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ニュージーランド政府への抗議文 2

3. なぜ我々を観光バスツアーの客とするのか

 12日午前7時30分、ホテル前から我々が乗り込んだバスには、なぜか日本人観光客4人と外国人の老婆が乗っていた。乗り込もうとした当誌のカメラマン はバスを間違えたと考え、思わず降りようとした。私の方は政府観光局の人の人数が増えたんだなと思いこんでおり、事情を理解するのにかなりの時間 を要したのだが、要するにわれわれは定期観光バスの客となったのである。

 前代未聞のことと言えよう。

 私が怒る理由をこれ以上説明しなければならないのだろうか。ワープロを 打つ手の力も萎える。

 屈辱的なことである。ニュージーランド政府は日本のジャーナリストを一 体なんだと思っているのか。

 結局このバスは窓もはめ殺しで撮影すらできない。いちいち撮影のために ストップさせていたら、他の客に迷惑がかかってしまう。結局我々全員は、ガタゴト揺れるバスの中で寝貯めをすることになった。このときばかりは、 ほんとに何を言う気にもならなかった。

 なんせ、バスが見渡す限り何もない海岸に着いた時点で、どこからともなく2頭の馬に乗った人々が現れ、カメラのファインダーに収まってくれた後、 いずこへともなく走り去るのである。そのうちの女性の方は、なんと都合のいいことにオールブラックスの有名な選手の奥さんだという。

 同時に仕掛けも付いていなければ餌も付いてない投げ釣りの太公望が現れて、盛んに我々に投げてみろと勧めるのである。私が釣りに出かけたら絶対、観光客に道具なんか渡さないね。釣りがめちゃくちゃになってしまう。 これをわれわれに報道しろというのか。いい加減にして欲しい。

 しかし、羊の牧場を通過したとき、さすがに一人のカメラマンが「羊を撮 るために停車して欲しい」とNZTBの担当者に要請した。ところが、彼女は一 体誰に遠慮したのか「明日にして欲しい」とにべもなく断りかけた。カメラマンは「今天気がいいから撮りたいんだ」と粘って、やっと撮影の機会を確 保することができた。これだけ天気に泣かされているのだから、彼の心情を即座に推し量ることができなければ、どうかしているとしか思えない。

 私にとっても、寸刻を争う仕事の時間を割いて、日本から雲煙遥かなニュ ージーランドまではるばる取材に出かけたところが乗合観光バスに乗せられ、みやげ物屋を引き回されたというのは、生涯忘れることのできない屈辱的な痛恨事となった。

 

4. なぜ我々に酒代を割り勘にさせるのか

 酒に対する捉え方は、各国様々である。ニュージーランドでは、酒販に対する規制が非常に厳しいということも理解している。

 しかし、少なくとも政府の招きで日本からやってきた我々が、いちいち酒代を割り勘にして小口の領主書を切ってもらうという煩わしい作業を要求されるに至っては、日本からニュージーランドへ行く観光客にもよほどの覚悟 が必要であろうと注意を呼びかけざるを得ない。

 だいたい我々は、日本ではそうした煩瑣な作業には親しんでいない。いくら郷に入れば郷に従えとはいっても、自分の行動様式からはみ出したことを するにはかなりの違和感を覚え抵抗を感じざるをえない。私はこの点に関しては残念ながらKIWI STYLEに馴染まない。

 結局私はその煩わしさに耐えかねて、NZTBから「今日は割り勘」宣言をされた11日の夕食では、「みなさん、今晩はプレジデント社の奢りですから、 ワインを幾らでも飲んでください」と、疲労しているにも関わらず努めて明るい声で言わなければならなかった。しかし、ジャーナリストは自立自尊の精神に富んでいるので、同じ立場にある他社の人間に振舞酒をされるというのを潔しとはしないものである。結局夕食の雰囲気はどんよりと雲が低く垂 れ下がった毎日の天気のように暗いままで、私は35ドルを負担した。

