「とりあえず38度線を見に行こう」ということで、DMZ=(De Militarized Zone・非武装地帯)バスツアーに参加しました。バスツアーでなければ、韓国の人でも非武装地帯に入ることはできないそうです。非武装地帯沿いには金網が張り巡らされ約100mおきくらいにこのような監視小屋が建っています。11月27日にはこうした監視小屋のひとつに、北朝鮮側からDMZに持ち込みが禁止されている口径7.62mm機関銃が照準射撃で打ち込まれたそうです。
川を挟んだ北朝鮮側を見ると高層ビルが並んだ大きな町が見えるのですが、それらの街は張ぼてで作ってある町で、毎日同じ時間に電気がつき同じ時間に電気が消えるそうです。宣伝都市というわけです。
38度線を貫通する鉄道の建設は、これまで中断していましたが、南北首脳会談の実現により建設が再開されて工事が進んでいました。しかし38度線をまたぐ交通路を作るということは、侵略の危険性を増すことにもつながります。ここからソウルまでは車で1時間の距離です。国道にはこのように万一北朝鮮からの侵略があった場合には道を遮断してしまう装置が備えつけられていました。これと全く同じものがソウルの漢江沿いの国道にも見られます。
これは非武装地帯の中にある、北朝鮮側を見渡すことができる巨大展望台です。中は大学の階段教室のようになっていて、300人は座れるでしょう。ガラス越しに北朝鮮側を見ることができるのです。隣にいるのはバスに乗っている英語通訳のお姉さん。
非武装地帯の中は基本的に撮影が禁止されていて、この展望台でも北朝鮮の方を撮影することは固く禁止されています。なんせ戦争中なので文句は言えません。展望台に行くまでの道沿いには有刺鉄線が張られていて、それを乗り越えると地雷が敷設してあります。非武装地帯の中には平和の村という農村があり、数百人の住民が住んでいます。彼らは税金を免除されているとか。それから韓国の最精鋭である第1師団が駐留しているのと、在韓米軍のキャンプがあります。