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正義は複数存在する。自分に適したルールをデファクトに!
木村 代表取締役名誉相談役 木村 パラダイムは変わってしまったんです。だからそれに合わせて金融機関の頭は変わっているんだけど、身体がついていってない。身体を新しい世界に合わせるためには、自分なりのルール・メイキングを考えるべきでしょう。ところが、自分が助かるために自分のエゴでアイデアを提案しても、誰も受け入れてくれない。しかし、自分の身体の大きさに合わせながらも、世の中が受け入れることができる正しい主張というのは、知恵を絞って考え抜けば必ずあるものなのです。 運営者 今までしかし、よくルール・メイキングをせずにやってこれましたねえ。 木村 ルール・メイキングはすべて行政がやっていましたからね。 運営者 でもそれは、徳川将軍家が、「江戸城の石垣を補修するから人足をよこせ」といきなり理不尽な要求を突きつけてくるような類のものだったわけですよね。 木村 でも、人足を出したとしても「とりあえずお家が安泰であればそれいい」と思ったんでしょう。お家の存続自体は徳川家が保証してくれていたわけだから。 運営者 逆らわなければ、お取り潰しはないということですな。しかしやはりずいぶん封建的な感じがしますね。ずいぶん格好悪いな。「男の仕事ではない」という感じかな。 木村 だから、自ら楽市楽座を開き、天下統一を考えるのがやはり男の仕事でしょう。 運営者 そうかあ、これって楽市楽座なんですね。 木村 金融イノベーション会議で新しいルールを提案していけば、ひょっとすれば天下統一の可能性もあると ―― そう考える金融機関が徹底的にこのNPOを利用してくれればいい。そういう戦略的な思考ができる金融機関であれば、グローバルな競争を戦って行けるような、ほのかな光が見えてくるんじゃないか。少なくとも、いまの世の中の戦いはルール・メイキングの戦いなんです。他人に土俵をつくってもらってそこで戦うというのではなく、土俵を自らに有利なように変えるというのが、競争の本質になろうとしている。 運営者 ネット上での発言者のプレゼンテーションがうまくいくかと、アイディアのコラボレーションがうまくいくかどうかには非常に注目したいと思いますね。 木村 よくお集まりいただけたと思いますよ。本当にみなさん熱心です。 運営者 えっ、すげーっ。本当ですか。それは、なかなか本気ですね。 木村 真剣ですよ、結構。日経金融新聞と、ウォールストリート・ジャーナルに広告まで出してるんですから。 それと、これは竹中平蔵先生からアイディアを頂いたのですが、この会議は5年間限定なんです。組織を維持することが目的ではないので。 運営者 5年以内に金融界は大きな変革をする必要があるわけですか。 木村 やはり、パラダイムが変わったわけで、これから5年ぐらいまでの間になるべく改革をしなければならないと思いますね。お台場のヴィーナスフォートも10年で幕引きするわけだし。今回のNPOは、テーマパーク型シンクタンクなんですよ(笑)。、 運営者 なるほどね。ネットを使って低いコストで、みんなからなるべく広く意見を集めて、それをフィードバックして回転率を上げて、最も早く「知」をつくり出そうとする、シンクタンクをつくろうということなんですね。
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