 もしこの35ドルを私が負担するのでなければ、少なくともこの場の雰囲気だけはもう少し明るいものになったかも知れない。しかしそれは私の責任ではない。

 

5. なぜドレスコードのないカフェテリアでネクタイを締めて食卓につかなければならないのか

 最終日13日の夕食は、日本での説明では「カジノの3階にあるレストランはドレスコードがあるので、ジャケットとネクタイを持参してください」との説明だったので、全員がこのときのためだけに持参することとなった。重い荷物を担ぐカメラマンには、更なる負担が加わったわけである。また着替えと、宿泊先のハーバーシティ・ホテルのマネージャーとの会見のため、この日の午後のなけなしの取材時間が削減された。私はこうした不合理には馴れていないため、マネージャーとの会見は失礼して取材にあてさせていただい た。

 さてカジノに着いてみると、確かに3階のカジノに入るにはネクタイジャケ ット着用のチェックがあったが、カジノの中を一周した後、食事の場所に入るには全くのノーチェックである。店内を見渡してみると、ジャンバー姿で食事をしているおじさんもいる。テーブルにはテーブルカバーも掛けられて おらず、食器類はテーブルに直に置かれている。

 はてさてこれをどう捉えればいいのだろうか。よもやとは思うが、カジノの3階部分を見せたいがためにNZTBがネクタイジャケット着用を要求したとするならば、これは不誠実きわまりない事である。もはや詐術であり、われわれを愚弄しているに等しいであろう。

 やがて食事が運ばれてきた。私は、残念ながらここの食事にだけは手を付けることができなかった。スープはいただいたが「メインディッシュ」のリングイネは、これはもう人間の食べるものではないと言えよう。

 ただし、私はニュージーランド人は味覚が日本人に遥かに劣るのだといった誤解はしていないのでご安心いただきたい。我々がこの旅の最中に提供を受けていたのは、いわゆる団体観光客向けのツーリストメニューであり、それが証拠に他のテーブルを見渡してみても我々と同じ料理を食べている人を見つけることはできなかった。推測するに、おそらく我々が訪れたこれらのレストランでも価値のある食事が提供されているのである。しかし、もしオ ークランドを訪れる予定の友人に「カーマデックでは何を食べればいい?」と聞かれた場合、私は返答に窮することだろう。

 夕食の提供は常に午後7時30分を超え(9日の場合、午後8時30分を回ってい た)、また、たとえば13日の昼飯にはコーヒーもついておらず、提供を受けた 2.5ドル(約200円)の食事を水で嚥下した後、オレンジジュースを自費で買ったら3ドルしたため、食事本体よりもこちらの方が高いということになってしま った。

 

 当地は現在、蛎のシーズンであると聞いている。また、ニュージーランド の名物であるラム、あるいはフォゲットも美味と聞く。これらはNZTBのアレンジしたテーブルではありつくことができなかった。唯一、ディナー・クル ーズで蛎が出ていたが、これは日本人団体観光客にあっという間に奪い去ら れ、あるカメラマンなどは結局一口も口にすることができなかったのである。しかもそこに盛られていたのは日本と同じ種類の蛎のみであり、当地で好まれているブラフ・オイスターは陰も形も見出すことができなかった。

 私は9日、13日の2晩にわたり、夕食の後ハーバービルの1階にあるCin Cin On Quayに行き、蛎や肉料理を堪能した。フリーランサーの3人と行った夜は 私が費用を負担せざるを得なかった。しかし、この店の料理は誠に美味であり、ニュージーランダーも我々と同様の味覚を所有していることを確認する ことができた。また10日の昼飯は、ダウンタウンのTONNY`Sですばらしい羊料理を堪能しいい思い出になった。

 しかし、日本人が観光でニュージーランドを訪れた場合、こうした料理には容易にありつくことができないのではないか、それではニュージーランド の印象は非常にPOORなものになってしまうという危惧を抱かざるを得なかった。……というよりも、実感した。


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