おもしろかった「経済教室」2003


今年の日経新聞の経済教室の中でおもしろかったものを、個人的な趣味でいくつかピックアップしておきたいと思います。
 当たり前のことをきちんと実証したり指摘している論文が、総じて点数が高いような気がします。

製造業に範囲の不経済 
脱総合化と限らず 事業領域見極める経営を
百嶋徹 ニッセイ基礎研究所  11月4日


 昨今の海外の有力企業を参考にした分析では、「個々の日本企業が標榜した総合型企業やらユニバーサルバンキングというのが競争力を失い、特化型の企業が優位性を持っている」という論調がありますが、それに対して一石を投じる視点として非常におもしろいと思います。

日本経済にとっていま重要なのは製造業全体の収益底上げだ。
供給過剰のため市場支配力が弱いことと、需要増に合わせた先行投資が十分に行われず、競争力のある設備への更新が進まない

これらの問題の根底には、投資行動や価格決定における長期ビジョンを欠く横並び戦略がある

問題の本質は不明確な経営ビジョンの下で製造業が、「範囲の不経済」に陥っていることにある。
複数の事業の運営は、「総合化」が行き過ぎると不経済となる。

サムスン電子は世界首位の半導体メモリーと液晶以外の事業でも世界市場を狙える製品群へ絞り込み、高シェア戦略を徹底している。一方、IBMは半導体、サーバーから情報サービスまでを手がけ、製造業とサービス産業の融合に成功している。これは経営力次第で「範囲の経済」を享受できることを示している。

そのためには経営トップが事業範囲を絞り込むことが重要だ。

あくまで経営トップが各事業の特性に応じた的確な戦略コンセプトを構築・実行できるのかが問われるべき

収益性はビジネスモデル力で決まるのではない
設備投資や開発費用を十分に投下できたかどうかの違いで収益格差が生じていると理解するべきである

 まことにごもっともと思います。要するに、過去からのしがらみでずるずるべったりの事業運営をするのでなく、状況を読んでそこにきちんと自社を適応させるという、まともな経営をしたら会社は儲かるはずだということですよね。

劣化進む日本の企業組織
分権が「内向き」招く トップは権力の再配分を
沼上幹 一橋大学教授  8月1日

 日本企業の組織の劣化、組織が重くなっている原因は何かということについての論考です。

「組織の重さ」は、一人ひとりの自主性を重んじる分権的な組織において、ミドルたちが自分に期待されている自主性を発揮し、直面するタスク(仕事)に適応しようと善意の努力を積み重ねてきた結果として成立してきたものである可能性が高い。

 分権的組織では個人やチームの自主性が重んじられており、各チームが誤った自主性を発揮するところから間違いが起こってくるという指摘のようです。

ミドルが自分の直面する仕事の要求に合わせて社内の基本ルールから逃れる「抜け道」を探り始めたところが組織を重くする第一歩かもしれない。

ミドルたちはその場その場の仕事をうまく遂行しようとして、基本ルールを維持したままの抜け道を探り、例外を進めるための細則を考案していく

 「本質的な問題」に立ち向かおうとせず、姑息な手段で切り抜けようとすることがそもそものまちがいの元であるということです。
 このあたりは、官僚の行動そのもので、組織が官僚化している場合には顕著に現れることでしょうね。

しかも、異なるルールに従う人々は互いに相手を「奇妙な人種」と見るようになり、感情的にも調整作業がますます面倒になる。
ローカルルールが、組織全体としての調整を困難にし、互いに協力しあって仕事を進めるにはあまりにも「重い組織」が出来上がる。

市場で競争相手に勝つことよりも、自社内の調整に目を向ける人々が増えてくる。
駆け引きも高度化し、内向きの人々が互いに合意形成するプロセスがさらに複雑化していく。

 これも、霞ヶ関でやっていることそのままですね。

 そこで、どうすればいいのかという対処方法ですが、まず
広く分権化を進めるような組織改革は本来なすべき改革とは逆方向である可能性が高い
会社全体として外向きに戦うのに適した形へと権力を配分し直すことであろう

 と指摘しています。必要なのはリーダーシップですね。そしてもう1点、

当たり前のことを当たり前に考える経営リテラシー(知識)が重要なのである。
日本には、社内人間関係などの配慮にはうるさいが、企業間競争のやり方や組織設計の方法などについてまともに議論していない企業が驚くほど多い。

 と、これまた当たり前のことを指摘しています。当たり前すぎて、何もコメントできないのですけれど、まったくもって重要な指摘だと思います。

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