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サムイ島滞在記1

 7/11

 サムイ島は、熱帯なので名前とは違って寒くはない(どう? ゾクゾクする書き出しでしょ。このギャグを言うためだけにこの島を選んだと言っても過言ではない)。
 バンコクから、キャンセル待ち2便目で乗ったバンコク・エアーのプロペラ機で80分。プロペラ機に乗ったのは28年振りだ。

 この島は、70年代にヒッピーのたまり場となり(麻薬が入手しやすいらしい)、その後ドイツ人が開発した。プラトーンなど、数々のベトナム戦争映画のロケ地でもある。客は7割がドイツ人、2割がイタリア人、残りがヨーロッパ人や東洋人である。空港ができたのは89年で、その前はマレー半島のスラタニから、フェリーで渡るしかなかったようだ。再来年には滑走路が延長されて737(!)が就航するらしいということで、ジャンボで日本から直行できるプーケットとはえらい違いである。
 空港について驚いたのは、空港のターミナルの建物に壁がないこと。 総じてこの地方の民家には、壁という概念がない。

 空港の案内所で、荷物を待つ間に速攻でバンガローを手配する。一泊2500Bである。これが、バンガローのブロシュワーを見ると、ビーチ・フロントのバンガローは3700Bと記載されているから、現地の旅行業者で手配した方が圧倒的に安い。

 ミニバス100Bに乗り合わせてバンガローに向かう。この島にいくつかあるビーチの中でもっとも繁華なチャウエンというビーチである。繁華街には一通りのモノがそろっているように見受けられるが、なにせ道が悪い。メインストリートのくせに、ついに途中からは泥道になった。2年前からこのまま放置されているのだそうだ。

 バンガローは5kmも続くこのビーチの南端に位置する。ここに大きな磯があって、ビーチが切れているので、そこから先のビーチはさながらこのバンガローのプライベート・ビーチといった趣のある好立地だ。ホテルのレセプションでチェック・インして、敷地の中を流れる川をまたぐ吊り橋を渡って、バンガローに案内される。波打ち際まで10メートルである。

 こぎれいな部屋で、なによりバスがきれいなのがうれしい。床はタイル張りで、快適に過ごすことができる。
 バンガローには幅の広いテラスが必ず付属しており、ここで過ごすこともできる。テラスには大きな日よけがあるが、それよりも前にある椰子や広葉樹の植栽によって、日差しは完全に遮られることになる。ヤモリのたぐいはいるが、蚊はあまりいない。

バンガローのフロント裏の中庭バンガローのフロント裏の中庭。なんだか、モノを考えるのが馬鹿馬鹿しくなる。

 荷物をおいて、買い物に町に出る。途中ホテルの前にプレハブの観光案内所があり、このホテルの客を相手に、党内や島巡りのツアーの斡旋をやっている。ここのねえちゃんにどこで何を売っているのか根ほり葉ほり聞く。

 敷地から外に出ようとすると、2,3台たむろしているソウテンのにいちゃんが声をかけてくるが、ぼるので相手にはしない方がよい。流しのソウテンをつかまえる。このソウテンというのは、いすゞ製の軽トラックの荷台に人を乗せる乗り物であり、現地人はこれを「タクシー」と称している。とうぜん乗り心地がよかろうはずはない。日本だと完全に道交法違反という代物である。そもそもこの島には乗用車は存在しない。総ての車両が旅客用である。ホンダ、スズキの看板もやたら目に付く。

 ソウテンに乗る前には、必ず値引き交渉の儀式をしなければならない。値段は、昼間は長距離を走ってもせいぜい30Bだが、夜は言い値になる。乗せる人数によっても値段が変わる。それを値切り倒すのである。
 だいたい、この島の連中は観光客からいかに金を取るかしか考えていない。この国では、飯の代金は、そのテーブルの一番金持ちが払うことが当然とされているくらいなので、金持ちから金を取るのは当たり前のことのようだ。とにかく100Bと言うのを50Bに値切って町に行き、衣類と飲み物を中心に買い物をする。

 またソウテンに乗って帰ってきて、例の旅行業者のねえちゃんに島巡りツアーを申し込み、バンガロー付属のレストランでルームサービスを頼んで部屋に戻ってくる。シャワーを浴びていたら、超速攻でルームサービスがやってきた。あまりに早い。
  実は、コーンスープとビエンナ・シュニッツェルとビールを頼んだのだが、後述するが実は驚くべきことにこの島ではどこでも世界中の料理を食べることができるのである(日本食は専門店でないとないが)。しかも、これで800円くらいしかしないのだ。

