「これが結果か」
「どうやらあのシビック事件の車の再生プロジェクトのようだな」
「どっちのだ?」
「ここに書いてあるだろう」
「走り屋のシビックのほうか」
「そうだ、目的は分からないが、何らかの目的があるから再生しているのだろうな」
「ん?「TYPE7」ってのも書いてあるぞ」
「これか、これはどうやら…、伝説の走り屋のやつだな」
「まさかこの走り屋を再生するとかじゃないだろうな」
「なわけないだろう。でも車でもなさそうだ」
「じゃあ一体なんだ?」
「どうやらその伝説の走り屋と同じくらいのレーサーを育てるためのの養成プロジェクト
のようだ」
「同じくらい?」
「そうらしいぞ、ここにフランス語で書いてある」
「英語ならすぐ分かるけど、フランス語はお手上げだ」
「まだあるみたいだな」
「この「ANGEL」ってのもそうかもな、ってこれ何語だ?」
「バスク語だ」
「バスク語?どこの国の言葉だよ?」
「知らないのか?ヨーロッパ人なのに?」
「悪いかよ…」
「バスク語はスペインのバスク地方で使われている言葉だ」
「で、博士は分かるのか?」
「ああ、もちろん。あとドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、日本語もだ」
「よく考えれば俺ら日本語でしゃべってるよな、同じ英国民なのにさ…」
「そうだな、なんとも微妙だが、まあいい」
「で、どういうのなんだ?」
「進行度を表しているようだ。現在どこまで進んだか、それに「ANGEL」というのが
使われているようだ」
「ほう、これが全部か」
「とりあえずな、でもどうしていきなりこんなの調べようとしたんだ?」
「調べるというよりかは、聞いちまってさ」
「どんなやつらのだ?」
「ラグ系乗ってて、でちょっと耳澄ましたら、そういう単語が聞こえてな、普通に聞こ
えないだろ」
「まあな、そういうわけか、何らかの形で何かそういうことをやっているところがある
ってことだ」
「でも何の目的で…」
「さあ、それは私も知らないが、まあ走り屋関係だろう」
「そうか、おっと3:30か、もう眠いかと思ったら…」
「もう帰るか、さようなら。また来るがいい」
「また来る」
ブライアンは店を出て、家に帰っていった。だが、彼はその前にあることを思い出した。
(いっけね〜、リサちゃんに挑戦状渡すの忘れてた。まあ明日でもいいか、まだ3日あ
るし)
すっかり約束事を忘れていたブライアン。結局明日渡す事にしたようだ。
いつものように、コンビ二に寄った彼。これは毎日の習慣になってしまった彼、手料理
でも食べないのだろうか?朝に食べるおにぎり、そして日本に来てから好きになった
チョココロネ、そしてコーラを買って、店を出た。その後、家に着いた時は、3:45だった。
さすがに眠かったのか、帰ったらすぐ車をガレージ一体型の家にいれ、ベッドに一直線。
すぐ寝てしまった。今日はいろいろとあった。また、新たな事も分かった…。
その頃、湾岸線ではある実験の準備が進められていた。
「こちら狩場線分岐点手間、現在異常なしです。準備は整いました」
「では、始めるとするか、アキヒト、準備は万全か?」
「はい、いつでもいいです」
「ようし、では始める」
そして、一台の白いシビックが加速した。
「いよいよだ、これで新たな「伝説の走り屋」をよみがえらせる事が出来る!」
そのシビックは、EG6型、どうやらエンジンが妙にカン高い、それはF1エンジンのように。
ぐんぐんスピードが伸びていく。一気に300kmを超えた。そして、さらにスピードは増す。
もう400kmは超えただろうか、ものすごいスピードだ。だが、ここで、
「こちらシビックドライバーアキヒト、どうやら車の調子がおかしい」
「そうか、車を止めろ」
「了解、ん?止まらない!どういうことだ?」
「どうした?」
「ブレーキが、ブレーキが利かないです」
「どういうことだ?緊急用のブレーキボタンを押せ」
「分かりました。…押しました。ん、どういうことだ、スピンする!」
「スピンだと?どういうことだ」
「壁にぶつかる!」
「何とか回避しろ!」
「それは無理です。もう・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうした?聞こえないぞ、アキヒト?交信が途絶えた…、すぐ現場に急行せよ!」
「所長、電話です」
「誰からだ、この忙しいときに」
「例のシビック事件のレーサーからです」
「そうか、貸せ」
電話の相手はシビック事件のジョーのようだ。
「もしもし、何か用かな?」
「その車は呪われています。だからもう実験は中止したほうが」
「またそのことか…。大丈夫だ。こっちに任せろ」
「とにかく、これは中止しないと犠牲者増やすばかりです」
「とにかく今忙しいから、あとでだ」
所長は電話を切った。アキヒトは重傷のようだ。すぐ病院まで運ぶチャーターの手配がされ、
彼は病院に運ばれた。今日の実験は中止となった。
「プロジェクトは確実に進行している。ここで止める訳には行かない!」
プロジェクトとは一体?第14部に続く。