大震災で子供を失った母親へ千羽鶴/秋田県小学校児童

阪神大震災で犠牲になったわが子への思いをつづった母親のホームページ(HP)を道徳の教材に、命の大切さを学んだ秋田県の小学校の3年生児童34人が、被災者への鎮魂の気持ちを込めて千羽鶴を折り上げた。震災から丸9年の17日、神戸市で行われる追悼集会で、母親に手渡される。

 教材となったのは、長男失ったたかいさん(42)=兵庫県=が開設したHP。たかいさんは夫(41)、当時1歳半のしょうちゃんと双子のゆうちゃんの4人で山口県に住んでいた。しかし、夫が大阪市内で開かれる知人の結婚式出席のため、一家でたかいさんの実家に滞在していて被災。しょうちゃんはたんすや崩れ落ちた屋根の下敷きになった。

 たかいさんがHPを立ち上げたのは震災から丸5年が経過した12年1月17日。被災前の生活や、倒壊した家屋の中からしょうちゃんの遺体が発見されたときの様子、避難先での生活や葬儀の模様などを写真とともにつづっている。

 教員仲間の話でHPの存在を知った担任の教諭が、児童が命の大切さを考えるきっかけになればと思い、先月、道徳の教材として用いた。

 児童らは命の尊さを知ることができた感謝の意も込め、先月中旬から千羽鶴を折り始めた。上級生の協力も得て今月14日に完成。15日には千羽鶴に添える記念写真とビデオレターの撮影を行った。

教諭には、大館市の小学校の4年生児童30人からも、しょうちゃんあての寄せ書きも託された。

のHPアドレスは、http://www.ne.jp/asahi/sho/yu/