 松韻と波の音しか聞こえない。こんな快適なところでのんびりできるとは、まさに天国である。

 7/12

 今日はゆっくり浜辺で過ごすことにする。昨日露店で買い叩いたニセモノのNIKEのサンダルと、やはり露店で買い叩いたTシャツを着て、あやしい華僑系観光客の出来上がりである。ホテルのレストランで朝飯を食べて、バンガローのテラスで本を広げ、パソコンを叩く。ずいぶんはかどる気がする。

テラスから浜辺を見る。蚊もハエもいない天国。テラスから浜辺を見る。蚊もハエもいない天国。

 となりのバンガローにドイツ人夫婦がやってきた。どやどやと荷物をおいて、しばらくしたら、水着に着替えて出てきた。そして、ビーチへ行って、二人してビーチチェアに座って水平線の彼方を眺めている。一日中これをやっているのである。みんなして、そうである。ワタシにはできない芸当だ。

 テラスに原色の小鳥がやってきた。ポテトチップスをやると、私の手から食べる。食べ飽きると、一言"ギャア"と鳴いて飛び去る。この島は、犬も鳥も人に馴れている。人と動物の距離が近いような気がする。
 昼飯は、あやしい浜茶屋のおやじにとうもろこしを焼いて持ってきてもらう。そのほか果物を若干購入。食べながら本を読む。うまい。

 この日はやや天気が悪かった。夕方スコールが降ったので部屋に引きこもる。インターネットに接続。NYからメールが来ている、便利。なんとサイトウ・キネン・オーケストラのオペラ公演の誘いをいただく。プラチナ・チケットなのだが、ここでは即答できない!

 やや午睡して、8時、飯を食おうと町に出る。道がひどい。道だか川だかわからない。途中で通行止めになっているので、バンガローとの往還はずいぶん遠回りしなければならないのだ。喜ぶのはソウテンのオヤジだけである。ドイツのおとっつあんたちよ、なぜアウトバーンの精神をこいつらに教えない。  

 さあて、今日はどの店にしようかな。たいそう立派な現地家屋風のレストランも多い。店の前に鮮魚のワゴンが置いてあり、グリルにしてくれるらしいのだが、タイ風の味付けはしないというのであきらめる。なぜここまできて西洋料理を食わなければならない。ロイヤル・タイ・キュイジーヌという店に入ってみる。テラスにいたら、小雨が降ってきた。店の中に入れてくれる。カレーを2品頼む。うまい。
  店を出て、今度はタイ式マッサージの店に入る。オカマバーの隣であるが、比較的ほかに比べて清潔そうな気がする。若い子が1時間やってくれたが、まあさしてうまくはない。
 ホテルの前にムエタイの試合のビラが貼ってあった。ソウテンを拾って「ボクシング・スタジアムに行け」、100B。

 10時、ゴトゴト走って、田舎の護国神社にある相撲場よりもみずぼらしいスタジアムに着いた。500B払って中に入る。300人ほどいる客のほとんどが白人である。

  ちょうど8試合のうちの2試合目が終わったところだった。選手の近くに行くと、香油を塗っているのかハッカ性の匂いがする。次の選手がリングにあがった。見ていると、まずおもむろに勝利の祈りを始める。二人してロープに手をかけてリングを一周した後、一人がリングの中央でひざまずいて祈りを捧げ、もう一人がそいつの周りを踊りながらぐるぐる回るのである。タイの寺院建築の構造から考えて、リングの四角は彼らの宇宙観と符合するものがあるに違いない。

 試合は3分間5ラウンド。試合が始まると、スピーカーからやかましく音楽が流れるが、これは生演奏で、リングサイドに陣取ったおっさん三人組が、チャルメラ、ボンゴ、鉦で演奏しているのである。いつのまにか現地人の観客が増えてきて、通路に固まってキックが決まるたびに"オウッ、オウッ"と声を上げている。その中を忙しくダフ屋のおっさんが回って賭けをやっている。
 前座は大したことないなと思っていたが、トリに近づくにつれてキックのキレも鋭くなり、試合は白熱してきた。どうやらパンチよりもキックの方が効きそうだ。

 一番最後に、イタリアからやってきたという黒人ボクサーとムエタイの選手の試合があった。後ろに座っていたイタリア人観光客が、ウイスキーのダブルのオン・ザ・ロックを賭けていたが、下馬評ではどう見ても強そうな黒人の優勢である。
  ところが試合が始まってみると、第1ラウンド終了直前に黒人は顔面にキックを受けてダウンを食らってしまい、第2ラウンドでは集中的に足を攻められて、やはり終了直前にダウンしてしまった。そして第3ラウンド開始と同時に降参してしまった。ムエタイ強し。金曜日にはオランダ人とムエタイのスペシャルマッチがあると、スタジアムを後にする客の背中にアナウンスが追いすがっていた。さらに来週の月曜日にはカメルーンの選手が来るというチラシが町中に張られていた。勝手にしろっ。

 試合が終わると12時過ぎ。今日は遊んでいられないのでとっとと帰る。


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