体験レポート

A.H さん 男性 64歳


腰痛で東洋医学に興味

小生が、鍼灸マッサージをお願いしたのは、5 - 6 年の間、厄介な腰痛を抱えていたからです。 病院にも通いましたが、適切な治療法がないということでした。 それで、福富鍼灸師にお願いすることにしました。

小生は、長年医薬品会社に勤務した経験から、近代医学は、手術、投薬、栄養補給、臓器の移植や置換、以外に治療法はないと理解しております。 また、個別の患者に対して医師が適切に投薬するというのも実は非常に難しいことであると考えております。 というのも、医師は、主として各種の痛みに対して、手術以外では薬の力に頼るしか方策を持っていません。 医薬品は、全てが主症状に対する軽減効果しか有しないように、且つ、重篤な副作用を避けるべく、研究・開発・製造されています。 それでも間接的で軽微な副作用については依然問題を抱えたままです。

更に、近代薬は「毒を以って毒を制す」がその基本的な考えです。言い換えると、本来生体が必要としない化学的化合物により一時的に生体内の代謝回路を無理やり変更させることにより、正常機能を取り戻そうというのが全ての現代医薬品の基本概念です。

その点、何億年も掛けて進化してきた人体の生体機能とその機序は複雑怪奇で、とても人間が最低数万は常時働いていると言われる遺伝子、それらの遺伝子が単独・複数で作り出す蛋白質とそれらの相互作用関係の全てを解明するには未だ数百年以上もかかると思われます。 また、最近では、働かないと考えられていた遺伝子も必要な時にはスイッチが入り、働くという研究成果も発表されています。近代西洋医学にも限界があると言えるでしょう。

一方、近代医学にも、鍼・灸を取り入れた治療法があります。 それは、20数年前より使用され始めたレーザー・アーキパンクツュアーと呼ばれる医療機器で低出力のレーザー光(半導体やHe-Neレーザー光)を微量熱源刺激として身体のツボに当てて痛みを治療する最近用いられている方法です。欧米でも盛んに東洋医学の知恵と言える漢方薬や鍼灸の利点を取り込みが2-30年前より始められてきています。 その意味で、我々人類を含むすべての生体の 「正常機序維持機能」 を昂進するのが鍼・灸・指圧・按摩ではないかとつくづく感じるようになりました。 これが、鍼・灸・按摩治療を開始した理由です。


症状

小生の症状は、次の通りでした。

6年以上前になりますが、原因不明の五十肩を発症(当初は大した痛みではなく、7月頃になって全く腕が挙がらなくなり、運転にも支障が出て、肩に何かが触れると激痛が走り、息も出来ず立っても居られないほどの激痛を感じた)。 病院で五十肩の治療を受けたのですが、何ら改善しませんでしたので、病院による治療を諦めました。

五十肩と殆ど同時に腰痛が発生し、知り合いの紹介で、カイロプラクティックによる治療を受けました。レントゲンでも不明であった腰痛の原因が、背骨の第4腰椎の上の椎間板のずれにあることが判り、そのずれを元通りに戻して貰うと、嘘のように五十肩の症状が消え、日増しに肩の痛みも改善、1ヶ月ほどで、ある程度腕の挙がりや回転できるようにまで回復しました。 2ヶ月ほどで、それ以上の改善もなく、施術よりも 「高額の品物を売り付ける」というカイロ師の営業方法が気に入らなかったので、その後当該カイロ師による施術は中止しました。 五十肩はほぼ解消したのですが、腰痛が残り (随意筋における痛みではなく、不随意筋における痛み)、体を左右に捻ったり腰を屈めると、腰 (骨盤の内側と背骨の下方から骨盤にかけての筋肉) に鈍痛を感じ、椅子に座るのも、背筋を伸ばして座らないと長時間座っていられないような状況でした。 この腰痛に対しては、医師でも症状が理解できず、対処法がありませんでした。 首筋の張りや肩凝りもあり、これらは椎間板の後遺症と自分では推定していました。

小生は、それ以外に、発症後 10年目に入る糖尿病 (II 型) を抱えておりましたが、医師による投薬を断り、10ヶ月位の禁酒と摂食療法のみで全ての症状は消滅し、血液検査の指標値は、正常値の上限まで下げることができました。 しかしその後また徐々に悪化し、施術前には各種の症状が出てくるようになっていたのです。 発症時には、その指標である HbA1c の検査値は 11.8 まであり、糖尿病で現れる10項目程の症状全てを経験していました。(投薬治療を断り、摂食による治療を決心した理由は、医薬品による体内代謝経路の変更とその変更への代謝対応を避けるためでした。)摂食後、上記の筋肉の痛みを除いて殆どの症状は消えていたのですが、2008年の2 - 3月頃、特に困ったのが糖尿病性の痺れ (目覚めた時の腕の痺れ) の頻度の増加、神経過敏による痛みでした。 腰筋痛、背筋痛、首と肩の筋の痛み (いずれも不随意筋における) は継続しており、これが早期の治療を必要とする大きな理由でした。


施術の経緯と結果

偶然、福富師が鍼・灸・按摩師の三免許を取得されたことを聞き、お願いしました処、快くお引き受け下さり、2008年5月8日より毎週自宅にてリラクゼーション、指圧、マッサージ、灸による施術を受け始めました。 鍼の必要はないとのことでした。 施術と予後の経過は次のようです。 糖尿病に良いと言うお灸も同時に受け始めました。 継続した効果を期待するために基本的に毎週施術を受けることが必要と考えました。

