国家主権の危機.2
冷戦時代の一国平和主義が通用する時代は、とっくの昔に去っているのに、国内では、平和主義しか唱えることができない左派と、この期に乗じて後先を考えずに軍事行動に踏み切りたいとする右派が跳梁跋扈し、小泉政権は実際上のコントロールをアメリカに委ねているという状況だと思います。 果たして、この3者のどの視点が正しいのか、誤っているのかを判断するためには、その戦略を採ることが目先10年の、あるいは30年後の「日本の国家主権」を保ち続けるのに有効であるかどうかということを評価の基準とすべきではないでしょうか。 「われわれは断固として軍事協力を行う」と世界の先頭を切って堂々と宣言しての多国籍軍参加と、「show the flag」と言われた後に軍事協力を表明するというのでは、まったく効果は違います。われわれは緒戦で負けているのです。 アメリカは大規模空爆をやらないほうが得策です。
アメリカは、この機会に引きこもり政策から転向して、うまく振る舞えばあの地域に橋頭堡を確保し、中国とロシアに対する強力な牽制力を得ることになります。
パキスタンを親米政権にすれば、中国を背後から脅かすことになります。
中国とロシアにとっては最悪のシナリオです。しかし今回は「国連中心」を叫ぶしかない。さらにアメリカは、インドを将来的に非常な脅威と考えています。インドの隣国を手中にするメリットはあまりに大きい。
かつ、イスラム諸国の反発が少なければなお良し。この加減で、軍事作戦の進行は決定されるでしょう。はっきり言うと、ビンラディンの身柄確保の優先順位はその後に来るのかも。 これは、いくつかのシナリオのうちの一つに過ぎません変化する状況に応じて日本が取るべき態度は何かを読んで、先手を打たなければならないのです。
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