に向かって

走り出した。

環状線を抜け、池袋線を真っ直ぐ突き進み、外環を通り、関越練馬イン

ターを降りるとそこにシンジの家がある。シンジの家はガレージと家が

一緒になった感じの家だ。車は最大で4台、外もあわせると5台は止め

られる広さの駐車場を持っている。金持ちの息子、ではないが、安い泥濘

の誰も買わないような土地を買い、そこに家を立てたのでこの広さの家が

確保できた、らしい。しかし、泥濘のため、地震に弱いみたいだ。

「やっぱりシンジ先輩の家は広いっすねえ」

「何言ってやがる、お前だってすごいじゃねえか、ミニカーの数がさ」

「まだまだっすよ」

「5000台だぞ、どう考えたって、お前はすごいよ」

「そんな…」

コウジとシンジが話している時、ブライアンが、

「これなんだ?シンジ」

「ああ、それねえ。昔この辺で最強だって言われてた人の車だよ。とてつ

もなく速くてさあ、噂だと環状線最速を記録したとか、その記録は今も破

られてないって有名なんだぜ」

「俺が日本に来る前か?」

「そうだな、丁度二年前位かな、俺が初めてギャラリーに言った時だ。あ

の走りは凄かったからな、なんせあの魔の内回り江戸橋JCTのコーナーを

140キロで駆け抜けていったんだぜ!俺だってあそこは100キロが限界

だからな、それと芝浦のところ、あそこなんかもっと凄いぜ!なんせ300キロ

以上で曲がっていくって話だからな!凄いぜ!」

ブライアンは何かピキっとくるものがあった。

「それさあ、今日俺見たぜ!」

「ええ…、まじかよ…」

「なんだよ、その反応。ウソじゃないぞ!この目で見たんだ!オマワリだって

多分ビビって捕まえに行かなかったくらいだからな」

「ブライアン、一ついいか?」

「なんだ?俺の事疑ってるのか」

「その人、もう亡くなったって噂だぞ…」

「なんだって!?じゃあ俺が見たのは亡霊?」

「さあな、あくまで噂だから本当かどうかはあれだけど、警察がいたらしいな、

その場に」

「ああ、全然気づいてない様子だったぜ!いくらなんでも気づくだろ!それに

、あの速度じゃあスピードガンも壊れちまうと思うしなあ」

「そうか、まあその話はもう止めよう」

シンジはなにか隠し事をしているような感じだった。ブライアンはそのことより

眠くてしょうがなかったので早く家に帰って寝たくてたまらなかった。

「もう3時か、俺もう帰るわ」

「先輩、俺もかえります」

「じゃあね、シンジ君」

ブライアン、コウジ、リサの3人が帰っていった。ミカはそのまま残った。

コウジと別れ、ブライアンは近くのコンビニに車を止めた。リサも車をとめた。

「ブライアン君、ちょっといいかなあ」

「何?リサちゃん」

「あのね………」

「?」

「やっぱいいや、また明日!」

「ああ、じゃあな」(なんだ、分からねえなあ…)

リサはそのまま車に乗っていって帰ってしまった。ブライアンは栄養ドリンク

4本、最新刊のデイトナ、オプション2、F1速報、チョココロネを買って家に帰

った。ブライアンが帰ってきたのはもう3:30、さすがに眠くてたまらなかった。

しかし、再びあのことが気になりだした。やっぱ気になる、ブライアンは明日も

う一度あの場所にいくことを決めた。


何か隠し事をしているシンジ、そして、リサの恋の行方は?