国家主権の危機.1 キティホーク(先月撮影)
アメリカ合衆国が、世界の為政者たちに呼びかけて、アフガニスタンのテロ勢力に制裁を加えようとしている今日、日本が行動を決定するにあたって、意識しなければならないものはいったい何でしょうか。 われわれは、 こう考えたときに、われわれが行動を決定するにあたって、唯一守るべき目標は何か、それは「日本の国家主権」ではないかと思います。 今日の状況は、湾岸戦争の時とは全く異なります。 アメリカは、今後は日本など外国に対する軍事協力を求める場合に、この枠組みを多用することになるでしょう。その時に、「指揮権はアメリカが握るものの、実質的に戦闘行為を行うのは同盟国」という新しい形の同盟戦争のスタイルをつくる布石が、今回引かれつつあると思います。 特に、日本の海上自衛隊、航空自衛隊に関しては、アメリカ軍との共同訓練にあたって、アメリカ軍の空母機動部隊の一部に組み込まれて作戦行動するという訓練しか行って来ていないそうです。イージス艦が収集した情報は、自動的にアメリカ軍と共有されます。つまり、この情報に基づいてアメリカ軍はミサイルを撃つことがあり得る。このような形での作戦行動を行った場合、これは自動的に集団的自衛権が発動されるのみならず、戦争行為の発動自体が、日本国首相ではなく、アメリカ軍の指揮下によって行われてしまうという、シビリアンコントロールの概念を超えた事態になってしまうわけです。「後方支援」など、絵空事。イージス艦が出航した時点で参戦です。 ここで誤った姿勢をとってしまうと、招来取り返しのつかない事態を招いてしまう危険性があります。
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