2004年1月17日 神戸新聞 朝刊

秋田の児童から千羽鶴 西宮のたかいさんに
長男将君は一歳半だった。「生きた証しを伝えたい」。母、たかいさん(42)=西宮市=が、思いをつづったホームページ(HP)。遠く秋田県の小学校教諭が授業で取り上げた。十六日、教諭は神戸を訪れ、児童が作った折り鶴をたかいさんに手渡した。

 たかいさんは、双子の息子と娘と西宮に里帰りしていて地震に遭い、将君がタンスの下敷きになって亡くなった。その後、夫の転勤で関西に戻り、五年の命日に合わせてHPを開設した。

 秋田県の小学校の教諭(38)が昨年十月、道徳の授業で取り上げた。震災の年に生まれた三年生に命について考えてもらおうとの考えだった。児童たちは自発的に「将君のために千羽鶴を折ろう」と声を上げた。夫(40)も秋田県のの小学校でHPを紹介しており、一家四人で届けることになった。

 たかいさんは「心のこもった千羽鶴はとても重く感じる。将の仏壇に飾ります」と話した。

(小西博美)