以下にその結果を纏めています。 糖尿病の血液検査は毎月受けた結果です。

  • 5/8 首筋の張りと痛みが取れる。 肩の凝りが軽くなる。
  • 5/17 畑仕事で痛めた右手親指の筋肉痛が取れ、腰の筋肉痛がかなり和らぐ。 糖尿病の HbA1c 数値 (7.0 → 6.8、2/20 と 5/9 の測定値) が下がる。
  • 5/24 左足指の痛みが徐々に軽減し、体湿疹が減衰し始める。
  • 5/31 左足指の痛みが徐々に軽減し、体湿疹が減衰し始める。 腰痛軽減。
  • 6/6 肩の凝りが再発していたのが、軽くなる。
  • 6/14 左足指の痛みが更に軽減し、上部神経の刺激では感じなくなる。 体湿疹が殆ど消失。 糖尿病の HbA1c 数値 (6.80 → 6.4、5/9 と 6/10 の測定値) が下がる。 コレステロール値は (268 → 251、5/9 と 6/10 の測定値、基準値は 220 以下)
  • 6/21 左足指の痛み、その後感じる回数が少なくなる。 腰痛軽減。(6/21 仕事の都合で施術を中止。)
  • 7/4 左足指の痛み、その後感じる回数が少なくなる。 腰痛消滅に気が付く。
  • 7/11 左足指の痛み変化なし。 HbA1c 数値 (6.4 → 6.2、6/10 と 7/12 の測定値)及び血中コレステロール値も更に下がるが未だ基準目標値 (5.7%) を上回っている。 (現在の医学上の HbA1c 数値の基準値は 7.0% 未満)
  • 7/18 左足指の痛み、その後感じる回数が更に減少。
  • 7/24 左足指の痛み消失を施術の日に気づいた。 腰痛も全く消滅。 再発なし。 就寝中の腕の痺れも此処 2 ヶ月ほど気付かず。 本日で、糖尿病を除く右手親指の痛み、左足親指に至る神経の痛み、首の凝り、肩の凝り、糖尿病性湿疹、しつこい腰痛の全てが消滅。 福富師に感謝、感謝。 今後は、糖尿病の治療に専念。 (7/31 は都合で施術を中止)
  • 8/7 糖尿病性の湿疹が再度現れる。 (8/14 は、お盆の為施術中止)
  • 8/21 湿疹に関しては多少改善。 畑仕事 (畝の耕作) による腰痛再発も施術後消滅。 糖尿病の HbA1c 数値はお盆期間の高カロリー食により多少悪化 (6.2 → 6.4、7/12 と 8/18 の測定値)、 血中コレステロール値は基準値内 (219 以下) に入った。これはリラクゼーション・マッサージのお陰?
  • 8/28 殆ど、体の不都合な点は解消した。 今後は、糖尿病の治癒を目標。
  • 9/4 いつも通りの施術を受ける。
  • 9/18 この日は、肩凝りがあったので、お願いし施術後は全て見事に肩こりが解消した。糖尿病の為の灸を受け取り、翌日より毎日指定の場所に灸を行うことになった。
  • 9/19 朝、月一度の血液検査を受ける。夜、自宅でのお灸を指示通り開始。それと同時に教えて貰った手足の糖尿病の治療になる、膵臓刺激箇所を同じく開始。

体験を通して感じたこと

最後に、患者としての経験から言えることは、次のようなことです。

  1. 身体上の問題点、改善点、不改善点は、気づいた時に記載し、鍼灸師に施術を受ける都度出来るだけ詳しく(痛みの箇所、痛みの程度、何時からの痛みか、思い当たる痛みの原因、どのような時に痛みが和らぎ又増すか、従来の治療経歴と経過、投薬履歴など)施術前に説明する。これは、重要だと考えています。 痛む身体の箇所が同じでも、その原因、程度や感じ方により同じ治療法で治癒すると言う事はないと思います。 施術の適正な変更や追加を受ける為です。

  2. 次回の術前には、どのように、どの程度、改善した点、改善していない点、新たに痛みを感じる点、その原因等を鍼灸・按摩師の方に詳しく率直に話し、その時の施術箇所の変更・追加・削除などがそれらの説明により行われないと、どんな優秀な鍼灸・按摩師の先生でも適切な治療は難しいものです。自分の体は自分が一番良く知っているわけですし、鍼灸師の先生はその説明により最適の施術を決定されるわけですから。

  3. 施術については、経済的な問題もあり、その点を考慮して施術回数を決定する訳ですが、福富師と相談されることをお勧めします。 仮に、多少施術料が高くても、近代医学では、治せないものを、意外と簡単な手法ですが、歴史的に発展してきた鍼・灸・指圧・按摩という経験則により治すのが、鍼・灸・指圧・按摩であると実感しました。

  4. 福富師の施術を受けて、身体の健康状態が見違えるように改善され、今では腰筋、肩筋、背筋、首筋の全ての痛みや凝りが解消され、大変良かったと喜んでいます。

  5. 9月18日以降は糖尿病の治療をお願いしており、今後はそれに専念する考えです。 福富師には、各種の身体上の問題点の解決をして頂き、篤く感謝致しております。 糖尿病の治療については、今後とも、師と相談をして、必要とお互いに考える期間、継続する予定です。 糖尿病の灸による治療の結果は、普段の食生活及びその他の節制にも大きく関係があり、灸だけでは、完治しないと師にも言われておりますので、今後とも節制しながら治療の経過を見て行きたいと考えています。

以上、長くなりましたが、経験談の一つとしてご参考になれば幸いです。